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2017年8月

2017年8月31日 (木)

(1578) スター・トレック イントゥ・ダークネス

【監督】J・J・エイブラムス
【出演】クリス・パイン、ザカリー・クイント、ベネディクト・カンバーバッチ、アリス・イブ
【制作】2013年、アメリカ

SFドラマの名作、「スター・トレック」の劇場版第12作。

宇宙船U.S.S.エンタープライズ号は、未開の星の滅亡を防ぐため、火山の凍結作戦を実行。原住民に宇宙船の存在を知らせることは規則で禁止されているため、カーク(クリス・パイン)が原住民をおびき寄せ、スポック(ザカリー・クイント)が火山に入り込む。ところがスポックの命綱が切れ、スポックは火山に取り残されてしまう。宇宙船に戻ったカークは、規則違反を承知でスポックを救出する。
難病の娘を抱えるケルビン記念記録保管庫の職員が、謎の男に、自分が娘を救うと声をかけられる。男は自分の血液を採取し、娘の父に手渡す。点滴にその血を混ぜると、娘の容態は急激に改善していく。父親は、その代償として、保管庫の中で自爆する。
艦隊幹部は緊急会議に招集される。謎の男の名はジョン・ハリソン。宇宙艦隊の中佐だった。爆破の目的が、幹部を集めることにあるのではないかとカークが疑ったそのとき、飛空艇が会議室に猛攻撃をしかける。カークは飛空艇を撃退するが、カークが恩を受けた上官、パイク(ブルース・グリーンウッド)は死亡。パイロットのハリソンは小型ワープ転送装置で逃亡する。
カークはハリソンのワープ先、クロノスに向かいたいとマーカス提督(ピーター・ウェラー)に志願。マーカスは、保管庫の正体は、防衛システムを開発する31小隊で、ハリソンもその一員であったことを明かし、開発された魚雷でハリソンを抹殺するよう指示を出す。
エンタープライズ号でクロノスに向かったカークは、スポックとスポックの恋人ウフーラ(ゾーイ・サルダナ)を連れて侵入を試みるも、クリンゴン部隊に包囲されてしまう。そこにハリソンが現れ、単身でクリンゴン部隊を圧倒。彼はカークに魚雷は何機あるのかを訪ねる。スポックが72機だと答えると、ハリソンはあっさりと投降する。
収監されたハリソンは、木星に近い地点を調べ、魚雷を一つ解体してみろとカークに告げる。船を下りていた元クルーのスコッティ(サイモン・ペグ)が木星方面に向かい、エンタープライズに乗り込んでいたマーカス提督の娘キャロル(アリス・イブ)と医師のボーンズ(カール・アーバン)が魚雷を解体。その中には冷凍睡眠カプセルが収められていた。ハリソンの正体は300年前に遺伝子操作によって誕生した人物で、本名はカーンだった。冷凍睡眠状態にあるのは、カーンのクルーだった。そこにマーカス提督の戦艦が現れ、カーンを引き渡すようカークに指示を出す。カークはそれを無視して地球にワープ走行するが、マーカスの戦艦に追撃され、エンタープライズ号は大きな損傷を受ける。マーカスはエンタープライズ号を破壊しようとするが、突如、動力が低下。木星地点を調べに行ったスコッティが戦艦に潜入し、妨害工作をしたのだ。
カークは、戦艦のことを知るカーンとともに敵船にワープ。カークはマーカスを拘束しようとするが、カーンはカークを裏切り、マーカスを殺害。エンタープライズ号に残るスポックに対し、カーク達と引き換えに魚雷を引き渡すよう要求。スポックはその要求を飲み、カーンは魚雷を自船にワープさせるが、スポックは密かに睡眠カプセルを抜き出し、一つを時限爆破状態にしていた。カーク達をたエンタープライズ号にワープさせたカーンは、改めてエンタープライズ号に攻撃をしかけるが、カーンの船で魚雷が爆発し、カーンの船は大打撃を受ける。しかし、エンタープライズ号も動力装置が機能しなくなり、二つの船は地球の引力に引き込まれていく。カークは放射能の満ちた区域に入り込んで命がけで動力装置を回復させ、エンタープライズ号は制御を立て直す。しかし、放射能の影響で、カークは命を落としてしまう。カークの死を目の前で見ていたスポックはカーンに対する激しい怒りをあらわにする。カーンの乗った戦艦はロンドンに墜落するが、カーンはたぐいまれな生命力により、生きていた。スポックはロンドンにワープしてカーンを追う。ボーンズは、カーンの血液があればカークの命を救うことができることに気づき、それを知らせるためにウフーラもカーンのもとに向かう。一対一の対決で、スポックは次第に劣勢に追い込まれていたが、ウフーラの協力により、ついにカーンをねじ伏せる。
カークは無事に復活し、彼らはまた、新たな宇宙への探検に向かうのだった。

「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」ですっかりSF映画の名手となった感のあるJ・J・エイブラムスの監督作品。個人的には「スター・トレック」は今までテレビドラマも含めて観たことがなかったのが、論理的で常に冷静なMr.スポックの存在ぐらいは知っていた。本作では、そのスポックが感情をあらわにし、カークの死に涙したり、カーンに激しい怒りをぶつけたりするシーンがあり、スター・トレックをよく知る人はここに感動するんだろうが、スポックの個性をそれほど知らない自分からすると、まあなんとなく感情の安売りに感じた。かえって叫んだりしないながらも行動で怒りを表す方が、作品としては味があるような気がする。
作品の途中、マーカスの娘、キャロルが服を着替えて下着姿になるシーンがあるが、何の必然性があるのか、全く分からなかった。ファンサービスでしょうか。

【5段階評価】3

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2017年8月30日 (水)

(1577) カーズ2

【監督】ジョン・ラセター、ブラッド・ルイス
【出演】オーウェン・ウィルソン(声)、ラリー・ザ・ケーブル・ガイ(声)、マイケル・ケイン(声)
【制作】2011年、アメリカ

自動車をはじめとする乗り物が登場人物のディズニー・アニメ、「カーズ」の第2弾。

前作で主役だったレーシングカー、ライトニング(オーウェン・ウィルソン)の親友のレッカー車、メーター(ラリー・ザ・ケーブル・ガイ)がスパイとして大活躍する。

一応の主役はライトニングで、もちろんカーレースも登場するのだが、本作の物語はメーターを中心に展開。レースの勝敗でハラハラドキドキするという展開が本作にはない。その代わり、自動車が壁を垂直に登ったり空を飛んだり、車の動きを超越したアクションが売りになっている。
しかし、本来2次元の動きしかできない自動車がアニメの中で縦横無尽に動いたからと言って、大した感動はない。自動車でなければ、登場人物が水平方向にも鉛直方向にも動くのは、ごくごく普通のこと。登場人物が縦にも横にも動くことで、かえって「クルマってホントは水平方向にしか動けないんだよな」ということに気づかされ、その本来クルマの移動が不自由であることが、潜在的なストレスになってしまうのだ。
要するに、クルマが主役なのであれば、やはりクルマが自由に活躍できる、レースの勝敗でハラハラドキドキするほうが、やはり面白いのだった。
レースの会場として、日本が登場。アニメの中で日本の町並みや文化が描かれており、それは面白かった。

【5段階評価】2

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2017年8月29日 (火)

(1576) アフロ田中

【監督】松井大悟
【出演】松田翔太、佐々木希、遠藤要、駒木根隆介、田中圭、堤下敦、リリー・フランキー
【制作】2012年、日本

のりつけ雅春の漫画、アフロ田中シリーズの映画化作品。もてないアフロ男の生き様を描く。

巨大なアフロヘアがトレードマークの田中広(松田翔太)は、高校を中退。それでも高校時代の4人の友人、村田大介(遠藤要)、井上真也(駒木根隆介)、岡本一(田中圭)、大沢みきお(堤下敦)がいた。もてない高校生活を送っていた彼らだったが、大沢が、もし誰かが結婚式を挙げたら、彼女を連れて行こう、と提案。強がる4人はその約束を誓う。
高校を中退し、トンネル工事現場で働く田中は、アパートで一人暮らしをしていた。そんな彼のもとに結婚式の招待状が届く。デブでもてないと思っていた井上が結婚式を挙げるというのだ。彼女のいない田中、は慌てて彼女を作る作戦を練る。その彼の部屋の隣に、天使のように可憐な美少女、加藤亜矢(佐々木希)が引っ越してくる。亜矢は、野良猫に餌をあげる素朴な優しさを持つ田中に好意を抱いていたが、田中はこんなにかわいい子が自分の彼女になるはずがないと考え、彼女をほぼ無視し続けていた。
クリスマスの日。田中の友人4人は、集まって田中の下宿にサプライズパーティを仕掛けに行く。一方の田中は、亜矢の誘いを受けてデートをしていた。亜矢が飲み足りないと言って、田中の部屋で家飲みをすることにする。一方の4人組は、田中の部屋に侵入し、帰ってきた田中を押し入れの中で待ち伏せるが、ビデオカメラを回していた村田が押し入れから転げ落ちてしまい、亜矢は怒って帰ってしまう。
結局田中は、彼女のいないまま、井上の結婚式に出席。しかし残りの3人も、付き合っていたはずの彼女に振られ、独り身で出席。4人は、田中と亜矢のクリスマスの夜を邪魔したお詫びに、と、田中と亜矢がくっつくよう作戦を伝授する。
田中は亜矢に再度デートを申し込み、二人は遊園地でデート。いい雰囲気になった田中は亜矢に告白するが、亜矢は田中を振る。田中は亜矢を呼び止め、何を思ったか亜矢のおっぱいにタッチ。亜矢は怒って帰ってしまう。田中はまた、もてない君生活に戻るのだった。

