« 2017年8月 | トップページ | 2017年10月 »

2017年9月

2017年9月29日 (金)

(1606) ミニオンズ

【監督】ピエール・コフィン、カイル・バルダ
【出演】サンドラ・ブロック(声)、ピエール・コフィン(声)
【制作】2015年、アメリカ

怪盗グルーの月泥棒」シリーズに登場するキャラクター、ミニオンズが活躍する作品。

海の生物だったミニオンズ(ピエール・コフィン)が、陸地に上がり、最強のボスを求めて世界を回る。しかしなかなか見つからず、雪山で自堕落な生活を送る羽目になる。ミニオンズの一人、ケビンは、スチュアートとボブを連れて旅に出る。女盗賊のスカーレット・オーバーキル(サンドラ・ブロック)の子分になった3匹は、スカーレットの指示により、エリザベス女王(ジェニファー・ソーンダース)の王冠を盗みに行く。警官に追われたボブが、岩に刺さった伝説の剣、エクスカリバーを抜いたことから、女王から王位を継承することになり、王冠もボブ自身のものになる。自分がイギリスを支配したかったスカーレットは、それを知って激怒。ミニオンズは王位をスカーレットに譲ることにする。スカーレットは感謝するふりをして3匹を地下の拷問室に閉じ込める。3人は水路から脱出。スカーレットは戴冠式を邪魔され、3匹を追い回す。必死で逃げる3匹に、仲間の大量のミニオンが合流。王冠は無事に女王のもとに戻る。ケビンは女王にナイトの称号をもらうが、そこにスカーレットが現れ、王冠を盗み出す。そのスカーレットを凍りづけにして王冠を盗み取ったのは、少年のグルー(スティーブ・カレル)だった。ミニオンズはグルーに付いていくことに決めるのだった。

ミニオンズをかわいいと思うか思わないかが、本作を面白いと思うかどうかの重要なポイント。自由気ままなミニオンは、誰かに恩義を感じるわけでも、正義感に燃えるわけでもなく、ただただ自分勝手に走り回り、逃げ回る。そこに感情の揺さぶりはなく、ただただミニオンという生き物が動き回るので、ミニオンが大好きで動き回るミニオンが観たいと思えないと、この作品は退屈極まりない。ミニオンがさほど好きではない自分にとっては、残念ながら退屈な作品だった。

【5段階評価】2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月28日 (木)

(1605) くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ

【監督】バンジャマン・レネール、ステファン・オビエ、ヴァンサン・パタール
【出演】ランベール・ウィルソン(声)、ポーリン・ブルナー(声)
【制作】2012年、フランス

ベルギーの絵本作家、ガブリエル・バンサン原作の「くまのアーネストおじさん」の映画化作品。

くまが地上、ネズミが地下で暮らす世界。くまはこわいと教えられてきたネズミの少女、セレスティーヌ(ポーリン・ブルナー)は、町でお腹をすかせたくま、アーネスト(ランベール・ウィルソン)に出会う。アーネストはセレスティーヌを食べようとするが、セレスティーヌは自分を食べたら病気になると言い、近くにあったお菓子屋の地下階の倉庫を勧める。セレスティーヌはネズミの町に戻る。セレスティーヌは歯医者になることを義務づけられており、くまの歯を50本取ってくることを命じられる。
お菓子屋でたらふくお菓子を食べたアーネストは店主に見つかり、警察に逮捕されてしまう。その護送中の車の中にセレスティーヌが現れ、アーネストを逃がす。セレスティーヌはアーネストとともに夜中の差し歯屋さんに行き、大量の歯を盗んで町に戻る。
セレスティーヌは大量の歯を持ち帰ったことではじめは祝福されるが、アーネストを町に呼び込んだため、町を追われる羽目になってしまう。アーネストとセレスティーヌは二人でアーネストの家に戻り、二人で仲よく共同生活を始める。
しかし、その家が警察に見つかってしまい、アーネストはネズミの、そしてセレスティーヌなくまの世界でそれぞれ裁判にかけられる。裁判官は、二人が実は何の被害も生み出していないことに気づき、二人を無罪放免とする。二人は仲良く暮らしましたとさ。

水彩画調の穏やかな作風のアニメ。アカデミー賞長編アニメーション映画賞にノミネートされた作品だが、やや退屈な作りだった。画風はいいとしても、やはりアニメである以上、動きに新鮮さがほしい。その観点では特筆すべきところを見いだせなかった。

【5段階評価】2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月27日 (水)

(1604) 天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~

【監督】FROGMAN
【出演】FROGMAN(声)、瀧本美織(声)、犬山イヌコ(声)、村井國夫(声)
【制作】2015年、日本

「天才バカボン」に「フランダースの犬」のキャラ、ネロとパトラッシュが登場するギャグアニメ。

悪の組織インテリペリのボス、ダンテ(村井國夫)は、未来予測を行うマシン「オメガ」開発のため、バカボンのパパ(FROGMAN)の本名を知ろうとし、人間に恨みを持つネロ(瀧本美織)とパトラッシュをバカボン(犬山イヌコ)の通う小学校に送り込む。内閣情報局の神田輝夫(FROGMAN)はバカボンを護衛。ネロは悪魔となって東京を火の海にする。バカボンのパパはお日様を西から昇らせることに成功。ネロはもとの姿に戻るのだった。

ネロが邪悪な表情になるのは気分が悪く、まずこの時点で嫌悪感を覚えた。ギャグは全く笑えないし、アニメとしての質も低く、映画としての水準を満たしているとは思えなかった。瀧本美織や濱田岳といった有名人が声優を務めているところぐらいしか評価できるポイントは見当たらなかった。

【5段階評価】2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月26日 (火)

(1603) 蜩ノ記

【監督】小泉堯史
【出演】役所広司、岡田准一、堀北真希、原田美枝子、寺島しのぶ、吉田晴登
【制作】2014年、日本

10年後の切腹を命じられた武士とその監視役の交流を描いた作品。

武士の檀野庄三郎(岡田准一)は、ささいなけんかから城内で刃傷沙汰を起こす。本来なら切腹ものだが、それを免れ、ある男の監視役を言い渡される。その男の名は戸田秋谷(役所広司)。秋谷はかつて側室のお由の方(寺島しのぶ)と不義密通の上、家臣を斬り殺したかどで、10年後の切腹を命じられており、彼に残された時間はあと3年だった。秋谷が幽閉されている山村に向かった庄三郎は、秋谷の人柄に触れ、彼を敬愛するようになる。
庄三郎は、秋谷の起こした事件の話をお由の方に尋ねる。お由の方は藩主の世継ぎの謀略に巻き込まれ、息子を殺されてしまい、自らも殺されようとしたところを庄三郎に助けられていた。庄三郎は秋谷を助けようとするが、秋谷は家族や村人を守るため自らの運命を受け入れる。
庄三郎の息子、郁太郎(吉田晴登)は元服を迎え、娘の薫(堀北真希)は庄三郎と夫婦になる。それを見届けた秋谷は、妻の織江(原田美枝子)の手を取って思い残すことはないと告げ、切腹に臨むのだった。

日本の伝統的な所作と自然豊かな風景の美しさが随所に見られる、気品に満ちた作品。全体的には退屈な作品だったが、映像美へのこだわりには感心した。
個人的には、堀北真希の演技があまり好きになれなかった。今ひとつ自然さがないというか、顔立ちが嘘くさいというか。それと、寺島しのぶは、よく薄幸の美女という役回りで登場するのだがが、顔の肉付きがよすぎるせいか、いつもやぼったいおばさんに見えてしまう。「この人は美女なんだ」と自分に言い聞かせながら鑑賞することにしている。

【5段階評価】

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月25日 (月)

(1602) 大魔神逆襲

【監督】森一生
【出演】二宮秀樹、長友宗之、堀井晋次、飯塚真英、安部徹
【制作】1966年、日本

雪の神、大魔神の活躍を描いた歴史SF作品。「大魔神」シリーズ第3弾。

村の木こりを奴隷として働かせている荒川飛騨守(安部徹)。父親をさらわれた子供達が、父親を救い出すため、荒神様の山を越える。飛騨守の悪行三昧についに大魔神の怒りが爆発。飛騨守をとらえて腰の短剣で退治する。

安定の展開。前作では悪者に爆破された後で大魔神が復活したのに比べれば、今回の大魔神の怒りの沸点は低め。タイトルも「逆襲」なのに、何も攻撃されていない状態から大魔神モードに突入し、一方的な大暴れ。逆襲じゃないし。

【5段階評価】2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月24日 (日)

