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2019年1月 8日 (火)

(1806) 先生を流産させる会

【監督】内藤瑛亮
【出演】宮田亜紀、小林香織、高良弥夢、大沼百合子、竹森菜々瀬、相場涼乃、室賀砂和希
【制作】2011年、日本

先生を流産させようとする女子中学生に立ち向かう女性教師を描いた作品。

女子中学生のミヅキ(小林香織)は、連れのフミホ(高良弥夢)、アキナ(竹森菜々瀬)、シオン(相場涼乃)、マオ(室賀砂和希)とウサギ小屋をのぞき込み、ウサギを引っ張り出して公園の遊具の上から放り投げる。友人達がそれを見て笑う中、ミヅキは何が面白いの、と冷めた表情で問う。
彼女らの担任のサワコ(宮田亜紀)は妊娠四ヶ月に入っていたが、日々、モンスターペアレントの対応に明け暮れる日々だった。
ミヅキら五人は、たまり場にしている廃ホテルの一室で、サワコ先生が妊娠しているのが気持ち悪いと言い出し、廃ホテルの部屋で、万引きした指輪を指にはめて誓いの儀式を行う。壁には「先生を流産させる会」と書かれていた。
サワコはミヅキに連絡を取ろうとするが、本人の携帯番号にかけると他人が出て、自宅の電話も現在使われていない状態だった。
彼女らは理科の実験で使われていた薬物を盗み取ると、他のクラスメートも見ている中、ミヅキがサワコの給食のスープに薬物を混ぜ、フミホが先生に差し出す。それを飲んだサワコは嘔吐する。サワコはホームルームで堂々と、自分はつわりで吐いたのではない、スープに何かが入れられていた、と言って生徒に紙を配り、心当たりがある人は先生に手紙を書いてください、と告げる。
明くる日、サワコはミヅキら五人を呼び出し、五人が関係しているという手紙があったと告げる。しらばっくれる五人に、サワコは質問を投げかける。「あなたたちに赤ちゃんができたとします。ところがある人にいたずらで、大事な赤ちゃんが死んでしまいました。あなたたちならどうする。」と。始めに問われたアキナはとまどいながら「訴える? 」と言い、シオンとマオは同調。フミホは分かりません、と言う。しかし、ミヅキは「いなかったことにする。生まれるに前に死んだんでしょう、いなかったのと同じじゃん」と答える。先生ならどうするの、とミヅキに逆に問われたサワコは、「殺すよ」と答える。そこにフミホの母親が入ってきて、つわりで吐いたのに生徒を犯人扱いするとは教師失格だ、と叫ぶ。サワコは廊下に出て、五人の名の書かれた手紙をもらった、この字はフミホでは、と尋ねる。母親は手紙をひったくると握り潰してサワコの顔に投げつけ、心の優しいフミホを、担任のあんたが分かってないのが問題だ、と言い返す。
ミヅキら五人は、報復のため、サワコの椅子の背もたれのストッパーを緩める。ミヅキはフミホの母親もキモかったと言いだし、四人で笑う。「犯人ですか」「犯人でーす」とからかう中、フミホが悲しそうにストッパーのネジを回す。
次の日、サワコはミヅキらのもくろみ通り、椅子ごとひっくり返ってしまう。教室中が爆笑する中、サワコは立ち上がるとミヅキら五人にビンタを食らわせる。
学校は保護者を学校に呼び、教頭らしき年配の男性教師が謝罪する。しかしフミホの母親は、椅子が壊れたのを生徒のせいにして暴力をふるって、病気よ、教師やめなさいよ、と叫ぶ。サワコは始末書を書かされることになる。サワコをなぐさめる同僚の教師に対し、サワコは馬鹿が馬鹿を生む、教師は馬鹿を野放しにしておだていれいばいいんです、と答える。
プールの日。体操をしている生徒達の中で、ミヅキは元気がなく、体操をやめてしまう。シオンたちが見守る中、ミヅキは股から出血していた。ミヅキは一人で保健室に向かう。放課後、サワコはアキナに言い寄り、たまり場の場所を聞き出すと、彼女らをたまり場で待ち、大人をなめちゃだめだよ、とすごむと、この遊びを終わりにしなさい、と言って彼女らの指輪を預かる。フミホはその場に来ておらず、三人は大人しく指輪を渡すが、ミヅキだけは渡そうとしなかった。
ミヅキはフミホ以外の三人を連れて理科室に忍び込み、有毒ガスを作るための薬品を盗み出す。しかし三人はミヅキの企みに同調しなくなっていた。ミヅキはフミホの家を訪ねるが、母親に追い返される。しかし、外からフミホを手招きして廃ホテルに行き、ガスマスクをつけて有毒ガスを作り始める。
その晩、フミホの母親が、フミホがいなくなったと言ってサワコに助けを求めに学校に来る。サワコは心当たりのある廃ホテルに向かう。フミホを呼ぶ声が聞こえたとき、ミヅキはフミホのガスマスクを奪い取ると、有毒ガスを発生させてフミホを部屋に閉じ込める。フミホの居場所を探し当てた母親とサワコが、フミホを助け出す。サワコはミヅキを探す。ミヅキは長い電気スタンドでサワコを攻撃し始める。サワコがどうして流産させたいの、と聞くと、ミヅキは気持ち悪いから、と答える。どうして気持ち悪いのよ、とサワコが叫ぶと、ミヅキは知らん、と答え、スタンドの台の部分でサワコの腹を殴りつける。サワコは股間から流血し、本当に流産してしまう。サワコはミヅキの手を掴むと、指輪を抜き取り、怖い表情で「満足した? 」と尋ねる。そこのフミホの母親が現れ、ミヅキに襲いかかる。サワコはうずくまるミヅキに覆い被さってミヅキを守る。
ミヅキは児童相談所に送られる。担当官は、ミヅキに、胎児は殺人の対象となる人には含まれず、不同意堕胎罪プラス傷害罪ではないか、と告げる。ミヅキは聞いているのか、部屋のカーテンをもてあそぶばかりだった。ミヅキが児童相談所を出ると、喪服を着たサワコがいた。サワコはミヅキを草原に連れてくる。そこにはかざぐるまの飾られた墓のようなものがいくつかあり、サワコはミヅキに穴を掘らせて、胎児のなきがらを一緒に埋める。二人はしゃがんで墓に手を合わせる。サワコはミヅキに「いなかったことになんて、できないの」と話す。ミヅキは何も答えず、ふと空を見上げるのだった。

実話をもとに作られた作品。低予算らしく、映像や音楽が貧弱なのは仕方なく、売りは脚本の力。生徒達のいたずら、いやいたずらというよりは犯罪行為がどのようにエスカレートし、被害に遭った先生がどう立ち向かうか。ストレートなセリフは分かりやすく、力があった。特にモンスターペアレントの母親のセリフは、いかにも過保護な親が先生に言いそうな内容で、妙な芝居じみた台詞回しがなく、観ている者に、その口撃のひどさが突き刺さる。主人公のサワコも、生徒を思う正義の人かというと、子供に向かって殺すとか、有無を言わさず平手打ちとか、褒められないところもあるのが逆に真実味と共感を呼ぶ。
生徒と戦う女性教師の作品としては、「告白」が有名だが、本作も、もし同じぐらい予算をかければ同等以上の作品になったのではないかと感じた。

【5段階評価】3

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