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2017年11月

2017年11月29日 (水)

(1651) アンドリューNDR114

【監督】クリス・コロンバス
【出演】ロビン・ウィリアムズ、エンベス・デイビッツ、サム・ニール
【制作】1999年、アメリカ

アイザック・アシモフ原作小説の映画化作品。個性を持った家庭用ロボットが200年にわたって自らの運命を切り開くさまを描く。

リチャード・マーティン(サム・ニール)は、家庭用のアンドロイドを購入。幼い次女(ハリー・ケイト・アイゼンバーグ)がアンドロイドをアンドリューと聞き間違えたのをきっかけに、リチャードはアンドロイドにアンドリューと名付ける。アンドロイド嫌いの長女(リンゼ・レザーマン)は、アンドリューに2階から飛び降りるように指示を出し、それがきっかけでアンドリューの回路に異変が生じ、彼に芸術的な思考が芽生える。
リチャードはアンドリューの個性を尊重。月日が経ち、次女のリトル・ミスはアンドリューのことを思いながらも結婚する。やがてアンドリューは自由を求めるようになり、年老いたリチャードは死亡。アンドリューはアンドロイドの研究者、バーンズ(オリバー・プラット)に出会う。バーンズの技術により、人間の姿になったアンドリュー(ロビン・ウィリアムズ)はリトル・ミスのもとに戻る。彼女は老婆になっており、ピアノを弾いていたのは孫娘のポーシャ(エンベス・デイビッツ)だった。二人は愛し合うようになる。バーンズとアンドリューの力により、人工臓器の技術発展が進んだが、人工臓器を付けた人間は人間と認められても、アンドリューが人間と認められることはなく、ポーシャとアンドリューの結婚も認められることはなかった。アンドリューはとうとう老いと寿命を受け入れる。ついに法廷はアンドリューを200年生きた人間だと認めるが、その判決を聞く直前、老人となったアンドリューは年老いたポーシャの横で息を引き取る。ポーシャはアンドリューの手を握り、その後を追うのだった。

人間であることを望むロボットの悲しい運命と言えば、「A.I.」を思い浮かべるが、「A.I.」の主人公ハーレイ・ジョエル・オスメントの天使のようなはかなげな雰囲気に比べれば、本作のロビン・ウィリアムズはコメディ顔のおじさんなので、エンディングももの悲しいと言うよりはハッピーエンドに見えた。年寄りのメイクは、嘘くさくはあるがよくできていた。
ロボットが家庭に入り込む時代も遠くはなさそうだが、いくらなんでも200年も持つ家電製品というのは、物が劣化することを無視しすぎだった。

【5段階評価】3

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2017年11月28日 (火)

(1650) スティーブ・ジョブズ

【監督】ジョシュア・マイケル・スターン
【出演】アシュトン・カッチャー、マシュー・モディーン、ダーモット・マローニー、ジョシュ・ギャッド
【制作】2013年、アメリカ

アップル創業者、スティーブ・ジョブズの成功と挫折に彩られた人生を描いた作品。

冒頭はスティーブ・ジョブズ(アシュトン・カッチャー)がiPodを発表するシーンで始まる。そこから話は彼の大学時代に遡る。
アタリ社でゲーム開発をしていたジョブズだったが、風呂に入らず体が臭く、尊大な物言いで周囲の評判はよくなかった。彼は仲間のスティーブ・ウォズニアック(ジョシュ・ギャッド)とともにアップル社を立ち上げ、家庭用コンピュータ「Apple I」を開発。さらに「Apple II」を販売し、アップル社を成長させる。彼はマッキントッシュの開発に着手するが、性能へのこだわりが強すぎて販売時期が延期され続けた結果、売れ行きは予想を下回ってしまう。彼自身が販売促進のために雇い入れたジョン・スカリー(マシュー・モディーン)に裏切られるような形で、ジョブズはアップル社を追われる。しかし、再びアップル社に復帰。iMacの開発に携わりながら、暫定CEOに就任。当時の重役連中に退職金を支払って彼らを解任。アップル社は時価総額世界一の企業に成長するのだった。

エンジニアとしてだけではなく、強い意志を持った実業家としての側面に焦点を当てている。いわゆる「マック」や「iMac」、「iPhone」などのエポックメイキングな製品を世に送った興奮をもっと描いたほうが、盛り上がった気がするが、やや控えめな作風だった。エンディングもやや中途半端な気がした。

【5段階評価】2

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2017年11月27日 (月)

