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2017年11月17日 (金)

(1643) 八つ墓村

【監督】野村芳太郎
【出演】萩原健一、小川眞由美、渥美清、山崎努、中野良子
【制作】1977年、日本

横溝正史の原作小説の映画化作品。同時期に制作されていた石坂浩二主演の金田一耕助シリーズは東宝の作品だが、本作はライバル松竹の作品で、渥美清が金田一耕助を演じている。

空港で働く寺田辰弥(萩原健一)は、新聞の尋ね人欄に名前が載り、法律事務所の弁護士(大滝秀治)のもとに赴く。法律事務所では、辰弥が本人であるかの確認が行われ、本人であると分かると、立ち会った祖父、井川丑松(加藤嘉)は喜ぶが、突如、泡を吹いて倒れ、そのまま死亡する。毒殺だった。辰弥は祖父の葬儀と、実の父親に一目会うことを目的に、森美也子(小川眞由美)の案内で岡山の山奥の多治見家に向かう。辰弥はその一帯がかつて八つ墓村と呼ばれ、落ち武者の呪いが語り継がれる場所であることを知る。
病に伏せていた辰弥の兄、多治見久弥(山崎努)も辰弥の目の前で毒殺される。辰弥は多治見家の二人の老婆、小竹(市原悦子)と小梅(山口仁奈子)が秘密の入り口から鍾乳洞に入り込んでいることを知り、鍾乳洞に辰弥の父、鎧を着たまま屍蝋化した要蔵(山崎努、二役)の死体を発見する。要蔵はかつて、村で32人を殺害して失踪していたのだった。村に現れた金田一耕助(渥美清)は、辰弥に、要蔵は本当の父親ではないと告げる。父親の情報を持っていた教師の工藤(下條正巳)は通夜の最中に毒殺され、八つ墓明神のたたりだ、とさわぐ老婆、濃茶の尼(任田順好)も変死。さらには医師の久野(藤岡琢也)や小竹も鍾乳洞内で殺害される。辰弥は村人から犯人扱いされ、洞窟にこもることになる。
辰弥は、自分の出自の秘密を探るため、美也子と鍾乳洞内を調べて回る。辰弥は母親の鶴子(中野良子)が辰弥を身ごもった場所を発見。かつて要蔵に監禁され、手込めにされていた鶴子だったが、辰弥の父親は、鶴子の婚約者、亀井陽一(風間杜夫)だった。辰弥は同じ場所で美也子と抱き合う。美也子はまた来ると言って洞窟を後にする。洞窟の中で休んでいた辰弥は、悲鳴に気づいて起きる。辰弥の異母姉の春代(山本陽子)が何者かに襲われ、血を流して倒れていた。春代は犯人の指を噛んでやったと言い残して命を落とす。洞窟の外では、金田一耕助が、犯人は美也子であると推理していた。
辰弥は洞窟で美也子と再会。二人は抱き合うが、辰弥は美也子の指に噛まれた後があるのを発見し、驚く。真相に気づかれたことを知った美也子は、鬼のような形相になり、辰弥を追いかける。追い詰められた辰弥だったが、洞窟が崩れ、美也子は下敷きになる。辰弥は洞窟の外に脱出する。多治見家では、小梅がたたりを解こうと祈りを捧げていたが、屋敷の中にコウモリが入り込み、炎に巻かれたコウモリによって障子に火が回り、屋敷は炎上する。それは裏切りにあった落ち武者の呪いが実現したかのようだった。

本作の金田一耕助は、名探偵として活躍するというより、事件の解説をする脇役的な役どころ。主役は辰弥で、推理ものというよりホラーもののような作風。「八つ墓村のたたりじゃあ~」が流行語になっており、本作の見所の一つは、落ち武者八人の村人による惨殺シーン。草刈り鎌で胸を切り裂かれ、竹槍を目に突き刺され、首をはねられ、全身を焼かれ、ありとあらゆる残虐な殺戮シーンが映像化されている。そして、真相がバレたときの美也子の形相。子供が見たら泣き出すような恐ろしさである。のちに豊川悦司主演、市川崑監督で「八つ墓村」がリメイクされたが、インパクトとしては本作のほうが大きいだろう。

【5段階評価】3

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