田中の心の声の叫びが楽しいコミカルな作品だが、井上の結婚披露宴での田中のスピーチはなかなか感動的。田中と亜矢のすれ違いも、コメディとしては定番の流れ。原作を知らなくても楽しい作品だった。

【5段階評価】3

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2017年8月28日 (月)

(1575) 任侠野郎

【監督】徳永清孝
【出演】蛭子能収、トリンドル玲奈、大谷亮介、佐藤二朗、柳楽優弥、中尾明慶
【制作】2016年、日本

漫画家蛭子能収を主人公にしたコミカルなヤクザ映画。

無鉄砲な若者の柴田源治(大悟)は、小里組の親分に拾われ、若頭になるが、親分を殺した相手と勘違いして、正岡組の組長を斬り殺してしまう。
正岡組を継いだのが、組長の娘、時子(トリンドル玲奈)。出所した源治(蛭子能収)は、それを知り、クレープ屋を営みながら、陰で正岡組を応援する。正岡組は地元のスーパー温泉建設を地元の商工会長(安田顕)から任されていたが、ライバルのヤクザ、榊組が妨害。時子の婚約者の三田村俊樹(柳楽優弥)は、榊組と通じていた。
度重なる榊組の悪業に業を煮やした源治は、相棒の間(大谷亮介)とともに榊組に殴り込みに入る。元正岡組の若者、三鷹(中尾明慶)も加勢に入るが、三鷹と間は死亡。しかし源治は組長の榊(佐藤二朗)を追い詰め、三田村と榊を斬り殺すのだった。

あっという間に終わり、拍子抜けのする作品だが、わかりやすい話で退屈はしない。蛭子能収の演技も、見てらんないというほどではなく、意外なほど普通だった。

【5段階評価】3

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2017年8月27日 (日)

(1574) ジャージー・ボーイズ

【監督】クリント・イーストウッド
【出演】ジョン・ロイド・ヤング、ビンセント・ピアッツァ、エリック・バーゲン、マイケル・ロメンダ
【制作】2014年、アメリカ

伝説のバンド、フォー・シーズンズの活躍を描いたミュージカルの映画化作品。「ジャージの二人」ではない。

アメリカの町、ジャージーの床屋見習いフランキー(ジョン・ロイド・ヤング)は歌がうまく、地元の実力者、ジップ(クリストファー・ウォーケン)にかわいがられていた。酒場のバンドのリーダー、トミー(ビンセント・ピアッツァ)は素行不良で刑務所行きも経験していたが、出所してバンド活動を再開。仲間のニック(マイケル・ロメンダ)、フランキー、さらに作曲と歌の実力のあるボブ・ゴーディオ(エリック・バーゲン)の4人でフォー・シーズンズを結成。シェリーが大ヒットし、一躍スターとなる。しかしリーダーシップが強いあまり傲慢なトミーに莫大な借金があることが分かり、次第に仲間に亀裂が入る。フランキーは全額をみんなで返済すると宣言するが、ニックはバンドを脱退。フランキーは家庭を犠牲にしながらも年200日のステージをこなし、とうとう借金を完済する。愛する娘のフランシーン(フレイヤ・ティングレイ)をドラッグで失いながらも、ゴーディオの手がけた曲「君の瞳に恋してる」の大ヒットで復活。1990年にはロックの殿堂入りを果たし、25年ぶりに4人でステージに立つのだった。

トミーやニックなど、登場人物がカメラ目線でストーリーを解説するという独特の演出。ミュージカル映画ではストーリーを歌で進行することが多いが、本作は基本的に歌はステージのシーンだけで登場するので、ミュージカル映画の嘘くささが苦手な人にも楽しみやすい作品だろう。
この作品の監督を担った、公開当時84歳のクリント・イーストウッドのバイタリティ、モチベーションにも感嘆する。
バンドやグループをテーマにした映画では、「ドリームガールズ」なんかもそうだが解散の危機が訪れるのが定番だが、本作も例外に漏れず、トミーやニックが抜けてしまう。たまには結成して最初から最後まで成功し続けるような安心して観られる作品も観てみたい。

【5段階評価】4

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2017年8月26日 (土)

(1573) トキワ荘の青春

【監督】市川準
【出演】本木雅弘、
【制作】1996年、日本

実在のアパート、トキワ荘に集う漫画家たちの生活を描いた作品。

野球好きで穏やかな作風の漫画家、寺田ヒロオ(本木雅弘)をはじめ、手塚治虫(北村想)を慕って上京してきた藤子不二雄こと安孫子素雄(鈴木卓爾)と藤本弘(阿部サダヲ)、石森章太郎(さとうこうじ)、赤塚不二夫(大森嘉之)など、トキワ荘には多くの漫画家が住んでいた。
彼らは教育的要素の強い「漫画少年」の廃刊を悲しむが、時代はエンタテインメント性を求めていた。漫画家達は自分の作風へのこだわりと売れることへの欲望の狭間で苦悩しながら、ともに切磋琢磨していく。

若い漫画家たちの羽目を外した底抜けに明るいコメディのような作品を想像していたが、極めて写実的、抑制的な作風だった。もしかして自殺者の一人でも出るのかと思ってみていたら、そんなこともなく、最後まで控えめな作品だった。

【5段階評価】2

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2017年8月25日 (金)

(1572) レミーのおいしいレストラン

【監督】ブラッド・バード
【出演】パットン・オズワルト(声)、ルー・ロマーノ(声)、イアン・ホルム(声)、ジャニーン・ガラファロー(声)
【制作】2007年、アメリカ

料理が得意なネズミと名レストランで働く青年のコンビの活躍を描いた作品。

今はなき名コックのグストー(ブラッド・ギャレット/有川博)を敬愛するネズミのレミー(パットン・オズワルト/岸尾だいすけ)は、大勢のネズミ一家と屋根裏で暮らしていたが、住人に気づかれ、家を追い出され、仲間とはぐれてしまう。グストーの幻影に励まされ、下水溝から上に上がると、そこはグストーの設立したパリのレストランだった。
そこにリングイニ(ルー・ロマーノ/佐藤隆太)という青年が仕事を求めてやってきていた。料理長のスキナー(イアン・ホルム/浦山迅)は雑用係を命じる。さっそく掃除を始めるリングイニだったが、モップをひっかけてスープの入った寸胴鍋をひっくり返してしまい、慌てて水やら適当な食材をぶちこんでごまかそうとする。それを見ていたレミーは、たまりかねてスパイスを入れて味を調整する。そのスープをたまたま店に来ていた批評家が大絶賛。レミーはスキナーに疑われながらもコックとして試されることになる。レミーはスタッフに見つかってしまい、レミーが捨てに行く役目を負わされるが、レミーが言葉を理解し、スープの味を調節していたことを知り、レミーと協力して料理をすることにする。
レミーはリングイネのコック帽の中に隠れ、髪の毛を引っ張ってリングイネを操り、料理を作る。スキナーは、リングイネが店にやってきたときに持っていた手紙が、リングイネに財産を譲るというグストーの遺書であることを知り、遺書を隠すが、レミーはそれを奪い取り、スキナーは店を追い出される。
新星コックとして話題となるリングイネのもとに、かつてグストーの店を酷評した料理批評家のイーゴ(ピーター・オトゥール/家弓家正)が現れ、自分を満足させて見ろと彼を挑発する。レミーの言いなりになることに不満を感じていたリングイネは、レミーを店の外に追い出してしまう。
翌日、イーゴが店にやってきて、調理場は不安に駆られる。そこにレミーが戻ってくる。リングイネは仲間に、実は料理を作っていたのはネズミのレミーだったと正直に告白するが、スタッフはあきれて全員が店を出てしまう。途方にくれるリングイネとレミーだったが、そこにレミーの仲間が大勢やってくる。彼らはレミーの指示に沿って次々と料理を作り始め、リングイネはウェイターに徹する。リングイネの恋人になった女性シェフのコレット(ジャニーン・ガラファロー/甲斐田裕子)は、グストーの「誰でも料理人になれる」という言葉を思い出し、店に戻る。大量のネズミに驚きながらもリングイネに協力し、レミーのオリジナルのラタトゥイユを作る。ラタトゥイユは家庭料理。コレットはそんなものを出していいのか不安がるが、それを口にしたイーゴは、自分の少年時代に母親の作ってくれたラタトゥイユを思い出し、感動する。イーゴは感謝の言葉をシェフに告げたいと言い、リングイネとコレットは厨房の秘密を紹介。イーゴは翌日の新聞で店を大絶賛する。
大量のネズミがいることが衛生局の職員にばれたため、店は閉鎖してしまうが、リングイネとコレットは、レミーをシェフに迎えて「ラタトゥイユ」という店を出し、批評家を廃業したイーゴは、普通の客としてレミーの料理に舌鼓を打つのだった。

