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2019年6月

2019年6月27日 (木)

(1908) しゃべれども しゃべれども

【監督】平山秀幸
【出演】国分太一、香里奈、伊東四朗、森永悠希、松重豊、八千草薫
【制作】2007年、日本

佐藤多佳子の小説の実写映画化作品。二ツ目の落語家が、個性的な三人の生徒を相手に落語を教えることになる。生徒達はどんな成長を見せるだろうか。

古典落語に傾倒する落語家、今昔亭三つ葉(国分太一)は、二ツ目から伸び悩んでいた。師匠の今昔亭小三文(伊東四朗)が話し方教室の講師となり、鞄持ちとして付いていった三つ葉は、講座の途中で席を立った美女、十河五月(香里奈)と知り合いになり、彼女から話し方を教えてほしいと頼まれる。同時に、実家のお茶の教室の生徒、実川郁子(占部房子)から、関西弁でいじめられているおいに落語を教えてほしいと頼まれる。郁子に好意を寄せていた三つ葉は引き受けるのだが、彼女は結婚が決まっていた。やがて元野球選手で口下手な解説者、湯河原太一(松重豊)も生徒となり、三つ葉は二ツ目の落語家の分際で、三人の生徒の先生となる。三つ葉は、古典落語の「まんじゅうこわい」を題材に落語を教え始める。
三つ葉は、ほおずき市に行きたいという五月に付き合うが、三つ葉がほおずきを買ってやろうとするといらないと言い、入った蕎麦屋で、去年も彼氏とほおずき市に来たが振られたという話をして涙する。三つ葉は、五月に内緒でほおずきを買い、五月の働くクリーニング屋に黙ってほおずきを置いていく。五月はほおずきを大事に育て始める。
五月は記憶力はあるものの、放す感情が伴わない。口達者で生意気な小学生、村林優(森永悠希)は、桂枝雀の関西落語に挑戦する。湯河原太一は、努力はするものの、結局居酒屋のバイトに落ち着き、たまに行う解説者では相変わらず口下手のままだったが、うまく話そうという姿勢は見られるようになる。三つ葉は、師匠の十八番の「火焔太鼓」を一門会で披露することにし、特訓を重ねる。師匠からはダメ出しをくらうが、発表会の日、見事に自分の持ち味を出した芸を披露し、喝采を浴びる。師匠も三つ葉の実力を認める。
優はスポーツ万能の同級生、宮田(堀越光貴)との野球勝負に負けるが、落語で笑わせてやろうと考え、発表会を企画する。優は宮田を笑わせることに成功し、五月は、まんじゅうこわいではなく、三つ葉が一生懸命練習していた火焔太鼓を披露する。湯河原はコーチになることが決まる。かくして三つ葉の落語教室は解散となる。
隅田川の船に乗り、感慨にふける三つ葉。そこに五月が現れる。ほおずきをもらった礼を言っていないと言い、そのまま三つ葉に駆け寄る。二人は抱き合う。笑顔を見せるようになった五月に、三つ葉は、うちに来るか、と問いかける。五月はうんと頷くのだった。

ごまかしの効かない落語のシーンを国分太一が熱演しているのがみどころ。下手な状態と客を湧かせる状態の両方を演じているのが面白い。伊東四朗は落語家ではないのに、ふつうに上手なのはさすが。香里奈も森永悠希も、立派に役どころを演じている。こういうのはふつうにプロ根性を感じた。
ちなみに森永悠希は、「ちはやふる」のつくえ君こと駒野勉を演じている。
もう一つ気になったのは、左利きのはずの国分太一が、そばを食べるシーンで箸を右手に持っていた。これもプロ根性だろうか。違うか。

【5段階評価】3

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2019年6月25日 (火)

(1907) 007 サンダーボール作戦

【監督】テレンス・ヤング
【出演】ショーン・コネリー、クローディーヌ・オージェ、アドルフォ・チェリ、ルチアナ・パルッツィ
【制作】1965年、イギリス、アメリカ

イアン・フレミングの小説、007シリーズの映画化作品、第4作。悪の組織スペクターが原子爆弾を入手し、イギリス政府を脅迫。007は世界の危機を救えるのか。はい、救えます。(←ネタバレ)

ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は、仲間二人を殺した男ジャック・ブバール大佐の葬儀を眺めていた。未亡人が車に乗り込むのを見たボンドは、未亡人を追いかける。彼女が自分で車のドアを開けるのを見て、偽物だと気づいたのだ。先回りして大佐の屋敷で待っていたボンドは、死闘の末、ブバールを倒す。ブバールは、悪の組織スペクターのNo.6だった。スペクターの首脳会議で、No.2のエミリオ・ラルゴ(アドルフォ・チェリ)は原子爆弾を奪取し、NATOを脅迫して1億ポンドを手に入れる計画を発表する。計画の準備のため、リッペ伯爵(ガイ・ドールマン)をイギリスの保養所に送り込んでいた。その保養所を訪ねていたボンドは、中国の秘密結社レッド・ドラゴンの入れ墨をしたリッペ伯爵を見かける。秘密結社のことを調べるよう、MI6のマネーペニー(ロイス・マクスウェル)に頼んだボンドは、リッペ伯爵の部屋に忍び込み、室内を物色。すると、隣の部屋から包帯で顔をぐるぐる巻きにした男が現れ、部屋の様子をうかがう。ボンドは見つからないよう部屋を立ち去るが、その後ろ姿を包帯男が見送る。療養室に向かったボンドは、美人の療養師パット(モリー・ピーターズ)に、リッペ伯爵の隣の部屋の宿泊客について尋ねる。パットは交通事故で大けがをしたアンジェロという男だ、と話す。ボンドはそのまま、背骨を矯正するマシンを使用する。体をうつ伏せのまま台の上に固定し、体を前後に揺するという謎の装置で、どう体にいいのか全く不明なのだが、それに揺られていると、リッペ伯爵が現れ、挨拶代わりとばかりに装置の出力を最大にして立ち去る。珍しく「誰か来てくれ」と悲鳴を上げるボンド。気を失ったボンドをパットが介抱し、事なきを得るが、ボンドは謝るパットをスチームバスに連れ込み、パットの体をいただく。療養室を後にしたボンドは、お礼参りとばかりに、リッペ伯爵の入っているサウナ装置の出力を最大にして出られなくして立ち去る。
その夜、ボンドはミンクの毛皮でできたミトンで、ベッドに横たわるパットの背中を優しくなでていた。その頃、NATOのパイロット、ダーバル少佐(ポール・スタンシーノ)が殺され、彼とうり二つに整形したアンジェロ(ポール・スタンシーノ、二役)が少佐に入れ替わる。手引きしたのはリッペ伯爵と、少佐の秘書(ルチアナ・パルッツィ)。アンジェロは報酬は10万ドルでは足りないと言いだし、25万ドルを要求。リッペ伯爵は銃を突きつけるが、フィオナが制し、要求を飲む。アンジェロは、ダーバル少佐になりすまして、原爆2発を乗せたバルカン爆撃機に乗り込む。リッペ伯爵が、ダーバル少佐の遺体を保養所に運び込むところを見かけたボンドは、パットを残して部屋を出る。リッペ伯爵は慌てて療養室に隠れるが、ボンドは遺体を発見。包帯を解いて顔を確認する。ボンドはリッペ伯爵の手下に襲われそうになるが、事前に回避し、非常ベルを鳴らしてパットのもとに戻る。爆撃機に乗ったアンジェロは、有毒ガスで機内の乗組員を殺害し、飛行機をラルゴの待つ海域に着陸させ、海底に沈める。ラルゴは潜水服を着て爆撃機に接近し、そのままアンジェロの酸素ボンベのチューブを切断。シートベルトで体を固定されたまま抜け出せなくなったアンジェロは命を落とす。ラルゴの指示で、爆弾2発はラルゴの船に運び込まれ、起爆装置はクーツ博士に託される。スペクターのNo.1は、作戦が順調に進んでいることを知り、No.2を評価。逆に、作戦の危機を招いたリッペ伯爵に処刑チームを派遣する。保養所を車で去るボンド。その後ろをリッペ伯爵が追い、拳銃でボンドを攻撃するが、さらにその後ろから一台のバイクが現れ、リッペ伯爵の車にミサイルを撃ち込み、車は大破する。
MI6本部では、世界中のダブルオー要員と内務大臣が集められ、重大な会議が開かれる。スペクターによる原爆強奪と、1億ポンドの要求だった。本部は原爆の奪回をサンダーボール作戦と名付ける。関連資料の中には、ダーバル少佐と、その妹の写真があった。ボンドはM(バーナード・リー)に妹のいるナッソー行きを志願する。バハマの海で潜水をしていた妹のドミノ(クローディーヌ・オージェ)と出会ったボンド。パートナーのポーラ(マルティーヌ・ベズウィック)に、本部にドミノと接触したことを報告させ、彼女に接近する。カジノで、指にオクトパスの指輪をしているラルゴにカードゲームを挑み、連勝したボンドは、ドミノを連れてディナーに行き、ダンスをする。ドミノは兄を愛する女性だったが、今はラルゴの愛人になっており、そのことを後悔しているようだった。ドミノはラルゴに連れられて行く。次の日、ボンドはホテルのポーラの部屋に入る。中にはラルゴの手下がいた。ポーラの部屋でボンドは相棒のフェリックス(リク・バン・ヌッター)と合流。中にいたラルゴの手下を追い出す。ラルゴのもとに帰った手下は、ラルゴの屋敷で飼われているサメの泳ぐプールに突き落とされてしまう。
ボンドはQ(デスモンド・リュウェリン)と合流。水中カメラやガイガーカウンター、小型酸素ボンベなどの秘密道具を手に入れる。その夜、ボンドは、海中からラルゴの船に接近して情報収集をするが、ラルゴ側に察知され、手榴弾などで攻撃されるがなんとか砂浜にたどり着く。通りかかった車に乗せてもらう。運転していたのは、ダーバル少佐の秘書。彼女はフィオナ・ボルペと名乗る。彼女がラルゴと同じ模様の指輪をしていることをボンドは見逃さなかった。
明くる日、ボンドはラルゴの屋敷に招かれる。ボンドが屋敷にいる間に、フィオナはポーラの部屋に入り、手下のヤンニとバーガスを使ってポーラを拉致。その夜、ドミノと地元の祭りを楽しんでいたボンドのもとにフェリックスが現れ、ポーラの失踪を伝える。ボンドはラルゴの屋敷を停電させて侵入。中には拉致されたポーラがいたが、彼女は口を割らないよう毒を飲んで自殺していた。ホテルに戻ったボンドは、ポーラのいた部屋に入る。中にはフィオナがいた。フィオナに誘惑されるまま、ベッドをともにしたボンド。服を着て外に出ようとしたところで、フィオナが正体を現し、ボンドを車に拉致する。車がカーニバルの行列で引っかかった隙にボンドは脱出。彼らを巻いてオープンなレストランに逃げ込むが、フィオナ一味に見つかる。フィオナはボンドをダンスに誘い、二人で踊っているところに、物陰から銃口がボンドを狙う。気づいたボンドはとっさに身をかわし、弾丸はフィオナに命中。フィオナは命を落とす。
爆撃機が海の中にあると確信していたボンドは、フェリックスとヘリで執念深く海を探索し、ついに爆撃機を発見。サメがいる海中に飛び込んで爆撃機の機内に乗り込み、コクピットにいたアンジェロから、ダーバル少佐の認識票と腕時計を取り返す。ボンドはドミノに少佐の形見を渡すと、ラルゴの船に爆弾が積まれていないか探してほしいと頼み、ガイガーカウンターが仕込まれたカメラを手渡し、ドミノはそれを引き受ける。そこに消音銃を持ったバーガスが現れるが、ボンドは水中銃を撃ち、バーガスを倒す。ドミノはラルゴを必ず殺してほしいとボンドに頼み、二人は口づけを交わす。ボンドは、ドミノから聞いた屋敷近くの怪しい場所に向かい、そこで手下を従えたラルゴを発見。ボンドは潜水服に着替えようとしているに手下の一人を襲って入れ替わり、ラルゴとともに海に飛び込む。ラルゴは海中に隠していた原爆を小型潜水艇に積み込む。そのとき、ラルゴがボンドに気づく。ボンドに手下一人を向かわせ、ラルゴは原爆を運び出す。手下を倒したボンドは何とか海面に上がるが、そこは離れ小島の深い縦穴の中だった。途方に暮れるボンドだったが、彼の飲み込んだ発信器をもとにフェリックスがヘリで現れ、ボンドを救い出す。ラルゴの一団のもとに本部の部隊が送り込まれ、海中で死闘が繰り広げられる。ボンドも現地に向かい、ラルゴの一団を次々と倒すが、ラルゴは原爆を船に運び込む。船ではドミノがガイガーカウンターで原爆を探していたが、ラルゴに見つかり、船室に拉致されてしまう。船に乗り込んだボンドは、ラルゴの一味と船内で戦い、奮闘するが、ラルゴが持っていた銃をボンドに突きつける。しかし、倒れたのはラルゴだった。船室を抜け出したドミノがラルゴに水中銃を放ったのだ。ラルゴの計画への協力を拒んだクーツ博士が、自分の身の潔白を証明してもらうためにドミノを救い出していたのだ。クーツ博士、ドミノ、ボンドの3人は暴走する船から飛び降り、船は岩場に衝突して大破する。
ボンドはドミノとゴムボートに乗り込み、味方の飛行機に救出されるのだった。

