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2017年9月 7日 (木)

(1585) 紙の月

【監督】吉田大八
【出演】宮沢りえ、池松壮亮、田辺誠一、小林聡美、大島裕孝、近藤芳正、石橋蓮司
【制作】2014年、日本

角田光代原作小説の映画化作品。大学生との不倫に走った女性銀行員の転落の人生を描いている。

わかば銀行の契約社員となった梅澤梨花(宮沢りえ)。夫の正文(田辺誠一)は有能な会社員。梨花がパートから契約社員になった記念に、少し奮発して、それでも安いペアウォッチを買うと、正文は、自分で稼いだお金は自由に使えばいいと優しく言う。
梨花は、個人顧客である平林孝三(石橋蓮司)の居宅に営業訪問に行く。裕福だが横柄な老人の平林は、梨花の勧誘に乗って国債を買うことに決め、梨花に茶を入れさせる。戸惑いながら台所で茶を準備する梨花の背後に孝三が近づき、肩に手をかける。驚いた梨花が振り向くと、そこに一人の若者(池松壮亮)が現れ、「大丈夫?」と梨花に話しかける。若者は孝三の孫、平林光太だった。孝三は慌てて、肩に葉っぱが付いていただけだ、と弁解する。
社員送別会の帰り、梨花は偶然光太と再会。光太はぎこちなく梨花に話しかけ、梨花が気まずそうにホームに向かうと、光太はいったん駅の改札を出たにもかかわらず構内に引き返し、梨花の乗った電車に乗る。梨花が降りるのを見た光太は、それ以上追うことはせず、電車に乗る。
梨花は再び光太と再会。向かい合わせのホームで梨花を見つめる光太。梨花の側の電車が到着し、梨花の姿が消える。残念そうにうつむく光太の横に、跨線橋を渡って梨花がやってくる。二人はホテルに入り、結ばれる。
梨花はデパートの化粧品売り場で買物をするが、現金が足りない。梨花は業務で集金した顧客の現金を使って支払いをすませ、後で降ろした金で補填する。梨花の中で保たれていた正義が少しほころびを見せる。平林の老人から、光太が借金をしていることを聞かされた梨花は光太を問いただすと、光太は学費の借金が150万円あることを白状する。梨花はなんとかしたい一心から、老人から預け入れられた200万円をこっそり着服し、光太に手渡す。梨花は、本来は会社に保管しなければならない預金証書を老人に手渡す。
夫の正文に上海転勤の話が舞い込むが、梨花は同行を拒否。梨花はそれから、何人もの個人顧客の金を横領し、光太と豪遊する。ホテルで150万近く使い、高級車を買い、光太のためのマンションを入手。梨花の横領額は5,000万円を超えていた。
そしてついに、支店のベテラン女性行員、隅より子(小林聡美)に、保管されているはずの預金証書が紛失していることを気づかれる。より子は上司の井上佑司(近藤芳正)に報告。井上は梨花を問い詰めるが、井上が若い女性行員の相川恵子(大島優子)と浮気し、不正経理を手伝わせていることを知っている梨花は、半ば井上を脅してその場を切り抜ける。
梨花の様子がおかしいことを知り、より子は梨花の顧客を訪問。梨花が莫大な金額の横領をしていることが明るみに出る。梨花と会社の会議室で二人きりになったより子は、土地の売却や親戚からの借金などで穴埋めできれば刑事告訴は逃れられるかもしれない、と梨花に助け船を出すが、惨めな自分に優しくするつもりか、と梨花は逆ギレ。しかしより子は、あなたは惨めなのか、やりたいことを自由にやった梨花より、真面目に生きることしかできない自分の方が惨めなのではないか、と問い返す。梨花は会議室のガラス窓を破り、支店から逃走。そのまま外国に逃亡する。梨花はそこで、かつて女学生だったときに寄付をした途上国難民の少年が成長した姿を見る。梨花は現地の警察官を発見すると、人知れず人混みの中に消えていくのだった。

原作を読んでいないのだが、おそらく小説の方が面白いのではないかと思える作品だった。不倫に走るところまではまだしも、お金を着服してエスカレートする展開が早すぎて切迫感がなく、いつバレてもおかしくない無計画さもあって、主人公への感情移入が難しい。そりゃバレるわな、と思っていたのがやはりバレ、どうなるのかと思ったらあっさりと海外に逃亡している。とても暮らしていけるとは思えない。やはりサスペンスものはしっかりと事件を収束させ、観る側の疑問は解消してほしい。
本来、最も見所であるはずの、会議室での梨花とより子の会話も、より子の話が使い古された説教の域を超えておらず、感動がなかった。より子が、不祥事を発見する小うるさいお局、というぐらいの人物像しか描かれておらず、彼女の私生活を含めた苦悩がもっと描かれていれば、違う感情がわいたかもしれない。

【5段階評価】3

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