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2019年1月29日 (火)

(1819) 遙かなる山の呼び声

【監督】山田洋次
【出演】倍賞千恵子、高倉健、吉岡秀隆、ハナ肇、武田鉄矢、木ノ葉のこ、畑正憲
【制作】1980年、日本

母子で暮らす家族と、そこで働くようになった男性との交流を描いた作品。山田洋次監督の「民子三部作」の3作目。

冬の北海道中標津。母子で夕ご飯を食べている風見民子(倍賞千恵子)と武志(吉岡秀隆)の家に、見知らぬ男(高倉健)が泊めてほしいと言ってやってくる。民子は警戒しながらも物置を貸す。その夜、牛のお産があったため、民子は男に手伝ってもらう。翌日、男は礼を言って立ち去る。しばらくして、男が再び民子を訪ねてきて、給料はいくらでもいいので働かせてほしいと言ってくる。民子は迷いながらも承諾し、三人で牛飼いの仕事に精を出すようになる。男の名は田島耕作と言った。田島は物置で暮らしながら誠実に仕事に精を出す。ある日、民子をものにしようと狙っている地元の顔役、虻田太郎(ハナ肇)が現れ、民子に強引に言い寄ったため、田島は虻田を追い出す。虻田は弟二人を連れて仕返しにやってくるが、田島はそれを返り討ちにする。虻田はすっかり田島に惚れ込み、兄貴と慕うようになる。民子はいちど、作業中にぎっくり腰になり、入院することになるが、武志は田島にすっかり懐き、民子のいない母屋ではなく物置で田島と一緒に寝る。田島は枕元で、自分の父親が借金苦で自殺したという過去を語り、男は簡単に泣いてはいけない、と武志に語りかける。退院した民子は、武志とともに馬の乗り方を田島に教えてもらったりして、田島と一層親しくなる。
ある日、中標津の上武佐駅に一人の男が尋ねてくる。田島の兄(鈴木瑞穂)だった。実は田島は犯罪者で、逃亡中の身だったのだ。田島の兄はお土産に、とコーヒー豆とコーヒーメーカーを田島に手渡す。その夜、田島がコーヒーを入れているところに民子が現れ、田島にいつまでいてくれるのか、と尋ねる。田島は奥さんの気持ち次第だ、と答える。民子は照れくさそうに武志が喜ぶ、と言って立ち去る。田島は地元の草競馬に出場し、見事に優勝。ところがそこに警察が現れる。刑事に田島か、と尋ねられ、田島はしらばっくれるが、警察に目を付けられたことは確実だった。その夜、民子は田島に、今日から母屋で寝てほしい、寒くなるし他人とは思っていないから、と恥ずかしそうに告げる。ところが母屋で田島は、今日で辞めさせて欲しいと話し、自分が殺人犯であることを打ち明ける。民子は母屋から立ち去る田島を見送るしかなかった。ところがその夜、牛の一頭が苦しんで倒れていると田島が告げに来る。二人は獣医(畑正憲)を呼び出し、手術が始まる。民子は獣医を手伝う田島に「行かないで、私寂しいわ」と言って田島に抱きつく。しかし、獣医に呼ばれた田島は何も答えず、獣医の方に走っていく。翌日、田島は民子と武志に別れを告げ、パトカーに乗せられて去って行く。彼は実刑判決を受け、刑事二人に鉄道で護送される。停車中、田島を見つけた虻田が窓の外から窓ガラスを叩く。客車に乗り込んだようだった。鉄道が発車すると、彼らの席の横に、民子が現れる。田島は驚くが、二人は会話をすることができない。そこに虻田が現れ、奥さんは牛飼いを辞めて中標津の町で亭主の帰りを待っているんだって、とわざとらしく大声で話し出す。民子は一生懸命それにうなずき、虻田は思わずもらい泣きしてしまう。民子は立ち上がると、刑事に「ハンカチを渡していいですか」と尋ねる。ハンカチを受け取った田島は、窓の方を向いて必死に涙をこらえる。彼らを乗せた列車は雪原を進み続けるのだった。

高倉健と倍賞千恵子の抑制された演技が感動的。余計なエピソードがだらだらと続くわけではないが、一本調子でもない。いとこ(武田鉄矢)が新妻(木ノ葉のこ)を連れてくるエピソードも、民子の人柄を際立たせることに一役買っているし、最初は嫌な奴だった虻田が最後に自分を道化にして民子の思いを田島に伝える辺りは、心憎い筋書きだった。

【5段階評価】4

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