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2017年7月

2017年7月31日 (月)

(1556) 大空港

【監督】ジョージ・シートン
【出演】バート・ランカスター、ディーン・マーティン、ジーン・セバーグ、ヘレン・ヘイズ
【制作】1970年、アメリカ

爆発事故を起こした飛行機で起きるパニックを描いた作品。航空パニック映画の火付け役を果たした秀作。

大雪に見舞われたリンカーン国際空港。1機の旅客機が雪の中に突っ込んで2-9滑走路を塞いでしまう。空港長のメル・ベイカースフェルド(バート・ランカスター)は仕事詰めで離婚寸前。メルは滑走路を塞いだ飛行機を動かすため、ベテラン整備士のパトローニ(ジョージ・ケネディ)を呼び出す。
空港では、とぼけた無賃搭乗常習犯の老女、クォンセット(ヘレン・ヘイズ)が捕まるが、係員の隙を付いて姿をくらまし、ローマ行きの飛行機に乗り込む。失業中の男、D・O・ゲレロ(バン・ヘフリン)はトランクに爆弾を仕込み、空港で高額の保険に入ると、同じ飛行機に。その飛行機のパイロット、バーノン・デマレスト(ディーン・マーティン)は客室乗務員のグエン(ジャクリーン・ビセット)と浮気中。グエンはバーノンの子を身ごもっていた。飛行機は、クォンセットのせいで人数が合わないが、バーノンは飛行機を離陸させる。ゲレロの妻、イネーズ(モーリン・ステイプルトン)は、夫が飛行機で自殺を考えていると予感し、空港に駆け込むが、夫を乗せた便はすでに飛び立っていた。ショックを受けた彼女から話を聞いたメルと同僚のタニヤ・リビングストン(ジーン・セバーグ)はバーノンに連絡。バーノンは自ら乗客を確認。トランクを抱え込んだままのゲレロは確認する。ゲレロの席はクォンセットの隣の窓際だった。もう一人のパイロット、アンソン・ハリス(バリーネルソン)はリンカーン空港に引き返すことにする。
バーノンはまず、グエンに命じ、クォンセットを無賃搭乗者としてコクピットに連れてこさせる。バーノンはファーストクラスをプレゼントすると言って、クォンセットに作戦への協力を依頼する。グエンはクォンセットを連れて元の席に戻る。クォンセットはそこで穏便に済ませてほしいと懇願。グエンは強い調子でそれを拒絶。クォンセットは隣に座っているゲレロに抱きついて助けを求める。その隙にグエンがゲレロのトランクを奪い取る。ところが、それを見ていた乗客の一人がグエンからトランクを取り上げてゲレロに返してしまう。ゲレロは客室の最後尾でバーノンと向かい合う。バーノンは保険金は下りない、作戦は失敗したんだ、とゲレロを説得するが、ゲレロは最後尾のトイレに駆け込むと自爆。近くにいたグエンはトイレのドアごと吹き飛ばされる。側壁に穴が空き、激しい気圧差でグエンやバーノンは外に吸い出されそうになるが、なんとかこらえる。グエンの応急措置には乗客の中にいた医師が当たり、バーノンはコクピットに残る。尾翼と水平翼の操作が効かなくなり、バーノンは2-9滑走路に着陸させてほしいと管制室に告げる。パトローニはぎりぎりで滑走路を塞いでいた飛行機を動かし、バーノンとアンソンは無事に飛行機を着陸させる。
それを見届けたメルは、タニヤとともに空港を去るのだった。

序盤は群像劇風に始まるが、やがて航空機内での爆発事故とその生還というドラマに収束していく。夫婦関係のもつれや妊娠問題など、本筋にあまり関係のない人間模様がいろいろと盛り込まれていて、小説だと厚みが出るのだが、時間制約の強い映画では、やや消化不良な感じもあった。
そうそうたる名優が名を連ねるパニック映画であり、4年後に公開された「タワーリング・インフェルノ」にもその特徴が現れている。

【5段階評価】3

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2017年7月29日 (土)