(1649) プルーフ・オブ・マイ・ライフ

【監督】ジョン・マッデン
【出演】グウィネス・パルトロウ、アンソニー・ホプキンス、ジェイク・ギレンホール、ホープ・デイビス
【制作】2005年、アメリカ

偉大な数学者を持つ娘の苦悩と彼女を支える青年の奮闘ぶりを描いた作品。

27歳のキャサリン(グウィネス・パルトロウ)は、偉大な数学者の父、ロバート(アンソニー・ホプキンス)の葬儀を明日に控えていた。二人で暮らしていた家には、父の教え子で26歳のハル(ジェイク・ギレンホール)が来ており、ロバートのノートを熱心に読んでいた。ロバートは後年、精神を病んでおり、学者としての能力は潰えているようだった。ロバートを支えるため、数学能力を持っていながら大学を辞め、ロバートの世話をしていたキャサリンもまた、情緒不安定になっており、ハルがロバートのノートを盗み出したと言って警察に電話をするような極端な行動を抑えられないでいた。
そんなキャサリンのもとに、姉のクレア(ホープ・デイビス)が訪れる。クレアは父の葬儀のあと、家でのパーティを提案。パーティに来たハルとキャサリンはその夜、キャサリンの部屋で結ばれる。
翌朝、キャサリンはハルにロバートの机の引き出しの鍵を手渡す。そこには素数に関する偉大な証明に関するものだった。ハルは口論中だったキャサリンとクレアのもとにやってくると、キャサリンがこの偉大な証明の発見者だ、と興奮気味に話す。それに対してキャサリンは「私は発見者じゃない。私が書いた」と告げる。さすがのハルも、そのことは信じられなかった。クレアにもハルにも信じてもらえないキャサリンは自暴自棄になり、部屋を立ち去ってしまう。
クレアは父の家を売り、キャサリンをニューヨークに連れて行くことにする。始めは抵抗していたキャサリンも、姉に従って家を出ることにする。そこにハルが駆け込んでくる。彼はノートを複数の数学者に見せ、この数式に間違いはないこと、そして証明に用いられている理論が比較的最近のものでロバートが書いたとは思えないことを確認していた。ハルは改めて、これを書いたのはキャサリンだ、と告げる。しかしキャサリンは先週、ハルに信じてもらえなかったことですでに絶望していた。ハルの必死の説得を受け入れず、彼女はクレアと車に乗り込む。ハルは車を追いかけ、開いた窓から車の中にノートを投げ入れる。
空港に着いたキャサリンだったが、思い直して空港を抜け出す。彼女は大学のキャンパスに戻り、所在なげに座っていた。ハルがそれを見つける。温かい日差しの中、二人は例のノートを広げ、始めからじっくりと検証をするのだった。

数学者の天才的頭脳と紙一重の精神的疾患を扱っているのは、「ビューティフル・マインド」にも共通する。作品では、ロバートが本当に精神を病んでいるのか、素晴らしい功績を最後に残したのか、なかなか明かされない。しかし最後のキャサリンの回想シーンで、ロバートが自分のひらめきに興奮しながら必死で書いていたのは、寒い時期には本屋が混むという、愚にも付かない理屈の話だった。激高しながら「読んでみろ」とキャサリンにノートを突きつけてきたロバートは、その本を音読するキャサリンの声を聞いて、自分のしていたことに気づき、落胆する。キャサリンはそんなロバートをかばうような気持ちで、自分のノートを引き出しにしまって鍵をかけていたのだった。
俳優の演技が真に迫っていてよかった。大きな興奮はないが、静かな感動のある作品。

【5段階評価】3

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2017年11月26日 (日)

(1648) メッセージ・イン・ア・ボトル

【監督】ルイス・マンドーキ
【出演】ケビン・コスナー、ロビン・ライト・ペン、ポール・ニューマン、ロビー・コルトレーン
【制作】1999年、アメリカ

海岸に流れ着いたボトルに入っていた手紙をきっかけに知り合った男女のラブストーリー。

新聞コラムニストのテリーサ・オズボーン(ロビン・ライト・ペン)は、浮気をした夫と別れ、息子と二人で暮らすシングルマザー。ある日、海岸でボトルを見つける。中にはキャサリンという女性に宛てた心のこもった手紙が入っていた。テリーサは職場の女性たちに手紙を読んで聞かせ、女性陣はみなうっとりする。テリーサの上司のチャーリー・トスキ(ロビー・コルトレーン)は、勝手にその手紙を記事にしてしまう。テリーサは憤慨するが、それがきっかけに新聞社に大量の手紙が届く。それらの手紙から、差出人のギャレットの家を訪ねる。そこにいたギャレットの父、ドッジ(ポール・ニューマン)からギャレットの居場所を聞いたテリーサは、港で船を修理中のギャレット(ケビン・コスナー)と出会う。ギャレットはテリーサを修理した船の試運転に誘い、テリーサは手紙入りのボトルの話は内緒にしたまま、承諾する。
ギャレットはテリーサを家に招待。テリーサは、キャサリンとはギャレットの亡くなった妻であることを知る。二人は急速に親しくなるが、ギャレットはまだ、キャサリンの死を受け入れられないでいた。キャサリンはギャレットと熱い口づけをかわした後、家に戻る。ギャレットはしばらくは船の作成に没頭するが、やがてテリーサに電話し、彼女の家を訪問する。テリーサは息子を知り合いに預け、二人はその夜、結ばれる。ところが、ギャレットはテリーサがボトルに入れた手紙を持っていて、記事にしていたことを知ってしまう。怒ったギャレットはそのままテリーサの家を去る。
しかし、ギャレットは、これまで大切にしていたキャサリンの描いた絵を、キャサリンの遺族に返す。やがて船は完成し、テリーサは進水式に招待される。テリーサは驚かせるつもりでギャレットに内緒で進水式に出席するが、船の名前は「キャサリン号」であり、テリーサの存在を知らないギャレットは、遺族の前でキャサリンへの変わらぬ愛を口にする。テリーサはいたたまれなくなり、その場を後にしてしまう。ギャレットはテリーサに会うが、彼女はギャレットの元を立ち去る。ギャレットは迷うが、キャサリンへの手紙を再びボトルに入れると、荒れた海に出る。その途中で、海に投げ出された3人家族を発見。ギャレットは夫と子供を助けると、まだ溺れている女性を助けるため海に飛び込み、帰らぬ人となる。
仕事をしていたテリーサのもとに、ドッジから電話が入る。テリーサはドッジの元を訪ね、ギャレットが残していた手紙を読む。それはキャサリンに宛てた手紙であり、キャサリンと同じように愛しているテリーサを追いかけるから祝福してほしいと書かれていた。テリーサはそれを読んで涙するが、その死を乗り越えていくことを決めるのだった。

手紙の謎が解けるまでの展開が、ややあっさりしているな、とは思ったが、途中まではよかった。しかし、突然、ギャレットが大荒れの海に船を出し、何の脈絡もなく、親子で航海に出て遭難している無謀な一家に出くわし、死ぬ。この展開はいくらなんでもひどかった。思いっきり感動が薄れた。なんでこんな脚本にしたのか、理解に苦しむ。