ネズミのリアルさには賛否両論あるかもしれないが、素直に感動できる良作だった。レミーの料理が絶賛される様子が小気味よく、悪役のようなイーゴが、レミーの料理に感動するシーンも胸アツである。ディズニーアニメの中ではあまり評判が高くないのは、レミーがアニメキャラのように擬人化されておらず、普通のネズミすぎるからなのかもしれない。隠れた名作だろう。
ブラッド・バード監督のアニメ作品では、「Mr.インクレディブル」や「アイアン・ジャイアント」も大好きな作品。「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」にも評価5を付けていた。今まで意識していなかったが、この監督、好きかもしれない。

【5段階評価】4

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2017年8月24日 (木)

(1571) ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~

【監督】寺本幸代
【出演】水田わさび(声)、大原めぐみ(声)、小林由美子(声)、沢城みゆき(声)
【制作】2011年、日本

ドラえもん長編アニメ映画第31作。1986年に公開された作品のリメイクになっている。

のび太(大原めぐみ)とドラえもん(水田わさび)は北極でボウリングのボールのような謎の物体を持ち帰る。やがて空の上から巨大なロボットの部品が降ってくる。ドラえもんはおざしき釣り堀と逆世界入り込みオイルを使って、鏡映しになった無人の世界でロボットを組み立てる。のび太はしずかちゃん(かかずゆみ)と3人でロボットを乗り回して遊ぶが、ロボットにすさまじい攻撃能力があることを知り、ロボットを置き去りにして元の世界に戻る。
そこに、リルル(沢城みゆき)という謎の少女が現れ、のび太にロボットのありかを尋ねる。リルルは地球戦略をもくろむロボット兵団のスパイだった。のび太はロボットのありかをリルルに伝えてしまい、リルルは鏡の世界で地球侵略のための基地を建設し始める。
ドラえもんたちは閉じ込めていたボールを「おはなしボックス」に入れてかわいい形に変え、ピッポ(小林由美子)と名付けて話し合いをする。人間を奴隷にするつもりだったピッポだったが、のび太たちの友達を思う気持ちに触れ、のび太の仲間になる。のび太達はしずかちゃんのお風呂を使って鏡の世界に入り込む。
リルルは鏡の世界で傷だらけになって倒れていた。鏡の世界に迷い込んでいたしずかちゃんがリルルを発見し、自宅で介抱する。リルルは自分の使命としずかちゃんの献身的な介抱の間で、どうすべきか悩むようになる。やがてロボット兵団が大量に鏡の世界に現れ、大都市に猛攻撃をしかける。ロボット兵団は人間が誰一人いないことをいぶかしみ、リルルにそのわけを問うが、リルルは人間達を守るために口を閉ざす。リルルは処刑されることになるが、ドラえもん達とピッポは巨大ロボットでリルルを救出する。
ドラえもん、のび太、ジャイアン(木村昴)、スネ夫(関智一)、ピッポはロボット兵団を迎え撃つため、鏡の世界と現実世界の境界となっている湖に向かい、しずかちゃんとリルルは残る。しずかちゃんはリルルから、ロボットはかつて、理想の世界を生むために人間に作り出されたという話を聞き、タイムマシンでその世界に飛んでロボットを作った博士を説得。博士はロボットの競争意識がよくなかったのだと気づいて改良を行う。ところが博士は体が弱っていて途中で倒れてしまう。リルルは自分が消えてしまうことを覚悟しながら、博士の作業の続きを行う。鏡の世界ではドラえもん達がロボット兵団に襲われ、絶体絶命の状態だったが、リルルの作業が間に合い、ロボット兵団達は姿を消していく。そしてピッポものび太の目の前から姿を消し、リルルもしずかちゃんの前から消えていく。
元の世界に戻ったのび太がふと空を見上げると、天使のような姿になったピッポとリルルが空を舞っていた。のび太は仲間にそのことを知らせようと、元気に走り出すのだった。

鏡の世界は生物がいないという設定なのだが、牛肉やハムはあったり植物は生えていたりしていて、なんか矛盾があるんじゃないか、と気になりながら観てしまった大人の私。
それは置いといて、もちろん子供じみたところはあるのだが、ロボットであるはずのリルルやピッポが感情を持って人間のためにがんばる姿には素直に感動。リメイクする価値が十分にある名作だった。

【5段階評価】3

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2017年8月23日 (水)

(1570) プリデスティネーション

【監督】マイケル・スピエリッグ
【出演】イーサン・ホーク、サラ・スヌーク、ノア・テイラー
【制作】2014年、オーストラリア

時空を超えて自らの運命を切り開く男女を描いた作品。

とある建物の機械室の中。仕掛けられた爆弾を処理しようとした男が、何者かに撃たれて処理に失敗し、顔面に大やけどを負う。苦しみながらも必死でバイオリンケースに手を伸ばしたところ、近づいた何者かがケースを握らせる。
気がつくと男は治療室にいた。顔はやけどのせいですっかり変わったようだった。
時が変わり、あるバーテンダー(イーサン・ホーク)のもとに、見慣れない客(サラ・スヌーク)が現れる。バーテンはその客と話をし始める。客は男のような出で立ちだったが、「私がまだ少女だったころ」と身の上話を始める。彼女は1945年に孤児院の前に捨てられ、ジェーンと名付けられて育てられる。優れた身体能力と知力を身につけた彼女は、宇宙で活躍できるスペースコープへの選抜試験に挑むが、訓練中にライバルとけんかをして失格となる。ジェーンはテーブルマナーなどを学べる学校に通い、そこである男性と恋に落ちる。しかし、その男はいなくなり、その男との間にできた女の子を産む。ところが、彼女の子供は何者かに奪われてしまう。そして出産に立ち会った医師から、ジェーンは両性具有だったが、出産に伴って女性としての器官が傷ついたために除去したので、これから男性として生きることになる、と一方的に告げられる。ショックを受けながらも男性として生きることにし、今に至るのだと言う。男となり、名前をジョンに変えたジェーンは、自分を妊娠させていなくなった男を殺してやりたいほど恨んでいるとバーテンダーに告げる。
バーテンダーは話を聞くと、その男に会わせてやると言って、ジェーン改めジョンを地下室に連れて行くと、バイオリンケース型の時標変界キットで過去に飛ぶ。バーテンダーは、時空局のエージェントだった。バーテンダーはジョンに銃を渡し、行動は自分で選択しろと告げる。ジョンはまだ若いジェーンを待ち伏せするが、なんとジェーンの相手の男はジョン自身だった。ジョンは過去の女性だった頃のジェーンと結ばれていたのだった。
バーテンダーはその間、時空を飛び、爆弾魔を捕らえようとする。しかし、逆に爆弾魔に倒されてしまい、気がつくと、処理に失敗した男が焼けただれた顔で倒れていた。バーテンダーは男に時標変界キットを持たせると、時空局のボス、ロバートソン(ノア・テイラー)と会う。ロバートソンは彼のことを過去とのつながりを持たないタイムトラベルの矛盾の産物だと言い、未来への種を蒔き損ねるな、そうすれば平穏な人生を送れると忠告する。バーテンダーはジェーンの産んだ赤ん坊を奪うと、1945年に飛び、孤児院に置いてくる。そしてジョンの待つ時代に戻り、ジョンを招き寄せる。ジョンはバーテンダーに怒りをぶつけるが、彼はジョンとともにもとの時代に戻り、ジョンを時空局のエージェントにするよう手はずを整えると、平穏な暮らしに戻る。しかし、時空を飛びすぎると精神的な疾患を来すという警告は本当だった。爆弾魔は老いたバーテンダー自身だったのだ。彼は意を決して爆弾魔のいる場所に向かう。爆弾魔はコインランドリーの中にいた。彼は自分が危険な事件を未然に防いでいたんだと自分を正当化するが、バーテンダーは爆弾魔を銃殺する。それは自らの人生の将来に自ら終焉を与える行為だった。
バーテンダーはジョンが怒りをぶつけたとき、こう言っていた。「俺のことも分かる頃だろ」と。そう、バーテンダーは、ジョンの未来の姿だったのだ。ジョンは時空局の治療室でそのことを悟る。バーテンダーもまた、ジョンに会うため、爆弾魔としての人生を選択することを決意するのだった。