(1555) 燃えよデブゴン4/ピックポケット

【監督】サモ・ハン・キンポー
【出演】サモ・ハン・キンポー、ディニー・イップ、フランキー・チェン、リチャード・ン
【制作】1982年、香港

デブゴンことサモ・ハン・キンポーがスリとして活躍するコメディ・アクション。ダイヤの宝石を巡る争いと恋の駆け引きが描かれている。

集団スリの一員、マイケル(サモ・ハン・キンポー)はディスコで美しい女性リン・ナム(ディニー・イップ)を見初める。リンは他の男性を寄せ付けなかったが、マイケルの素朴な性格に惹かれたのか、声をかけてくる。
リンの家を訪ねたマイケルは、彼女が警視で、子持ちであることを知る。リンは密輸組織を壊滅させるため、盗品の売人からダイヤを盗み取ってほしいと相談を持ちかける。マイケルは相棒のチムニー(フランキー・チェン)は、ターゲットの男、チョウ・メン・ソン(チェン・ルン)からダイヤを盗み取ることに成功。リンは、マイケルたちに、警察が一斉に逮捕するので密輸組織との取引現場にダイヤを持って向かってほしいと頼む。マイケルはいやがるチムニーを説得して、リンに協力することにする。
マイケルとチムニー、アン(ディディ・パン)は取引現場の貨物船に向かうが、アンは、宝石が偽物であることに気づく。彼女はダイヤを一つだけくすねていたので気づいたのだ。マイケルたちは、リンにだまされていた。マイケルたちはその場から逃げようとするが、チョウたちが現場に到着。マイケルたちは死闘の末、彼らを全滅させる。
本物のダイヤを持ったリンは、空港で密輸相手と取り引きをしようとしていた。空港に着いたマイケルたちは、空港にいる人たちから財布を大量に盗み取り、リンのバッグに忍び込ませて、彼女がスリだと大騒ぎする。マイケルはリンのバッグをひっくり返して、ダイヤの入った箱を抜き取る。リンはそれを取り返そうとするが、野次馬に取り囲まれて身動きができない。騒ぎを見たリンの取り引き相手は、取り引きを諦めてその場を立ち去る。マイケルもダイヤを持ってその場を去ろうとするが、ウー巡査部長(リチャード・ン)にぶつかり、ダイヤを床にまき散らしてしまう。マイケルは現場から大慌てで逃げるのだった。

ジャッキー・チェンの映画ほどではないが、アクションシーンはよく作り込まれていて楽しい。リンがマイケルにダイヤを盗んでほしいという計画を伝える場面では、台詞だけではなく、映像でチョウが警察に協力させるというシナリオを示していて、丁寧な作り方をしている。B級ドタバタコメディかと思っていたが、けっこう面白かった。
本作を放映した番組は日テレの映画天国。字幕付きのオリジナル音声で放送するので、この番組は好きだ。

【5段階評価】3

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2017年7月27日 (木)

(1554) 家族はつらいよ

【監督】山田洋次
【出演】橋爪功、吉行和子、夏川結衣、西村まさ彦、妻夫木聡、蒼井優、風吹ジュン
【制作】2016年、日本

三世代家族に起きる大騒動を描いたコメディドラマ。

口が悪く、少々横暴な性格の平田周造(橋爪功)は、息子夫婦と三世代同居。飲み屋から家に帰ると、妻の富子(吉行和子)が突然、離婚をしたいと周造に告げる。
翌日、周造の娘、成子(中嶋朋子)が家に来て、夫の泰蔵(林家正蔵)が自分に嘘をついて骨董集めをしていたことを知り、離婚をすると嘆き始める。それを聞いた周造は、後からやってきた泰蔵を連れて、なじみのおかみ(風吹ジュン)のいる飲み屋に行き、妻から離婚を言い渡されたという話をする。平田家は大騒動になる。
平田家は家族会議を開催。長男の幸之助(西村雅彦)と妻の史枝(夏川結衣)、成子と泰蔵、そして何も知らない次男の庄太(妻夫木聡)は婚約者の憲子(蒼井優)を連れて会議に参加することになる。
富子は、粗野な性格の周造に耐えるのが嫌になったのだ、と正直な気持ちを明かす。妻の態度に憤慨していた周造は、自分は何も悪くないと主張する。しかし泰蔵から、周造が飲み屋でおかみの手を握って愛をささやいていたという話を聞かされると、ショックで昏倒してしまう。看護師の憲子が的確な指示で救急車を呼び、周造は病院に運び込まれる。
周造の死を覚悟した一家だったが、周造は無事に意識を取り戻す。考えた末、周造は離婚届に判を押し、「お前と一緒になってよかった。そんなふうに思ってるよ。サンキュー。以上! 」と照れを隠すように富子に話す。それを聞いた富子は「今の言葉を聞けたら十分」と言って、離婚届を破る。平田家に平温が訪れるのだった。

東京物語」のキャストをそのまま持ってきたことで有名。一人一人の配役が、決して出しゃばりすぎず、でもそれぞれが個性的な役割を演じていて無駄がなく、最初から最後まで、中だるみすることなく観ることができた。「東京物語」のシリアスな作風から一転、終始コミカルな展開も面白く、監督そして俳優陣の実力を素直に楽しめる作品。