【5段階評価】3

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2017年11月25日 (土)

(1647) シン・ゴジラ

【監督】庵野秀明
【出演】長谷川博己、石原さとみ、竹野内豊、市川実日子、大杉漣、平泉成
【制作】2016年、日本

日本に突如現れた巨大怪獣に立ち向かう人々の運命を描いた作品。日本で大ヒットした。

東京湾で突然、巨大な水中爆発のような現象が起きる。総理大臣(大杉漣)をはじめ、政府関係者が見守る中、それは巨大生物の発生であると判明。予想に反し、巨大生物は上陸し、建物をなぎ倒しながら、やがて海に帰っていく。
内閣官房副長官の矢口(長谷川博己)は、ゴジラと名付けられた巨大怪獣の活動を停止させるため、血液凝固剤によってゴジラを凍結させる作戦の検討を始める。海に帰ったゴジラは倍近い大きさになって鎌倉市に再上陸。自衛隊が駆除に当たるが、ゴジラは口や背中から炎や光線を発して反撃。総理大臣を始め、閣僚が全滅してしまう。
海外渡航中だった農水大臣の里見(平泉成)が臨時の総理となるが、アメリカを始めとする国連軍に主導権を明け渡すことしかできない。国連軍は核攻撃の準備を始める。矢口は凍結作戦をなんとか間に合わせ、作戦を成功させる。ゴジラは東京駅の付近で凍結したまま動かなくなるが、その尾にはいまにも動き出そうとしている不気味な生命体が張り付いているのだった。

政府の官僚的で優柔不断な対応の仕方を克明に描くことで、作品に緊迫感とリアリティを与えている。町の破壊シーンも迫力があり、見応えのある作品になっていた。
アメリカの二世を演じた石原さとみの英語の台詞もよかった。もちろん、ネイティブの発音とまではいかないが、相当な早口の台詞を口にしており、プロの根性を観た気がする。竹野内豊や長谷川博己も英語のシーンがあり、相当な練習をしたんだろう。
一転、官僚であるはずの矢口らが、時折自らを「政治家」と呼んでいるのが気になった。いずれなる、という意味だったんだろうか。

【5段階評価】4

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2017年11月24日 (金)

(1646) エイプリルフールズ

【監督】石川淳一
【出演】戸田恵梨香、松坂桃李、菜々緒、寺島進、浜辺美波、里見浩太朗、富司純子
【制作】2015年、日本

エイプリルフールの日に起こる嘘にまつわる大騒動を描いた群像劇。コメディタッチでありながら、感動的なシーンを随所に織り交ぜた作品。

エイプリールフールの4月1日。子供をはらんだ新田あゆみ(戸田恵梨香)は、相手の男、牧野亘(松坂桃李)に電話し、認知してくれ、と告げる。しかし亘は意に介さず、イタリアレストランで別の女性、麗子(菜々緒)に会う。あゆみはレストランに乗り込むと、亘に殴りかかり、バッグの中から拳銃を取り出して発砲、店内は騒然となる。
亘は医者のふりをして手当たり次第に女をナンパする医学部生だった。店内にいた男(大和田伸也)は隙を突いてあゆみから銃を奪い取ろうとするが、足を撃たれてしまう。あゆみは対人恐怖症だったが、亘から「芋けんぴを食べるといい」と優しくされ、清掃員仲間の先輩に後押しされ、亘に告白したのだった。拳銃の弾は残り一発となり、あゆみは自分のこめかみに銃を当てる。とっさにフロアスタッフ(ユースケ・サンタマリア)がナプキンで拳銃を弾き飛ばし、あゆみを救うが、足を撃たれた男が逆上してあゆみに発砲。とっさに亘は身を挺してあゆみをかばう。幸いにも弾はそれるが、倒れ込んだ衝撃であゆみは産気づく。麗子は突然、私は実はCAではなく助産師だ、と嘘をつき、ホールスタッフ(ユースケ・サンタマリア)やオーナーシェフ(小澤征悦)らも次々に嘘をつき、店内でお産をすることになる。あゆみは嘘つきに囲まれながらも無事に赤ちゃんを出産する。
あゆみはなぜ本物の拳銃を持っていたのか。時を同じくして、ヤクザの宇田川勇司(寺島進)は舎弟(高橋努)を連れて小学生の江藤理香(浜辺美波)を誘拐。しかし宇田川は、理香の実の父親だった。宇田川は鉄砲玉として暴力団幹部(千葉真一)のタマを取りに行くことになっており、娘に会おうとしていたのだった。宇田川は理香に優しく接することができず、強引に理香を中華料理屋や遊園地に連れて行く。理香は学校の成績が悪く、万引き癖があり、自分は親に愛されていないと感じていた。理香の母親の絵里子(山口紗弥加)は宇田川と別れ、ドライバーをしている男(滝藤賢一)と再婚していた。宇田川は理香の家の前で母親に電話し、できが悪いのは自分の血を引いたからだからで、子供に罪はない、ちゃんとしかって抱きしめてやれ、と話す。宇田川は理香を家に帰そうとするが、理香は宇田川はお父さんだと気がついていた。そこに、誘拐事件の連絡を受けた父親が車で乗り込んでくると、必死になって舎弟と宇田川に飛びかかり、理香を逃がそうとする。宇田川は父親に土下座をして無礼をわび、車で走り去る。宇田川は幹部のいるゴルフ練習場に向かい、拳銃の入ったバッグを持って乗り込む。しかし、中に拳銃はなく、宇田川はバッグの中の芋けんぴを幹部に手渡すのだった。それはあゆみのバッグだった。中華料理屋で食事をしているとき、理香が舎弟のバッグとあゆみのバッグをすり替えていたのだった。
理香は家に戻り、家族の絆は強まる。あゆみと亘はともに生きていくことを決めるのだった。