タイムパラドックスを小気味よく回収していて、よくできた作品だった。女性としてのジェーンが男性になった自分と結ばれ、産まれた子供を中年の自分が過去に送り込み、ジェーンとして育つ。鶏が先か卵が先かを自ら行っているというのが独創的で、この話を成立させるがための両性具有というわけだが、それすらも、自分と自分の間に産まれれば、予想も付かない変異が起こるのもうなずけるわけだ。
彼(彼女)の人生を産まれた順にたどるとこうなる。1964年に女の子として産まれたジェーンは、エージェントとなった将来の自分の手で1945年の過去に運ばれる。孤児院で成長したジェーンは、1963年に、男になった将来の自分と出会い、妊娠。産んだ女の子はなんと自分自身。そうとは知らない彼女は、女の子を奪われたことにショックを受ける。同時に、これから男性として生きていくという運命を受け入れ、一人で生きてきた。そして1970年11月、時空局の職員でありながら身分を隠しているバーテンダーと出会う。このバーテンダーもまた将来の自分自身である。バーテンダーに過去に連れて行かれた彼女は、男性として過去の自分と出会い、結ばれる。そしてバーテンダーとともに時空局に戻り、エージェントとして生きることを選択。そして1970年3月に戻って爆弾の処理を行うために現場に向かうが、顔に大やけどを負い、バーテンダーの顔に変わる。傷の癒えたジョンはバーテンダーとして、過去の自分と出会い、彼を1963年に連れて行くと、爆弾処理現場で顔の焼けただれた自分を助け、ジョンを時空局に連れて行き、エージェントとして生きるよう手はずを整えると、1975年に飛ぶ。平穏な暮らしをしようと望む彼だったが、爆弾魔の正体に気づいて爆弾魔を射殺。しかしそれは将来の自分だった。部屋に戻った彼は、爆弾魔として生きることを決意。爆破事件を次々と起こし、最後はコインランドリーで昔の自分に打ち殺される。
この入り組んだ作品をわかりやすく映像化した手腕はすばらしい。
唯一、ジョンが自分を妊娠させた男を殺してやりたいほど憎むという感情が理解できなかった。そこは殺したいから、ではなくてもよかった。

【5段階評価】3

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2017年8月22日 (火)

(1569) ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック

【監督】蔵方政俊
【出演】有野晋哉、吉井一肇、平祐奈、井上侑也
【制作】2014年、日本

CSのテレビ番組、「ゲームセンターCX」の映画化作品。ゲーム攻略の本編とドラマを合体させている。

よゐこの有野晋哉が課長として、懐かしのファミコンゲームを攻略するという、ある意味ではドキュメンタリー。取り上げられるのはマイティボンジャック。スクロール面と固定面のセットが16面。ジャンプで敵をよけ、アイテムを取り、宝箱を空けながら先に進むという、ルールとしてはオーソドックスだが、難易度が非常に高く、有野課長はADと協力しながらこのゲームに挑むが、クリアには至らない。最終的には4日目の観客を招いての公開録画に至る。
一方、1986年の菅私立東島中学校に通うダイスケ(吉井一肇)は、クラスメートの美少女、クミコ(平祐奈)に笑顔で話しかけられる。ダイスケがファミコンの雑誌を読んでいることを知ると、自分もゲームが好きで、狭い部屋で爆弾が出てくるボンなんとかというゲームだ、と言われ、「マイティボンジャック? 」とダイスケが聞くと、それそれ、とクミコがはしゃぐ。ダイスケはさりげなく貸してあげる展開に持ち込む。
次の日はわざと学校に持って行くのを忘れたことにして、自分が貸したがっていると思われないようにするという中学生らしい自意識過剰。そして次の日、クミコに渡す直前で、不良の加藤(吉田翔)にカセットを持っていることに気づかれ、貸してくれと言われたダイスケは、抵抗できずに貸してしまう。しかもその場面をクミコに見られてしまう。クミコは失望の表情を浮かべる。
ダイスケは加藤にカセットを返してほしいと頼むが、加藤は先輩の阿部(佐藤佑哉)に又貸ししてしまっていた。ダイスケは勇気を振り絞って阿部の家に行く。中には他校の不良もたむろしいたが、ダイスケはおそるおそるカセットを返してほしいと頼む。阿部は「この面をクリアしたら返す」と言ってゲームを続けるが、それは超難関の13面。最後の1体になったとき、阿部はポーズをかけてコントローラーをダイスケに託す。ダイスケは、友人のマコト(阿部考将)の言っていた裏技の可能性に賭けるが、ポーズを解除した瞬間に即死。一同が凍り付く中、ダイスケはカセットを無理矢理引き抜いて阿部の家を飛び出す。必死に不良達から逃げ惑いながら、ダイスケは、月曜発売の少年ジャンプが金曜の段階で保管されているという店の倉庫に逃げ込む。
するとなぜかダイスケは、有野課長が公開録画でマイティボンジャックに挑戦している会場に迷い込む。有野課長は助っ人としてダイスケを指定し、ダイスケは再び13面に挑戦するが、役には立たず、すごすごと客席に戻る。
そして有野課長。1時間の休憩を挟み、残り13体で13面から公開録画を再開。ついにクリアに成功。劇的なフィナーレを迎えるのだった。
ダイスケは気がつくともとの町の商店街にたたずんでいた。力なく歩き出すダイスケの背後から、クミコが声をかける。そこにサッカー部のイケメン男子が現れる。クミコには彼氏がいたのだ。クミコはダイスケの持っているカセットに気づいてそれを手に取るが、これ違う、と冷たく言う。クミコが知っていたのはボンバーマンだった。クミコはダイスケにカセットを返して彼氏と立ち去ってしまう。ダイスケは落ち込むが、しだいに笑顔を取り戻すのだった。

オリジナルのテレビ番組は個人的には好きで、わざわざは観ないけど目に付けば観ていた。本作のゲーム挑戦場面はオリジナルではなくテレビ版の再放送なので、ファンには物足りなかったかもしれないが、自分は初めて観たので普通に面白かった。有野課長のやられても怒りをあらわにせず、毒のないボケの醸し出す雰囲気が心地いい。
本作はさらに、そこにいかにも気の小さいゲーム少年がクラスのマドンナに話しかけられて有頂天になるという展開のドラマが挿入され、そちらも楽しかった。久しぶりに懐かしのゲームでもやってみようかな、という気にさせる作品だった。
ただ、エンドロールの後に有野課長がダイスケ役の吉田一肇にご苦労さんと言って花束を渡すシーンは、ちょっと興ざめで、あれはいらないなと感じた。

【5段階評価】4

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2017年8月21日 (月)

(1568) ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間

【監督】デビッド・リンチ
【出演】シェリル・リー、レイ・ワイズ、カイル・マクラクラン
【制作】1992年、アメリカ、フランス

大ヒットした海外ドラマ、「ツイン・ピークス」のスピンオフとなる劇場版。ローラ・パーマーが殺害されるまでの7日間を描いている。

アメリカの田舎町、ツイン・ピークスで、ウェイトレスの変死体が発見される。その1年後、ツイン・ピークス高校の美人女子高生、ローラ・パーマー(シェリル・リー)は、ボビー(ダナ・アシュブルック)という恋人がいながら、ジェームズ(ジェームズ・マーシャル)とも恋仲にあった。
ローラの父、リーランド(レイ・ワイズ)は異常なほどの潔癖症。ローラは架空の人物、ボブ(フランク・シルバ)の幻影に悩まされており、ある日、ボブに襲われる夢にうなされるが、次第にその姿が父親のリーランドに変わり、彼女は絶叫する。
ローラは夜中に家を抜け出し、ジェームズに愛していると告げた後、乱交パブの常連と山小屋に向かう。しかし、ローラはリーランドに尾行されていた。リーランドはローラとその女友達を貨車に連れ込む。1年前のウェイトレスを殺したのはリーランドだった。彼はローラの不純を許すことができず、とうとう殺害してしまうのだった。

オリジナルのテレビドラマはもっと意味不明な印象があったが、本作は比較的わかりやすい展開だった。ローラが厳格な父親に犯されていたという衝撃は見応えがあった。テレビドラマのツイン・ピークスは、かつて全部見たのだが、ストーリーを完全に忘れていたので、逆に楽しめたかもしれない。俳優の顔や役どころは覚えていたので、妙に懐かしかった。
ローラ・パーマー役のシェリル・リーのヌードが何度も登場するのだが、テレビドラマでは、そんなことなかった気がする。映画ならではということでしょうか。

【5段階評価】3

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2017年8月20日 (日)

