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2018年8月12日 (日)

(1734) 悪魔が来たりて笛を吹く

【監督】斎藤光正
【出演】西田敏行、斉藤とも子、宮内淳、夏木勲、鰐淵晴子、二木てるみ、池波志乃
【制作】1979年、日本

横溝正史の原作小説の映画化作品。いわゆる金田一シリーズ。

廃墟の中で、一人の女性が手首を切って自殺を図ろうとする。男が必死にとめに入るが、女性は流産してしまったようである。
場面は変わり、昭和23年の富士の樹海。一人の男性の自殺死体が発見される。天銀堂事件の特別捜査本部の小部屋で、金田一耕助(西田敏行)と等々力警部(夏木勲)が話している。樹海で発見されたのは、天銀堂事件の容疑者となり、のちに潔白が証明されたにも関わらず自殺した椿英輔子爵(仲谷昇)の死体だった。天銀堂事件とは、昭和22年10月、宝石店の天銀堂に宮内府の井口次郎と名乗る男が現れ、店長以下従業員4名を青酸カリによって殺害したというもの。ところがその後、椿子爵の未亡人が、自殺したはずの椿子爵を見かけたらしい。等々力警部によると、椿邸で、夫の安否を問うための占いの儀式が行われるとのこと。金田一は椿邸に向かう。彼を出迎えたのは、子爵の美しい娘、美禰子(斉藤とも子)。美禰子は金田一に、本に挟まっていたという子爵の遺書を見せる。遺書には「この家には悪魔がいる」と書かれていた。
金田一はメイドのお種(二木てるみ)から、子爵を見かけたときの話を聞く。最初に見かけたのは、椿邸に住む元貴族院議員、玉虫公丸(小沢栄太郎)の妾の菊江(池波志乃)で、お種のほかに、子爵の妻の秋子(鰐淵晴子)、秋子の乳母の信乃(原知佐子)が一緒にいたという。金田一は砂占いの儀式に臨席。途中で停電が起き、電気が戻ると、砂の上に火焔太鼓の文様が現れており、秋子は激しく取り乱す。同時に「悪魔が来たりて笛を吹く」の曲が流れ出す。誰かが停電中にレコードプレーヤーのコンセントを入れていたようだった。秋子の体調が優れないということで、金田一は椿邸を去る。その夜、秋子は医師、目賀重亮(山本麟一)の居室に向かう。それを物陰から哀しげに見つめる美禰子。椿邸に怪しい仮面をつけ、笛を持った人物が現れる。
家に戻った金田一に、等々力警部から電話が入る。玉虫が殺されたのだ。玉虫は襟巻きで絞殺されていた。彼は何者かと格闘し、雷神の彫像で殴られ鼻血を出した形跡があったが、その顔は白いハンカチで拭かれていた。そして玉虫が倒れていた部屋は、内側からかんぬきがかけられた密室状態になっていた。等々力警部と金田一は住人から事情を聞く。菊江によると、菊江は、玉虫が1時になっても部屋に戻ってこないことに気づき、玉虫のいたアトリエの中を鍵穴から覗き、玉虫が倒れているのに気づいて使用人の三島(宮内淳)とお種の兄妹を呼んだのだった。部屋に内側からかんぬきがかかっていたため、三島が木槌で扉を破ってかんぬきを外して中に入ったのだ。
明くる日、金田一は美禰子から、雷神の彫像のもう一方の風神の方が、いつの間にかなくなっているという話を聞く。また、金田一は菊江からも話を聞く。彼女によると、秋子は目賀と密通しており、そのことは英輔の生前から玉虫公認の関係だと言う。それもあって秋子は玉虫が死んだことにおびえており、子爵を庭で見かけたというお種や信乃の話を聞いて秋子はまた卒倒する。
自室にいる金田一のもとに、美禰子が訪ねて来る。美禰子は、英輔の遺書は天銀堂事件の起きる2日前に美禰子の本に挟まれていたと金田一に告げる。英輔の自殺は、天銀堂事件とは無関係だったのだ。では英輔はなぜ自殺したのか。美禰子の問いに金田一は答えることができなかった。
