« (1625) ボーン・レガシー | トップページ | (1627) ロックアウト »

2017年10月21日 (土)

(1626) サクラサク

【監督】田中光敏
【出演】緒形直人、藤竜也、南果歩、矢野聖人、美山加恋、津田寛治
【制作】2014年、日本

さだまさし原作小説の映画化作品。認知症を患った男と、その息子の家族との心の絆を描いている。

とある会社の部長をしている大崎俊介(緒形直人)は、上司(大杉漣)から取締役への昇格を内示される。しかし、父親の俊太郎(藤竜也)の痴呆が進行しており、俊介の妻の昭子(南果歩)は俊太郎の世話を拒否。娘の咲子(美山加恋)も祖父に感心を示さず、息子の大介(矢野聖人)も同じだった。部屋で失禁した父親の世話をする俊介は、無関心を装う大介の頬を殴る。何も言わない大介だったが、実は俊太郎のために、家族に内緒で大人用のおむつを買い、それを家の外に捨てに行っているのが大介だった。大介は俊太郎の尊厳を守ろうとしていたのだ。
俊介は家族を連れて、強引にドライブ旅行に出る。俊太郎が幼い頃に家族で過ごした寺を探すためだ。俊太郎の記憶は曖昧となり、その捜索は俊介の昇格が決まる取締役会の日にまで及んだ。しかし、俊太郎をきっかけとして家族の絆を取り戻した俊介は、昇格よりも家族旅行を選ぶ。ついに5人は寺を発見。そこには、俊太郎の記憶にある桜の木はなく、切り株があるだけだった。5人は切り株の前に並んで座る。5人の心の中には満開の桜があるのだった。

恍惚の人」同様、認知症の老人を題材にしている。妻は家庭を顧みずに仕事に没頭してきた夫に不満があり、義理の父の世話を拒否。授業参観に父親に来てもらったことのない娘も家族に無関心。そんな中、大学にも行かずにバイト暮らしをしている息子だけが、祖父の理解者だった。話としてはけっこうステレオタイプなのだが、それがむしろいい。人が記憶をなくし、尊厳を失っていくというのは、それだけ人の心を打つテーマなのだろう。認知症を患いながらも、旅先の祭りにさまよい込んだ俊太郎が奏でる横笛の音色は感動的だった。
ちなみに、息子の嫁の名前が「昭子」なのは、「恍惚の人」と同じだ。

【5段階評価】5

|

« (1625) ボーン・レガシー | トップページ | (1627) ロックアウト »

映画・テレビ」カテゴリの記事

評価5の映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: (1626) サクラサク:

« (1625) ボーン・レガシー | トップページ | (1627) ロックアウト »