主要な登場人物はほかにも、自分は宇宙人だと思い込む引き籠もりの中学生(浦上晟周)、占い師の老婆(りりィ)、不治の病に冒された妻(富司純子)とそれを悟られまいとする夫(里見浩太朗)、取り逃した殺人犯を追う刑事(高嶋政伸)など、多くの登場人物がストーリーに関わる。
伝説のゲーム「街」に似た、オムニバス形式でありながら登場人物が関わり合うという面白さが際立つ。やはり評価5をつけた「キサラギ」と同じ、古沢良太の脚本がすばらしかった。
理香が小学生にしては色気があると思ったら、公開当時15歳の浜辺美波。「世田谷区、39丁目」で注目していたが、いまやテレビや映画で主役級の活躍。子役はいっぱいいるだろうに、中学生で小学生役に抜擢されるだけの演技力と魅力はさすがだ。

【5段階評価】5

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2017年11月20日 (月)

(1645) 油断大敵

【監督】成島出
【出演】役所広司、柄本明、夏川結衣、前田彩花、淡路恵子、菅野莉央
【制作】2003年、日本

刑事と泥棒の奇妙な友情を描いた作品。

妻に先立たれ、やもめ暮らしで娘の美咲(菅野莉央)を育てている刑事の関川仁(役所広司)。ピラニアを飼っているだるま職人(笹野高史)が盗みに入られ、それを捜査していた関川は、美咲の自転車を直してくれていた男(柄本明)がピラニアの餌の缶をバッグに入れていることに気づき、男を職務質問。逮捕にこぎ着ける。男の名は猫田。根っからの泥棒であった。
関川は、美咲の面倒を見てくれていた教会の牧子先生(夏川結衣)と再婚しそうになるが、美咲は3日間、食事をとらずに抗議。関川は再婚を諦める。
出所した猫田は、堂々と関川に勝負を挑みに関川の職場を訪ねてくる。猫田は互いに健康に気をつけようとうそぶいて、盗みを繰り返す。しかし、猫田は盗みの最中に喀血する。猫田の行きつけの小料理屋のおかみ(淡路恵子)は胃がんだろうと言う。ついに関川は猫田と再会。再び拘留する。
関川の娘の美咲は18歳になっており、医療の道に進んでカンボジアに行きたいと言い出す。関川は大反対するが、猫田の故郷を訪ね、少年時代の猫田を追ううちに、娘の心情を理解するようになる。猫田の父親は暴力亭主で、母親は別の男と駆け落ちしてしまう。猫田は自ら盗んだ金で母親を追いかける。それ以来、猫田は人からお金をめぐんでもらうことを拒絶するようになった。美咲もまた、父親の再婚に反対しつつも、父親に申し訳ないという気持ちがあり、大好きだった二色パンのチョコを父親にあげていた。関川はようやく、家から飛び立つ羽を手に入れた美咲を見送らなければならなくなったことに気づく。
猫田は再び逮捕される。猫田は胃がんなどではなく、胃潰瘍だった。元気になった猫田に握手を求められた関川は、勢いよくその手をはねつけるのだった。

関川といい関係になる牧子先生は序盤だけの登場。中盤以降に色気はなく、物語は関川と猫田の二人を軸に展開する。それほど登場人物は多くないのだが、二人の名演技のおかげで作品に深みがある。最後までぐっと引き込まれる作品だった。

【5段階評価】4

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2017年11月19日 (日)

(1644) ランブルフィッシュ

【監督】フランシス・フォード・コッポラ
【出演】マット・ディロン、ミッキー・ローク、ダイアン・レイン、デニス・ホッパー
【制作】1983年、アメリカ

兄に憧れる不良青年の生き様を描いた作品。

ビリヤード場で不良仲間と過ごすラスティ・ジェームズ(マット・ディロン)は、兄のバイク・ボーイ(ミッキー・ローク)に憧れていた。ライバルのビフ(グレン・ウィスロー)から決闘を申し込まれたラスティは、彼女のパティ(ダイアン・レイン)の家でいちゃいちゃした後、仲間と決闘の場所に向かう。ビフ相手に攻勢だったラスティだったが、そこに兄が現れ、驚いた隙にビスにガラスの破片で腹を切られる。しかし、兄はビフにバイクをぶつけ、ラスティを救う。
酒飲みで生活保護者になった父親(デニス・ホッパー)は兄の帰りを喜ぶ。兄は母親に会って来たという。兄は内面が変化しており、ラスティの憧れるようなけんか好きではなくなっていた。鏡に映った自分にさえ攻撃を挑む闘魚(ランブルフィッシュ)に関心を示す兄。
夜中、兄はラスティを連れてペットショップに入り込むと、ペットを逃がし始める。逃げ出した兄は、彼に目を付けていた警官に撃たれてしまう。ラスティはランブルフィッシュを水辺に逃がし、鳥の舞う海に向かうのだった。

久しぶりに意味のよく分からない作品を観た。いろいろな解釈はあるのだろうが、全く面白くなかった。若かりしニコラス・ケイジやダイアン・レインが観られるのが見所だろうか。

【5段階評価】2

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2017年11月17日 (金)

(1643) 八つ墓村

【監督】野村芳太郎
【出演】萩原健一、小川眞由美、渥美清、山崎努、中野良子
【制作】1977年、日本

横溝正史の原作小説の映画化作品。同時期に制作されていた石坂浩二主演の金田一耕助シリーズは東宝の作品だが、本作はライバル松竹の作品で、渥美清が金田一耕助を演じている。

