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2017年12月28日 (木)

(1661) 君よ憤怒の河を渉れ

【監督】佐藤純彌
【出演】高倉健、中野良子、原田芳雄、大滝秀治、西村晃、大和田伸也
【制作】1976年、日本

西村寿行原作小説の映画化作品。「憤怒」はふつう、「ふんぬ」と読むように思うが、映画では「ふんど」とルビが打たれている。

ある女性(伊佐山ひろ子)が、白昼の繁華街で、警官を呼びつけ、電話をしている男(高倉健)を強盗強姦の犯人だと指摘する。男は本庁の矢村(原田芳雄)を指名して取り調べを受ける。男はさらに、空き巣被害に遭った別の男(田中邦衛)にも犯人だと指さされる。男は検察官の杜丘冬人だった。彼は家宅捜査を受ける。部屋には彼の見覚えのないカメラや宝石があった。何者かに濡れ衣を着せられているのは明らかだった。杜丘は警察官の隙を突いて家から脱走する。杜丘は、自分を犯人だと指さした女性の実家を訪ねるが、女性は怪しげな二人組に殺害されていた。杜丘は、男の実家のある北海道を訪ねるが、そこにはすでに警察が待ち構えており、杜丘は山中に逃げ込む。杜丘は、山中でくまに襲われている女性(中野良子)に遭遇。彼は熊を追い払おうとするが、川に転落する。彼が気がつくと、女性の家で介抱される。女性の名は遠波真由美。父親は道知事選に立候補予定の富豪、遠波善紀(大滝秀治)だった。真由美は杜丘を見初め、彼を逃亡中の容疑者と知りながら、彼をかくまう。二人は愛し合うようになる。しかし、矢村は執拗に彼を追い、ついに山奥の洞窟に潜伏中の杜丘を逮捕。しかし、連行の途中で熊に襲われてしまう。杜丘は深い傷を負う矢村を介抱する。遠波善紀は杜丘にセスナ機を与え、杜丘は空き巣被害を訴えた男を追って東京に戻る。しかし、男は精神病院に入れられていた。杜丘は、真由美を妻に仕立てて精神病患者を装って病院に入院する。そこは、政治家の長岡(西村晃)が、人間をロボットのように従順に命令に従うようにする新薬を開発させていた病院だった。杜丘は、その事件の真相に接近したため、濡れ衣を着せられていたのだった。杜丘はその病院で薬漬けにされそうになるが、薬を飲んで精神異常を来したふりをしながら、ついに病院の首謀者、堂塔(岡田英次)の罪を暴く。真相に気づいた矢村も駆けつけるが、観念した堂塔は飛び降り自殺をしてしまう。杜丘と矢村は長岡のもとを訪ねる。長岡は抵抗するが、杜丘は長岡を撃ち、矢村もとどめをさす。杜丘のえん罪は晴れ、彼を出迎えた真由美とともに新たな道を歩むのだった。

導入はとてもスピーディ。サスペンス作品のお手本のような100点満点の展開。なぜ、一介の検事が、突然あからさまな濡れ衣を着せられたのか。その理由やいかに。また彼はどのようにしてその疑いを晴らすのか。観客は一気に話に引き込まれる。
しかし、その後は、突然、熊に襲われた女性に出会ったり、その熊がどう見てもぬいぐるみだったり、とんでも展開になっていく。別に熊に襲われなくてもどうとでもなっただろうに、なんで女性が一人、山中で熊に襲われ、木によじ登っているのか、なぜ熊に反撃された主人公が川に転落したところを女性が救出できたのか、ストーリーが急に雑になったのが残念だった。人の言いなりになる新薬という設定もぶっ飛んでいて、こういうトンデモ映画の主人公を高倉健が真剣に取り組んでいるところに、古き良き昭和を感じざるを得ないのだった。

【5段階評価】4

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