(1861) ラ・ラ・ランド
【監督】デミアン・チャゼル
【出演】ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、ジョン・レジェンド、J・K・シモンズ
【制作】2016年、アメリカ
女優を目指す女性とジャズピアニストの恋の行方を描いたミュージカル映画。数々のアカデミー賞に輝いた作品。
女優を目指すミア(エマ・ストーン)は、渋滞中の車の中で後続の運転手、セブ(ライアン・ゴズリング)にクラクションを鳴らされ、中指を立てて挑発する。夜、友人とパーティに出かけたミアは、乗ってきた車をレッカーされ、仕方なく歩いている途中で魅力的なピアノの演奏が聞こえてきた店に入る。中にはセブがいた。ミアはセブに声をかけようとするが、店のオーナー(J・K・シモンズ)から首を言い渡されたばかりのセブは、ミアを無視して突き飛ばすように店を去ってしまう。
二人はパーティで偶然に再会し、会話を交わすようになる。偶然の出会いを重ねる二人は親しくなり、「理由なき反抗」を観に行き、舞台となったプラネタリウムで口づけをかわす。二人は幸せなカップルとなる。
セブは、クラシックなジャズをやる店を持つ夢を描いていたが、ミアが自分が定職に就いていないことを気にしていると考え、音楽の方向性の違うキース(ジョン・レジェンド)のバンドのキーボーディストとなる。ところが、ミアは夢を追おうとしないセブに不満を表明。二人の関係はギクシャクしてしまう。一人芝居の脚本を書き、それを演じたミアだったが、客はまばらで、酷評の声が耳に届く。セブは、落ち込むミアの力になろうとするが、耐えられなくなったミアは実家に戻ってしまう。ところが一人でいるセブに、映画のキャスティング担当者から電話が入り、一人芝居をしたミアを抜擢したいという声がかかる。セブは図書館の向かいに住んでいたというミアの思い出話を頼りにミアの実家の場所の当たりを付け、車のクラクションを鳴らしてミアを呼び出す。ミアは担当者に、役者への思いのたけをぶつける。
時が経ち、ミアは押しも押されもせぬ大女優となる。すでに結婚し、子供もいるミアの夫は、セブではなく別の男だった。ミアは夫とディナーにでかけ、ジャズ・バーに入る。そこはセブが夢を叶えた店だった。ミアはセブに気づき、セブもまたミアに気づく。セブはピアノを弾き、二人は想像の世界で幸せな恋人に戻る。しかし曲は終わり、ミアは店を後にするのだった。
オープニングのハイウェイのワンカットのシーンが圧巻。ミュージカル映画の不自然さが嫌いな人でも、ここまでされたら楽しいんだから仕方がない。ルームメイトとパーティに繰り出すシーンも楽しく、一気にこの映画は楽しいぞ、と思わせてくれる。ライアン・ゴズリングの演じるピアニストの指捌きにも、ごまかし感がなく、しっかりと見せてくれる。なかなかくっつかない主役の二人が恋人同士になり、このままハッピーエンドになってほしいという願いもむなしく、二人は喧嘩をしてしまう。結局二人は結ばれず、少しもの悲しいフィナーレではあるのだが、「巴里のアメリカ人」(1951)にも似た、幸せを満喫する二人のミュージカルシーンは、もし二人が生まれ変わったらきっと幸せなカップルになっていただろう、という夢と、すがすがしい余韻を観る者に与えてくれた。久しぶりに「ああ、いい映画を観た」と思わせてくれる作品だった。
【5段階評価】5
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