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2019年1月 5日 (土)

(1803) JSA

【監督】パク・チャヌク
【出演】イ・ビョンホン、イ・ヨンエ、ソン・ガンホ、キム・テウ、シン・ハギュン
【制作】2000年、韓国

北朝鮮と南朝鮮の国境の歩哨所で起きた銃撃事件の真相を巡るサスペンス。

北朝鮮の国境歩哨所で、北朝鮮側の兵士2名がやってきた韓国兵士に銃殺されるという事件が起きる。韓国系のスイス軍少佐ソフィー・チャン(イ・ヨンエ)が捜査に当たる。現場から足を負傷した状態で逃げてきた韓国側の兵士イ・スヒョク(イ・ビョンホン)は放心状態にあった。調書によれば、彼は北朝鮮兵士に拉致されたが脱出し、その際に銃撃戦になったということだった。殺害された兵士の一人、チョン・ウジン(シン・ハギュン)はスケッチブックを残しており、そこには美しい女性のスケッチがあった。ソフィーは続けて、現場で負傷した北朝鮮側の兵士、オ・ギョンピル(ソン・ガンホ)と面会。ギョンピルは肩を負傷しており、ソフィーは彼を気遣うが、ギョンピルは彼女に質問をされても面倒くさそうにして答えようとしなかった。彼の供述によれば、事件当日、突如、韓国兵士が歩哨所に現れ、銃撃してきたという。南北で証言が全く食い違っているのだった。
死体の確認をしたソフィーは、死体の銃創から、一体は正面から額を撃ち抜かれており加害者の恨みがこもっていると考えられること、もう一体は滅多打ちにされており躊躇が見られることを読み取る。さらに、北朝鮮兵士が受けた銃弾は16発分あるにもかかわらず、弾は15発しか見つかっていないことも判明。銃撃に使われた銃は弾倉に15発入るが、さらに銃身に弾を込めれば16発撃てるものだった。ソフィーはスヒョクに弾を込めさせるが、彼は15発しか込めない。ソフィーは、現場にもう一人いたはずだ、と推理する。さらに、スヒョクとともに歩哨所を担当していたナム・ソンシク(キム・テウ)の銃から、現場の血が検出される。尋問を受けるソンシクは混乱し、取調室から飛び降りてしまう。
場面は事件以前に戻る。国境近くの草むらを巡回していたスヒョクは、立ち小便から戻ろうとした際、地雷の信管につながる針金に足をひっかけてしまい、身動きがとれなくなる。そこに通りかかったギョンピルとウジンが彼を発見。ギョンピルが信管を抜きとり、スヒョクを助ける。国境兵士は互いに、緊張状態にありながらも会えばたばこのやりとりをするなど、互いを尊重し合う関係にあり、スヒョクはやがて命の恩人であるギョンピルを兄貴と呼び、韓国の音楽テープを北朝鮮領土内に投げ込むなどして交流を始め、ついには北の歩哨所に遊びに行くようになる。スヒョクはやがてソンシクも仲間に引き入れ、4人は夜な夜な集まっては他愛のない話や遊びをして交流を深めていた。しかし、南北が緊張状態に入り、スヒョクはもう北の歩哨所に行くのはやめようとソンシクに提案。ソンシクは、ウジンの誕生日があるのでお別れに行こう、と言い、二人は歩哨所に行く。ところがそこに、上官のチェ・マンスが戻ってきてしまったのだ。開いたドアでマンスと鉢合わせになり、表情を失うソンシク。その表情が、飛び降りたソンシクにオーバーラップする。彼は意識不明の重体となる。現場にいたスヒョクは、恨みの表情でソフィーの首を絞め、周囲の兵士に取り押さえられる。
ソフィーのもとに、スヒョクとギョンピルが呼ばれる。スヒョクは二人に、尋問中に混乱状態となり発作的に飛び降り自殺を図ったソンシクの映像を見せる。ギョンピルは感情を表に出さずにそれを見るが、スヒョクは涙を流し、真相を語りそうになる。すると突然、ギョンピルが机ごとスヒョクを押し倒すと、首相万歳と叫び、部屋を後にする。
ソフィーは父親が北朝鮮の関係者であることが判明したことから、任務を解かれる。ソフィーは部屋にスヒョクを呼ぶと、ウジンのスケッチした女性の絵はスヒョクの恋人の顔だったことから、四人は知り合いだったのだと説明し、ギョンピルを守るために真相を明かしてほしいと告げる。