(1601) 大魔神怒る

【監督】三隅研次
【出演】本郷功次郎、藤村志保、神田隆、上野山功一
【制作】1966年、日本

水の神、大魔神の怒りを描いた歴史SF作品。「大魔神」シリーズ第2弾。

御子柴弾正(神田隆)と鬼子島玄藩(北城寿太郎)らは、平和な八雲の国を治める千種十郎時貞(本郷功次郎)と許嫁の早百合(藤村志保)、早百合の兄の勝茂(上野山功一)らを捕らえ、死刑にしようとするが、早百合の祈りが届き、大魔神が現れ、玄蕃は大魔神の投げつけた岩の下敷きに、船で逃げようとした弾正は火を放たれ、焼死する。大魔神は湖に返り、底からは鐘の音が聞こえるのだった。

第1作と同じような勧善懲悪の展開。今回は悪役が爆薬で大魔神に反撃を試みるが、無敵の大魔神は爆発ではびくともせず、悪役は倒されてしまう。特撮のできもほぼ第1作と同じだった。もはやコレクション的に鑑賞する作品だった。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月23日 (土)

(1600) 大魔神

【監督】安田公義
【出演】高田美和、青山良彦、藤巻潤、五味龍太郎、月宮於登女
【制作】1966年、日本

山の神、大魔神を描いた特撮SF作品。

戦国時代。左馬之助(五味龍太郎)は謀反を起こし、主君の家来、小源太(藤巻潤)は二人の幼子を連れて山に逃げ込む。10年後、幼子だった忠文(青山良彦)と小笹(高田美和)は立派に成長する。圧政を敷く左馬之助は、町に潜入しようとした小源太、そして彼を救出しようとした忠文を捕らえる。左馬之助は、村人があがめる山中の武神像を破壊しようと家来を送り込む。家来達は道中に小笹を捕らえ、小笹を脅して武人像にたどりつく。彼らが武人像のみけんに鏨(たがね)を打ち込むと、像から血が流れ、地割れが起きて家来達は地面に飲み込まれてしまう。小笹は武神像に忠文と小源太を助けてほしいと懇願する。すると、穏やかな顔だった像が歩き出し、憤怒の表情をあらわにした大魔神となって左馬之助の城を襲う。大魔神は左馬之助の心臓に、自分の眉間に打ち込まれた鏨を打ち込み、左馬之助を討つ。
襲撃をやめない大魔神に小笹が怒りを静めるよう頼むと、大魔神は動きを止め、崩れ落ちるのだった。

時代劇と特撮怪獣が融合したような作品。アルカイックスマイルから怒りの表情に変わるシーンにインパクトがあって有名。クライマックスに至るまで、がんばって左馬之助の悪役ぶりを見続けなければならないのが若干かったるいところだ。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月22日 (金)

(1599) ゾンビーバー

【監督】ジョーダン・ルービン
【出演】コートニー・パーム、レイチェル・メルビン、レクシー・アトキンス、レックス・リン
【制作】2014年、アメリカ

ゾンビ化したビーバーに襲われる若者達を描いたコメディホラー。

毒物を運ぶトラックを運転している二人の男が、不注意な運転で鹿を轢いてしまう。その衝撃で、毒物の入ったドラム缶が川の中に落下。ドラム缶はビーバーのダムに流れ着き、ビーバーを汚染する。
メアリー(レイチェル・メルビン)、ゾーイ(コートニー・パーム)、ジェン(レクシー・アトキンス)の3人は、彼氏のサム(ハッチ・ダーノ)に浮気をされたジェンを慰めるため、女子旅行に出かける。しかし、男好きのゾーイは二人に内緒で自分の彼氏のバック(ピーター・ギルロイ)、メアリーの彼氏トミー(ジェイク・ウィアリー)、そしてサムを呼び、結局6人で湖畔の一軒家に宿泊することになる。ジェンはまだ彼氏のことを許すことができず、一人でトイレに入ると、そこに毒物の影響で凶暴化したビーバーが出現。トミーがバットでビーバーを殴り殺し、ポリ袋に入れて家の外に投げ捨てる。
翌日、袋はやぶけ、ビーバーはいなくなっていたが、男達は野生動物に食われたんだろう、と気に留めず、6人は湖に向かう。すると、湖に入っていたバックが突然水没。彼の周りの水が赤く染まり、バックが自分のちぎれた足を持って水に浮かぶ。凶暴化したビーバーに襲われたのだ。サムはゾーイの愛犬を湖に放り投げて囮にし、その間に5人は陸に上がる。ジェンは一足先に家に戻るが、そこにもビーバーが入り込んでおり、ジェンは足をひっかかれてしまう。ビーバーは体がほぼ半分にちぎれているにもかかわらず動き続けていた。ゾンビーバーである。
足を負傷したバックを助けるため、トミーとゾーイはバックを車に乗せて街に出ようとするが、道路はビーバーのダムのように封鎖されていた。トミーはゾーイとバックを車に残し、泊まっていたトラックから斧を取り出して道を開こうとするが、ゾンビーバーに襲われてしまう。そこに銃を持ったハンターのスミス(レックス・リン)が現れ、ゾーイとバックを連れて家に戻る。家の中ではサムとメアリーとジェンが窓やドアに木材を打ち付けてゾンビーバーの侵入を防いでいた。戻ったゾーイたちは家には入れず、隣の民家に入り込む。そこに住んでいた老夫婦は、すでにゾンビーバーの餌食になっていた。
サムの浮気相手がメアリーだったことを知り、ジェン達は互いに気まずくなる。メアリーが一人でベッドに伏せていると、そこにジェンが現れ、メアリーの上に覆い被さる。メアリーはとまどっていると、ジェンの爪が伸び、口の中から齧歯類のような巨大な牙が現れる。ゾンビーバーに感染したのだ。悲鳴を聞きつけたサムはジェンを殴りつけ、メアリーを助ける。床下からもゾンビーバーがモグラたたきのように現れ始め、二人はバスルームに逃げ込む。メアリーはサムに噛まれた傷がないか確かめるため、サムに服を脱ぐよう指示。サムは身の潔癖を明らかにすると、今度はメアリーが服を脱ぐ。二人はそのままバスルームで激しく抱き合う。そこに床下からゾンビジェンが現れ、サムの股間を食いちぎる。メアリーは慌ててバスルームを飛び出す。
隣の民家で横たわっていたバックもゾンビ化し、ハンターのスミスに襲いかかる。ゾーイは慌てて2階に駆け上るが、そこに横たわっていた老女もまたゾンビ化し、ゾーイに襲いかかる。ゾーイは2階から飛び降り、トラックに乗り込み、メアリーを乗せてその場を走り去る。
トミーは道路を封鎖している木の下でゾンビ化しており、ゾーイとメアリーは歩いてその場を通り抜ける。するとメアリーは血を流しているゾーイに銃を向ける。彼女が感染していると思い込んでいるのだ。ゾーイはこの傷は2階から飛び降りたり草むらを走ったせいだと説明する。しかし、感染していたのはメアリーの方だった。ゾーイはやむなく、メアリーに斧を何度も振り下ろしてメアリーを倒す。
ただ一人、助かったメアリーだったが、不注意な運転をしているトラックに正面衝突して轢かれてしまう。そしてゾンビ化した熊の死体から一匹の蜂が飛び立ち、巣に戻る。ゾンビー(zombie)の誕生だった。

ゾンビーバーは安物のぬいぐるみのようなチープなできで、動きもぬいぐるみを揺り動かしているだけの作り物感バリバリのテイスト。しかし、後半はゾンビウィルスが人間にも感染し、少し迫力が増す。オープニング早々、トップレスになりたわわなおっぱいをさらけ出すゾーイが、まさか最後まで生き残るとは意外だったが、結局はあっけない死を迎える。お金を払って観るような映画とも思えないが、カルトムービーとして話の種ぐらいにはなるだろう。ちなみに、「ゾンビーバー」はATOKできちんと映画用語として変換候補に出てくる。ATOK恐るべし。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月21日 (木)

(1598) 上を向いて歩こう

【監督】舛田利雄
【出演】坂本九、浜田光夫、吉永小百合、高橋英樹、渡辺トモコ
【制作】1962年、日本

坂本九の名曲、「上を向いて歩こう」をテーマ曲に、若者達の成長を描いた作品。

河西九(坂本九)と左田良二(浜田光夫)は、少年院を脱走。九は刑事の永井徳三(芦田伸介)に拾われ、魚市場で働くようになり、良二は飲み屋などのヤクザな商売をしている松本健(高橋英樹)と手を組み、ドラマーを目指す。徳三の家には二人の娘がおり、姉の紀子(吉永小百合)は面倒見のよい明るい性格。妹の光子(渡辺トモコ)は小児麻痺で車椅子に乗っていて、塞ぎがちだったが、お調子者で陽気な九と知り合い、ついに歩けるようになる。
松本健は妾の子で、かつて兄の顔を誤って傷つけてしまったことを悔いており、ヤクザな商売をしながらも受験勉強に勤しみ、ついに大学に合格。紀子はそれを祝福する。健は改めて兄に万年筆をプレゼントし、父親に大学に合格したことを報告するが、父にも兄にも冷たくあしらわれる。商売から足を洗おうとしていた健だったが、徳三のもとで働いている連中が、自分のいない間にいかさまをしてノミの稼ぎを持って行ったことを知り、ドスを持って殴り込みに行く。健と相手の一人が殴り合いのけんかをするが、紀子が止めに入り、両者は和解する。
良二は、大事なドラムを借金の形に取られてしまい、九が徳三からもらった新車のトラックを盗む。一方の九は、苦労してドラムを取り戻し、良二の働く店にドラムセットを届けるが、その帰りに良二が自分のトラックを盗んだことを知り、良二とつかみ合いのけんかをする。しかし、やがて互いが自分にとってかけがえのない親友であることに気づき、仲直りするのだった。