魅力的なボンドガール、数々の秘密兵器、ド派手な車や船の爆破、大迫力の水中戦。悪の組織スペクターの冷酷非情ぶりもたっぷり描かれ、いかにも007という一作。ボンドが奇蹟や偶然でかっこよくものごとを成し遂げるばかりではなく、ヘリで地道に執念深く捜査をするシーンがあったりするのもよかった。ストーリーにも矛盾や破綻をあまり感じずに楽しめた(007をなかなか殺さないというお約束は置いておいて)が、ドミノとフィオナが、どっちがどっちかちょっと混乱したりはした。

【5段階評価】4

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2019年6月24日 (月)

(1906) 風立ちぬ

【監督】宮崎駿
【出演】庵野秀明(声)、瀧本美織(声)、西島秀俊(声)、西村雅彦(声)
【制作】2013年、日本

スタジオジブリのアニメ作品。航空機の設計者の奮闘ぶりと恋を描く。

航空機の設計者を夢見る少年、堀越二郎(庵野秀明)は、夢の中でドイツの設計者、カプローニ(野村萬斎)と出会い、設計者になることを決意する。二郎が鉄道のデッキで揺られていると風が吹き、帽子が飛ばされるが、となりの車両の少女が帽子を掴む。そのとき、関東大震災が起き、汽車は停止。二郎は帽子を取ってくれた少女を探す。少女の付き添いの女性、絹(渋谷はるか)が足首の骨を折ってしまい、少女は立ち往生していた。二郎は絹を背負い、少女の住む上野を目指す。彼女を見届けた二郎は大学のある本郷に向かう。二年後、大学で学ぶ二郎のもとに、彼が絹の骨折の添え木に使った計算尺が届けられる。慌てて校舎を飛び出す二郎だったが、女性の姿はなかった。
三菱内燃機に就職した二郎は設計技師となり、ドイツで学びながら飛行機の設計に精を出す。ある日、野道を歩いていた二郎は、絵を描く美しい女性と出会う。汽車で出会った女性、奈緒子(瀧本美織)だった。二人は急速に親しくなり、二郎は奈緒子の父親(風間杜夫)に奈緒子との交際を申し込む。奈緒子は自分が結核にかかっていることを告白するが、二郎は奈緒子にプロポーズ。奈緒子は結核を治すと宣言する。しかしその後も二郎の激務は続き、高原病院に入院していた奈緒子は、決意して二郎のもとに向かう。特高警察に目を付けられていた二郎は、上司の黒川(西村雅彦)の離れに住んでおり、二人は結婚の儀を交わしてともに暮らし始める。そうなってからも、二郎は相変わらず帰宅は遅かった。二郎の設計した飛行機のテストが始まることになり、二郎は泊まり込みになると言って家を出る。それを見送った奈緒子は、黒川夫人(大竹しのぶ)に、調子がよいので散歩に行くと言って、家をあとにする。死期を悟り、二郎の元を去ったのだった。二郎の飛行機のテストは成功する。二郎の設計した飛行機は日本の戦力になるはずだったが、結果は敗戦だった。日本は焦土と化す。二郎はカプローニと夢で再会。カプローニは二郎の作ったゼロ戦の美しさを褒め称える。夢の世界の草原には奈緒子がいた。彼女は二郎を歓迎すると、風に飛んで消えていく。カプローニはいいワインがあると言って草原を歩いて行き、二郎はそれに付き従うのだった。

関東大震災のシーンは、魔物が襲ってきたようなデフォルメがなされ、「崖の上のポニョ」とも似た雰囲気だった。夢の世界でドイツ人技師に会うようなファンタジーなシーンが織り交ぜられているものの、それ以外は設計技師が航空機の設計に勤しむ場面が多く、これを扱おうと思った宮崎駿氏の感覚は、なかなか素人には分からないのだった。

【5段階評価】3

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2019年6月23日 (日)

(1905) 顔のないスパイ

【監督】マイケル・ブラント
【出演】リチャード・ギア、トファー・グレイス、マーティン・シーン、タマー・ハッサン
【制作】2011年、アメリカ

ロシアの伝説のスパイと、それを追うCIA捜査官の奮闘を描いたサスペンス。

ある政治家が暗殺され、喉をかききる手口から、伝説のロシアスパイで、行方知れずとなったカシウスの犯行が疑われる。CIA長官のハイランド(マーティン・シーン)は、元CIAのポール・シェファーソン(リチャード・ギア)を復帰させ、カシウスを修士論文で取り上げるほど熱心に彼に入れ込んでいる若手FBI捜査官、ベン・ギアリー(トファー・グレイス)と組ませる。ポールはベンを見下すが、ベンはカシウス捜査の第一線で活躍し、カシウス7と呼ばれる暗殺集団を壊滅させたポールと組めることに興奮する。二人は、カシウス7と呼ばれるスパイの生き残り、ブルータス(スティーブン・モイヤー)に会いに刑務所に向かう。ブルータスは、カシウスが暗殺者の掟を破ったために狙われることになったと証言し、その引き換えにラジオを手にする。彼はラジオの乾電池を飲み込み、急患を装って病院から脱走しようとする。が、彼を待ち伏せしていたのはポールだった。ブルータスはポールの正体を知っていた。ポールこそがカシウスだった。ブルータスは隙を突いてポールを殺そうとするが、返り討ちにあい、殺される。
ベンはポールを家に招待する。家には美しい妻ナタリー(オデット・アナブル)と幼い二人の子供がいた。ポールは、カシウスを追うことの危険を説くが、ベンは言うことを聞かなかった。
ベンは、友人と捜査を進めるうちに、カシウス7殺害の場に常にいるポールこそがカシウスである可能性に気づかされる。ポールは、暗殺者でありながら家族を持ったため、カシウス7によって家族を殺されてしまったのだった。彼はそのときからカシウス7に復讐を企てていたのだ。捜査が進み、ロシアスパイの大物、ボズロスキー(タマー・ハッサン)がアメリカに潜入していることを知ったポールは、彼がカシウスだと捜査会議の場で発言。ベンも同調する。二人はボズロスキーの隠れ場所に向かう。ベンがポールの正体を見破っていたように、ポールもまた、ベンの正体を見破っていた。ベンの捨てた新聞のクロスワードパズルがロシア側の暗号であったことから、ポールはベンもまた、ロシアのスパイであることを見抜いたのだ。ベンの目的は、カシウスの手からロシアスパイを守るため、カシウスを殺害することだった。ナタリーとの結婚も偽装の一環だったが、家族を持ったベンは、それを捨ててロシアに戻ることを悩んでもいた。家族を失ったことで不幸になったカシウスを目の当たりにしたことで、ベンの矛先はボズロスキーに向かう。ポールは、ボズロスキーの車をつけ、激しいカーチェイスを繰り広げる。そこにベンが加勢する。ポールはボズロスキーに致命傷を負わされるが、ポールもまたボズロスキーを倒し、ついに復讐を果たす。ポールは、ベンに「家族のもとに戻れ」と言い残して息を引き取る。ベンは、ポールの持つワイヤー入りの腕時計をボズロスキーの腕に付け、彼がカシウスであったという偽装工作をする。現場に来たハイランドは、ベンをCIAに誘う。ベンはロシアには戻らず、家族のもとに帰るのだった。