【5段階評価】4

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2017年7月26日 (水)

(1553) 美女と野獣

【監督】クリストフ・ガンズ
【出演】レア・セドゥ、バンサン・カッセル、エドゥアルド・ノリエガ、ニコラ・ゴブ
【制作】2014年、フランス、ドイツ

フランスの物語、「美女と野獣」の実写映画化作品。野獣の姿に変えられた王子と、商人の娘の運命を描いている。

母親が二人の子供におとぎ話を聞かせる。商人の父(アンドレ・デュソリエ)を持つ娘、ベル(レア・セドゥ)は三人の兄と二人の姉と暮らしていた。ある日、ベルの父がペルデュカス(エドゥアルド・ノリエガ)という男に追い回されて山に迷い込み、やがて森の中の古城にたどり着く。そこには人の姿がないものの、豪華な食事が用意されていた。父は食事を楽しみ、帰りに、ベルと約束していたバラを一輪もぎとる。すると藪の中から巨人の顔が洗われ、巨人に乗った男にのしかかられる。父は一日の猶予を得て家に帰るが、優しいベルは父の代わりに森の古城に向かう。古城に住んでいた野獣は、ベルに美しいドレスを与える。はじめは警戒していたベルも、次第に野獣に好意を持つようになる。
ベルは野獣の許しを得て、一時的に家族のもとに戻る。野獣はベルに万能薬を渡す。ベルは不治の病に伏せっていた父親に薬を飲ませ、父親は回復。家族たちは喜ぶ。
兄たちとベルデュカスは、財宝目当てに古城に向かい、城の中を荒らし始める。野獣は怒り、巨人が兄たちに襲いかかる。ベルは兄たちをかばう。ペルデュカスは、手にしていた金の矢を野獣に打ち込む。ベルが野獣を城の中の泉に放り込み、愛をささやくと、野獣は復活し、王子(バンサン・カッセル)の姿に戻る。
王子はかつて、狩りで金の牝鹿を弓矢で仕留めるが、それは王子と相思相愛だった王女の愛していた王女が変身した姿だった。王女は森の精だったのだ。王子は、人間の女性に愛されない限り元の姿には戻れないという呪いを森の神にかけられ、野獣に変身させられていたのだった。
話を終えた母親は子供のいた部屋を出る。そこにはベルの父親と農夫となった王子がいるのだった。

野獣が、頭のでかいややアンバランスな姿なのが若干、気になった。序盤はかったるくて、比べてみると、やはりディズニー映画というのはよくできているのだな、と再認識した。
それにしても、出てくる女性、出てくる女性、みんな胸の谷間を強調しすぎだった。

【5段階評価】3

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2017年7月25日 (火)

(1552) 怪盗グルーのミニオン危機一発

【監督】ピアー・コフィン、クリス・ルノー
【出演】スティーブ・カレル(声)、クリステン・ウィグ(声)、ベンジャミン・ブラット(声)
【制作】2013年、アメリカ

グルーとミニオンの活躍を描いたCGアニメ作品。「怪盗グルーの月泥棒」の続編。

生物を凶暴化するPX41という薬品を開発していた研究所が何者かに施設ごと奪われる。反悪党同盟(AVL)のラムズボトム(スティーブ・クーガン、坂口芳貞)は、黒幕がいると思われるショッピングセンターに女性捜査官のルーシー・ワイルド(クリステン・ウィグ、中島美嘉)と元怪盗のグルー(スティーブ・カレル、笑福亭鶴瓶)を送り込む。
グルーは、死んだはずのかつての大悪党、エル・マッチョに顔つきの似ているエドアルド(ベナミン・フラット、中井貴一)が怪しいと考える。グルーとルーシーは彼の店に忍び込む。しかし、金庫にあったのはサルサソースだった。
グルーは次に、ウィッグ店のイーグルヘアクラブに潜入。グルーは店内でPX41の反応を検出するが、そこに一緒に暮らしている三姉妹の次女イディス(デイナ・ゲイアー)と三女のアグネス(エルシー・フィッシャー)がやってきて、長女のマーゴ(ミランダ・コスグローブ)がアントニオ(モイセス・アリアス)というキザな男の子とデートしているという話をする。グルーは操作を中断してそちらに駆けつける。マーゴが気が気でないグルーは、アントニオが黒幕のエル・マッチョだ、とむちゃな主張をラムズボトムにし始める。
ラムズボトムは自らフロイド・イーグルサム(ケン・チョン、山寺宏一)を逮捕。事件は落着し、ルーシーはオーストラリアに赴任することになる。グルーはルーシーにデートを申し込もうと考えるが、勇気を出せないまま、エルドラドの招待でパーティに向かう。グルーはそこで、真犯人はエドアルドであることを知る。エドアルドはミニオンをPX41で凶暴化させて世界を征服しようという話をグルーに持ちかける。エドアルドは、グルーの知らない間に、ミニオンたちを大量にさらっていたのだ。グルーは三姉妹とパーティを後にするが、そこに、グルーとの暮らしを求めてオーストラリア行きの飛行機から脱出したルーシーが到着。しかし、AVLの一員であることがエドアルドにばれ、捕まってしまう。グルーは、自分の元を去ってエドアルドに付いたネファリオ博士(ラッセル・ブランド)がグルーにそのことを知らせる。グルーはミニオンを二人連れてエドアルドの屋敷に向かう。
凶暴化した紫ミニオンがアグネスの家を襲うが、それを救ったのは解毒剤を開発したネファリオ博士だった。グルーは大量の紫ミニオンに囲まれるが、博士が解毒剤入りゼリーを積んだ飛行機で現れ、ミニオンにゼリーを乱射。ミニオンは次々に元の姿に戻る。
グルーはルーシーを探す。ルーシーはエドアルドによって火山行きのロケットにくくりつけられていた。グルーとルーシーは火山に向かって飛ばされるが、なんとか脱出に成功。ようやくルーシーにデートの申し込みができたグルーは、147回のデートを経て、ついにルーシーと結婚。アグネスたちやミニオンから祝福されるのだった。