空港で働く寺田辰弥(萩原健一)は、新聞の尋ね人欄に名前が載り、法律事務所の弁護士(大滝秀治)のもとに赴く。法律事務所では、辰弥が本人であるかの確認が行われ、本人であると分かると、立ち会った祖父、井川丑松(加藤嘉)は喜ぶが、突如、泡を吹いて倒れ、そのまま死亡する。毒殺だった。辰弥は祖父の葬儀と、実の父親に一目会うことを目的に、森美也子(小川眞由美)の案内で岡山の山奥の多治見家に向かう。辰弥はその一帯がかつて八つ墓村と呼ばれ、落ち武者の呪いが語り継がれる場所であることを知る。
病に伏せていた辰弥の兄、多治見久弥(山崎努)も辰弥の目の前で毒殺される。辰弥は多治見家の二人の老婆、小竹(市原悦子)と小梅(山口仁奈子)が秘密の入り口から鍾乳洞に入り込んでいることを知り、鍾乳洞に辰弥の父、鎧を着たまま屍蝋化した要蔵(山崎努、二役)の死体を発見する。要蔵はかつて、村で32人を殺害して失踪していたのだった。村に現れた金田一耕助(渥美清)は、辰弥に、要蔵は本当の父親ではないと告げる。父親の情報を持っていた教師の工藤(下條正巳)は通夜の最中に毒殺され、八つ墓明神のたたりだ、とさわぐ老婆、濃茶の尼(任田順好)も変死。さらには医師の久野(藤岡琢也)や小竹も鍾乳洞内で殺害される。辰弥は村人から犯人扱いされ、洞窟にこもることになる。
辰弥は、自分の出自の秘密を探るため、美也子と鍾乳洞内を調べて回る。辰弥は母親の鶴子(中野良子)が辰弥を身ごもった場所を発見。かつて要蔵に監禁され、手込めにされていた鶴子だったが、辰弥の父親は、鶴子の婚約者、亀井陽一(風間杜夫)だった。辰弥は同じ場所で美也子と抱き合う。美也子はまた来ると言って洞窟を後にする。洞窟の中で休んでいた辰弥は、悲鳴に気づいて起きる。辰弥の異母姉の春代(山本陽子)が何者かに襲われ、血を流して倒れていた。春代は犯人の指を噛んでやったと言い残して命を落とす。洞窟の外では、金田一耕助が、犯人は美也子であると推理していた。
辰弥は洞窟で美也子と再会。二人は抱き合うが、辰弥は美也子の指に噛まれた後があるのを発見し、驚く。真相に気づかれたことを知った美也子は、鬼のような形相になり、辰弥を追いかける。追い詰められた辰弥だったが、洞窟が崩れ、美也子は下敷きになる。辰弥は洞窟の外に脱出する。多治見家では、小梅がたたりを解こうと祈りを捧げていたが、屋敷の中にコウモリが入り込み、炎に巻かれたコウモリによって障子に火が回り、屋敷は炎上する。それは裏切りにあった落ち武者の呪いが実現したかのようだった。

本作の金田一耕助は、名探偵として活躍するというより、事件の解説をする脇役的な役どころ。主役は辰弥で、推理ものというよりホラーもののような作風。「八つ墓村のたたりじゃあ~」が流行語になっており、本作の見所の一つは、落ち武者八人の村人による惨殺シーン。草刈り鎌で胸を切り裂かれ、竹槍を目に突き刺され、首をはねられ、全身を焼かれ、ありとあらゆる残虐な殺戮シーンが映像化されている。そして、真相がバレたときの美也子の形相。子供が見たら泣き出すような恐ろしさである。のちに豊川悦司主演、市川崑監督で「八つ墓村」がリメイクされたが、インパクトとしては本作のほうが大きいだろう。

【5段階評価】3

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2017年11月16日 (木)

(1642) 獄門島

【監督】市川崑
【出演】石坂浩二、大原麗子、司葉子、佐分利信、草笛光子、ピーター、加藤武
【制作】1977年、日本

横溝正史原作の推理小説の映画化作品。瀬戸内海の小島で起きた連続殺人を描いている。

探偵の金田一耕助(石坂浩二)は、獄門島に向かう。獄門島最大の網元、鬼頭家の長男、千万太(ちまた)(武田洋和)の死の知らせを了然和尚(佐分利信)に伝えるためだった。千万太が死んだことで、跡継ぎは三人の妹になるが、長女の月代(浅野ゆう子)、次女の雪枝(中村七枝子)、三女の花子(一ノ瀬康子)はいずれも頭のネジが飛んだような性格だった。主人の与三松(内藤武敏)は半ば発狂して座敷牢におり、分家の早苗(大原麗子)が本鬼頭家を切り盛りしていた。早苗の長男、一(ひとし)は復員の途にあるとの知らせが入っていた。
本家から独立した分鬼頭(わけきとう)の巴(太地喜和子)は、自分の息のかかった鵜飼章三(ピーター)を三人の誰かと結婚させ、本家の乗っ取りを画策していた。亡くなった千万太は、自分が復員しなければ、妹が三人とも殺される、と心配をしていた。三人の妹が死に、分家の一(ひとし)が復員すれば、彼が本家となるのだ。そして、千万太の葬儀の夜、寺の木に逆さづりになって死んでいる花子が発見される。そして雪枝も何者かに絞め殺される。了然和尚はそれを発見。しかし和尚は誰にも告げずに寺に戻る。雪枝の死体は、なぜか崖の上の大きな釣り鐘の中で発見される。
三人の妹は、与三松が旅役者のお小夜(草笛光子)を後家に迎えて授かった子だった。本鬼頭の先代、嘉右衛門(東野英治郎)も、了然和尚も、お小夜の後家入りに反対していた。そしてついに、月代も殺される。嘉右衛門は、遺言として、もし千万太が死に、一(ひとし)が復員したら、三人の娘を殺すよう和尚に遺言を残していた。和尚は夜道で花子を殺し、自ら担いで寺の木に逆さづりにしていた。しかし、残りの二人を殺害したのは和尚ではなく、使用人の勝野(司葉子)だった。彼女は実は、早苗、そして一(ひとし)の母親だった。そして、父親は嘉右衛門だった。勝野はかつて、凍え死にしそうになっていたところを和尚に助けられ、恩義を感じており、和尚に代わって雪枝と月夜を殺していたのだった。釣り鐘は和尚のトリックで、芝居に使われたはりぼての釣り鐘を使って、短時間で釣り鐘の中に死体を収めたように見せていたのだった。
金田一耕助に事件を暴かれた和尚と勝野は、手を取り合って崖の上から身投げする。事件を解決した金田一は、島を離れるのだった。