序盤、リチャード・ギアが悪役かあ、とプチどんでん返しがあり、若い捜査官がポールに殺されそうになりつつも彼の正体を暴く、というストーリーを思い描くわけだが、やはりポールは家族を殺された過去を持つ悲劇の主人公で、その復讐に若い捜査官が協力する、という展開。どんでん返しのどんでん返しで、やっぱりリチャード・ギアはいい者役だった、というオチ。「ジャッカル」でもアクションサスペンスに出演したリチャード・ギアだったが、14年の時を経て少しアクションに精彩を欠き、編集に助けてもらっている感じがした。

【5段階評価】3

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2019年6月20日 (木)

(1904) スティーヴ・オースティン ザ・ハンティング

【監督】キオニ・ワックスマン
【出演】スティーブ・オースティン、ギル・ベローズ、マリー・アブゲロプロス
【制作】2010年、カナダ

国境警備隊の父親が、娘を人質に取って国境を越えようとする強盗団と闘うアクション映画。元プロレスラーのスティーブ・オースティン主演。

国境警備隊のジム・ローズ(スティーブ・オースティン)は、自分の判断の甘さから相棒(エリック・ロバーツ)を失った過去を持ち、彼からもらった時計を大事にしていた。ある日、娘のキム(マリー・アブゲロプロス)が万引きをしたという電話を保安官から受けたジムは、保安官の事務所に向かう。そこには、強盗団の一味がいた。仲間割れをして高額な有価証券を持ち逃げしたローソン(マイケル・ホーガン)が山に逃げ込んだため、保安官に案内を強要しようとしていたのだ。強盗団のボス格のバンクス(ギル・ベローズ)は、保安官を撃ち殺し、キムを人質にしてジムに道案内をさせる。強盗団5人とジム、キムの7人で山に入る。
強盗団の一人、クラブ(エイドリアン・ホームズ)はキムに欲情し、休憩中に、キムを連れていたドミニカを殴り倒してキムを暴行しようとするが、気づいたジムはドミニカの手足を折る。バンクスは仲間に指示してクラブを射殺させる。ジムは隙を見てキムを逃がそうとするが、銃を持っているバンクスに阻まれる。彼らはついにローソンを発見するが、ローソンは有価証券のバッグを持っていなかった。ドミニカは激怒のあまりローソンを撃ち殺してしまう。キムが川下を探そうと言い、一行が川を下ると、崖下にバッグを発見する。ジムは、自分が取りに行くから娘を逃がせ、と言うが、バンクスはバッグを取ってきてからだ、と言ったため、ジムはロープを使って崖下に降り、バッグを手にする。そのまま崖を登って娘の解放を求めるが、バンクスは逆にバッグを渡さないと娘を殺すと脅し、ジムはバッグを渡す。バッグを渡した途端、ジムはロープを切られ、バンクスに銃撃され、崖下に落下してしまう。バンクスはキムに道案内をさせる。道中で、ギアリー(マイケル・エクランド)とドミニカ(エミリー・ウラアップ)がけんかをはじめ、ギアリーはドミニカの警棒で足を折られてしまい、取り残されてしまう。その頃、崖下から這い上がったジムは、山中につるしてあるバッグからボウガンを調達し、ギアリーを仕留める。次に、バンクスから離れてたばこを吸っていたジェンセン(ゲイリー・ダニエルズ)にタイマンの勝負を挑み、最後は折れた木の枝を腹に突き刺して倒す。残るバンクス、ドミニカ、キムの3人に追いついたジムは、崖上から杭を投げ込み、それを腹に食らったドミニカを殺害。バンクスはキムを盾にしてジムに銃を撃ち、ジムはまたしても崖下に落下する。バンクスはジムを連れてようやくカナダに入ると、小屋にいた男3人を撃ち殺し、バギーと信号弾用のピストルを調達。解放を求めるキムを殴り倒してバギーで逃げる。ようやくキムに追いついたジムは、キムに助けを求めに行かせ、自分はバンクスを追う。バンクスはジムに追いつかれ、格闘になるが、最後はジムがバギーでバンクスに突っ込み、信号弾を打ち込んで大爆発を起こし、バンクスを亡き者にする。ジムとキムはようやく自由を手にするのだった。

映像はそこそこよくできていたが、設定や展開が雑すぎて、やはりB級映画と呼ばざるを得ない作品だった。
つっこみ出すと切りがないが、いくつか挙げてみよう。一番がっかりしたのは、ジムが崖下に降りてバッグを手にするシーン。崖下で「昔は無茶をしていた」みたいな回想シーンに入るので、少なくとも何かバンクスに交渉ごとを持ちかけるか、はたまた、一見従っているように見せかけて、あっと驚くような無茶な大逆転劇をしてみせるのか、と思えば、バッグを取り上げられて崖下に落とされ、娘も殺されかけるという、全くの無策。脳みそ筋にくんと言われても仕方のない展開。さらにその後も、ボウガンやら杭やら大量に持っている割にはジェンセンには格闘で挑んで、しかもけっこう負けそうになるし。さすがにこの時点で「ああこの作品はプロレスと同じショー形式で、リアリティ求めちゃいけないのね」になるわけだが。その後も、崖上から杭を投げ込むという雑な作戦に出て、しかもそれをまともに腹に食らうドミニカ。娘に当たったらどうすんの、という。狙ったんなら、なんでバンクス狙わないの、という。そして、ここから父親の大反撃が始まるのかと思ったら、まさかの二の矢がないという状態。バンクスの銃撃から必死に逃げて、崖下に落っこちちゃうとか。娘の命をなんだと思っているのでしょうか。もうやっていることに作戦がなさすぎて、観ている方が「おいおい・・・」となってしまう。
しかしバンクスは、娘を殺さず引っ張って逃げる。なんでだ、と。自ら先頭を走って行けるんならキム連れて行く必要ないだろ、と。で、やっとカナダの国旗を掲げた小屋にたどりついて、面が割れているキムを殺すのかと思ったら、ここまでさんざん残酷な振る舞いをしていたのに、なぜか気絶させるだけで立ち去るし。そしてラストシーン。最後に「狩りの獲物は必ず仕留める」とか決めぜりふを言うんなら、もっと前に仕留めるチャンスあっただろ、と。娘が「アイツを殺して」というのも何だかな、だし。そしてそもそもローソン。大事なバッグを落とすなよ。落としたぐらいで絶望してんなよ。必死で取りに行けよ。
もうちょっと脚本が練れないものかと思ってしまうのだった。