九、良二、健の三人がそれぞれ懸命に生きる姿を描いた青春群像劇。1960年頃の高度経済成長期の東京が舞台になっていて、当時の映像が楽しい。高橋英樹は超イケメンだった。そして吉永小百合はやはり本作でも、男にスカートをめくられかけるセクハラ攻撃を受けているのだった。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月20日 (水)

(1597) ベスト・キッド4

【監督】クリストファー・ケイン
【出演】ヒラリー・スワンク、ノリユキ・パット・モリタ、クリス・コンラッド、マイケル・アイサンサイド
【制作】1994年、アメリカ

空手を通じて成長する少女を描いた作品。「ベスト・キッド」シリーズ第4作。

アメリカ在住のミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)は、第二次世界大戦での活躍を祝う儀式に出席。今は亡き戦友の未亡人ルイーザ(コンスタンス・タワーズ)の家に招かれる。ルイーザの孫娘ジュリー(ヒラリー・スワンク)はルイーザに反抗的。ミヤギはルイーザを旅行に行かせ、ジュリーの面倒を見ることを提案する。
ジュリーの通う高校には自警団組織があり、リーダーのネッド(マイケル・カバリエリ)は強引にジュリーに交際を申し込む。その現場に自警団組織の指導者、ドゥーガン大佐(マイケル・アイサンサイド)が現れると、ネッドはジュリーがたばこを持っていたと嘘をつき、校長室に行く羽目になる。校長室を出たジュリーは、エリック(クリス・コンラッド)に付き添われるが、ジュリーは女子トイレに入って窓から抜け出し、校舎の屋上に向かう。それを追ったエリックは、ジュリーが翼を痛めたタカの世話をしていることを知る。それをきっかけに、ジュリーとエリックは親しくなる。
ジュリーは、夜中に校舎に忍び込んでタカの世話をしようとするが、それを自警団に発見され、2週間の停学処分となる。ミヤギはジュリーを連れて禅寺に入り、空手の稽古をする。ジュリーは、ミヤギや禅僧たちと強い心の絆で結ばれ、禅寺を後にする。
ドゥーガン大佐の暴力的な指導に疑問を感じていたエリックは自警団を脱退。彼はジュリーをプロムの相手に誘う。ダンスも知らないしドレスも持っていないというジュリーに、ミヤギは空手の指導をするようにダンスのステップを手ほどきし、純白のドレスをプレゼントする。
ジュリーは、遊びに来た禅僧たちとミヤギに見送られ、エリックとプロムに向かう。それを見たネッドとドゥーガン大佐は、二人への制裁を決意。二人の乗った車の窓ガラスをバットでたたき割ると、エリックを波止場に呼びつける。エリックは一人でそこに向かうが、ネッドや仲間に袋だたきにされる。ジュリーとミヤギがその場に駆けつける。ジュリーはネッドと一対一の勝負をして圧勝。ドゥーガン大佐もミヤギに赤子の手をひねるように倒される。ミヤギとジュリー、エリックは静かにその場を立ち去るのだった。

シリーズを通して主人公だったダニエルは本作には登場せず(ミヤギの台詞の中には出てくる)、本作では少女がミヤギの弟子となる。年頃の娘を年寄りとは言え一人の男に預けるというのは、なかなか不可解な展開。別にルイーザを追い出す必要はない気がする。しかし、そんないけない妄想は全く不要なほどミヤギさんは人格者すぎたわけだが。
ヒラリー・スワンクと言えば、「ミリオンダラー・ベイビー」が有名だが、本作でも足を高く上げての蹴り技など、身体能力の高さが見て取れる。細身のわりに服の上からも分かるグラマラスなボディも魅力的。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月19日 (火)

(1596) ベスト・キッド3 最後の挑戦

【監督】ジョン・G・アビルドセン
【出演】ラルフ・マッチオ、ノリユキ・パット・モリタ、ロビン・ライブリー、トーマス・イアン・グリフィス
【制作】1989年、アメリカ

空手少年の成長を描く「ベスト・キッド」シリーズ第3弾。主人公とその師匠への復讐を企む男達との戦いを描く。

空手大会で優勝したダニエル(ラルフ・マッチオ)と師匠のミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)に対して、敗北したコブラ会の道場主、クリース(マーティン・コーブ)は、弟子がいなくなり、道場は閉鎖状態。クリースは事業者として成功している戦友、テリー・シルバー(トーマス・イアン・グリフィス)に援助を求める。テリーは凶悪な空手を使う若者、マイク・バーンズ(ショーン・キャナン)を呼び寄せ、大会でダニエルを惨敗させる計画を立てる。
一方、ミヤギの盆栽店を手伝うダニエルは、ミヤギの教えのもと、大会には出ないことを決意。向かいの植木鉢を扱う店で働く少女、ジェシカ・アンドリュース(ロビン・ライブリー)と親しくなる。ダニエルを倒せば道場の権利の50%をもらえることになっているマイクは、取り巻きとともにダニエルを挑発。ミヤギの店を破壊し、さらにはダニエルが穴埋めにと貴重な盆栽を谷底から撮ろうとするところを妨害。ダニエルは大会申込書の署名をさせられてしまう。
そんなダニエルに対し、ミヤギは大会のための空手は教えないと言うばかり。そこにシルバーが現れ、ダニエルに稽古を付けると言って、暴力的な戦術を伝授する。
ダニエルは、ジェシカと二人でクラブに出かける。それを追ったシルバーは、店内の若者に声をかけ、ダニエルを挑発するよう仕向ける。ダニエルはとっさに若者の鼻に突きを食らわせてしまう。シルバーはダニエルとともに店を走り去りながら、ダニエルをたたえるが、ダニエルは自分のしていることの間違いに気づき、シルバーの道場を訪れ、シルバーに稽古をやめることと、大会を辞退することを告げる。シルバーはついに正体を現し、彼がマイクやクリースとぐるだったことを明かす。ダニエルはマイクに攻撃されるが、そこにミヤギが現れ、三人を倒す。しかし、シルバーはミヤギに町中の道場をコブラ会にしてやる、と挑発。ついにミヤギはダニエルとともに大会に向けて特訓することを決める。
大会はルールが変わり、ディフェンディングチャンピオンのダニエルは、決勝戦のみに登場し、予選の勝者がダニエルに挑むことになっていた。予選では汚い勝ち方でマイクが勝ち上がり、ついに決勝となる。マイクは圧倒的な攻撃力で先取点を取ると、わざと股間や顔面などの反則行為をして減点を受け、試合をゼロ対ゼロのまま進める。試合の中でダニエルはダメージを受け続ける。それがシルバーの作戦だった。
試合は延長戦に入り、最初の得点を取ったほうが優勝。ダニエルはもう勝てないとミヤギに叫ぶが、ミヤギは自分の中に勝つ力が残っているとはげます。ダニエルは改めて、ミヤギに教えてもらった空手の型を演じて落ち着きを取り戻すと、突っ込んできたマイクを投げ飛ばして胴体に突きを決め、見事に逆転優勝を飾るのだった。

変わらないテイストと安定の品質。順調に女の子と親しくなり、かたき役には逆転勝利。なよなよしたキャラなのに、安定のもてっぷりだった。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月18日 (月)

