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2018年11月18日 (日)

(1772) 聲の形

【監督】山田尚子
【出演】入野自由(声)、早見沙織(声)、悠木碧(声)、金子有希(声)
【制作】2016年、日本

 

大今良時原作漫画のアニメ映画か作品。耳の聞こえない少女と、その同級生だった男子高生との交流を描いた作品。

 

小学生の石田将也(松岡茉優)のクラスに、ろうあの少女、西宮硝子(早見沙織)が転校してくる。筆談用ノートで同級生とコミュニケーションをとるが、将也は彼女の補聴器を取り上げて教室の外に放り投げたり、耳元で大声で叫んだり、と彼女をからかい、いじめ始める。女生徒の植野直花(金子有希)も、ノートを持って会話に入り込もうとしたり、何を言ってもすぐごめんなさいという硝子をウザがり、仲間はずれにする。硝子へのいじめは補聴器の度重なる紛失という形で表面化し、クラスは一転して将也をつまはじきにする。
中学に上がっても、将也は仲良しだった島田一旗(西谷亮)から悪口を言いふらされて孤立。高校でも浮いた存在となるが、やがて永束(小野賢章)と友達になる。
将也は手話を覚え、硝子に会いに行き、持ったままだった筆談用ノートを彼女に手渡す。硝子の妹の結弦(悠木碧)は、はじめは将也を嫌悪し、ののしるが、将也の真摯な気持ちに触れ、硝子と将也のふれあいを応援するようになる。小学生時代の同級生との交流を取り戻した将也は、硝子、結弦、永束、植野、小学校時代の同級生の佐原みよこ(石川由依)、川井みき(潘めぐみ)、高校で友人となった真柴智(豊永利行)と遊園地に行き、久しぶりに友達と仲よく幸せに過ごす気分に浸る。しかし、硝子を好きになれずにいた直花は、観覧車に硝子と二人で乗り、彼女を責める。真柴は、直花と硝子が小学生の頃いろいろあったという話を川井から聞いたという話を将也にする。それを聞いた将也は川井を問いただすが、川井は逆ギレして将也が硝子をいじめていたと怒り出す。将也はいつも硝子と会う水門橋に向かうが、そこに集まった友人達をことごとく罵倒してしまう。将也は硝子と結弦とともに夏休みを過ごし、将也のことを嫌っていた硝子の母親(平松晶子)にも何とか許しを得るようになり、花火大会に硝子の家族と出かける。ところが、硝子は勉強をするからと言って途中で家に帰ってしまう。またね、と手話で伝えた将也に、硝子はたださようならをしてその場を去る。結弦から家に置き忘れたカメラを取ってくるよう頼まれた将也は、硝子の住むマンションに向かう。将也は硝子がマンションのベランダに立っているのを見つける。硝子はそのままベランダのへりをよじ登り、その上に立ち、飛び降りを図る。何とか手を掴んだ将也は硝子を引き上げることに成功するが、自分自身は落下し、意識不明となってしまう。硝子は、自分がいては周りを不幸にすると感じ、自殺を図ったのだった。
硝子の家族はみな、将也の母親(ゆきのさつき)に土下座して謝罪。硝子も足下にひざまづいて号泣して詫びる。しかし直花は硝子を激しく責め、将也の看病を続ける。直花のせいで硝子は将也の看病をすることができなかった。
ある夜、将也の感情を感じ取った硝子は、水門橋に向かう。ついに将也は意識を取り戻し、導かれるように水門橋に向かう。二人は再会。硝子は泣いて詫びるが、将也は硝子に生きるのを手伝ってほしい、と硝子に頼む。二人は改めて仲よくなる。
友人達に合わせる顔のなかった将也だったが、永束は泣いて将也の復活を喜び、川井は千羽に満たなかった折り鶴を泣いて誤りながら将也に手渡す。真柴も温かくそれを見守る。直花は素直になれずにいたが、その場に現れ、硝子に「バカ」と手話で伝える。硝子は正しい手話を直花に教え、直花は照れくさそうに「唐揚げ食べにいこ~っと」と言ってその場を立ち去る。将也はみんなと文化祭を見て回りたいと提案。それまであった将也の心の壁が消え、周囲の声が飛び込んでくる。将也は思わず涙するのだった。

 

単純なようで複雑な若者の心を丁寧に描いた素晴らしい作品だった。特に音楽がよかった。鍵盤のきしみが聞こえるようなピアノの曲、古びたレコードのようなノイズ。音声をテーマにした映画らしい、そして女性監督らしい(こういう書き方はステレオタイプかもしれないが)繊細さが感じられた。
硝子が将也の母に泣いて詫びるシーン、文化祭で人々の顔を塞いでいたバッテンが落ち、将也の心の壁が消えた瞬間も感動的。小学校時代の将也の心ないいじめと、それを目の当たりにしてもなおごめんなさいと謝る硝子の不憫さが、目を背けたくなるほど不快で悲しいシーンなので、そこは正直何度も見たくはないのだが、それもまた、子供の頃の理不尽で理解できない行動を表すものとして、必要な描写だったのだろう。ミニスカ美少女キャラのアニメ作品ではあるが、とてもずっしりと胸に響く作品だった。

 

【5段階評価】5

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