(1904) スティーヴ・オースティン ザ・ハンティング
【監督】キオニ・ワックスマン
【出演】スティーブ・オースティン、ギル・ベローズ、マリー・アブゲロプロス
【制作】2010年、カナダ
国境警備隊の父親が、娘を人質に取って国境を越えようとする強盗団と闘うアクション映画。元プロレスラーのスティーブ・オースティン主演。
国境警備隊のジム・ローズ(スティーブ・オースティン)は、自分の判断の甘さから相棒(エリック・ロバーツ)を失った過去を持ち、彼からもらった時計を大事にしていた。ある日、娘のキム(マリー・アブゲロプロス)が万引きをしたという電話を保安官から受けたジムは、保安官の事務所に向かう。そこには、強盗団の一味がいた。仲間割れをして高額な有価証券を持ち逃げしたローソン(マイケル・ホーガン)が山に逃げ込んだため、保安官に案内を強要しようとしていたのだ。強盗団のボス格のバンクス(ギル・ベローズ)は、保安官を撃ち殺し、キムを人質にしてジムに道案内をさせる。強盗団5人とジム、キムの7人で山に入る。
強盗団の一人、クラブ(エイドリアン・ホームズ)はキムに欲情し、休憩中に、キムを連れていたドミニカを殴り倒してキムを暴行しようとするが、気づいたジムはドミニカの手足を折る。バンクスは仲間に指示してクラブを射殺させる。ジムは隙を見てキムを逃がそうとするが、銃を持っているバンクスに阻まれる。彼らはついにローソンを発見するが、ローソンは有価証券のバッグを持っていなかった。ドミニカは激怒のあまりローソンを撃ち殺してしまう。キムが川下を探そうと言い、一行が川を下ると、崖下にバッグを発見する。ジムは、自分が取りに行くから娘を逃がせ、と言うが、バンクスはバッグを取ってきてからだ、と言ったため、ジムはロープを使って崖下に降り、バッグを手にする。そのまま崖を登って娘の解放を求めるが、バンクスは逆にバッグを渡さないと娘を殺すと脅し、ジムはバッグを渡す。バッグを渡した途端、ジムはロープを切られ、バンクスに銃撃され、崖下に落下してしまう。バンクスはキムに道案内をさせる。道中で、ギアリー(マイケル・エクランド)とドミニカ(エミリー・ウラアップ)がけんかをはじめ、ギアリーはドミニカの警棒で足を折られてしまい、取り残されてしまう。その頃、崖下から這い上がったジムは、山中につるしてあるバッグからボウガンを調達し、ギアリーを仕留める。次に、バンクスから離れてたばこを吸っていたジェンセン(ゲイリー・ダニエルズ)にタイマンの勝負を挑み、最後は折れた木の枝を腹に突き刺して倒す。残るバンクス、ドミニカ、キムの3人に追いついたジムは、崖上から杭を投げ込み、それを腹に食らったドミニカを殺害。バンクスはキムを盾にしてジムに銃を撃ち、ジムはまたしても崖下に落下する。バンクスはジムを連れてようやくカナダに入ると、小屋にいた男3人を撃ち殺し、バギーと信号弾用のピストルを調達。解放を求めるキムを殴り倒してバギーで逃げる。ようやくキムに追いついたジムは、キムに助けを求めに行かせ、自分はバンクスを追う。バンクスはジムに追いつかれ、格闘になるが、最後はジムがバギーでバンクスに突っ込み、信号弾を打ち込んで大爆発を起こし、バンクスを亡き者にする。ジムとキムはようやく自由を手にするのだった。
映像はそこそこよくできていたが、設定や展開が雑すぎて、やはりB級映画と呼ばざるを得ない作品だった。
つっこみ出すと切りがないが、いくつか挙げてみよう。一番がっかりしたのは、ジムが崖下に降りてバッグを手にするシーン。崖下で「昔は無茶をしていた」みたいな回想シーンに入るので、少なくとも何かバンクスに交渉ごとを持ちかけるか、はたまた、一見従っているように見せかけて、あっと驚くような無茶な大逆転劇をしてみせるのか、と思えば、バッグを取り上げられて崖下に落とされ、娘も殺されかけるという、全くの無策。脳みそ筋にくんと言われても仕方のない展開。さらにその後も、ボウガンやら杭やら大量に持っている割にはジェンセンには格闘で挑んで、しかもけっこう負けそうになるし。さすがにこの時点で「ああこの作品はプロレスと同じショー形式で、リアリティ求めちゃいけないのね」になるわけだが。その後も、崖上から杭を投げ込むという雑な作戦に出て、しかもそれをまともに腹に食らうドミニカ。娘に当たったらどうすんの、という。狙ったんなら、なんでバンクス狙わないの、という。そして、ここから父親の大反撃が始まるのかと思ったら、まさかの二の矢がないという状態。バンクスの銃撃から必死に逃げて、崖下に落っこちちゃうとか。娘の命をなんだと思っているのでしょうか。もうやっていることに作戦がなさすぎて、観ている方が「おいおい・・・」となってしまう。
しかしバンクスは、娘を殺さず引っ張って逃げる。なんでだ、と。自ら先頭を走って行けるんならキム連れて行く必要ないだろ、と。で、やっとカナダの国旗を掲げた小屋にたどりついて、面が割れているキムを殺すのかと思ったら、ここまでさんざん残酷な振る舞いをしていたのに、なぜか気絶させるだけで立ち去るし。そしてラストシーン。最後に「狩りの獲物は必ず仕留める」とか決めぜりふを言うんなら、もっと前に仕留めるチャンスあっただろ、と。娘が「アイツを殺して」というのも何だかな、だし。そしてそもそもローソン。大事なバッグを落とすなよ。落としたぐらいで絶望してんなよ。必死で取りに行けよ。
もうちょっと脚本が練れないものかと思ってしまうのだった。
【5段階評価】2
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