天銀堂事件の日、英輔は三島を連れて須磨に向かっていた。金田一は、知り合いの風間(梅宮辰夫)が、英輔に似た男を闇屋で見かけたという話を聞き、彼の名前と居場所を調べるよう頼むと、三島、美禰子とともに須磨に向かう。金田一はそこで、英輔の足取りを捜査中の山下刑事(藤巻潤)と合流。美禰子の提案で、一同は玉虫家の別荘跡に向かう。美禰子は焼け落ちた別荘に残った石柱に、英輔の字で「悪魔ここに誕生す」と書かれているのを発見する。三島は山下刑事とともに東京に戻り、金田一は美禰子とともに英輔の足取りを追う。とある民家を訪ねた金田一は、老婆から、辰五郎という職人の娘、妙子が玉虫の別荘で妊娠し、治雄という息子をもうけたという話を聞く。辰五郎は金回りがよくなったそうだが空襲で死んでおり、妙子と治雄の居所は分からないのだと言う。金田一は、辰五郎が神戸で作った女だというお玉(京唄子)のもとを訪ねる。辰五郎とお玉の間に小夜子という娘がいたと聞いた金田一だったが、お玉によると小夜子はお玉の実の娘ではなく、辰五郎が玉虫の家からもらい子してきた娘で、その行方はわからず、妙子は妙海尼という尼僧になっているということだった。宿に戻った金田一は、女将(中村玉緒)から、英輔が人目に付かぬよう淡路島に渡ったという話を聞く。嫌な予感がした金田一は、美禰子を東京に帰らせ、単身、淡路に向かう。英輔を乗せたという船乗り(中村雅俊)によると、英輔は淡路島で亡霊にでも遭ったかのような真っ青な顔で茫然自失としていたと言う。
その頃、東京では風間が、英輔に似た男が闇市にいるのを探し当てていた。風間は、男の名が飯尾だという情報を掴むが、男を見失ってしまう。男は、顔を隠した三島らしき男に導かれ、雑踏の中に消える。
妙海尼がいる寺にたどり着いた金田一は、住職(加藤嘉)から、妙子の生んだ治雄の父が、秋子の兄、新宮利彦(石濱朗)であると知らされる。妙海尼は4-5日前、息子が人殺しをした、本当のことを言わなければよかった、と泣き叫んでいたが、最近大人しくなっていた。金田一は妙海尼の住む東屋に向かうが、彼女は部屋の中で首を吊って死んでいた。彼女の足下の布とふすま紙には、火焔太鼓の文様があった。
東京では、美禰子が帰宅していた。美禰子は、電報の知らせで一旦は外出したのだが、目賀、菊江、信乃にも同時に電報が来てみんな出かけることになったのを不審に思い、家に戻ってきたのだった。彼女は、台所にあったメロンを切って母親の部屋に向かうが、扉の前にいたお種が、中に入らないよう美禰子を押しとどめる。お種の様子がおかしいと感じた美禰子はお種を振り切って部屋に入る。そこでは、母親の秋子が、あろうことか実の兄の利彦と愛し合っていた。美禰子はショックで部屋を飛び出す。利彦の肩には、火焔太鼓のあざがあった。利彦の妻の華子(村松英子)は、自分の部屋からその様子を見ており、怒りで刺繍の丸枠を握りつぶす。
等々力警部は、飯尾の遺体を発見する。彼の隠れ家からは、天銀堂から盗まれた貴金属が見つかった。現場にはかつらがあり、彼が英輔になりすました天銀堂事件の犯人であることは明らかだった。
その夜、秋子は美禰子の前に現れる。美禰子は秋子を好きになろうとしていたが、利彦と密通していた秋子に裏切られたため、秋子への信用を完全に失っていた。秋子は、美禰子が父親の方を好きだったことから、美禰子にうまく接することができずにおり、美禰子に、鎌倉の別荘に行くと告げる。すると、外から笛の音が鳴り出す。美禰子は狼狽し、近くにいた信乃に支えられる。華子と菊江、そして美禰子が音の鳴る温室の方に向かう。中には、風神像で撲殺された利彦の死体が転がっていた。