(1595) ベスト・キッド2

【監督】ジョン・G・アビルドセン
【出演】ラルフ・マッチオ、ノリユキ・パット・モリタ、タムリン・トミタ、ダニー・カメコナ
【制作】1986年、アメリカ

アメリカの少年が、師匠の故郷、沖縄で活躍する様子を描いた作品。「ベスト・キッド」の続編。

出だしは、「ベスト・キッド」の続き。空手少年、ダニエル(ラルフ・マッチオ)の師匠、ミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)のもとに、父親の病状が悪化したとの連絡が入る。ダニエルも同行し、ミヤギは沖縄へ。そこにはミヤギのかつての恋人のユキエ(ノブ・マッカーシー)と、恋敵佐藤(ダニー・カメコナ)がいた。ミヤギに恨みを持つ佐藤は、ミヤギに果たし合いを挑んでくる。
佐藤の空手道場の一番弟子、チョーゼン(ユウジ・オクモト)も、ダニエルに何度もけんかをふっかけてくる。ミヤギは相手にしなかったが、地元の権力者、佐藤は、果たし合いに応じなければ村を壊滅すると脅し、ミヤギは果たし合いに応じることを決める。
ダニエルは、ユキエの姪、クミコ(タムリン・トミタ)と親しくなり、クミコに茶を点ててもらったあと、口づけをかわす。そこに台風が上陸。人々は安全な場所に避難するが、佐藤が倒壊した建物の下敷きになってしまう。ミヤギとダニエルは協力して佐藤を救出。ダニエルはさらに、半鐘を鳴らすためにはしごの上に取り残されてしまった少女の救出に向かう。佐藤は弟子のチョーゼンに手伝うよう指示するが、チョーゼンはおびえて避難場所から出られない。ダニエルは単身で少女を救出し、佐藤がそれを助ける。佐藤はチョーゼンをなじり、チョーゼンはダニエルに捨て台詞を吐いて避難場所を飛び出していく。
佐藤は、ミヤギと和解し、ダニエルとも握手を交わす。佐藤の計らいで、城跡で開催された盆踊りで村中が盛り上がっていると、そこにチョーゼンが現れ、クミコを人質にしてダニエルに果たし合いを挑む。ダニエルはミヤギに教わったでんでん太鼓の極意を使ってダニエルを倒す。ユキエはミヤギとともに暮らすことを決めるのだった。

台風突然上陸しすぎやろ、とか、なんできれいに建物の下敷きになっとんねん、とか、なんではしごの上にいつまでもおんねん、とか、突っ込みどころは満載だが、スムーズな場面運びに観客の皆様もご協力ください、ということだ。
前作に比べると、本作は師匠ミヤギの恋の行方と宿敵との和解に焦点が当てられ、空手の修行の場面はイメージカット程度。最後の対決シーンも、必殺技の場面は何をしているんだかよく分からないアップとコマ撮りなので、アクション作品としては物足りないにもほどがあった。
本作の見所は、やはり公開当時20歳のタムリン・トミタ。日本人からするとどこにでもいそうな顔のようでいて、かわいさときれいさ、清楚さと色気の同居した東洋風の顔立ちは、一度見たら忘れられないインパクトがある。
なお、序盤に、「ジュラシック・パーク」で東洋系の科学者を演じているB・D・ウォンが、チラシを配るちょい役で出演している。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月17日 (日)

(1594) ベスト・キッド

【監督】ジョン・G・アビルドセン
【出演】ラルフ・マッチオ、ノリユキ・パット・モリタ、エリザベス・シュー
【制作】1984年、アメリカ

アメリカを舞台に、空手の修行をした少年の成長を描いた作品。

母親と二人で新天地に引っ越してきたダニエル(ラルフ・マッチオ)。早速できた友達とビーチに遊びに行き、お金持ちの家の少女、アリ(エリザベス・シュー)と親しくなる。アリのボーイフレンド、ジョニー(ウィリアム・ザブカ)は、仲のいい二人を見て腹を立て、アリのラジカセを壊す。怒ったダニエルが覚えていた空手で挑むが、ジョニーの腕前の方が上手で全く歯が立たず、ダニエルはアリの目の前で惨敗する。
ダニエルのアパートの管理人のミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)は空手の達人。ダニエルが強くなろうとしているのを知ったミヤギは、彼に空手を教えることにする。しかし、その修行の内容は、車のワックスがけや床磨き、柵のペンキ塗りなど、空手と関係があるとは思えないことばかり。しかし、その動きは、相手の突きや蹴りの攻撃を防御する動きだった。
ダニエルは空手の大会で再びジョニーと再戦。ダニエルは決勝に進むまでの戦いで、ジョニーの仲間に足を痛めつけられ、片足が使えない状態。それでもダニエルは堂々と戦い、最後は蹴り技でジョニーに勝利する。ジョニーは、監督の極悪非常な作戦に我慢できなくなっており、ダニエルの勝利を心から祝福するのだった。

一見強そうに見えない師匠から教えを受けて成長するという、この手の作品では王道の展開。ダニエルとアリの恋も健全に進展し、不要なすれ違いやけんかで話がメインストーリーを邪魔していない。悪者だったジョニーが試合後はダニエルをたたえるのも見ていて微笑ましかった。
ジャッキー・チェンとジェイデン・スミスの共演でリメイクされた。
ヒロイン役のエリザベス・シューは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」でマーティの恋人ジェニファーを演じている。

【5段階評価】4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月15日 (金)

(1593) 心が叫びたがってるんだ。

【監督】長井龍雪
【出演】内山昂輝(声)、水瀬いのり(声)、雨宮天(声)、細谷佳正(声)
【制作】2015年、日本

高校2年の男女4人の交流を描いた青春ドラマ。

幼い頃、お城の形のラブホテルから出てくる父親を見つけたことを無邪気に母に報告した経験を持つ成瀬順(水瀬いのり)。それがきっかけで両親は離婚。父親は順のおしゃべりに恨み言を言って去る。幼い順の目の前にたまご型の人形の幻影が現れ、順は話をすると腹痛が生じるようになってしまう。
順の通う高校では、担任の城嶋一基(藤原啓治)が、地域ふれあい交流会の実行委員に、順のほか、坂上拓実(内山昂輝)、仁藤菜月(雨宮天)、田崎大樹(細谷佳正)を指名する。
4人は不満を持つが、言葉を話せない順が歌なら声を出すことができ、やる気を出したことから、順を応援するように実行委員を務めるようになる。
担任の城嶋が、半ば強引に、演目をミュージカルにすることを提案し、順がそれに呼応。クラスを説得し、ミュージカルの準備が始まる。
順が脚本と主演を担い、拓実が王子、大樹が玉子の役をすることになり、準備が始まる。本番の最終日、拓実が元彼女の菜月に気があるような会話をしているのを耳にしてしまった順は、本番当日、姿を消してしまう。
大樹は急遽、配役を変えて急場をしのぐことにし、拓実は順を探す。廃墟となったラブホテルの中にいる順を見つけた拓実は、怒りをぶつけるように拓実や菜月を罵倒する順の言葉を受け入れる。順は拓実に愛を告白。拓実はありがとうといいながらも、ほかに好きな人がいる、と順を振る。それでも順はその言葉を受け入れ、拓実は順を連れてミュージカルの会場である学校の体育館に戻る。順は途中から主役を見事に演じ、体育館は拍手に包まれる。
交流会は終わり、大樹は順に好きだと告白するのだった。

言葉を発することが苦手な順が、拓実の奏でるピアノの音楽に乗って言葉を発し始める。クライマックスの歌のシーンはなかなか感動的。胸が熱くなった。アニメでミュージカルを描き、観る者を感動させるためには、映像の力だけではなく、音楽の力も重要。本作はごまかすことなく劇中歌を奏でており、掛け値なしの音楽の力を感じることができた。

【5段階評価】4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月14日 (木)

(1592) マスク・オブ・ゾロ

【監督】マーティン・キャンベル
【出演】アントニオ・バンデラス、アンソニー・ホプキンス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
【制作】1998年、アメリカ

世代を超えて活躍するマスク・オブ・ゾロの活躍を描いた作品。

カリフォルニアで圧政を敷く総督、ラファエル・モンテロ(スチュアート・ウィルソン)は、農民の公開処刑を行い、怪傑ゾロ(アンソニー・ホプキンス)をおびき出すが、ゾロはラファエルの手下達を倒し、ラファエルに領地を出て行くよう告げる。
ゾロの正体は、ドン・ディエゴ・デ・ラ・ベガ。愛する妻のエスペランザ(ジュリエッタ・ローゼン)と乳飲み子の娘、エレナの待つ住処にもどる。そこにラファエルが部下を連れて現れる。ラファエルの部下がゾロに銃を放ち、それをかばったエスペランザは死亡。ラファエルはエレナを連れ去り、我が子として育てる。
20年後、ラファエルは美しく成長したエレナ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)を連れて再びカリフォルニアに現れる。そこにはラファエルの残忍な部下、ハリソン・ラブ(マット・レッシャー)もいた。かつてハリソンに兄を殺されたアレハンドロ・ムリエッタ(アントニオ・バンデラス)は、ハリソンに挑みかかろうとするが、年老いたディエゴがそれをたしなめ、アレハンドロを特訓する。
アレハンドロはエレナと知り合い、エレナはゾロとして暴れ回るアレハンドロに惹かれるようになる。
カリフォルニアの鉱山の金鉱を横領しようと企むラファエルは、証拠隠滅のため、鉱山を労働者ごと爆破する計画を立てる。アレハンドロとディエゴはエレナを味方に付けて、それを阻止。ラファエルはディエゴと、アレハンドロはハリソンと一騎打ちとなり、それぞれ復讐を果たす。
エレナはディエゴが本当の父親であることを知るが、ディエゴはエレナに抱かれて息絶える。ディエゴとアレハンドロは結ばれ、二人の間には幼い息子が産まれるのだった。