(1567) 捜査官X

【監督】ピーター・チャン
【出演】ドニー・イェン、金城武、タン・ウェイ、ジミー・ウォング、クララ・ウェイ
【制作】2011年、香港、中国

正体を偽り平和な生活を望む武術家の運命を描いた作品。

紙貼り職人のジンシー(ドニー・イェン)は、両替商に押し入った二人組の強盗に無謀な戦いを挑み、二人組に奇跡的に勝利する。捜査官のシュウ(金城武)は、ジンシーが武術の達人であることを見抜く。
ジンシーの正体は暗殺集団、七十二地刹の一員、タンロンだった。タンロンの義母(クララ・ウェイ)はタンロンを組織に連れ帰るため、手下を連れてタンロンに襲いかかる。タンロンは愛する妻アユー(タン・ウェイ)の前で武術家としての正体を明かし、義母と死闘を繰り広げ、義母を倒す。シュウはタンロンを助けるため、タンロンを仮死状態にして死んだことにして村から連れ出そうとするが、タンロンの一味に取り囲まれ、隠しきれなくなり、タンロンを蘇生。タンロンは自分の左腕を切り落として組織と縁を切ると叫ぶ。しかし組織のリーダーは教主(ジミー・ウォング)がタンロンの家にいると告げる。
教主は方上でを失ったタンロンの代わりに子供を連れ去ろうとする。タンロンは教主に挑むが、剣を跳ね返す体術を身につけた教主に歯が立たない。その場にやってきたシュウが教主に針を打ち、教主を弱らせようとするが効果が出ない。タンロンにとどめを刺そうとする教主にシュウがしがみついて首筋に針を打ち込む。シュウは跳ね飛ばされるが、直後に教主に雷が落ち、教主は絶命する。タンロンを救ったシュウだったが、跳ね飛ばされた衝撃で命を落とす。タンロンはアユーと二人の子供とともに、平和な生活に戻るのだった。

アクションシーンはカット割りが多すぎて今ひとつ。ストーリーもやや分かりづらかった。妻役のタン・ウェイは、「ラスト、コーション」でデビューした美人女優。
片腕となったタンロンと戦う教主を演じたジミー・ウォングは、彼自身がかつて「片腕ドラゴン」などで片腕を失った武術家を演じている。

【5段階評価】3

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2017年8月19日 (土)

(1566) 銀座の恋の物語

【監督】蔵原惟繕
【出演】石原裕次郎、浅丘ルリ子、ジェリー藤尾、江利チエミ、牧村旬子
【制作】1962年、日本

石原裕次郎と牧村旬子のヒット曲、「銀座の恋の物語」をテーマにした恋愛映画。

画家を目指す青年、伴次郎(石原裕次郎)は恋人のチャコ(浅丘ルリ子)と結婚を誓い合う仲。ところが、約束の信州旅行の待ち合わせにチャコは現れない。交通事故がきっかけで記憶を失ってしまったのだ。
デパートの館内放送係をしているチャコに気づいた次郎だったが、チャコは別の人格を持ち、次郎を思い出せない。次郎はチャコとの思い出をたどりながら記憶を取り戻させようとするがうまく行かない。そんなとき、次郎の描いたチャコの絵を友人の宮本(ジェリー藤尾)がチャコに手渡す。次郎はその絵をチャコに見せるが、それでも記憶は戻らなかった。
次郎の部屋で茫然とするチャコは、おもちゃのピアノで何気なく鍵盤を叩く。その音色、そして「銀座の恋の物語」を口ずさみながら帰ってくる次郎の歌声を聞いて、チャコはとうとう全てを思い出す。二人は喜び、銀座の街を嬉しそうに歩き始める。その様子を見て、次郎に恋心を抱いていた女性刑事(江利チエミ)も祝福の微笑みを浮かべるのだった。

ストーリーとしては極めて古典的で、台詞も古くさいが、安心して観られる作品だった。チャコが強い光を恐れるシーンなんかは、何の意味があるのか、よく分からなかったが、記憶に障害を抱える可能性を暗示していたのかもしれない。

【5段階評価】3

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2017年8月18日 (金)

(1565) コラテラル

【監督】マイケル・マン
【出演】トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス、ジェイダ・ピンケット・スミス
【制作】2004年、アメリカ

殺し屋の行動に巻き込まれたタクシードライバーの運命を描いた作品。トム・クルーズが悪役を演じたことが話題となった作品。

リムジン会社の設立を夢見るしがないタクシードライバーのマックス(ジェイミー・フォックス)。客になった女性検事のアニー(ジェイダ・ピンケット・スミス)と車中の会話で仲良くなり、マックスは名刺をもらう。
続いて乗せた男はビンセント(トム・クルーズ)。彼はマックスを気に入り、600ドル渡すから貸し切りにしてほしいと強引にマックスを頼み込む。マックスが建物の裏手にタクシーを回してビンセントの帰りを待っていると、突然、建物の上から男が落下し、タクシーのフロントガラスにひびが入る。慌てるマックスに、ビンセントは男の死体をトランクに積むようマックスに指示。彼は殺し屋だった。
ビンセントはマックスを脅して車を運転させ、次々とターゲットを狙う。彼はマックスの目の前で、ビンセントの鞄を奪おうとしたチンピラやジャズハウスのオーナーを容赦なく殺害。マックスは隙を見てビンセントの鞄を奪って高速道路に投げ捨てるが、ビンセントはマックスに残りの殺害者リストを依頼人のフェリックス(ハビエル・バルデム)のところに取りに行くよう命じる。マックスはフェリックスに怪しまれながらもリストの入ったメモリを入手し、ビンセントに手渡す。4人目のターゲットはダンスクラブ内の男性。連続殺人を追っていた警察もクラブ内に入り込み、激しい銃撃戦となるが、ビンセントは冷徹に仕事を終える。マックスを救おうとしたファニング刑事(マーク・ラファロ)は、店を出たところでビンセントに射殺される。自分を守ろうとした刑事を容赦なく殺されたことで、マックスの怒りは頂点に達し、車を暴走させて横転させる。パトカーが近づいてくる中、ビンセントは車を脱出して最後のターゲットのもとに向かう。パトカーから降りた警官は、はじめはマックスに優しく接するが、トランクの中に死体を認めると、態度を急変させて彼を逮捕しようとする。マックスは大人しく従うが、ふと車中に目をやる。そこには、ビンセントの残したPCがあり、その画面に映る最終ターゲットは、今日の最初の客、女性検事のアニーだった。マックスは彼女を救うため、警官を投げ倒して手錠をかけると、拳銃を持ってその場を走り去る。街の中にいた男から強引に携帯電話を奪い取り、名刺を頼りにアニーに電話をする。自分のオフィスではなく16階の資料室にいたアニーは、転送された電話に出る。マックスは殺し屋がアニーのもとに向かったから逃げろとアニーに叫ぶ。アニーははじめ、マックスの言葉を信じないが、彼がフェリックスの名前を口にしたことで彼を信用する。ビンセントはすでにアニーのオフィスビルに入り込み、彼女の執務室をあさっていた。マックスはアニーに逃げろと伝えようとするが、携帯の電池がなくなってしまう。マックスは意を決してビルの中に入り込む。
ビンセントはオフィスの電源を落としてアニーに近づく。アニーはなんとか逃げようとするが、ビンセントに見つかってしまう。そこにマックスが現れ、ビンセントを制止しようと銃を向ける。ビンセントは、俺を撃てるのかとマックスを馬鹿にするが、マックスは容赦なく発砲し、アニーを連れてビルを抜け出し、地下鉄に乗り込む。ビンセントも流血しながら二人を追い、同じ地下鉄に乗り込んでくる。失踪する地下鉄の中で二人は銃を撃ち合うが、致命傷を受けたのはビンセントだった。ビンセントは力なく深夜の地下鉄の座席に座り込み、そのまま息を引き取る。

ハラハラドキドキのシーンの連続で、それなりに楽しい。しかし、タクシードライバーのマックスの行動は、本当に巻き込まれざるを得ないのかというと、それなりにいろんな逃げ方ができただろうという気もしたので、あまり深く考えずに観なければならない。
最初のターゲットがタクシーに落下し、それをトランクに積み込んで遺体を隠蔽する割に、その後のチンピラの死体はほったらかしだし、プロットの必然性に今ひとつ共感しづらいのが残念だった。
冒頭のシーンで、いきなりジェイソン・ステイサムが登場するので、どこでストーリーに絡んでくるのかと思っていたら、ただのカメオ出演だった。

【5段階評価】3

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2017年8月17日 (木)

