(1582) あの頃ペニー・レインと
【監督】キャメロン・クロウ
【出演】パトリック・フュジット、ケイト・ハドソン、ビリー・クラダップ、フィリップ・シーモア・ホフマン
【制作】2000年、アメリカ
ミュージシャンのインタビュアーを目指す少年が、ロックバンドとその追っかけの少女と出会い、成長する様子を描いた作品。
厳格な母親エレイン(フランシス・マクドーマンド)を持つ少年、ウィリアム・ミラー(パトリック・フュジット)は、姉のアニタ(ズーイー・デシャネル)の影響でロックに目覚め、学生の身分ながら小規模な音楽雑誌のインタビュアーとなる。
母親の許しを得てロックコンサートの楽屋にインタビューに向かったウィリアムだったが、アポなしだったため門前払いを食らう。立ち尽くす彼は、そこでペニー・レイン(ケイト・ハドソン)という少女に出会う。彼女は自分はグルーピー(日本で言う追っかけだが、メンバーに個人的に関わり肉体関係を求めるような意味合いがある)ではなく、バンドエイド(バンドの支援者、といった意味合い)だと言い、やがてやってきたロックバンドのメンバーとともに楽屋の中に入っていく。ウィリアムが諦めて帰ろうとしたところに、売り出し中のバンド、スティルウォーターが現れる。ウィリアムはとっさにスティルウォーターのメンバー全員の名前と最近の楽曲の評価を口にする。メンバーはウィリアムを気に入り、楽屋に招き入れる。ウィリアムはペニー・レインと並んで、舞台袖からライブを観て幸せな気持ちになる。
ウィリアムの書いた記事が、有名な音楽雑誌、ローリング・ストーンの編集者(テリー・チェン)の目にとまり、記事の依頼を受ける。ウィリアムはバンドのツアーに同行し、記事を書くことにする。ウィリアムはそこで、バンド同士のいさかいや音楽への思い、ペニーやそのほかの取り巻きの少女たちの生き方に触れる。バンドは売れ出し、移動はバスから飛行機に変わる。ニューヨークへの移動中、スティルウォーターのメンバーは、ほかのバンドとインディアンポーカーをし、ペニーたち女の子3人を他バンドに譲り渡してしまう。ペニーはそれがショックで睡眠薬をオーバードーズするが、ウィリアムがそれを助ける。自分はなぜ愛されないの、と嘆くペニーに、ウィリアムは愛を告白する。
数々の経験を経て、ウィリアムは記事を仕立てる。雑誌社は記事を激賞するが、気持ちが不安定になっていたバンドのリーダー、ラッセル・ハモンド(ビリー・クラダップ)は、雑誌社の裏取りの問合せにウィリアムの記事は嘘だと言い、ウィリアムの記事はボツになる。
ラッセルはペニー・レインに電話をし、もう一度会ってほしいと告げる。黙って聞いていたペニー・レインはOKして住所を告げる。ラッセルはそこに向かうが、それはウィリアムの家だった。ラッセルはウィリアムと和解する。スティルウォーターはローリング・ストーンの表紙を飾り、ウィリアムとアニタは母親と仲よく暮らすようになるのだった。
映画の3分の2ぐらいまでは、「この映画はつまらん」と思っていたのだが、後半はよかった。本名を明かすことのなかったペニー・レインが、レディー・グッドマンという本名をウィリアムに明かす。家を訪ねてきたラッセルが、自分はペニー・レインの本名すら知らなかったと聞き、ウィリアムに思わず笑みがこぼれる。ウィリアム役のパトリック・フュジットが、ロック好きとは思えない、どこか垢抜けない少年であるのもよかった。
青春映画として、独特の余韻の残る作品だった。
【5段階評価】3
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