典型的な痛快娯楽アクション映画。「羊たちの沈黙」のアンソニー・ホプキンスが剣術アクションをする意外性は楽しい。エレナとアレハンドロが戦うシーンでは、アレハンドロがエレナを手玉に取って何度も口づけをし、スカートを切って太ももをあらわにし、最終的に服を切り裂いて上半身を裸にしてしまう。名シーンはここかもしれない。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月13日 (水)

(1591) 雲のむこう、約束の場所

【監督】新海誠
【出演】吉岡秀隆(声)、萩原聖人(声)、南里侑香(声)
【制作】2004年、日本

ほしのこえ」に続く新海誠監督の長編アニメーション。パラレルワールドを舞台に3人の若い男女の運命を描いている。

青森の中学生、藤沢浩紀(吉岡秀隆)と白川拓也(萩原聖人)は、アルバイトをしながら二人で飛行機を作っていた。日本は津軽海峡で南北に分断されており、エゾにある天を突くような白い塔まで行こうとしていたのだ。
二人が憧れる同級生の少女、沢渡佐由理(南里侑香)に、拓也は飛行機の話をする。飛行機を見た佐由理は感激し、浩紀と拓也は佐由理を飛行機に乗せて塔に行くことを約束する。しかしその後、佐由理は消息を絶ってしまう。
塔は、周囲を平行宇宙に転換してしまう力を持っているようだった。佐由理は冷めることのない眠りに落ちていた。塔の発する力を受け止めているが故の睡眠であり、佐由理が起きることは塔の力が顕在化してエゾを飲み込んでしまうことが危惧された。
浩紀と拓也は中学を卒業して別々の道に進み、佐由理がいなくなったことで飛行機制作もやめてしまっていたが、浩紀は佐由理を塔に連れて行けば眠りから覚めるはずだと考える。拓也も同調し、二人は飛行機を完成させる。手をけがした拓也を置いて、浩紀が飛行機を操縦することになり、眠ったままの佐由理を飛行機に乗せて塔に向かって飛び立つ。
津軽海峡で戦争が始まり、戦闘機による空中戦が起きる中、浩紀は飛行機を飛ばし、ついに塔にたどりつく。佐由理は目覚め、浩紀にしがみついて涙する。
浩紀は塔に向かってミサイルを飛ばし、塔は破壊される。平行宇宙への転換は防がれ、浩紀は拓也の待つ場所へ向かうのだった。

世界の設定が難解。悪く言えば独りよがりな設定なのだが、今ひとつ世界観が描き切れておらず、現実世界との違いもあいまい。あいまいだからこそ、リアルがあるようでもあるのだが、逆にあまり異世界感も際立っていなかった。寝ている佐由理を起こさなければならないという設定にもあまり切迫感がなく、ヒロインを救う若者二人という感激もない。映像はきれいだが、感動のしどころのない作品だった。

【5段階評価】2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月12日 (火)

(1590) 死海殺人事件

【監督】マイケル・ウィナー
【出演】ピーター・ユスティノフ、パイパー・ローリー、キャリー・フィッシャー、ローレン・バコール
【制作】1988年、アメリカ

死海近くの発掘現場で起きた殺人事件の謎を名探偵ポアロが解く。

夫を失った未亡人、エミリー・ボイントン(パイパー・ローリー)は、弁護士のジェファーソン・コープ(デビッド・ソウル)から、夫の遺書の話を聞かされる。夫は妻に全額を譲るという遺書を書いた後、子供を含む全員に均等に遺産を譲るという遺書を書き直していた。エミリー夫人は、弁護士の過去の不正をネタに彼を脅し、新しい遺書を焼却させる。
長男のレノックス(ニコラス・ゲスト)と妻のナディーン(キャリー・フィッシャー)、次男のレイモンド(ジョン・ターレスキー)、長女のキャロル(バレリー・リチャーズ)、次女のジネブラ(アンバー・ベゼル)の前で、エミリーはコープに遺書を読ませる。内容を聞いた子供達は憤慨し、母親に恨みを抱く。それを知ってか知らずか、エミリーは家族総出の海外旅行を強引に企画し、実行する。
レイモンドは、偶然母親の世話をした新米医者のサラ・キング(ジェニー・シーグローブ)に一目惚れする。旅行先に弁護士のコープがやってくると、義理の母の世話係をしているナディーンはコープにかけより、二人は熱いキスを交わす。アメリカ生まれのイギリス下院議員のウエストホルム卿夫人は、考古学好きのクイントン(ヘイリー・ミルズ)も旅程をともにすることになる。エルキュール・ポアロ(ピーター・ユスティノフ)は彼らとともに旅をすることになる。
エミリーは心臓に持病があり、少量の劇薬を服用していた。旅先に向かう途中、ホテルのロビーにいたエミリーに対し、キング医師が彼女をののしる。レイモンドを束縛する様子が許せなかったのだ。エミリーは不敵な笑みを浮かべ、「私は決して忘れないのよ。人の行いも、名前も顔も忘れない。」と脅すような言葉を口にする。
エルサレムに着いた一行は、発掘作業の続くクムラン遺跡を訪ねる。エミリーは子供達を散歩に行かせ、一人で休んでいた。ナディーンとコープ、レイモンドとキング、そしてレノックスも一緒に散歩に出かけるが、レノックスは途中で引き返し、レイモンドはキングと口づけをかわした後、戻っていく。キング医師が休憩場所に戻ると、アラブ人が椅子に座ってうなだれているエミリーを呼び起こそうとしている様子を目にする。キング医師がエミリーの元に向かうと、彼女は死んでいた。ポアロもそれを確認。手首に注射針の後があった。ポアロはキング医師に荷物を確認させる。荷物の中から劇薬が失われていた。ポアロは現地のカーベリー大佐(ジョン・ギールグッド)に2日以内に謎を解いてみせると宣言し、関係者から話を聞き出し始める。
エミリーに脅されたキング医師、遺産のことや過干渉のことで恨みを持っている子供たち。それぞれに動機も殺害の機会もあった。ポアロはその晩、何者かに名前を呼ばれる。内緒で話をしたいようで、明日の10時に話を聞いてほしいと言ってその場を立ち去る。
翌日、ポアロとキング医師が並んで歩いていると、アラブ人の少年が近寄ってくる。ところが少年は突然きびすを返して逃走。キング医師が必死で追いかけるが、少年は人気のない路地で突然、拳銃で撃ち殺される。キング医師が疑われたが、容疑は晴れ、介抱される。
ポアロは、子供たちもキング医師も手は下していないと判断する。彼女を殺害するのであれば、服用している薬を多く飲ませればいいだけで、注射で毒物を混入させる必要がないからだ。犯人はウエストホルム卿夫人だった。彼女はアメリカにいたとき、服役囚だったことがあり、それを秘密にして議員になっていた。かつて刑務所の看守として働いていたエミリーは、ウェストホルム卿夫人を旅先で見かけて彼女のことを思い出した。エミリーがキング医師に言っていたと思われた言葉は、キング医師の後ろにいたウエストホルム卿夫人に向けた言葉だったのだ。
ポアロはウエストホルム卿夫人がいないところで家族達に真相を聞かせるが、ポアロが真相を知ったことを悟ったウエストホルム卿夫人は、花火大会で盛り上がるホテルの一室で拳銃自殺する。ポアロは、ウエストホルム卿夫人は暴発事故で死んだことにするよう大佐に告げるのだった。

不可能犯罪の謎を解いたり、トリックを見破るのが名探偵ものの醍醐味だが、本作は逆に、全員に犯行が可能で動機もあることから、不可能犯罪の謎を解くという部分がない。また、名探偵が関係者全員を集めてなぞ解きを披露するという定番の場面も、本作では真犯人がいないところで行われる。独特の試みだがやはり今ひとつ盛り上がりに欠けていた。本作がヒットしなかったのも、むべなるかなというところだ。

【5段階評価】2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月11日 (月)