(1564) ネイキッド・ソルジャー 亜州大捜査線

【監督】マルコ・マク
【出演】サモ・ハン・キンポー、ジェニファー・ツェー、エレン・チャン、アンディ・オン
【制作】2012年、香港

幼い娘と生き別れになった元捜査官と闇の組織との戦いを描いた作品。

麻薬組織の大規模捜査に成功したロン(サモ・ハン・キンポー)は、その報復を受け、ローズ(エレン・チャン)率いる組織に家族を殺され、幼い娘を連れ去られてしまう。ローズは娘を洗脳し、父親との記憶を封じ込めて暗殺者として娘を育てる。優秀な暗殺者となったメイシー(ジェニファー・ツェー)は、台北大学の学生としての身分を持ちながら、ローズの命令を受けて暗殺を行う。インターポールに勤めるサム(アンディ・オン)は、ロンの協力を得てローズの組織の捜査を開始。大学でメイシーと出会い、好感を持つようになる。
ロンは実の娘を探しながら、養女にした活発な少女、スキニー(康佳琪)の面倒も見ていた。武術は優れているが、学業が今ひとつのスキニーのために、ロンは家庭教師をつけるが、それがメイシーだった。メイシーはローズの命令でロンの暗殺に来ていたのだ。
ロンはメイシーを見て娘ではないかと直感し、昔のメイシーの映った家庭ビデオを彼女に見せる。動揺したメイシーに、ロンは自分が父親だと告げる。メイシーはその場を走り去る。ローズはメイシーの殺害をもくろむが、同僚のドラゴン(フィリップ・ン)が自らの命を犠牲にしてメイシーを守る。
ローズは手下を使ってロンとスキニーを拉致。自分のアジトに連れて行き、メイシーをおびき出そうとするが、これまでの傲慢ぶりがたたり、手下のセリーナ(アンキー・バイルケ)に裏切られてしまう。セリーナはローズのライバル組織だったパワー(アンソニー・ウォン)一味につき、ローズはセリーナに殺されてしまう。メイシーはアジトに忍び込み、牢屋に閉じ込められたロンとスキニーを解放。ロンとスキニーは協力してパワー一味と戦い、勝利。メイシーはセリーナと一騎打ちとなる。セリーナはドラゴンがメイシーのせいで死んだことを恨んでいた。メイシーは、自分たちはこれまでローズに操られており、愛とは何かも知らなかったんだ、と言ってセリーナに戦いをやめさせようとするが、セリーナは自らの命を絶つ。メイシーはサムと愛を誓い、ロンたちは家族が増えたことを喜ぶのだった。

序盤の家族虐殺シーンはシリアスだが、その後は女性アサシンやロンの娘が活躍したり、比較的お気楽な展開。格闘シーンもそれほどアイディア満載というわけではないが、わかりやすいハッピーエンドで楽しい作品だった。

【5段階評価】3

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2017年8月16日 (水)

(1563) インサイド・ヘッド

【監督】ピート・ドクター、ロニー・デル・カルメン
【出演】エイミー・ポーラー(声)、フィリス・スミス(声)、ケイトリン・ディアス(声)
【制作】2015年、アメリカ

人の頭の中の感情を擬人化した5人の活躍を描いたディズニー・アニメ。

快活な11歳の少女、ライリー(ケイトリン・ディアス/伊集院茉衣)の頭の中には司令塔があり、中にはヨロコビ(エイミー・ポーラー/竹内結子)、カナシミ(フィリス・スミス/大竹しのぶ)、ビビリ(ビル・ヘイダー/落合弘治)、ムカムカ(ミンディ・カリング/小松由佳)、イカリ(ルリス・ブラック/浦山迅)の5人がいた。ライリーを幸せにしようとそれぞれがライリーの感情を操作しようとするが、カナシミはことあるごとにライリーを悲しい気持ちにさせ、何の役に立つのかよくわからなかった。
ライリーは親の都合で住み慣れたミネソタからサンフランシスコに引っ越すが、カナシミが大事な思い出の詰まったボールをいじってしまい、ヨロコビとカナシミが司令塔の外へ吸い出されてしまう。それをきっかけにライリーは塞ぎ込んでしまう。ヨロコビとカナシミはなんとか司令塔に戻ろうとするが、ライリーは家族や友達との関係がぎくしゃくしていく。ヨロコビは、幼いライリーの想像の中の生き物、ビンボン(リチャード・カインド/佐藤二朗)に出会い、列車に乗って司令塔に行こうとする。司令塔では、残されたビビリが家出を計画。ライリーがこっそり母親(ダイアン・レイン/田中敦子)のクレジットカードを盗んだとたん、ライリーの中にあった正直の島が崩れだし、ヨロコビとビンボンが忘却の底に落下してしまう。
ビンボンは自分を犠牲にしてヨロコビを地上に送り返す。ヨロコビは家族の島に残ったトランポリンを使ってカナシミとともに司令塔に帰ることに成功。感情を閉ざしてミネソタ行きのバスに乗り込んだライリーを救ったのは、ヨロコビではなく、カナシミだった。ライリーはバスを駆け下りて家に戻ると、父親(カイル・マクラクラン/花輪英司)と母親にミネソタに帰りたいという正直な気持ちを打ち明ける。3人は悲しみを通じて互いの絆を深めていく。これこそがカナシミの大事な役割だった。家族との絆を取り戻したライリーは、地元のアイスホッケーチームで元気な姿を見せるようになるのだった。

ビンボンがおもちゃのそりを飛び降りてヨロコビだけを地上に戻して消えていくシーンは感動的。カナシミの力で家族三人が抱き合うシーンも胸が熱くなった。喜びと悲しみの冒険シーンもなかなか楽しいし、デジャブ-や、意味もなく昔見たCMの音楽が頭に浮かんだり、昔の記憶を失ってしまったりするしくみなんかを擬人化して解説するところもなかなか面白かった。

【5段階評価】4

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2017年8月15日 (火)

(1562) 八十日間世界一周

【監督】マイケル・アダーソン
【出演】デビッド・ニーブン、カンティンフラス、シャーリー・マクレーン、ロバート・ニュートン
【制作】1956年、アメリカ

ジュール・ベルヌ原作小説の映画化作品。80日で世界一周する旅に出た富豪と使用人の奮闘ぶりを描いた、第29回アカデミー賞作品賞受賞作品。

イギリス紳士のフィリアス・フォッグ(デビッド・ニーブン)は、仲間と80日間で世界一周できるかを賭けることになり、使用人にしたばかりのパスパルトゥー(カンティンフラス)とともに旅に出る。
気球でスペインに行き、船でインドへ。鉄道と象を乗り継ぎ、途中で生け贄にされそうになっていたアウダ(シャーリー・マクレーン)を助け、香港に到着。そこから船で横浜に行き、さらにサンフランシスコへ。大陸を鉄道で横断し、再び船でイギリスへ。そこでフォッグがフィクス刑事(ロバート・ニュートン)に誤認逮捕されてしまい、80日を過ぎてしまう。失望する3人だったが、実は地球を一周したことで一日手前の日にイギリスに付いていたことに気づき、慌てて賭けの相手の待つ場所へ。無事に賭けに勝利する。

スペインでは船を手に入れるためにパスパルトゥーが闘牛の体験をしたり、浮気性で意志の弱いパスパルトゥーがフィクス刑事の策略にはまってしまったり、ハラハラドキドキの事件が行く先々で起こる。日本も旅先の一つとして登場し、どんなトンデモ日本なのかと思いきや、意外とまともに描かれていた。3時間近い作品だが、けっこう楽しかった。リメイク版の「80デイズ」のほうがつまらなかった。

【5段階評価】3

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2017年8月14日 (月)