横溝正史らしい、おどろおどろしい相続争いの話。あらすじを丁寧に書くのが面倒だったので、復員詐欺の男のくだりなどは省略してしまった。死体発見のシーンのインパクトはなかなか強烈で、若い女性が真っ白な顔で、白目をひんむいて死んでいる形相は、心臓の弱い人には向いていないだろう。
子役として、荻野目慶子と荻野目洋子の姉妹が出演している。

【5段階評価】3

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2017年11月15日 (水)

(1641) ショコラ

【監督】ラッセ・ハルストレム
【出演】ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ、アルフレッド・モリーナ、ジュディ・デンチ
【制作】2000年、アメリカ、イギリス

フランスの町に流れ着いた母子の開くチョコのお店を巡る物語。

村長のレノ伯爵(アルフレッド・モリーナ)の厳しい目が光る、フランスのランスケネ村に、ビアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)と娘のアヌーク(ビクトワール・ティビソル)がやってくる。ビアンヌは村の断食の時期にチョコレート店マヤを開く。村人達は顔をしかめつつ、やがてお店を気に入る人が出てくる。夫の暴力に耐えかねたジョセフィーヌ(レナ・オリン)はビアンヌの店に駆け込み、住み込みで働くようになる。絵を描くのが好きな少年、リュック(オーレリアン・ベアレント・ケーニング)は厳格な母親のカロリーヌ(キャリー=アン・モス)に自由を束縛され、祖母のアルマンド(ジュディ・デンチ)は孫のリュックに会わせてもらえなくなっていたが、それを知ったビアンヌは、店で二人が出会うように計らい、リュックはアルマンドの絵を描くようになる。
やがて村にジプシーの一行が現れる。ジプシーの青年、ルー(ジョニー・デップ)はビアンヌと知り合い、仲良くなる。アルマンドは自分の誕生パーティを開くようビアンカに提案。ビアンカの料理とジプシーの船上パーティで、彼らは大いに盛り上がるが、レノ伯爵は苦々しい思いでそれを見る。ビアンヌとルーが結ばれたその晩、ジョセフィーヌの夫、セルジュ(ピーター・ストーメア)は、船にガソリンをまいて火を付け、大惨事となる。そして、パーティを早めに抜けたアルマンドは、その晩亡くなる。彼女はもともと糖尿病だったのだ。
村に不幸を呼んだことを悔いたビアンヌは、村を出て行こうとするが、ジョセフィーヌは村人達に声をかけ、ビアンヌに内緒でみんなでチョコレートを作る。それを見たビアンヌは村に残ることを決意する。ついに不満が爆発したレノ伯爵は、ビアンカの店に忍び込み、ショーウィンドウのチョコレートをめちゃくちゃにする。しかし、飛び跳ねたチョコが彼の唇につき、人なめしたレノ伯爵は、堰を切ったようにチョコレートをむさぼる。翌朝、それを見つけたビアンカは、優しく飲み物を差し出し、内緒にするとレノ伯爵に告げる。自分を、そして村人を抑えつけていたレノ伯爵の思いは、それで解放される。村は断食をやめ、大道芸人を呼んで楽しいお祭りで盛り上がる。そして翌年、ルーはビアンヌの店を再び訪ねる。ともに暮らすためなのだった。

寛大で優しいビアンヌが、かたくなな村人の心を温かく溶かしていく様子が気持ちのいい作品。「かもめ食堂」と似たような雰囲気があった。しかし、アメリカの映画はやはり、フランスでもみんな英語で話すのだった。

【5段階評価】4

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2017年11月14日 (火)

(1640) ドゥーマ

【監督】キャロル・バラード
【出演】アレクサンダー・ミハルトス、イーモン・ウォーカー、ホープ・デイビス、キャンベル・スコット
【制作】2005年、アメリカ

チーターと少年との友情と成長を描いた作品。

父親のピーター(キャンベル・スコット)と車で移動していたザン(アレクサンダー・ミハルトス)は、母親がライオンに襲われてしまった幼いチーターの子供を拾う。ザンはチーターにドゥーマと名付け、父親と育てる。やがてドゥーマは大きくなり、ピーターはザンに自然に帰そうと告げるが、父親は病に倒れ、帰らぬ人となる。
ザンは母親(ホープ・デイビス)とともに都会に移るが、自分もドゥーマも都会の生活になじめない。ザンは父に運転の仕方を教えてもらったサイドカーにドゥーマを乗せ、ドゥーマを帰す旅に出る。
ガス欠になり、残骸となった飛行機で夜をしのいでたザンは、黒人のリプクナ(イーモン・ウォーカー)に出会う。ザンはリプクナがドゥーマを売り飛ばそうと考えていると思い込み、一度はリプクナのもとから逃げる。しかし、密猟者の罠にかかったドゥーマと、猪に追われて気を失ったザンを救ったのは、リプクナだった。二人と一頭は旅を続けるが、人に被害を与える昆虫、ジジの大群に襲われ、リプクナはザンをかばって大量の虫にたかられてしまう。
衰弱したリプクナを見て、ザンは一人で集落に助けを求める。ドゥーマはその間にキャンプ地を離れ、仲間のチーターに出会う。
集落の治療により、リプクナは助かる。ザンはドゥーマに最後の別れを告げ、母親の元に戻るのだった。