(1589) ラストエンペラー

【監督】ベルナルド・ベルトルッチ
【出演】ジョン・ローン、ジョアン・チェン、ピーター・オトゥール、坂本龍一
【制作】1987年、イタリア、中国、イギリス

清朝最後の皇帝、溥儀の生涯を描いた作品。第60回アカデミー賞作品賞受賞作品。

西太后(リサ・ルー)によって、3歳で皇帝に指名された溥儀(リチャード・ブゥ)は、紫禁城の中で幼少期を過ごす。しかし、中国は大統領制になっており、溥儀(タイジャー・ツゥウ)の天下は紫禁城の中のみであった。実母の死にも立ち会えず、妃も決められ、溥儀(ウー・タオ)の知識はもっぱら家庭教師のイギリス人、レジナルド・ジョンストン(ピーター・オトゥール)からもたらされる。やがて日本軍が満州に攻め込み、溥儀(ジョン・ローン)は家族や妻とともに親近城を追われる。溥儀はやっと紫禁城を出られると強がり、やがて満州国の傀儡皇帝となる。
第二次世界大戦で日本は敗れ、溥儀は日本人に通じた罪で有罪。10年の牢獄生活を経て、恩赦で自由の身となる。
年老いた溥儀は、入場料を払って、かつて自分が暮らした紫禁城に入る。紫禁城にひとけはなく、溥儀は立ち入り禁止の皇帝の座に向かう。住み込みの守衛の息子が溥儀を見とがめ、声をかけると、溥儀は自分はここに住んでいたのだ、と言って、皇帝の椅子の隙間から容器を取り出す。それを受け取った少年が蓋を開けると、中から生きたコオロギが出てくる。それはかつて、幼い溥儀が、大勢の家臣の中の一人から受け取ったものだった。少年が不思議そうに見上げると、すでにそこに溥儀の姿はないのだった。

歴史に翻弄された溥儀の生涯が、写実的な映像で描かれている。紫禁城を借り切って撮影された映像は貴重で迫力があった。序盤がややだれたのと、後半もそんなに悲劇的ではないので、数奇な運命とは思いつつも、感動の涙があふれるというほどでもなかった。
終始、英語が使われている辺り、写実性よりもドラマ性に重きが置かれている印象だった。坂本龍一が音楽を手がけたことでも有名な作品。俳優としても登場している。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月10日 (日)

(1588) キングコング

【監督】ピーター・ジャクソン
【出演】ナオミ・ワッツ、エイドリアン・ブロディ、ジャック・ブラック、アンディ・サーキス
【制作】2005年、ニュージーランド、アメリカ

巨大類人猿、キングコングを描いた作品。往年の特撮映画の名作をピーター・ジャクソン監督がリメイクしている。

映画監督のカール・デナム(ジャック・ブラック)は、ジャック・ドリスコル(エイドリアン・ブロディ)を脚本家に招いて映画撮影を決意。主演女優に困ったカールは、偶然見かけたコメディ女優、アン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)を口説き、イングルホーン船長(トーマス・クレッチマン)の船に乗り込む。アンは、憧れていたドリスコルと恋仲となる。
船が目指したのはドクロ島。そこは、巨大な生物が独自の進化を遂げた島。撮影の一行は原住民に襲われ、アンが生け贄にされてしまう。アンをさらったのは、巨大なゴリラ、コング(アンディ・サーキス)だった。アンは始めはコングに恐怖するが、コングは巨大な恐竜に襲われたアンを命がけで守る。アンはコングに愛情を持つようになる。
一方のドリスコルは、カール達を連れてアンの救出に向かう。監督のカールは、途中で撮影したフィルムがだめになったことから、コングを生け捕りにしてニューヨークに連れて帰ることを思いつく。ドリスコルはようやくアンを発見。ドリスコルとアンを追いかけてきたコングに、カールがクロロホルムを嗅がせ、生け捕りに成功する。
カールはニューヨークの劇場でコングをお披露目するが、興奮したコングが劇場を脱出。アンとコングは再会を果たす。しかし、大暴れするコングに軍が出動。超高層ビルのてっぺんに追い詰められたコングは、戦闘機に攻撃されてビルから落下し、命を落とす。「飛行機がコングを倒した」と見物人が言うが、カールは「美女が野獣を殺した」とつぶやくのだった。

動物パニックものやスリラーものでは、目玉の生き物がなかなか出てこなかったり小出しになったり、というのが定番だが、本作のキングコングの登場はあまりにも遅い。しかもそこまでちらりとも出てこない。「これ何の映画? 」と思うほど出てこない。要するに、序盤が長い。
同じように長い作品の「タイタニック」も、船の沈没というドラマまでの展開が長いが、こちらは若い男女の激しく燃える愛を、緻密に再現された往年のタイタニック号の中で表現していて、映像に力がある。本作も1930年代のアメリカを描いていて、船での移動シーンが長い点で共通しているが、おんぼろ船の中なので映像に対する感動は薄い。つまらないわけではないが、もう少し波瀾万丈があってもよいと感じた。
島に上陸してからは、巨大な生物が次々と登場するが、独自に進化した恐竜が、「ジュマンジ」ほどではないにしても、あまりリアリティがないのが残念だった。巨大な虫たちはそれなりにグロテスクだったが、キングコングを観に来た観客の求める映像なのかは、疑問の残るところだった。
日本でコケたのも分かるな、という感じだったが、それでも、全体的には特撮もよくできていて、面白い部類の作品だった。

【5段階評価】4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 9日 (土)

(1587) パットン大戦車軍団

【監督】フランクリン・J・シャフナー
【出演】ジョージ・C・スコット、カール・マルデン、マイケル・ベイツ
【制作】1970年、アメリカ

アメリカの猛将、パットン将軍の戦歴を描いた作品。北アフリカ、シチリア、アルデンヌでの戦いを描いている。第43回アカデミー賞作品賞受賞作品。

第二次世界大戦の米軍のパットン将軍(ジョージ・C・スコット)は、攻撃的な性格。北アフリカ戦線の指揮官となった彼は、精神的に戦意を喪失した兵士を臆病者呼ばわりし、軍の規律を厳しく運用。ドイツ軍のロンメル将軍(カール・ミヒャエル・フォーグラー)を強敵と捉え、徹底的にドイツ軍を叩く。
パットン将軍は次にシチリアに向かうが、病院を慰問した際、実際に戦意を喪失した兵士の頭を張り、臆病者呼ばわりする。このことが記事となり、彼は指揮官の座を外されてしまう。囮役のような扱いを受けるパットンだったが、アルデンヌでは雪中行軍を強行し、再び勝利を得る。ところが、ロシアを敵視する性格で、再び指揮官の座を降りる。仲間から食事に誘われたパットンは素直にそれに感謝すると、愛犬を連れ、散歩に出かけるのだった。

戦車戦の映像が豊富で、軍用車両や戦闘機も数多く登場するので、ミリタリーマニアには面白い映画だろう。あまり戦争に興味のない人にとっては、あまりドラマ性がないので、退屈な作品だった。評価2にしようかとも思ったが、戦闘シーンの迫力はかなりあったので、評価は3。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 8日 (金)

(1586) ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状

【監督】佐々木浩久
【出演】黒川芽以、堀北真希、夏帆、山下真司、草刈正雄、宍戸錠
【制作】2006年、日本

テレビドラマ、「ケータイ刑事」の劇場版。警視正の3人姉妹が謎の人物からの挑戦状に立ち向かう。

銭形泪(るい)(黒川芽以)、舞(堀北真希)、零(夏帆)は警視正の肩書きを持つ3姉妹。この3姉妹の姉、長女の愛が誘拐されたという知らせが入り、謎の人物から挑戦状が送りつけられる。3人はそれぞれ3つの殺人事件の謎を解き、姉が品川にいると推理。バベルの塔と書かれた倉庫に入り込んだ泪は、謎の人物からクイズを出される。泪は舞と零の協力を得て謎を解き続ける。事件は警察庁の難波(宍戸錠)をはじめ、関係者の狂言だった。3人に試練を与えるために仕組まれたのだった。3人は姉の帰国の知らせを受け、仲よく3人で出迎えに向かうのだった。

ドラマのファン向けに作られた、毒にも薬にもならないような作品だが、それなりに推理ものの謎はきちんとしていて、ただのドタバタ劇ではなかった。美少女3人の女子高生姿を素直に喜ぶのが正しい楽しみ方だろう。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 7日 (木)