(1561) ウルヴァリン: SAMURAI

【監督】ジェームズ・マンゴールド
【出演】ヒュー・ジャックマン、福島リラ、TAO、真田広之
【制作】2013年、アメリカ、オーストラリア

日本を舞台に、アメコミヒーロー、ウルヴァリンの活躍を描いた作品。

長崎で捕虜となっていたローガン(ヒュー・ジャックマン)は、日本兵の矢志田(山村憲之介)を原爆の爆風から守る。ジーン・グレイ(ファムケ・ヤンセン)の呪縛に苦しむローガン。時を経て、ローガンは、予知能力を持つユキオ(福島リラ)の招待を受け、日本を訪ねる。ユキオはローガンを老いた矢志田(ハル・ヤマノウチ)に会わせる。ヤシダはローガンを治癒能力を誰かに移植し、不老不死の苦しみから解放するかわりに、孫のマリコ(TAO)を守ってほしいとローガンに頼む。ローガンが矢志田の屋敷に泊まった夜、矢志田は死亡。葬儀の場で、ヤクザの集団がマリコを拉致しようとする。ローガンとユキオ、そして神社の屋根の上から見守っていたハラダ(ウィル・ユン・リー)がヤクザからマリコを守る。マリコはローガンに一人で大丈夫だと告げて新幹線に乗り込むが、ローガンも同乗。ヤクザと新幹線で乱闘となる。ローガンは治癒能力が弱まっており、苦戦するがなんとかヤクザを退け、マリコと途中下車する。Dr.グリーン(スベトラーナ・コドチェンコワ)はハラダにローガンを探すよう命じる。
マリコとローガンは長崎に向かう。二人は一夜をともにするが、翌朝、マリコはヤクザに誘拐されてしまう。ローガンはユキオと合流し、マリコの婚約相手のノブロー(ブライアン・ティー)に会い、ノブローがマリコの父、シンゲン(真田広之)の指示でマリコを誘拐したことを聞き出す。矢志田は財産をシンゲンではなくマリコに継がせようとしていたのだ。
マリコはシンゲンのもとに連れてこられるが、Dr.グリーンとハラダがそこに現れ、マリコを奪い去る。ローガンはマリコのもとに向かうため、Dr.グリーンがローガンの心臓に寄生させたバグを自ら取り出し、治癒能力を復活させ、襲いかかってきたシンゲンを倒す。
ローガンは矢志田の居城に向かうが、ハラダと忍者一族によって捕らえられてしまう。Dr.グリーンはローガンの自由を奪い、アダマンチウム製の甲冑型巨人をローガンに仕向ける。ハラダとマリコはローガンを守ろうとするが、ハラダは巨人に倒され、Dr.グリーンは、駆けつけたユキオに倒される。巨人の正体は矢志田だった。矢志田はローガンから不老不死の能力を奪い取ろうとするが、それを見たマリコは矢志田に折れた刀を突き刺し、ローガンが矢志田にとどめを刺す。ローガンはマリコに別れを告げ、ユキオとともに日本を飛び立つのだった。

日本の町並みが出てくるのだが、いわゆる外国人イメージの日本で、ラブホテルや新幹線など、それらしいようでちょっとずつイメージが違う。東京タワー近くの増上寺を抜け出し、秋葉原のパチンコ屋を出て万世橋を渡ったと思ったら上野駅に出て、そこから南に向かう新幹線に乗り込むという、日本人からするとあり得ない経路設定だが、細かいことは気にしてはいけない。Dr.グリーンの毒を操る能力が今ひとつ地味なのと、ローガンの治癒能力が十分に発揮されないという状況があるので、ミュータントの戦いにしては今ひとつ地味で、新幹線の屋根の上での戦いも、そもそもなんで新幹線の架線の梁に広告板が付いてるんだよ、という突っ込みはさておき、さっぱりミュータント感がない。相手は生身の人間だし。
最後にマグニートー(イアン・マッケラン)とプロフェッサーX(パトリック・スチュワート)が出てくるのも、今ひとつ意味が分からなかった。日本人も多く登場する作品だっただけに、残念。

【5段階評価】2

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2017年8月 9日 (水)

(1560) ブラック・スワン

【監督】ダーレン・アロノフスキー
【出演】ナタリー・ポートマン、バンサン・カッセル、バーバラ・ハーシー、ミラ・クニス
【制作】2010年、アメリカ

白鳥の湖の主役に抜擢されたバレリーナの苦悩を描いた作品。

バレリーナのニナ(ナタリー・ポートマン)は、念願の白鳥の湖の主役を射止める。主役は、可憐な白鳥と、王子を誘惑する黒鳥の二役を演じる大役。演出家のトマ(バンサン・カッセル)は、ニナの官能を引き出すため、彼女に口づけや愛撫をしたり、自慰を命じたりする。母親のエリカ(バーバラ・ハーシー)は、ニナを溺愛するがあまり、彼女のために大きなケーキを買ってくるが、ニナがそんなに食べられないと言うとそれを捨てようとしたり、その愛情はときに病的になるのだった。
ニナの前に主役だったベス(ウィノナ・ライダー)はトマの愛情を受けられなくなったことにショックを受け、ニナを恨む。ベスは車の前に飛び出して足の骨を折る重傷を負う。ニナは見舞いに行くが、彼女の足の傷を見てショックを受けて何も言えずに病室を賭けだしてしまう。
ニナの代役、リリー(ミラ・クニス)は、ニナを外に連れ出し、薬を飲ませる。ニナは興奮状態に陥り、家に帰ってリリーと性的な行為に及ぶ。ニナは翌朝の練習に遅刻してしまう。練習場では、代役のリリーがニナのパートを踊っていた。ニナはなぜ起こさなかったんだとリリーを責めるが、リリーはニナの家には行っていないと主張する。
ニナが主役の舞台が初日を迎えるが、ニナは次第に幻想に悩まされるようになり、母親はニナの調子が悪いと関係者に連絡し、ニナを部屋で寝かせようとする。ニナは母親を突き飛ばすようにして部屋を出ると、劇場に向かう。
途中でリフトの落下があったものの、なんとか白鳥のパートを終えたニナは楽屋に戻る。そこには黒鳥の衣装を着たリリーがいた。リリーは自分が黒鳥を踊ると主張。ニナとリリーはつかみ合いの争いに陥り、ニナは気がつくとガラスの破片をリリーに突き刺し、殺害してしまう。
ニナはリリーの死体を隠して黒鳥に着替え、素晴らしい踊りを披露。観客の大絶賛を浴びる。ニナはリリーの死体のある楽屋に戻り、再び白鳥役のメイクに入る。そこにノックの音が鳴る。それは死んだはずのリリーだった。ニナがガラスの破片を刺したのは、リリーではなく、自分自身だった。
ニナは最後の踊りを演じ切る。マットの上に横たわるニナに、トマは駆け寄って彼女の演技を絶賛するが、ニナの腹部にはにじんだ血が広がっていた。ニナの視界には、おぼろげなスポットライトが映るのだった。

バレリーナの苦悩を描いたヒューマンドラマなのかと思ったら、ほとんどホラー映画だった。特殊撮影が要所で使われていて、ニナの精神的な不安を効果的に表現。主人公の背中の傷が大きくなっていったり、鏡の中の自分が勝手な動きをするなど、ゾクッとする映像が印象的だった。
今回観たのはWOWOWの無料放送版で、日本語吹き替えのみの放送だったのはやや残念だった。

【5段階評価】4

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2017年8月 8日 (火)

(1559) ジュラシック・ワールド

【監督】コリン・トレボロウ
【出演】クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、タイ・シンプキンス、ニック・ロビンソン
【制作】2015年、アメリカ

遺伝子操作で現代に蘇った恐竜のテーマパークで起きるパニックを描いた作品。

離婚寸前のミッチェル家の兄弟、ザック(ニック・ロビンソン)とグレイ(タイ・シンプキンス)は、恐竜テーマパーク、ジュラシック・ワールドに二人で旅行。叔母のクレア(ブライス・ダラス・ハワード)が科学者として勤めており、二人はVIP待遇。多忙なクレアは秘書のザラ(ケイティ・マクグラス)に世話を任せるが、二人はザラの隙を付いて逃げ出し、自由行動を開始する。
テーマパークでは、入場者増を狙って、遺伝子操作によるキメラ恐竜、インドミナス・レックスを育成しており、施設所有者のサイモン・マスラニ(イルファーン・カーン)は、インドミナス育成施設の安全性を元軍人のオーウェン(クリス・プラット)に確認させるよう、クレアに指示する。オーウェンは、ジュラシック・ワールドでベロキラプトルの調教を行っており、恐竜の性質をよく知っていた。クレアは、一度デートしたが破局したオーウェンのもとを訪ね、施設の確認を依頼。クレアとともに施設を訪れたオーウェンだったが、施設内の熱源センサーを確認したところ、インドミナスのいる形跡がない。オーウェンは施設の壁をよじのぼったような爪痕を発見。クレアは監視施設にいるロウリー(ジェイク・ジョンソン)に、インドミナスの背中に埋め込んだセンサーをもとに現在位置を調べさせる。その間、オーウェンは係員とともにインドミナスの居住区画を確認していたが、ロウリーは、インドミナスは施設の中にいるとクレアに告げる。インドミナスは体温を低下させて身を潜めていたのだ。オーウェンたちは慌てて居住区画を逃れようとするが、一人(エディ・J・フェルナンデス)はあえなくインドミナスに食い殺され、残った一人(エリック・エデルシュタイン)は外部への扉を開けて外に逃げ出す。監視室のマスラニは扉を閉めるよう指示し、オーウェンは閉まりかけた扉の隙間から外に脱出。しかし、インドミナスも扉を破って外に出てしまう。車の影に隠れていた係員はインドミナスに食われてしまい、それを車の下で隠れて見ていたオーウェンは、急いでガソリンを体に浴びせて匂いを消し、難を逃れる。
マスラニとクレアは、監視室からインドミナスを生きたまま捕獲するよう部隊を送り込むが、インドミナスは体内に埋め込まれたセンサを食いちぎり、体の色を周囲の景色に溶け込ませて部隊を待ち伏せ。部隊はほぼ全滅してしまう。
その頃、何も知らないザックとグレイは、球形の観覧車両で園内を探索。そこにインドミナスが襲いかかる。二人はなんとかその場を逃げ出す。ザラが二人を見失ったことを知ったクレアは、オーウェンとともに二人を探索する。
マスラニは自らヘリを操縦。ヘリに積んだ機関銃でインドミナスを攻撃するが、インドミナスは翼竜の施設に飛び込む。翼竜は屋根の穴から逃げ出し、ヘリは翼竜に襲われて墜落。翼竜はテーマパーク内の人々に襲いかかる。オーウェンとクレアは兄弟と再会するが、ザラは翼竜に襲われた上に、モササウルスに翼竜ごと飲み込まれるという壮絶な最期を遂げる。
恐竜の軍事利用をもくろむホスキンス(ビンセント・ドノフリオ)は、インドミナスの暴走を知り、調教したベロキラプトルにインドミナスを送り込む作戦を開始。ホスキンスに怒りをぶつけるオーウェンだったが、従わざるを得なくなる。オーウェンは、ラプトルにインドミナスの匂いを嗅がせ、檻から解き放つ。森の中を疾走する4体のベロキラプトルは、やがてインドミナスを発見するが、ベロキラプトルはインドミナスに襲いかからず、会話を始める。インドミナスは遺伝子操作の過程で、ベロキラプトルの遺伝子も組み込まれていた。インドミナスとベロキラプトルは結託し、人間に襲いかかる。オーウェンはバイクで引き返す。ラプトルは、クレアと兄弟の乗った車に襲いかかるが、なんとか撃退。オーウェンも追いつき、研究施設に戻る。そこにはホスキンスがいたが、やってきたラプトルにあっさりと殺されてしまう。
監視塔の入り口で、オーウェンたち4人はラプトル3体に囲まれるが、オーウェンの力でラプトルは再びオーウェンの側につき、やってきたインドミナスに襲いかかる。しかし、ラプトルは相手にならず、次々とインドミナスに倒されていく。クレアはロウリーに連絡をしてティラノサウルスの生息する檻の扉を開けさせ、発煙筒でティラノを誘導してインドミナスと戦わせる。ティラノとラプトルはともにインドミナスに襲いかかり、最後はモササウルスに水中に引きずり込まれる。
ティラノサウルスはラプトルには襲いかからず、その場を去り、生き残ったラプトルもまた、オーウェンのもとを去る。
テーマパークには平穏が訪れ、兄弟は両親と再会。クレアとオーウェンは、ともに生きていくことを決めるのだった。