どうやって撮影したのか、と思うほど、ドゥーマとザンのやりとりは自然。両者のやりとりだけでなく、壮大な自然の映像や、登場する様々な動物も楽しい。ライオン、サル、キリン、ゾウ、バッファロー、ワニ、サル、ハイエナ、そしてジジ(虫)。こういうサービス精神は好きだ。チーターに分別がありすぎなのがやや現実味がないが、原作は絵本なので素直に楽しめばいいんだろう。

【5段階評価】4

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2017年11月13日 (月)

(1639) 信長協奏曲

【監督】松山博昭
【出演】小栗旬、柴咲コウ、向井理、山田孝之、古田新太、高嶋政宏、濱田岳
【制作】2016年、日本

テレビドラマ「信長協奏曲」の劇場版。石井あゆみの漫画が原作。戦国時代にタイムスリップし、織田信長と入れ替わった高校生の運命を描いている。

戦国時代にタイムスリップした高校生のサブロー(小栗旬)は、織田信長と入れ替わり、多くの軍勢を従えていた。織田信長(小栗旬、二役)は明智光秀となって真の姿を隠すが、部下の信頼が厚く、帰蝶(柴咲コウ)とも仲のよいサブローに、しだいに嫉妬するようになる。羽柴秀吉(山田孝之)は信長をそそのかし、サブローを討たせるよう仕向ける。秀吉はかつて、幼い信長に家族を皆殺しにされたことを恨んでいた。そんなことは知らないサブローは、光秀となっている信長が危険となれば味方総出で助けに行く。
サブローは帰蝶と祝言を挙げるため、本能寺に向かう。秀吉は、信長にサブローを討たなければ帰蝶を殺すと脅迫。光秀軍は本能寺に攻め込み、それを追うように秀吉も本能寺に入る。信長はサブローを逃がし、恨み心頭の秀吉に殺される。サブローは秀吉に弔い合戦を挑むが捕らえられ、首をはねられたと思った瞬間、現代に戻る。
いつもの暮らしに戻ったサブローのもとに、サブローと同じようにタイムスリップした外国の男から手紙が届く。中にはメモリチップが入っていた。それは帰蝶からのビデオメッセージだった。サブローはそれを見て涙を流し、元気に生きていくことを誓うのだった。

ビデオレターは感動の押し売りのやりすぎ感はあったが、エンディングの盛り上げには一役買った。「余命1ヶ月の花嫁」のラストのほうがはるかに泣けたけど。作品自体がちょっと長く、最初はコメディタッチで「ああ、ドラマ見ている人向けのタイプか」と思ったが、後半で信長と光秀が入れ替わっていく展開を混乱させずに見せるところは、なかなかのできばえだった。
柴咲コウ演じる帰蝶のツンデレは、ちょっとステレオタイプすぎた。

【5段階評価】3

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2017年11月12日 (日)

(1638) 荒野の七人・真昼の決闘

【監督】ジョージ・マッコーワン
【出演】リー・バン・クリーフ、ステファニー・パワーズ、マイケル・カラン、ラルフ・ウェイト
【制作】1972年、アメリカ

「荒野の七人」シリーズ第4弾。主人公役はリー・バン・クリーフに代わっている。

冷徹な保安官のクリス(リー・バン・クリーフ)は、愛する妻アリラ(マリエット・ハーレイ)に乞われ、18歳で銀行強盗をして刑務所送りの予定になっていたシェリー(ダレル・ラーソン)を放免する。シェリーはあろうことか、仲間と再び銀行強盗を働き、現場に居合わせたクリスに銃弾を浴びせ、アリラをさらってしまう。アリラは強姦され、荒野に無惨な死体となってうち捨てられていた。怒りに燃えるクリスは、シェリーの仲間に銃を突きつけて居場所を聞き出す。「保安官が撃てるわけがない」と強がる相手をシェリーは容赦なく射殺。クリスの伝記を書くというノア(マイケル・カラン)を連れてシェリーを探すうち、隣の町マグダレーナの保安官ジム(ラルフ・ウェイト)に出会う。彼は町を守るために男達と荒野で待ち伏せしていた。シェリーは地元の山賊デ・トーロ(ロン・スタイン)一味と合流していた。
クリスはジムのもとを離れるが、ジムらはデ・トーロの襲撃に遭い、全滅。ジムの姿はなかったが、彼はクリスの宿敵シェリーを追って相打ちになっていた。クリスはジムの町に行く。そこにはデ・トーロ一味に蹂躙された女性達が残されていた。女性達はデ・トーロ一味が戻ってくることにおびえていた。クリスは自分が収監した囚人達を、自由と引き換えにデ・トーロ一味との戦いに加わらせる。
7人組となって町に戻ったクリスは、男たちに女性を選ばせ、チーム行動させる。彼らはデ・トーロ一味を迎え撃つため、塹壕を掘り、銃の手入れをする。
デ・トーロ一味がついに現れる。作戦は奏功し、70人近くいる彼らの数はみるみる減っていくが、クリスの仲間も次々と倒れていく。ついにデ・トーロが撃ち殺され、クリス達は勝利するが、クリスのほかに生き残ったのはノアとマーク(ルーク・アスキュー)だけだった。クリスは町の保安官となり、未亡人となったローリー(ステファニー・パワーズ)と暮らすことを決意するのだった。

クリスに恨みを持つ囚人を味方につけるというのが斬新と言えば斬新だが、ご都合主義と言えばご都合主義。男に町の女性を選ばせるあたりは、見ようによっては相当悪趣味。「一線は越えるな」と言っておきながら自分はローリーと抱き合ってキスをするクリス。男の都合に合わせた調子のいいシナリオだった。