マンスが四人のいる歩哨所に入ってきたとき、マンスはスヒョクに銃を向け、スヒョクもまたマンスに銃を向けた。マンスは韓国兵士2名の武装を解除せよと命じ、ギョンピルを殴りつける。ウジンはスヒョクに銃を向ける。ギョンピルはマンスに、彼らが亡命を求めてきたから相談に乗っていた、と言い、スヒョクに銃を下ろすよう命じるが、スヒョクはこの上官は出世欲の塊で兄貴も嫌っていたじゃないか、と言って銃を下ろそうとしない。それでもギョンピルはスヒョクとマンスの銃を押さえ、ゆっくりと銃を下ろさせる。ようやく二人は銃をホルスターにしまう。ところがそのとき、ラジカセのテープが反転し、突如大音量が鳴り響く。そこにマンスの無線が着信。手を伸ばす仕草が銃を取るように見えた瞬間、ソンシクはマンスを撃ってしまう。慌てて銃に手をやるウジン。しかし、ソンシクとスヒョクがウジンに銃を向け、二人はウジンの脳天と手を撃つ。スヒョクはすぐさまギョンピルに銃を向けて引き金を引くが、弾が詰まって撃てなくなってしまう。そのとき、絶命したはずのウジンの銃から弾が放たれ、スヒョクの脚を撃ち抜く。ソンシクはもはや絶命しているウジンに何発も銃弾を浴びせる。ギョンピルは放心状態となったソンシクから銃を奪い取ると、まだ息のあったマンスの脳天に恨みを込めて銃を放ち、息の根を止めると、その銃の指紋を拭き取ってスヒョクに渡す。そして落ちていたスヒョクの銃を拾ってソンシクに渡すと、スヒョクは拉致されて逃げたと言え、ソンシクはこの場にいなかったと言え、と言って歩哨所から追い出す。歩哨所を出たスヒョクにギョンピルが目配せする。一人だけ無傷である自分を撃て、という意味だった。スヒョクはギョンピルの肩を撃ち、逃走する。ギョンピルは証拠になりそうなものを川に投げ捨てる。失われた弾丸はこのとき川に消えたのだった。
ソフィーはギョンピルと面会していた。ギョンピルは一度は自分に銃を向けたスヒョクを許していた。彼は、スヒョクにもらったライターをソフィーに託す。ソフィーは病室から護送されるスヒョクにライターを託すと、スヒョクとギョンピルの証言で違っていたところとして、最初にウジンを撃ったのが、スヒョクはソンシクだと言ったが、ギョンピルはスヒョクだと言っていた、銃撃戦ではどうでもいいことだが、と告げる。スヒョクはそれを聞いて、親友の頭を撃ち抜いたのをソンシクだと思い込んでいたが、実は自分であったことを悟る。
護送車に乗り込んだスヒョクは、同乗する兵士の銃を奪い取ると、脳天を撃たれて死んだウジンに詫びるように、自らの脳天を撃ち抜き、命を絶つ。ソフィーはそれを目にして涙する。
彼らがまだ生きていたとある日。観光客が撮った写真には、観光客の飛ばされた帽子を拾ってあげた優しいギョンピル、その後方でおどけるように行進をしているウジン、韓国側の警備をしているソンシク、そして撮影を押しとどめているスヒョクの姿が写っているのだった。

派手な銃撃戦が売りのアクション作品かと思って見始めたが、しっかりとしたサスペンスで見応えがあった。始めはただ韓国兵士が北朝鮮兵士を殺害しただけの事件。様々な証言と証拠で次々に真相が塗り代わり、様々な伏線を回収して最後に一つの結果にたどり着く。サスペンス作品として素晴らしいできばえだった。
細かいところでは、遺体の死後硬直感が生々しく、リアルにゲロを作る韓国ならではのリアリティを感じた。ちょっと違うか。
もう一点。準主役のソフィーは、普通に考えれば善人なのだが、ソンシクを自殺に追い込むような取り調べをしたり、最後の一言がスヒョク自殺の引き金になったりと、実は天然で罪なことをしている。制作側の意図なのか、結果的にそうなったが特に配慮がされていないのか、よくわからなかった。まあ、彼女の美貌が本作に花を添えていることは間違いないのだった。

【5段階評価】4

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