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2018年1月13日 (土)

(1675) 呪怨

【監督】清水崇
【出演】奥菜恵、伊東美咲、上原美佐、津田寛治、田中要次、藤貴子、尾関優哉
【制作】2003年、日本

ある女の呪いが人々に伝染していくようすを描いた作品。今まで、自動録画されても怖いので観ないでいたのだが、やはり代表的なジャパニーズホラーなので、観ることにした。

福祉センターでボランティアをしている理佳(奥菜恵)は、徳永家の老女(磯村千花子)の見回りに向かう。家の中はゴミ屋敷のようになっており、おそるおそる家に入った理佳は、放心状態の老女、幸枝を発見する。家の掃除をしていた理佳は、何かをひっかくような物音を聞き、恐る恐る2階に上がる。ガムテープで塞がれたふすまを開けると、中には黒い猫が。その猫が床に飛び降り、再び理佳が目を上げると、目の前に少年(尾関優哉)が座り込んでいた。驚いた理佳は幸枝に話を聞こうとするが、幸枝は何も答えない。理佳はセンターに電話をした後、再び2階に行き、少年に名を訪ねる。少年は薄気味悪い声で「俊雄」と答え、じっと階下を見つめる。その視線の先を追うように理佳が再び幸枝のもとを訪ねると、幸枝は外の暗闇を凝視し、急に両手で顔を覆っておびえはじめ、布団に横たわる。理佳が気づくと、幸枝の上に真っ黒な影が覆い被さり、二つの目が理佳をにらみつける。理佳は恐怖で失神する。
その家には、幸枝の息子、勝也(津田寛治)と妻の和美(松田珠里)も住んでいた。ある日、和美は、2階に人の気配を感じて寝室に入り、そこで何かに恐怖して悲鳴を上げる。帰宅した勝也は和美を探して2階に行き、そこで恐怖に引きつったようにベッドに倒れている和美を発見。救急車を呼ぼうと携帯を取りだしたとき、部屋の中に人の気配を感じる。勝也が押し入れやベッドの周囲を確認すると、ベッドのわきに突然、白い体で目だけ黒く落ちくぼんだ俊雄を発見。和美はそのまま絶命し、勝也も何かに取り憑かれたような表情を浮かべる。勝也は和美を2階の洋室に運び込むと、訪ねてきた勝也の妹、仁美(伊東美咲)を家から追い出す。
仁美は、徳永家に留守番電話を入れる。それはちょうど、理佳が家を訪問しているときだった。仁美が帰宅の途に就こうとビルの廊下を歩いていると、背後から何かの物音を聞きつける。トイレの個室に入った仁美は、個室の外にさっき聞いた足を引きずるような音と人影に気づく。ふと携帯がなり、仁美が出ると、それは兄の勝也からだった。ところが勝也は「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」というおかしな声を上げ始める。仁美は隣の個室からノックされたのを聞いて個室を出るが、持っていた熊のストラップが床に落ちてしまう。それを拾おうとしたとき、隣の個室からゆっくりと真っ黒い女性の影が現れ始める。仁美はトイレを逃げ出し、警備員室に向かう。警備員はトイレに確認に行く。警備員室からモニター越しにそれを見ていた仁美は、モニターの画面が奇妙に乱れ、警備員に黒い影がまとわりつくように伸びていくのを見て、ビルから逃げ出し、マンションの自室に駆け込む。部屋で水を飲んで一息つくと、家の電話が鳴り、今から部屋に行くと勝也から電話連絡が入る。ドアチャイムが鳴り、仁美がドアの穴から外を覗くと、勝也が何事もないような顔つきで立っており、仁美は安心してドアを開けるが、そこには誰も立っていない。すると電話の子機から再び「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」という声が響く。驚いた仁美は子機を放り投げてドアを閉め、ベッドの布団にくるまる。恐怖におびえながらテレビを付けると、そこに映っていた女性テレビレポーターの顔が、次第に乱れ始め、ついにはゆがんだ表情のまま画面は凍り付き、「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」という音がテレビから流れたかと思うと、電源が切れる。仁美は布団をすっぽりかぶって恐怖に耐えていたが、次第に布団が膨れ上がっていく。仁美はいつのまにかなくしたはずの熊のストラップを握りしめていた。仁美が布団の中をのぞくと、白い顔をした女性(藤貴子)が仁美を見つめていた。悲鳴を上げた仁美は、引きずり込まれるように布団から消えてしまう。