(1585) 紙の月

【監督】吉田大八
【出演】宮沢りえ、池松壮亮、田辺誠一、小林聡美、大島裕孝、近藤芳正、石橋蓮司
【制作】2014年、日本

角田光代原作小説の映画化作品。大学生との不倫に走った女性銀行員の転落の人生を描いている。

わかば銀行の契約社員となった梅澤梨花(宮沢りえ)。夫の正文(田辺誠一)は有能な会社員。梨花がパートから契約社員になった記念に、少し奮発して、それでも安いペアウォッチを買うと、正文は、自分で稼いだお金は自由に使えばいいと優しく言う。
梨花は、個人顧客である平林孝三(石橋蓮司)の居宅に営業訪問に行く。裕福だが横柄な老人の平林は、梨花の勧誘に乗って国債を買うことに決め、梨花に茶を入れさせる。戸惑いながら台所で茶を準備する梨花の背後に孝三が近づき、肩に手をかける。驚いた梨花が振り向くと、そこに一人の若者(池松壮亮)が現れ、「大丈夫?」と梨花に話しかける。若者は孝三の孫、平林光太だった。孝三は慌てて、肩に葉っぱが付いていただけだ、と弁解する。
社員送別会の帰り、梨花は偶然光太と再会。光太はぎこちなく梨花に話しかけ、梨花が気まずそうにホームに向かうと、光太はいったん駅の改札を出たにもかかわらず構内に引き返し、梨花の乗った電車に乗る。梨花が降りるのを見た光太は、それ以上追うことはせず、電車に乗る。
梨花は再び光太と再会。向かい合わせのホームで梨花を見つめる光太。梨花の側の電車が到着し、梨花の姿が消える。残念そうにうつむく光太の横に、跨線橋を渡って梨花がやってくる。二人はホテルに入り、結ばれる。
梨花はデパートの化粧品売り場で買物をするが、現金が足りない。梨花は業務で集金した顧客の現金を使って支払いをすませ、後で降ろした金で補填する。梨花の中で保たれていた正義が少しほころびを見せる。平林の老人から、光太が借金をしていることを聞かされた梨花は光太を問いただすと、光太は学費の借金が150万円あることを白状する。梨花はなんとかしたい一心から、老人から預け入れられた200万円をこっそり着服し、光太に手渡す。梨花は、本来は会社に保管しなければならない預金証書を老人に手渡す。
夫の正文に上海転勤の話が舞い込むが、梨花は同行を拒否。梨花はそれから、何人もの個人顧客の金を横領し、光太と豪遊する。ホテルで150万近く使い、高級車を買い、光太のためのマンションを入手。梨花の横領額は5,000万円を超えていた。
そしてついに、支店のベテラン女性行員、隅より子(小林聡美)に、保管されているはずの預金証書が紛失していることを気づかれる。より子は上司の井上佑司(近藤芳正)に報告。井上は梨花を問い詰めるが、井上が若い女性行員の相川恵子(大島優子)と浮気し、不正経理を手伝わせていることを知っている梨花は、半ば井上を脅してその場を切り抜ける。
梨花の様子がおかしいことを知り、より子は梨花の顧客を訪問。梨花が莫大な金額の横領をしていることが明るみに出る。梨花と会社の会議室で二人きりになったより子は、土地の売却や親戚からの借金などで穴埋めできれば刑事告訴は逃れられるかもしれない、と梨花に助け船を出すが、惨めな自分に優しくするつもりか、と梨花は逆ギレ。しかしより子は、あなたは惨めなのか、やりたいことを自由にやった梨花より、真面目に生きることしかできない自分の方が惨めなのではないか、と問い返す。梨花は会議室のガラス窓を破り、支店から逃走。そのまま外国に逃亡する。梨花はそこで、かつて女学生だったときに寄付をした途上国難民の少年が成長した姿を見る。梨花は現地の警察官を発見すると、人知れず人混みの中に消えていくのだった。

原作を読んでいないのだが、おそらく小説の方が面白いのではないかと思える作品だった。不倫に走るところまではまだしも、お金を着服してエスカレートする展開が早すぎて切迫感がなく、いつバレてもおかしくない無計画さもあって、主人公への感情移入が難しい。そりゃバレるわな、と思っていたのがやはりバレ、どうなるのかと思ったらあっさりと海外に逃亡している。とても暮らしていけるとは思えない。やはりサスペンスものはしっかりと事件を収束させ、観る側の疑問は解消してほしい。
本来、最も見所であるはずの、会議室での梨花とより子の会話も、より子の話が使い古された説教の域を超えておらず、感動がなかった。より子が、不祥事を発見する小うるさいお局、というぐらいの人物像しか描かれておらず、彼女の私生活を含めた苦悩がもっと描かれていれば、違う感情がわいたかもしれない。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 6日 (水)

(1584) ダブルチーム

【監督】ツイ・ハーク
【出演】ジャン=クロード・バン・ダム、ミッキー・ローク、デニス・ロッドマン
【制作】1997年、アメリカ

元CIAエージェントの活躍を描いた作品。バスケットボールプレーヤーのデニス・ロッドマンが相棒役で出演している。

元CIAエージェントのジャック(ジャン=クロード・バン・ダム)は、妊娠中の妻、キャサリン(ナターシャ・リンディンガー)と幸せに暮らしていたが、かつての強敵、スタブロス(ミッキー・ローク)が再び現れたことを知らされ、スタブロス確保の作戦に参加する。
スタブロスが遊園地に現れるという情報を得たジャックは狙撃部隊を送り込むが、スタブロスが幼い我が子と幸せそうにしているのを見て狙撃に躊躇してしまい、スタブロスに気づかれてしまう。スタブロスが先制攻撃を浴びせ、遊園地内で銃撃戦が始まる。銃撃戦に巻き込まれてスタブロスの妻と息子は死亡。ジャックは爆発に巻き込まれて大けがを負う。
ジャックに激しい恨みを持つスタブロスは、キャサリンを誘拐。キャサリンに子を産ませてから3人とも殺害しようとする。ジャックは武器商人のヤズ(デニス・ロッドマン)から武器を仕入れる。ヤズはジャックに協力することを決め、ジャックは病院にいたキャサリンと再会。スタブロスは産まれたばかりのジャックの子供を連れて、ローマのコロッセオにいた。スタブロスはコロッセオに虎を放ち、ジャックが勝てば息子を返すと告げる。
ジャックはコロッセオの外に逃げ、虎がスタブロスの手下に襲いかかっている隙に競技場に戻る。そこにヤズが現れ、ジャックの息子を救い出す。スタブロスは自ら地雷を踏んでしまい、戻ってきた虎とともに爆死する。

序盤、大きな装甲車に乗ったジャックが、抜け出せるように丁寧に置かれた障害物をよけ、追っ手のバイクライダーが火だるまになって転がる中、線路を走る列車を気合い一発、装甲車のジャンプで飛び越える。ムーンパトロールかよ。この時点で、あ、これはクソ映画だと分かってしまった。幸い、その後はそれほどひどくはないのだが、やはり虎を放って自爆するスタブロスは意味不明だし、ジャックが何か猛特訓しているのだが、どアップすぎて何をしているのか分からないし、相棒役のヤズはほとんど戦いの役には立っていないし、やっぱりクソ映画だった。とは言え、ミッキー・ロークも出ているし、評価は2。

【5段階評価】2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 5日 (火)

(1583) ハード・デイズ・ナイト

【監督】リチャード・レスター
【出演】ビートルズ、ウィルフレッド・ブランビル、ノーマン・ロッシントン
【制作】1964年、アメリカ、イギリス

大人気ロックバンドのビートルズの慌ただしい活動ぶりをコミカルに描いた作品。最初の公開時は「ビートルズがやって来るヤァ! ヤァ! ヤァ!」という邦題が付いていたが、今回はリバイバル時のタイトルでテレビ放映された。

オープニングで、ビートルズのメンバーが大勢のファンに追いかけられるシーンは有名。
ボーカルのジョン・レノンとポール・マッカートニーが人気者であるのに対し、ドラムのリンゴ・スターは背も低く、ややコンプレックスがあるように描かれている。彼が本番前に姿を消してしまうが、ポールの祖父が警察に捕まっているとスタッフやメンバーに知らせ、最後は大興奮の番組放送となる。

映画のタイトルにもなっている「A Hard Day's Night」をはじめ、「And I Love Her」、「Can't Buy Me Love」など、有名な楽曲がしっかり聴けるのが楽しいが、物語の部分はあまり面白くなかった。

【5段階評価】2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 4日 (月)