前評判では、恐竜がなかなか出てこないと聞いていたが、そんなことはなく、キメラ恐竜インドミナスやラプトルが大暴れ。クライマックスのティラノサウルスとの死闘も大迫力。今までの作品では、2≒1>3の順で気に入っていたが、本作は最も面白かったかもしれない。ジュラシック・ワールド2も楽しみだ。

【5段階評価】5

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2017年8月 6日 (日)

(1558) トップガン

【監督】トニー・スコット
【出演】トム・クルーズ、ケリー・マクギリス、トム・スケリット、アンソニー・エドワーズ
【制作】1986年、アメリカ

アメリカの戦闘機訓練校を舞台にした青春映画。

コードネーム、マーベリック(トム・クルーズ)は規則無用の攻撃的な戦闘機パイロット。僚機のパイロットがパニック状態になったとき、規則違反の船上通過を行って僚機の母艦帰還を誘導。同僚のアイスマン(バル・キルマー)からはお前は危険だと言われ、上官のジェスター(マイケル・アイアンサイド)やバイパー(トム・スケリット)からも注意をされる。
しかし、マーベリックはパートナーのグース(アンソニー・エドワーズ)とともに、最上位のエリート訓練校、トップガンへの入学を認められる。グースと夜のパーティに出たマーベリックは、そこで魅力的な女性、シャーロット(ケリー・マクギリス)に言い寄る。彼女は、トップガンの教官だった。
ライバルのアイスマンと競いながら実力をつけていくマーベリック。シャーロットとも恋人の関係になる。しかしある訓練で、機体の不具合から、マーベリックは水平きりもみ状態に陥り、緊急脱出を図るも、グースは帰らぬ人になってしまう。
この事故を機に、マーベリックは攻撃的な性格がなりをひそめ、トップガンの脱退を考えるようになる。マーベリックを慰めようとしていたシャーロットも昇進が決まり、トップガンを去った。
バイパーは、そんなマーベリックに、軍事機密となっていたマーベリックの父親の死の真相を告げる。彼の父親は、かつて仲間を救うため、規則を破って敵機の軍勢の中に飛び込み、殉職したのだった。マーベリックは失意をぬぐいきれないながらも、トップガンの卒業式に出席。そこに洋上での戦闘発生の連絡が入る。マーベリックはアイスマンらとともに現地に向かう。パートナーのいないマーベリックに、バイパーは自分が後部席に座ると宣言。アイスマンら、2機が先発する。敵機の数は事前情報と違い、5機。劣勢となった彼らは、マーベリックを出撃させる。一度は戦闘域から逃げ出してしまうマーベリックだったが、グースへの思いを胸に戦闘復帰を果たし、次々と敵機を撃墜。アイスマンらと無事の帰還を果たし、全員からの熱い歓迎を受ける。これまで何かと敵対していたマーベリックに対し、アイスマンは感謝の言葉を述べ、マーベリックもアイスマンを最良の僚機とたたえる。
グース一家やシャーロットと過ごした思い出のカフェに向かったマーベリックはシャーロットと再会。二人は新たな一歩を踏み出すのだった。

テーマ曲である、ケニー・ロギンスの「デンジャー・ゾーン」やベルリンの「愛は吐息のように」が有名な作品。戦闘の場面は、細切れの飛行シーンのカットの連続で、何が起きているのかよく分からないのが難点で、「なんだかよくわからないけど仲間を助けた」、「なんだかよくわからないけど墜落した」、「とにかくやっつけた」という感じだった。母艦から離陸するシーンも細かいカット割りで構成されているが、こちらはかっこよく、「エネミー・ライン」は本作のオープニングをパロディのように使っている。
公開当時25歳のメグ・ライアンが、グースの奥さん役で出演している。

【5段階評価】3

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2017年8月 1日 (火)

(1557) スペシャルID 特殊身分

【監督】クラレンス・フォク
【出演】ドニー・イェン、ジン・ティエン、アンディ・オン
【制作】2013年、香港、中国

ドニー・イェン主演のアクション映画。潜入捜査を行う警官の活躍を描く。

香港警察に所属するロン(ドニー・イェン)は、裏社会のボス、ホン(コリン・チョウ)の組織に潜入。ロンは警察の仲間、チャン(ロナルド・チェン)とホンの両方から、ロンの弟分のサニー(アンディ・オン)を探す命を受ける。サニーはホンの部下を葬り、取り引き用のブツを横領していた。
サニーを追って中国本土に渡ったロンは、女性刑事のジン(ジン・ティエン)と組むことになるが、性格の違いから二人は反発。ロンはサニーと会うことに成功するが、何者かがサニーの仲間を狙撃したため、ロンは裏切り者だと疑われる。大乱闘の末、外に逃げ出したロン。そこにジンが現れ、騒ぎは収まる。ロンとジンは捜査方針の違いでさらにもめるが、次第に打ち解けていく。
サニーはロンに仲間になってのし上がろう、と告げつつ、裏切ったら家族を皆殺しにするとすごむ。ロンはサニーの計画を知り、その情報を得ようとロンのデータルームに潜入するが、そこにはホンの手下が「ロンは警察の犬だ」と話す動画があった。ロンがチャンと会話しているところを、気絶したふりをして聞いていたのだ。ホンはそれを知りながら、ロンを泳がしていたのだった。
ロンは慌てて母親(パウ・ヘイチン)の元に向かうが、母親はサニーに暴行されていた。ロンとジンはサニーを追う。サニーの乗った車にジンが飛び移り、運転席のサニーを攻撃するが、ジンは振り落とされてしまう。激しいカーチェイスを繰り広げたロンとサニーは、建設中の高速道路の上で最後の戦いを始める。一進一退の殴り合いだったが、ついにロンがサニーを倒す。そこにジンが多くの警官を連れて現れ、事件は落着する。
ロンは晴れて正式な警官としての身分を手にし、ジンが祝福するのだった。

格闘シーンの迫力とリアリティが素晴らしい。ジャッキー・チェンの作品にあるコミカルだが計算し尽くされた曲芸のような格闘とはまた違う、無骨だが的確に急所を突いたり関節を責める本格的な格闘は見応えがある。カーアクションでも、若干特撮っぽい瞬間はあったものの、ジン・ティエンの体の柔らかさを存分に生かした足技など、迫力があった。
サニー役のアンディ・オンは、ジャッキー・チェン主演の「香港国際警察/NEW POLICE STORY」にも出演している。ジン・ティエンも「ポリス・ストーリー/レジェンド」にジャッキー・チェン演じる刑事の娘役で出演している。

【5段階評価】4

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