【5段階評価】2

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2019年6月19日 (水)

(1903) 48時間PART2/帰って来たふたり

【監督】ウォルター・ヒル
【出演】ニック・ノルティ、エディ・マーフィ、ブライオン・ジェームズ、アンドリュー・ディボフ
【制作】1990年、アメリカ

熱血白人刑事と、無理矢理協力させられる元服役囚の黒人の活躍を描いたバディ・ムービー。「48時間」の続編。

犯罪者の取引現場を押さえようとした刑事のジャック・ケイツ(ニック・ノルティ)は、犯人に銃撃され、撃ち返すが取り逃す。犯人側の拳銃が現場から見つからなかったため、ジャックは最初に銃を撃ったと疑われ、ブレイク・ウィルソン(ケビン・タイ)の率いる内部捜査の対象となってしまう。
査問会までの48時間の間、刑事の身分を剥奪されたジャックは、出所直前の服役囚、レジー・ハモンド(エディ・マーフィ)に協力を求めるが拒否される。ところが、出所したレジーを乗せた護送車がバイクに乗った二人組に襲われ、レジーは殺されかける。レジーとジャックは協力して事件の黒幕、アイスマンを追うことにする。しかし、二人が調査の手を伸ばそうとすると、先回りされるように関係者が殺されるなどするため、レジーはアイスマンとは警察内部の人間だろうと推理する。ジャックは内部調査のウィルソンを疑い、査問会の現場に乗り込んでレジーにウィルソンを見せる。アイスマンから50万ドルを盗んでいたレジーは、アイスマンの顔を知っているのだ。しかし、レジーはウィルソンはアイスマンではないと言う。査問会で大騒ぎしたことでジャックの心証はさらに悪くなってしまう。ジャックは観念し、預かっていたレジーの50万ドルをレジーに渡す。レジーは刑務所で世話になっていた男との約束で、男の娘に75,000ドルを渡すが、待ち構えていたバイクの二人組に拉致されてしまう。
なかなか出てこなかった犯罪者の情報をようやく手に入れたジャックは、それが同僚のクルーズ(エド・オロス)が関係したものだと知り、クルーズを尾行する。クルーズはバイク二人組に呼び出され、集合場所の高級クラブに現れる。ジャックは現場を押さえようとするが、さらに、これまでジャックの捜査に協力してくれていた同僚のキーホー(ブライオン・ジェームズ)も現れる。レジーはキーホーを指さして、彼がアイスマンだと叫ぶ。キーホーとクルーズが悪事に手を染めていたのだった。高級クラブは壮絶な撃ち合いとなり、二人組とクルーズは死亡する。生き残ったレジーはキーホーに人質に取られてしまう。キーホーはレジーを盾にして逃げようとするが、ジャックは容赦なく銃を放つ。銃弾はレジーの右肩に当たり、信じられない表情のままレジーは倒れる。無防備になったキーホーにジャックは銃弾を浴びせ、キーホーを倒す。救急車に運び込まれるレジーに、ジャックは現場にあった50万ドルを渡す。レジーを見送ったジャックはたばこに火を付けようとするが、ライターはレジーに掏られていた。ジャックは苦笑いをしてたばこを地面に打ち捨てるのだった。

黒幕が前作にも登場していた同僚のキーホーだったというのが、何というか、どんでん返しでびっくりというよりは、登場人物を安易に悪者役に使って残念だな、という印象。作品の世界観を大事にするというより、使い捨てのように粗末に扱っている気がした。スーパーに現れたレジーと女の子を二人組が拉致するのも、普通、ただごとじゃすまないだろうと思うのだが、あまりにもあっさりしていて拍子抜けだった。テレビだから何かしらのシーンがカットされたのかもしれないけど。

【5段階評価】3

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2019年6月18日 (火)

(1902) 48時間

【監督】ウォルター・ヒル
【出演】ニック・ノルティ、エディ・マーフィ、ジェームズ・レマー、ソニー・ランダム
【制作】1982年、アメリカ

熱血白人刑事と服役中の黒人が協力して凶悪犯を追い詰めるバディ・ムービー。仲間を殺された白人刑事は、犯人の鍵を握る黒人青年を仮釈放させる。果たして青年は刑事に協力するだろうか。

屋外労働をしている服役囚のところに、トラックに乗った原住民のビリー(ソニー・ランダム)が現れ、水をほしいと看守に頼む。服役囚の一人、ギャンズ(ジェームズ・レマー)が喧嘩を売り、二人は取っ組み合いになるが、二人はぐるだった。二人は拳銃で看守2名を射殺し、逃走する。
二人は犯罪仲間のルーサー(デビッド・パトリック・ケリー)を脅し、ルーサーのガールフレンドを拉致して金を持ってくることを約束させる。
他人の名義で車をレンタルした犯人を捜査するため、サンフランシスコ刑事のジャック(ニック・ノルティ)は同僚の刑事2名とホテルに向かう。同僚の刑事はジャックをフロントに待機させ、部屋に向かう。部屋にいたギャンズとビリーは、刑事を撃ち殺して逃走。ジャックはギャンズに体当たりして持っていた拳銃を跳ね飛ばすが、そこにビリーが銃を持って現れる。生き残った刑事の一人がロビーに現れ、4人はにらみ合いの状態になる。ギャンズが、ジャックの銃を渡せば刑事は撃たないと言ったため、ジャックはギャンズに銃を投げ渡すが、ギャンズは刑事を撃ち殺して逃走してしまう。
警察署に戻ったジャックは、ギャンズらのことを知る服役中のレジー・ハモンド(エディ・マーフィ)に会い、彼を48時間だけ仮釈放させる。ジャックはレジーを罵倒しながら強引に協力させるが、レジーは人種差別的な発言にもめげず、ジャックの捜査に協力。ビリーの女がいる部屋に向かうが、空振りに終わる。ジャックはレジーに怒りをぶつけ、殴り合いの喧嘩になるが、やがて二人に奇妙な友情が芽生える。レジーは、ギャンズの狙っている金は、かつて自分が盗んだ50万ドルであることを明かす。翌朝、50万ドルが隠されたポルシェを、ルーサーが引き取りに現れる。張り込みをしていたジャックとレジーはルーサーを追跡。ルーサーはお金の入ったアタッシュケースを持ち、地下鉄駅に向かう。そこにギャンズとビリーが現れる。ジャックは金を持って逃げたルーサーをレジーに任せ、ギャンズとビリーを追うが、逃してしまう。レジーも逃げてしまったのではないか、と心配したジャックだったが、レジーから連絡が入る。レジーと合流したジャックが、ルーサーを見張っていた。ルーサーはギャンズが盗んだバスに乗り込み、金をギャンズに渡してガールフレンドの解放を求めるが、あっさりとギャンズに撃ち殺されてしまう。ジャックとレジーはバスを車で追うが、逃げられてしまう。
上司から役立たずのチンピラと組んでいることを激しく責められたジャックだったが、レジーは頭の回転が速く根性もある、とレジーをかばう。手がかりを失った二人だったが、いちるの望みを託してビリーの女の家に向かう。二人は、ビリーの女を発見し、彼女とともに二手に分かれて部屋に侵入。ビリーを発見したレジーは、震える手で銃をビリーに向けるが、ビリーは持っていたナイフを手にレジーに近寄る。レジーは銃を撃ち、ビリーは倒れる。ギャンズはアタッシュケースを手に部屋を飛び出すと、物陰に隠れて、追ってきたレジーを人質に取る。そこにジャックが現れる。ギャンズは拳銃をレジーの頭に押しつけ、俺はお前の銃と金を持っている、と勝ち誇ったように叫ぶが、ギャンズは問答無用にギャンズに銃をぶっ放す。驚いたギャンズは我を忘れてジャックに襲いかかろうとするが、ジャックは今度は容赦なくギャンズを撃ち殺す。ジャックは、レジーがずっと望んでいた女性とともに過ごす願いをかなえてやり、50万ドルも彼に託すのだった。