(1582) あの頃ペニー・レインと

【監督】キャメロン・クロウ
【出演】パトリック・フュジット、ケイト・ハドソン、ビリー・クラダップ、フィリップ・シーモア・ホフマン
【制作】2000年、アメリカ

ミュージシャンのインタビュアーを目指す少年が、ロックバンドとその追っかけの少女と出会い、成長する様子を描いた作品。

厳格な母親エレイン(フランシス・マクドーマンド)を持つ少年、ウィリアム・ミラー(パトリック・フュジット)は、姉のアニタ(ズーイー・デシャネル)の影響でロックに目覚め、学生の身分ながら小規模な音楽雑誌のインタビュアーとなる。
母親の許しを得てロックコンサートの楽屋にインタビューに向かったウィリアムだったが、アポなしだったため門前払いを食らう。立ち尽くす彼は、そこでペニー・レイン(ケイト・ハドソン)という少女に出会う。彼女は自分はグルーピー(日本で言う追っかけだが、メンバーに個人的に関わり肉体関係を求めるような意味合いがある)ではなく、バンドエイド(バンドの支援者、といった意味合い)だと言い、やがてやってきたロックバンドのメンバーとともに楽屋の中に入っていく。ウィリアムが諦めて帰ろうとしたところに、売り出し中のバンド、スティルウォーターが現れる。ウィリアムはとっさにスティルウォーターのメンバー全員の名前と最近の楽曲の評価を口にする。メンバーはウィリアムを気に入り、楽屋に招き入れる。ウィリアムはペニー・レインと並んで、舞台袖からライブを観て幸せな気持ちになる。
ウィリアムの書いた記事が、有名な音楽雑誌、ローリング・ストーンの編集者(テリー・チェン)の目にとまり、記事の依頼を受ける。ウィリアムはバンドのツアーに同行し、記事を書くことにする。ウィリアムはそこで、バンド同士のいさかいや音楽への思い、ペニーやそのほかの取り巻きの少女たちの生き方に触れる。バンドは売れ出し、移動はバスから飛行機に変わる。ニューヨークへの移動中、スティルウォーターのメンバーは、ほかのバンドとインディアンポーカーをし、ペニーたち女の子3人を他バンドに譲り渡してしまう。ペニーはそれがショックで睡眠薬をオーバードーズするが、ウィリアムがそれを助ける。自分はなぜ愛されないの、と嘆くペニーに、ウィリアムは愛を告白する。
数々の経験を経て、ウィリアムは記事を仕立てる。雑誌社は記事を激賞するが、気持ちが不安定になっていたバンドのリーダー、ラッセル・ハモンド(ビリー・クラダップ)は、雑誌社の裏取りの問合せにウィリアムの記事は嘘だと言い、ウィリアムの記事はボツになる。
ラッセルはペニー・レインに電話をし、もう一度会ってほしいと告げる。黙って聞いていたペニー・レインはOKして住所を告げる。ラッセルはそこに向かうが、それはウィリアムの家だった。ラッセルはウィリアムと和解する。スティルウォーターはローリング・ストーンの表紙を飾り、ウィリアムとアニタは母親と仲よく暮らすようになるのだった。

映画の3分の2ぐらいまでは、「この映画はつまらん」と思っていたのだが、後半はよかった。本名を明かすことのなかったペニー・レインが、レディー・グッドマンという本名をウィリアムに明かす。家を訪ねてきたラッセルが、自分はペニー・レインの本名すら知らなかったと聞き、ウィリアムに思わず笑みがこぼれる。ウィリアム役のパトリック・フュジットが、ロック好きとは思えない、どこか垢抜けない少年であるのもよかった。
青春映画として、独特の余韻の残る作品だった。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 3日 (日)

(1581) ジャズ大名

【監督】岡本喜八
【出演】古谷一行、財津一郎、神崎愛、岡本真実、ミッキー・カーチス
【制作】1986年、日本

筒井康隆原作小説の映画化作品。漂流した黒人とジャズで交流する大名を描いた作品。

4人の黒人の演奏家が船で荒波にもまれ、クラリネットを担当していた一人が死に、3人が日本に漂流する。黒人を救出した大名(古谷一行)は音楽好きで、家臣(財津一郎)の反対を押して黒人達とジャズセッションを始める。家臣もしだいに乗り出し、大勢で踊り狂う。

ストーリー性や時代考証の正確さなどは希薄な、スラップスティックコメディ。個人的に好きなジャンルではないので、どうしても評価はからくなった。短い作品だったのが救いで、観ているのがつらかった。久々に評価1でもいいかと思ったが、古谷一行の演技などはさすがにしっかりしており、隠れキャラ的にタモリやミッキー・カーチスなど有名人も出ているので、評価2にした。

【5段階評価】2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 2日 (土)

(1580) ジョン・ウィック

【監督】チャド・スタエルスキー、デビッド・リーチ
【出演】キアヌ・リーブス、ミカエル・ニクビスト、アルフィー・アレン、ウィレム・デフォー
【制作】2014年、アメリカ

凄腕の暗殺者の復讐劇を描いた作品。主人公のガンアクションが特徴的。

ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)は、愛する妻ヘレン(ブリジット・モイナハン)を失う。残された愛犬と愛車のムスタングとともに、静かに暮らそうとしていた。ところがそこに、ムスタング狙いの強盗3人組が押し入り、ジョンに暴行を加え、犬を殺害して車を奪ってしまう。
強盗のリーダー、ヨセフ(アルフィー・アレン)は、車を解体屋に持っていくが、解体屋のオーナー、オーレリオ(ジョン・レグイザモ)は、ヨセフの依頼を受け付けないばかりか、ヨセフを殴り飛ばす。ヨセフは裏社会のボスである父親のビゴ・タラソフ(ミカエル・ニクビスト)に話をするが、ビゴもまた、ヨセフを殴りつける。ヨセフが相手にしたジョン・ウィックは、かつてビゴのもとにいた凄腕の殺し屋だった。ビゴはジョンに連絡を入れ、穏便に済ませようとするが、ジョンはそれを無視し、暗殺者としての自分に戻る。
ヨセフはジョンに暗殺者を送り込むが、ことごとく返り討ちにされる。ヨセフはジョンの友人のスナイパー、マーカス(ウィレム・デフォー)にもジョン暗殺を依頼。マーカスはその依頼を引き受けたふりをしながら、ジョンをサポートする。
ジョンはビゴの隠し資産を焼却するが、ビゴに拘束されてしまう。しかし、マーカスの助けによって拘束を逃れ、ビゴからヨセフの居場所を聞き出す。ついにジョンはヨセフを殺害する。
ビゴは最後の戦いをジョンに挑み、共倒れとなる。なんとか這い上がったジョンは、一匹の犬を檻から捕りだし、連れ去るのだった。

敵の体を撃って動きを止め、脳天を撃ち抜くという一連のスピーディな動きが独特で、一見の価値がある。暗殺のアクションに焦点を当てた「ジェイソン・ボーン」シリーズとも通じるものがある。ただ、本作の方がやや作り物の感は強く、カーアクションやガンアクション以外の格闘は、やや普通。ジェイソン・ボーンの方が生身の格闘の迫力が感じられた。
それでも、暗殺者専用のホテルの存在など、面白い設定もあり、楽しい作品だった。
残念だったのは、今回放送したBSジャパンの「シネマクラッシュ」は、いつも字幕を用意しておらず、吹き替えか、字幕なしのオリジナル音声で観るか、の二択しかないところ。なんで字幕を用意しないのかなあ。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 1日 (金)

(1579) ファミリービジネス

【監督】シドニー・ルメット
【出演】ショーン・コネリー、ダスティン・ホフマン、マシュー・ブロデリック
【制作】1989年、アメリカ

親子三代で泥棒をしかけた三人の運命を描いた作品。

精肉業を営むビトー(ダスティン・ホフマン)には大切に育てた一人息子のアダム(マシュー・ブロデリック)がいた。アダムは奨学金を得て大学に通っていたが、彼は祖父のジェシー(ショーン・コネリー)の盗み家業の武勇伝に憧れていた。アダムは、研究所の試験管とノートを盗めば研究者から100万ドルをもらえるという話をジェシーに相談。二人はビトーに手を組もうともちかける。子供の頃から父親のジェシーに泥棒の片棒担ぎをさせられていたビトーは猛反対するが、アダムの決意は変わらず、とうとうビトーは協力することを決める。
三人で研究所に忍び込み、試験管とノートを手に入れるが、アダムだけが逃げ遅れ、警察に捕まってしまう。
ビトーとジェシーは弁護士に相談するが、アダムは共犯者の名前を黙秘していて心証が悪く、懲役15年になるだろうと言われる。ビトーは悩んだあげく自首し、ジェシーも逮捕される。
裁判で、アダムとビトーは執行猶予がつくが、ジェシーは懲役15年の実刑となる。アダムはビトーを恨み、ジェシーの面会に毎月行くが、ジェシーは衰弱し、獄死する。
わだかまりの残るアダムとビトーだったが、家族の集まりでようやく和解。ジェシーを見送る集会に参加した二人は、一緒に遺灰を撒くのだった。

アダムが話を聞きつけ、盗んだ試験管の中身は、貴重なサンプルではなく、ただの水道水。研究開発の遅れに悩んだ研究者が、盗難事故で時間稼ぎをしようとしていたのだった。ジェシーは研究者のチュウ(B・D・ウォン)を脅してその事実を聞き出すが、どうやらアダムにそのことを伝えなかったようだ。そのため、判決の際、ジェシーは貴重な研究開発を遅らせたことも重罪の理由にされてしまう。アダムの知ることのない、ジェシーの男気を心憎く演出している。息子の本質を信じず、危ないことには近づけないようにするばかりだったビトーとは対照的だった。そんなことを感じさせる作品ではあるが、全体的には大きな笑いも大きな感動もなく、やや平板な作品だった。
それにしても、研究所に忍び込んで試験管とノートを盗むだけのこの犯罪。本当に3人必要だったのか。よく考えるとそうは見えないのだった。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年8月 | トップページ | 2017年10月 »