理佳に徳永家の訪問を頼んだセンターの上司が徳永家を訪ねると、変死している幸枝と、放心状態の理佳を発見。警察は、天井裏で勝也と和美が死んでいるのを発見する。捜査の結果、そこはかつて、佐伯伽椰子が夫の佐伯剛雄(松山タカシ)に殺され、天井裏で発見された現場であり、息子の俊雄は行方不明のままとなっていることを突き止める。理佳が見た少年は、その俊雄だった。かつて佐伯家の事件の捜査を担当していた遠山(田中要次)は、徳永家の担当刑事から、行方不明になった警備員の映った防犯カメラの映像を見せられる。警備員を覆った黒い影は警備員をトイレに引きずり込むと、そのまま廊下を歩き出し、画面から消えたかと思うと、突如、黒い影が画面全体を覆い、二つの黒い目が遠山をじっと見つめた。恐怖におびえた遠山は、その夜、事件のあった家に行き、台所に灯油をまき始める。ところが無人のはずの玄関に明かりが見え、女子高生が騒ぐような物音が聞こえ始める。遠山が玄関に続くドアを開けると、一人の少女(上原美佐)が階段を降り、遠山に気づいたように振り返ると、そのまま玄関を飛び出していく。遠山はそのまま2階に上がる。なぜかそこは昼間で、2階の洋室では、3人の女子高生が談笑していた。3人は天井の何かに気づいたように遠山の視界から消えると、突如、悲鳴をあげる。すると中から、床を這う伽椰子が現れる。遠山は絶叫して階下に逃げ、腰を抜かす。そこに、遠山の行方を追っていた刑事二人が到着。遠山は家から逃げる、伽椰子はそのまま、二人の刑事にゆっくりと襲いかかっていく。
徳永家から逃げ出した女子高生は、遠山の一人娘、いずみだった。彼女は修学旅行の後、友人3人に誘われてお化け屋敷と呼ばれていた徳永家に侵入したものの、一人だけ逃げ帰っていたのだった。友人3人はそのまま行方不明となっており、いづみは呪いの影におびえ、自室にこもる。いづみの友人の千春(市川由衣)と美雪(菊利友佳子)がいづみを訪ねるが、いづみは窓に新聞を貼ってカーテンを閉め、部屋に閉じこもっており、二人は何もできずに部屋を立ち去ることしかできなかった。
二人を追い出して眠りに就いたいづみが目を覚ますと、ベッドの上に破り取られた新聞紙が乗っていた。恐る恐るいづみがカーテンをあげると、新聞紙のすきまから、行方不明になった3人の真っ白い顔がいづみを覗き込んでいた。いづみは叫び声を上げて部屋を出るが、3人の女子高生はそのまま部屋の中に侵入。いづみは父親の位牌のある仏壇間に逃げ込むが、仏壇の中から伽椰子が現れ、いづみの頭をつかむと、そのまま仏壇にいづみをひきずりこむ。仏壇の中には伽椰子に呪い殺された遠山といづみの顔が白く浮かぶ。
徳永家での恐怖の記憶が薄らいできた理佳だったが、上司は洗面台の下で変死。彼女の職場の老人は、俊雄の幻影に気づいていないいないばあを繰り返しており、呪いは理佳に忍び寄っているようだった。理佳は、小学校の教師になった友人の真理子(柴田かよこ)と再会し、レストランで食事をするが、足下に猫の気配を感じてテーブルの下を覗くと、そこには真っ白な俊雄が座り込んでいた。理佳は思わず悲鳴を上げる。部屋に戻った理佳だったが、黒猫に囲まれるような悪夢にさいなまれる。そこに電話が鳴る。真理子だった。いまだに家庭訪問ができないでいる家で親の帰りを待っているのだという。ところが電話口から猫の鳴き声が聞こえる。嫌な予感がした理佳は、徳永家に駆け込む。中はホコリが積もっており、理佳は真理子の名を呼びながら2階に向かう。物音がする洋室の押し入れの扉を開けると、真理子が悲鳴を上げながら天井裏に引きずり込まれていた。真理子はそのまま天井裏の暗闇に消えてしまう。理佳が暗闇に懐中電灯を向けると、伽椰子が白い腕と血まみれの顔で理佳に迫ってくる。理佳は1階に逃げ込むが、ふと鏡に映った自分の姿が伽椰子になっていることに気づく。思えば伽椰子におびえる人々は、一様に顔を手で覆い、指の間から伽椰子を見ていた。理佳がおそるおそる指の隙間から鏡を覗くと、そこには伽椰子の姿があった。玄関でへたり込む理佳を凝視しながら、2階からゆっくりと伽椰子が這い降りてくる。動けない理佳に手を伸ばす伽椰子がうつむいた顔を上げると、その顔は理佳のものだった。かつて佐伯剛雄に殺され、ゴミ袋に入れられていた女の姿は、理佳に変わっているのだった。

怖いシーンを余韻なく、しっかり怖く作っている。大きな音で脅かすような演出はせず、何かでそうだな、という予感がするとちゃんと怖いものが出るので、ある意味、安心して怖がることができる。ブリーフ姿で真っ白の少年や、白塗りの女子高生3人組など、一歩間違えればコミカルに映るのだが、それがまた、本作を怖すぎなくする救いとして一役買っていた。ただやはり、シャンプー中に後ろから手が伸びるというのは、シャンプーが怖くなるので反則。ちなみに「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」という声は「呪怨ボイス」としてボイストレーニングではけっこう定番の用語になっていたりする。ただ、映画で聞くとやはり背筋が凍る。

【5段階評価】4

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