刑事と犯罪者という、やや珍しいバディ・ムービー。エディ・マーフィの映画デビュー作。
序盤のホテルでの犯人2名と刑事2名が四すくみになり、ジャックがギャンズに銃を投げ渡すシーンは、どうにも意味が分からないのが残念。

【5段階評価】3

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2019年6月17日 (月)

(1901) 美女と野獣

【監督】ビル・コンドン
【出演】エマ・ワトソン、ダン・スティーブンス、ケビン・クライン、ユアン・マクレガー、イアン・マッケラン
【制作】2017年、アメリカ

ディズニーアニメ、「美女と野獣」の実写化作品。父親の身代わりとなって野獣に捉えられた美しい少女。野獣は少女と愛を育み、もとの姿に戻れるだろうか。

贅沢の限りを尽くしていた王子(ダン・スティーブンス)は、みすぼらしい姿の魔女を馬鹿にしたため、魔法の力で醜い野獣の姿に変えられてしまい、家臣達も家具にされてしまう。魔女が持っていたバラの花びらが全て落ちるまでに、本当の愛に目覚めなければ、彼らは元の姿には戻れなくなってしまう。
村娘のベル(エマ・ワトソン)は本が好きな美しい少女。戦争から戻ってきた荒くれ者のガストン(ルーク・エバンス)は彼女を我が物にしようとするが、ベルは相手にしない。ある日、馬車を走らせていたベルの父親のモーリス(ケビン・クライン)は、雪道でオオカミに襲われ、野獣の住む廃城に迷い込んでしまう。ベルと約束していたバラを持ち帰ろうと、城に咲いていたバラを折ろうとしたため、モーリスは野獣に捕らえられてしまう。
ベルは父親を乗せずに戻ってきた馬にまたがり、城を目指し、野獣と対面。父に別れを告げたいと言って父の捕らわれていた牢を開けさせると、捕らわれていた父の代わりに牢屋に入る。そこに燭台のルミエール(ユアン・マクレガー)と置き時計のコグスワース(イアン・マッケラン)が現れ、ベルを助け出す。二人は家具にされてしまった王子の家臣で、王子や自分たちがもとの姿に戻れるよう、王子とベルの間を取り持とうとする。不器用な王子ははじめはベルにきつく当たるが、次第にベルは王子の優しさを知るようになる。王子の家臣たちは、王子がベルに恋していることを知り、ダンスに誘って愛を告白するように背中を押す。
城を出たモーリスは、村に戻って娘を助けてほしいと村人に頼む。ガストンはベルほしさにモーリスと城に向かうがたどり着けず、狼のいる森にモーリスを残して立ち去ってしまう。彼を救ったのは村の物乞いの女性、アガット(ハティ・モラハン)だった。モーリスが村に戻っていることを知ったガストンは、モーリスとアガットは気が触れているといって病院に送り込もうとする。
その頃、王子はベルとのダンスを終え、愛を告白しようとしていた。ところが、ベルが父親の身を案じていることを知った王子は、魔法の鏡で父親の姿をベルに見せる。そこには村人から乱暴されている父親の姿があった。王子はベルに城を出ることを許し、父親の元に向かわせる。
ベルは父親を乗せた馬車を止め、魔法の鏡で野獣が本当にいることを村人に見せる。ガストンは、村人をそそのかし、野獣退治に向かってしまう。ベルは父親を助けると、再び城に向かう。
ベルが帰ってくることに望みを託していた王子は、大勢の村人が自分を退治しにやってきたのを見て肩を落とす。ガストンは城に入り込み、野獣の姿の王子を探し出し、銃を放つ。そこに帰ってきたベルが現れる。王子は元気を取り戻し、ガストンを退けるが、ずるいガストンは諦めたと見せかけて再び王子に銃を放つ。王子は銃弾を受けて倒れてしまうが、ガストンは足場が崩れ、転落死してしまう。
ベルは動かなくなった王子によりそい、涙を流す。それを見ていたのは、物乞いのアガットだった。彼女の正体は、呪いをかけた魔女だった。王子がベルと本当の愛を実らせたことを知った魔女は、バラの花を復活させる。すると、野獣の姿をしていた王子は、もとの美しい姿に戻る。王子とベルは愛の口づけを交わす。家臣達も次々と元の姿に戻り、村人達と再会を喜び合う。城では舞踏会が開かれ、村人や城の住人たちは楽しそうにダンスをするのだった。

エマ・ワトソンの美しさが魅力。少女といいつつ、実際には公開当時27歳ではあるが。
ストーリーはアニメとほぼ同じだが、やっぱり野獣とベルの恋が本当に実るのか、なんとなくドキドキしてしまう。CGの燭台や時計、コートかけやワードローブも楽しいが、やはり日本語訳のミュージカルの詞は不自然。「こどもたちがえじきになってしーまうー」とかもうね。歌じゃなくてほぼセリフだから。

【5段階評価】4

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2019年6月10日 (月)