【5段階評価】3

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2017年11月10日 (金)

(1637) 新・荒野の七人 馬上の決闘

【監督】ポール・ウェンドコス
【出演】ジョージ・ケネディ、ジェームズ・ホイットモア、モンテ・マーカム、レニ・サントーニ
【制作】1969年、アメリカ

「荒野の七人」シリーズ第3弾。クリス役がユル・ブリンナーからジョージ・ケネディに代わっている。

メキシコの農民の指導者、クィンテロ(フェルナンド・レイ)が捕らえられ、投獄されてしまう。農民の一人、マクシミリアーノ(レニ・サントーニ)は、600ドルを携え、伝説のガンマン、クリス(ジョージ・ケネディ)にクィンテロの救出を依頼する。
マクシミリアーノの真摯な姿勢を見て、クリスは依頼を請け負い、仲間を集める。馬を盗んで縛り首になりかけていたキノ(モンテ・マーカム)。年老いたナイフ使いのレビィ(ジェームズ・ホイットモア)。怪力の黒人ガンマン、キャシー(バーニー・キャシー)。片手が使えなくなり、ショーの役者に落ちぶれていたガンマン、スレイター(ジョー・ドン・ベイカー)。病を患った黒ずくめのガンマン、P.J.(スコット・トーマス)。
クリスはマクシミリアーノとともに、クィンテロの捕らえられた砦を偵察に行き、看守の横暴さに怒りを覚える。マクシミリアーノに、大勢の仲間を率いるロベロ(フランク・シルベラ)の存在を聞くが、ロベロは傲慢な男で、クリスは馬が合わず、手を組もうとしない。マクシミリアーノは自らロベロを説得しに行くが、ロベロは動こうとしない。ロベロの部下、ミゲル(サンチョ・グラシア)はロベロを見限る。
クリスは捕らえられた農民を解放しながら味方に付け、味方を増やしていく。ついに砦の中の死闘となり、仲間が次々と失われていく。そこにミゲルの騎馬隊が到着。クリス達は勝利するが、生き残ったのはレビィとマクシミリアーノだけだった。

農民の子供がレビィになついた時点で、レビィに死亡フラグ。絶対に死ぬと思ったら、最後まで生き残った。意外。病気のガンマン、P.J.も、メキシコ人の美女がくっついた時点で死亡フラグ。こちらは死亡。これまでクリスの右腕は生き残っていたが、今回のキノは死亡。しかも、みんな、誰かを命をかけて守って死ぬ、という形ではなく、どちらかというと犬死に。特に劇的に描くわけでもなく、雑魚と同様、ただ「ぎゃ~撃たれた~」的に血も流さずに倒れて死んでいた。誰が生き残るのかを気にしながら観るのが正しい楽しみ方の一つなのだった。
ちなみに、クィンテロが金太郎に聞こえるが、気にしてはいけない。それと、「馬上の決闘」というが、馬上の決闘シーンはない。謎のタイトルだ。

【5段階評価】3

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2017年11月 1日 (水)

(1636) 続・荒野の七人

【監督】バート・ケネディ
【出演】ユル・ブリンナー、ロバート・フラー、ジュリアン・マテオス、エミリオ・フェルナンデス
【制作】1966年、アメリカ

捕らわれた仲間を救うために戦うガンマンの活躍を描いた作品。「荒野の七人」の続編。

かつて盗賊に襲われた農民を救った七人のガンマンの一人、チコ(ジュリアン・マテオス)は、美しい妻、ペトラ(エリザ・モンテス)と結婚して幸せに暮らしていた。彼の暮らす平和な村に、突如、50人以上からなる武装集団が現れ、村の男達を全てさらっていくという事件が起きる。ペトラはかつてのチコの仲間であったクリス(ユル・ブリンナー)に助けを求める。クリスはかつての仲間、ビン(ロバート・フラー)、投獄されていた寡黙な男フランク(クロード・エイキンス)、同じく投獄されていたルイス(ビルジリオ・テクセイラ)、女好きのコルビー(ウォーレン・オーツ)、正義感の強い若者マニュエル(ジョーダン・クリストファー)を仲間にし、チコを入れて七人となる。
捕らわれたチコは、ある村で教会の建設を手伝わされていた。神父(フェルナンド・レイ)が村を支配するロルカ(エミリオ・フェルナンデス)に教会の建設を勧めたのだが、結果的には周囲の村人が奴隷のように扱われ、神父は胸を痛めていた。クリスは堂々とロルカと相棒のロペス(ロドルフォ・アコスタ)の前に馬で現れ、彼らを追い払う。背後にはクリスの仲間がウィンチェスターでロルカとロペスを狙っていた。
追い払われたロルカは何度も村を襲撃するが、クリス達の奮闘によって退けられる。自分の死に場所を探しているフランクは、大胆な偵察行動でロルカが援軍を呼んでいることを突き止める。翌朝、クリスは逆に奇襲をかけるが、おおぜいの馬群に反撃され、拠点の村まで退却。一人、また一人と仲間を失う中、ついにクリスはロルカに銃弾を浴びせる。ロルカが膝をついたのを見て、ロペスは一団を退却させる。生き残ったのは、クリス、ビン、チコ、コルビーだけだった。しかし、村は再建に向けて人々が生き生きと働き出すようになる。クリスとビンはそれを満足そうに眺め、走り去るのだった。

新登場の人物の一人一人のエピソードを交え、物語に深みを与えている。しかし、全体的なストーリーは割と平板。なぜロルカはかつてクリスを赦したのか、とか、よく分からないストーリーの回収し切れてない感が気になった。クリスの黒ずくめのファッションは本作でも健在。

【5段階評価】3

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