警察は、電報局員(秋野太作)への聴取から、電報を打ったのが利彦であることを突き止める。現場に着いた金田一は、凶器となった風神像の底が切り取られているのを見て、等々力警部を、砂占いの儀式が行われたアトリエに呼ぶ。
砂占いで現れた火焔太鼓の文様は、犯人が、停電のすきに部屋に置かれていた風神像の底に刻まれた文様を押しつけたものだった。 犯人は、その後、風神像を隠していた雷神像と取り替えるためにアトリエに忍び込むが、アトリエで居眠りをしていた玉虫に見つかってしまい、持っていた雷神像で玉虫を殴ったのだ。殴られた玉虫は、犯人の言葉に衝撃を受け、このことを黙っていると告げ、自らハンカチで鼻血を拭くと、内側からかんぬきをかけて部屋にこもる。犯人はいったん部屋の外に出たものの、かんぬきのかかった扉の上の天窓から身を乗り出して玉虫を呼び寄せ、襟巻きで絞殺して玉虫を突き飛ばす。これが密室殺人の真相だった。
玉虫を殺した犯人は三島だった。三島とお種は、信乃を物置に拘束して秋子とともに鎌倉の別荘に向かっていた。金田一は、鎌倉に向かう車中、事件の真相に気づいたきっかけを等々力警部に説明する。英輔の遺書のはさまれていた書物、ゲーテのウィルヘルム・マイステルの中には、兄と妹が兄妹であると知らずに恋に落ち、子供を産んで不幸に陥るという話が出ていた。それは、三島とお種のことを指しているのだった。
鎌倉の別荘で、お種は、自分が秋子と利彦の間に生まれた娘であることを秋子に告白。三島もまた、利彦と妙子の間に生まれた子供であることを告げる。お種は、自分が近親相姦の子であることにショックを受けるが、三島の愛のおかげで立ち直れたのだった。ところが、三島とお種が愛し合っていることを知った妙子が、三島の父親が利彦であることを伝える。二人は共通の父を持つ兄妹だったのだ。二人は何度も別れようとしたがかなわず、お種は三島の子を身ごもる。お種は手首を切って自殺しようとするが三島に止められるも、ショックで流産してしまっていたのだ。二人の話を聞いた秋子は、自ら別荘の窓から飛び降りて自死する。
別荘にたどり着いた等々力警部は、秋子の遺体を発見。金田一は、笛の音に気づいて海岸に向かう。そこには横笛を奏でる三島がいた。彼のそばにいたお種は、金田一の目の前で息を引き取る。三島も服毒しており、その場に崩れ落ちる。三島から母の安否を聞かれた金田一は、元気だったと嘘をつき、彼が静かに息を引き取るのを見守る。金田一は美禰子とともに三島とお種、そして妙子を弔い、美禰子のもとを去るのだった。

近親相姦がテーマなのだが、中盤の関係者の証言のみによる親子関係の説明が分かりづらく、特に辰五郎という男が映像として登場しないせいもあって、どういう関係者がいるのか、よく分からないまま、どうやら三島とお種が兄妹らしいということだけが理解できた、という状態だった。2度観て、多少理解できたが、それでもどうして三島が飯尾を使って天銀堂事件を起こす必要があったのかは、よく分からなかった。また、利彦が電報で四人を外出させたのは、おそらく秋子との情事のためだったのだろうが、であればどうして妻の華子や使用人は追い出さなかったのか。そのあたりがよく分からなかった。
とはいえ、当時18歳の斉藤とも子の可憐な少女役はよかった。

【5段階評価】3

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