(1900) 忍びの国

【監督】中村義洋
【出演】大野智、鈴木亮平、石原さとみ、知念侑李、伊勢谷友介
【制作】2017年、日本

和田竜の歴史小説を実写映画化した作品。伊賀に攻め込む圧倒的な数の織田の軍勢に、忍者が立ち向かう。

伊賀の忍者、無門(大野智)は伊賀一の腕が立つ忍者。お国(石原さとみ)という美しい娘を妻にするため、金に執着し、報酬目当てで動く忍者だった。「川」という二本線の間に立った二人が一対一で闘う勝負で、無門に弟(満島真之介)をあっさりと殺されてしまった下山平兵衛(鈴木亮平)は、非情な父親(でんでん)と無門を恨む。
伊賀の十二家評定衆は平兵衛を遣わせ、伊勢にいる織田の軍勢に忠誠を誓うふりをして裏切り、そのため平兵衛は織田家に捕らわれる。織田家の織田信雄(知念侑李)は大弓使いの日置大膳(伊勢谷友介)らと伊賀に攻め入る。無門はお国を連れて京都に逃げようとするが、お国が無門の卑怯さを責めたため、無門は手に入れた高価な茶入れを仲間の忍者に示して相手の首を取った者に褒美を取らすと宣言すると、きびすを返して伊賀軍に加勢。織田信雄を追い詰める、割って入った大膳の両手に大けがを負わせるが、信雄の放った大弓の矢で吹き飛ばされる。
織田信雄は城に戻るが、無門は仲間を連れて城に忍び込んでいた。そこに平兵衛が現れ、二人は「川」で対決し、激しい斬り合いの末、無門が勝利する。無門は信雄を殺さず、城を後にする。
伊賀の十二家評定衆の策略によって平兵衛が犠牲になったことを知った無門は、伊賀の陣地に戻ると、評定衆の一人を殺害。十二家評定衆の首領、百地三太夫(立川談春)が無門を殺した者に褒美を出すと言ったため、周囲の忍者が一斉に無門を狙う。そこに、お国が茶入れを高く手に掲げて現れ、無門を殺したら茶入れを割ると叫ぶ。忍者達は容赦なくお国に吹き矢を吹き付ける。無門は必死でお国に飛びつき、背中に吹き矢を受けながらもお国をかばおうとするが、吹き矢の何本かがお国に突き刺さってしまう。お国は吹き矢の毒で死亡。無門は自ら茶入れを叩き割ると、お国の亡骸を抱えて陣地を後にする。やがて伊賀には織田の大軍勢が攻め込み、伊賀は滅びる。無門は少年を弟子として育てながら、今も戦いの中に身を置くのだった。

嵐の大野智が主演で、激しいアクションシーンに挑むことが話題の作品だったわけだが、始めは三枚目キャラでコミカルなアクションを見せていた主人公が、後半に行くにつれてどんどんシリアスになり、最後は悲劇的な終わり方。観る者はどう感動すればいいか分からない、という中途半端さを感じさせる作品だった。忍者のアクションシーンも、CGだの合成などが遣われすぎていて、生身のアクションの感動が薄い。クライマックスの無門と平兵衛の一騎打ちのシーンも、撮影は大変だっただろうことは分かるが、カット割りが多過ぎるのと、これまでに撮影技術を駆使しまくっていることが分かっているので、「このシーンも編集つなぎまくりで作ったんだろうな」と思えてしまい、今ひとつ没入できないのだった。

【5段階評価】2

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2019年6月 9日 (日)

(1899) ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-

【監督】伊藤智彦
【出演】松岡禎丞(声)、戸松遥(声)、伊藤かな恵(声)、神田沙也加(声)、鹿賀丈史(声)
【制作】2017年、日本

川原礫のライトノベルをアニメ化した作品。ARゲームのプレーヤーの記憶を奪おうと企む研究者に立ち向かう少年の活躍を描く。

VRゲーム、ソードアート・オンラインの世界に閉じ込められ、そこから生還したキリト(松岡禎丞)は、ゲームから遠ざかるようになっていた。世の中にはAR技術が浸透し、オーグマーという装置が人気となる。キリトとともにソードアート・オンラインの世界で闘ったアスナ(戸松遥)は、オーディナル・スケールというARゲームでも活躍。ところがアスナは、闘いの中で仲間をかばって戦闘不能になり、ソードアート・オンラインでの記憶が薄れてしまう。キリトは、AR世界の中に白い服の少女(神田沙也加)を見つけていた。その少女は、オーグマーの開発者、重村教授(鹿賀丈史)の娘の分身だった。重村教授は、ソードアート・オンラインで娘のユナを亡くしており、ソードアート・オンラインのプレーヤーの記憶を集めてA.I.のディープ・ラーニング用のデータとして活用することで、娘を再現しようとしていた。キリトは重村教授に協力しているプレーヤーのエイジ(井上芳雄)を倒すと、仲間とともにボスキャラに挑み、勝利。重村教授の野望は潰える。
キリトとアスナは、夜空の星を見るという約束をかなえ、満天の星空のしたで口づけをかわすのだった。

テレビアニメの続編という形なので、世界設定や登場人物の把握ができない序盤はあまり面白くないのだが、人々の記憶を奪ってA.I.に学習させるという展開からは話が分かりやすくなった。この手のアニメだと大概、ヒロインは主人公に対してツンデレだったり、普段は喧嘩ばっかりしていたりするのだが、本作は珍しく、主人公の少年に三枚目の要素がなく、少女とキスしたり抱きしめ合ったりするシーンがあった。実在の企業名やロゴが登場するのも特徴的。これをNHKが放送するというのも面白かった。

【5段階評価】3

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2019年6月 8日 (土)

(1898) ちはやふる -結び-

【監督】小泉徳宏
【出演】広瀬すず、野村周平、新田真剣佑、松岡茉優、上白石萌音、國村隼
【制作】2018年、日本

かるた部の高校生の青春を描く「ちはやふる」シリーズ第3弾。最上級生になった千早たち。しかし太一は部活をやめてしまう。瑞沢高校かるた部の運命は。そして太一の恋、そしてライバル新との対決の行方は。

瑞沢高校かるた部の綾瀬千早(広瀬すず)は、クイーン戦への出場権を失い、その試合を観戦。若宮詩暢(松岡茉優)がクイーン戦を制する。名人戦では、東大生の周防久志(賀来賢人)が圧勝。千早の幼なじみで今は違う高校に通う綿谷新(新田真剣佑)は、試合会場で千早に好きだと告げ、千早や驚きのあまり言葉を失い、硬直する。
高校3年生になった千早は、かるた部を盛り上げようとする。ところが、新と同様に千早の幼なじみで、千早のためにかるた部に入った真島太一(野村周平)は、新入部員の花野菫(優希美青)から、千早が新に告白され、千早が返事をしようとしているという話を聞き、東大理三の受験を目指していることもあって、かるた部の活動をやめてしまう。太一は、受験生向けの抗議をしている周防と出会う。周防は、かるたを続けるか悩んでいる太一の背中を押し、太一はかるた大会会場に向かう。太一抜きで大会決勝に進んだ水沢高校かるた部は、決勝で新のいる藤岡高校と当たる。そこに太一が現れ、団体戦に参加。太一の運命を引き寄せる力によって、水沢高校は逆転勝利を収める。
会場を後にする新を千早が引き留める。その場にいた太一は、千早が新に好きだと告白することを覚悟するが、千早が告げたのは、クイーンを目指すという決意だった。新もまた、太一との再戦を誓う。千早は、瑞沢高校かるた部の顧問として新しい道を突き進むのだった。

