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2018年12月18日 (火)

(1790) ニキータ

【監督】リュック・ベッソン
【出演】アンヌ・パリロー、チェッキー・カリョ、ジャン=ユーグ・アングラード、ジャン・レノ
【制作】1990年、フランス、イタリア

政府の工作員となった女性の運命を描いた作品。

男3人、女1人のチンピラ4人が、薬目当てに深夜の店に忍び込み、警察と派手な銃撃戦を行って男達は死亡。警察官が店内に確認に入る。中には薬が切れていたせいか戦闘に加わらずにいた女性(アンヌ・パリロー)が生き残っていた。しかし彼女は身柄を確保しようとした警察官の喉元に銃を突きつけ、そのまま発砲。警官殺しの罪を負った彼女は無期懲役となる。当然の判決にも彼女は狂ったようにわめき叫び、法廷から引きずり出される。
ニキータと名乗る女は、そもまま刑務所に行くかと思いきや、麻酔薬を打たれ、気がつくと真っ白な部屋の中にいた。そこに政府関係者のボブ(チェッキー・カリョ)が入ってくる。彼はニキータを工作員に仕立てるための訓練を開始。はじめは非協力的だった彼女だったが、厳しい訓練を乗り越え、工作員として自由の身になる。しかし、コードネーム、ジョセフィーヌで呼び出された場合は命令に服従することを義務づけられていた。自由の身になったニキータは嬉しそうにスーパーで買い物をし、新米レジ打ち係のマルコ(ジャン=ユーグ・アングラード)と知り合い、恋に落ちる。ニキータはマルコに過去を明かさず、看護師をしていると嘘をつく。マルコと暮らすようになったある日、ジョセフィーヌとしての彼女に指令が来る。それは、ホテルの一室にいるターゲットに発信器付きのルームサービスを持ち込むことだった。緊張しながら飲み物を乗せたトレイをホテルの部屋に運ぶニキータだったが、部屋の手前にいるボディガードに部屋に入ることを許されず、彼女は部屋の前まで飲み物を運ぶだけで役目が終わる。想像以上に楽な役回りであったことをニキータは喜び、マルコとの生活に満足。ボブが初仕事の任務が成功に終わったことを告げる電話をかけてくる。ニキータはボブを家に招待し、ボブがやってくる。ボブはニキータのおじという役回りで、彼女の幼い頃の話をまるで本当のようにマルコに話すと、婚約祝いだ、と言ってベネツィア行きの飛行機チケットを二人に手渡す。思いがけない休暇に喜ぶニキータだったが、旅先のホテルに、ジョセフィーヌ当ての電話が来る。彼女はすぐさまホテルのバスルームに入り、隠されていた受信機とライフルを使ってターゲットを暗殺。マルコに何とか気づかれずに仕事を終える。
さらにニキータに、ソ連大使の持つ情報を盗み出す指令が下る。そして決行の日。夜勤続きを心配するマルコに、ニキータは自分に言い聞かせるように今日が最後と告げる。
ニキータは娼婦の役で大使に接近。大使とともにアパートの一室に入る。大使を睡眠薬で眠らせ、部屋にあらかじめ潜んでいたもう一人の工作員が大使に変装して大使館に入るという計画だったが、大使の知る暗号が切り替わっていることが判明し、計画は大使とボディガードを抹殺するという強攻策に変更。人を殺すことに抵抗を感じていたニキータは、やってきた掃除屋のビクトル(ジャン・レノ)に穏便な策の実施を持ちかけるが、ビクトルは全く聞き入れない。彼は始末したボディガードと大使を浴槽に投げ込み、強酸をかけるが、まだ生きていた大使が暴れ始める。パニックになった変装役の工作員がビクトルに銃を向け発砲するが、あっさりとビクトルの返り討ちに遭ってしまう。ニキータはビクトルを説き伏せ、自分が大使に変装して大使館に入り込む。何とか大使の部屋の金庫から情報を盗み出したニキータだったが、大使館の警備が怪しみ始める。ビクトルはすぐ逃げようと叫ぶニキータの頼みも聞かず、追ってきた大使館員を射殺。大使館に警報が鳴り響き、ビクトルの車に警備員が集まってくる。ビクトルは警備員を銃撃するが、彼もまた機関銃で撃たれ、重傷を負う。ガレージの壁を突き破って逃走するビクトルは、交差点の信号で車をとめたところで絶命。ニキータは車を降り、マルコの待つ家に帰る。シャワーを浴び、マルコの寝るベッドに転がり込むニキータに、マルコは今の仕事はもうやめろ、と告げる。彼はニキータが看護師ではなく、工作員であることを突き止めていたのだ。なぜ黙っていたのか、と問うニキータに、マルコは愛しているからだ、と告げる。ニキータは泣きながらマルコを抱きしめる。
次の日、ボブがマルコの部屋を訪れる。ニキータはいなかった。マルコは、ニキータから預かったというマイクロフィルムをボブに渡すと、ボブ宛ての手紙は破り捨てた、とボブに告げる。何と書いてあったのか、と問うボブに、マルコは何も答えない。ボブはマルコの覚悟を知って微笑むのだった。

1994年に公開された「レオン」と同じ作風で、強烈なバイオレンスと愛が共存した作品。エンディングはなかなか意味深長。秘密を知ったマルコをボブが殺してしまうのかもしれないし、マルコには手を出さないまでもニキータを追いかけるかもしれない。
自分としては、自分を殺しに来たかもしれないボブを、丸腰で迎え入れ、証拠となるマイクロフィルムを渡し、手紙は破ったと言って内容を隠すという最大限の挑発をしてくるマルコを目の前にして、ボブはマルコが決してニキータの行き先も何も告げるつもりはないと覚悟を決めていることを確信したように思う。マルコのニキータへの愛を真実だと知ってボブはニキータを追うのをやめることにし、寂しくなると告げたのではないか。その言葉を聞いたマルコは、少しの沈黙の後、「ああ」と言って目を背ける。実はマルコはニキータを追うつもりでいて、だから自分は寂しくはない、寂しいという嘘を見抜かれないよう、目をそらしたのではないか。そんな気がするのである。

【5段階評価】4

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