ちはやふる -上の句-」、「ちはやふる -下の句-」を観ている人にとっては、これまでの登場人物の活躍が楽しい。太一が一度抜けて戻ってくる、というあたりはお約束の展開ではあるのだが、生意気な新人、恋の葛藤、視力を失いつつある名人など、いくつかのエピソードを盛り込みながら話が進み、飽きさせない。
決勝戦で水沢高校の出場選手に太一を入れたのは誰なんだよ、という大いなる謎は残る訳だが。

【5段階評価】4

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2019年6月 5日 (水)

(1897) 母と暮せば

【監督】山田洋次
【出演】吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信、加藤健一
【制作】2015年、日本

長崎の原爆で死亡した息子の魂が母親のもとに戻ってくる。息子と息子の許嫁を愛する母親の深い愛情を描いた作品。

1945年8月9日。米軍の原爆攻撃により、長崎医科大学の学生だった福原浩二(二宮和也)は命を落とす。3年後の夏、母親の伸子(吉永小百合)は原爆落下の日の黙祷を捧げる。傍らには浩二の許嫁だった町子(黒木華)がいた。彼女が操を立てていることに、伸子は心を痛めていた。
帰宅した伸子は浩二に食事を供え、遺体が見つからないまま逝った息子の死を嘆いていると、家の中に浩二の姿が現れる。浩二は死んでいることを自覚しており、母親と楽しそうに話をする。浩二ははじめ、町子がずっと自分の嫁として伸子の世話をすることを望んでいたが、伸子がそれを諫め、浩二も納得する。浩二が忘れられずにいた町子だったが、学校の教師をしている同僚の黒田(浅野忠信)という男と婚約する。町子は黒田を伸子に会わせ、伸子に詫びるが、伸子は浩二も喜んでいる、と町子に優しく話す。伸子が力なく布団で寝ていると、枕元に浩二が現れ、伸子を天に連れて行く。伸子の葬儀が営まれる中、浩二は伸子を連れて教会を去って行くのだった。

父親の死亡届を受け取る小学校の少女(本田望結)や、死ぬ間際に酒を欲した大学教授(橋爪功)などの挿話を混ぜながら、物語は静かに展開。感情の起伏を抑制した作品。ただまあ、まばゆい光の中に二人が消えていく、なんていうのはいかにもステレオタイプで、終盤に大きな感動が押し寄せる、というものではなかった。

【5段階評価】3

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2019年6月 4日 (火)

(1896) 夜は短し歩けよ乙女

【監督】湯浅政明
【出演】花澤香菜(声)、星野源(声)、神谷浩史(声)、秋山竜次(声)
【制作】2017年、日本

森見登美彦の小説が原作のアニメ作品。京都の長い一夜を過ごす少女と、彼女に恋心を抱く先輩との恋の行方を描く。

黒髪の乙女(花澤香菜)に恋心を抱く先輩(星野源)は、ナカメ(なるべく彼女の目にとまる)作戦を実行し、彼女に接近するチャンスをうかがう。実は酒豪の乙女は、知り合いを増やしながら飲み歩き、李白(麦人)と飲み比べをして勝利する。
乙女は、子供の頃に読んでいた「ラ・タ・タ・タム」という絵本を手に入れたくなり、古本市に向かう。それを知った先輩は、李白の主催する怪しい大食い競争に参加し、絵本を手に入れる。彼は秋の学園祭で模擬店を出し、ラ・タ・タ・タムを乙女に渡そうとするが、店舗の設備をゲリラ演劇の一団に奪われてしまう。その演劇は、かつて名の知らぬ女性と運命的な出会いをしたパンツ総番長(秋山竜次)が、その女性を探すために行っているものだった。乙女もその演劇に飛び入り参加するが、彼女が最終幕でパンツ総番長とキスをするという話を聞いた先輩は、芝居に乱入。パンツ総番長を舞台からたたき落とし、乙女とキスをしようとしたところ、舞台の床が抜けて奈落に転落。パンツ総番長の相手は、女装した学園祭事務局長(神谷浩史)だった。ショックを受ける総番長。しかし総番長を支えてきた女性スタッフが彼に愛を告白。二人は結ばれる。
冬になり、風邪を引いた先輩は部屋で寝込んでいた。風邪を引いた人々を見舞っていた乙女は、先輩の家に向かう。先輩は「ラ・タ・タ・タム」を彼女にあげ、彼女を古本屋に誘う。乙女は顔を赤らめ、OKする。喫茶店で待つ先輩のもとに乙女が向かう。二人のデートが始まるのだった。

自分がかつて住んでいた京都が舞台だったので、出町柳の自転車置場や進々堂など、画面に現れる町並みが懐かしかった。
文学作品らしいしゃれたセリフが小気味よい。偽電気ブランの大酒飲み対決で、乙女が酒を飲むたび幸せな気持ちに浸る場面も、どことなく文学的な表現で映像化されていた。
文学でも恋愛でも何でも議論の対象にし、自ら煩悶し、異性に恋い焦がれ、夜を明かした学生時代が懐かしくなる作品だった。

【5段階評価】3

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2019年6月 3日 (月)

(1895) ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK

【監督】ロン・ハワード
【出演】ザ・ビートルズ、シガニー・ウィーバー、ウーピー・ゴールドバーグ、浅井慎平
【制作】2016年、イギリス

ビートルズの活躍と苦悩を描いたドキュメンタリー。

ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター。4人がイギリスでブレイクし、アメリカに渡る。エド・サリバンショーで人気に火が付いた彼らは、アメリカのシングルチャートでも1位をとり、正解的なトップスターとなる。一方で、彼らに熱狂するあまり、音楽を聞こうともしないファンや、囚人護送車で移動をするような異様な状況に、メンバーはこれでいいのかという思いを抱くようになる。
ジョン・レノンが、自分たちはキリストを超えたと言ったかのようなできごともあり、ビートルズは人気の一方でバッシングの標的にもなる。
ツアー活動を控え、レコーディングに専念する時期を経て、アップルの屋上を彼らは最後のライブの場所とするのだった。

ビートルズがスターダムを上り詰める過程を写実的に伝えている。ドキュメンタリーは、語りのシーンや説明のシーンが長かったりしてだるい印象があるが、本作は、有名な楽曲が次々と流れ、しっかりと聴かせるパートもあるし、軽妙洒脱な彼らのインタビューシーンや、シガニー・ウィーバーやウーピー・ゴールドバーグのような映画スターのインタビューを交えたりして、飽きさせない作りになっている。子供の頃のシガニー・ウィーバーがにビートルズのライブで興奮している様子がたまたま映像に残っているシーンがあるのは貴重。ポール・マッカートニーとリンゴ・スターのインタビューもあり、ビートルズファンは必見の作品。

【5段階評価】3

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