怪盗から善人になったグルーが、悪者をやっつけるために大活躍。子供に優しいけど、決して善人すぎず、また、善と悪の狭間で迷うようなシリアスな描き方はせず、ルーシーと黒幕捜しに奔走する。その中で次第にルーシーを大事に思うようになり、最後は彼女を救うためにエドアルドと対決。感情移入しやすいつくりになっていた。
粗雑に扱われながらお気楽に活動するミニオンをかわいいと思うか思わないかは、今回も微妙だった。

【5段階評価】3

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2017年7月24日 (月)

(1551) ナイト・アンド・ザ・シティ

【監督】アーウィン・ウィンクラー
【出演】ロバート・デ・ニーロ、ジェシカ・ラング、クリフ・ゴーマン、アラン・キング、ジャック・ウォーデン
【制作】1992年、アメリカ

金の匂いに敏感な二流の弁護士、ハリー(ロバート・デ・ニーロ)は、ある青年ゴルゴンがボクサーのサンチェス(ペドロ・サンチェス)に殴られた記事を見つけ、ボクサーを訴えるようそそのかす。サンチェスは、ギャングのブンブン(アラン・キング)がオーナーを務めるボクシングジムのボクサー。和解金狙いのハリーだったが、相手は法廷で争うと宣言する。ハリーは、ゴルゴンが大けがをしたように見せかけて法廷に臨むが、ゴルゴンとボクサーの体格差はあまりにも違っていた。ハリーはあっさりと訴訟に負けてしまう。
訴訟の準備を進める中で、ハリーは、古き良き時代に街のあちこちで行われていたボクシング・マッチがすっかりなくなってきていることを知り、自ら興行主となることを決意。ブンブンに対抗するため、ブンブンの兄で元ボクサーのアル(ジャック・ウォーデン)を口説いて試合に出場させる。
知り合いのバーのマスター、フィル(クリフ・ゴーマン)に借金を頼み、会場の準備に入る。ハリーはフィルの妻、ヘレン(ジェシカ・ラング)と愛し合っており、ヘレンが金の工面に協力。ハリーはヘレンのために営業免許を偽造する。ヘレンはフィルと別れる。
兄に心臓疾患があることを知っているブンブンはハリーを呼び出し、もしアルが心臓発作や頭痛でも起こしたらお前を殺すとハリーに念を押す。さらにフィルに、ハリーとヘレンが一緒になっていることを告げ口する。
会場のオーナーは、ハリーの足下を見て会場費をつり上げる。困ったハリーはフィルに会う。フィルは試合の前日に金を貸してやると約束する。しかし、当日になってもフィルは金を貸さず、それどころかハリーに殴りかかって妻を奪ったことをなじる。
途方に暮れたハリーは、一度借金を断られたペック(イーライ・ウォラック)から金を借りる。ところが、出場予定の選手が計量でコカインを検出されたり、挙げ句の果てに、アルが若い黒人選手とけんかになり、押し倒されたときに心臓発作が起きて死んでしまう。
試合は夢と消え、ハリーはヘレンの店に行く。しかし、フィルのたれ込みによってヘレンの営業許可書は偽造であることがばれ、ヘレンの夢もまた潰えていた。二人が互いを慰め合っているところに、ブンブンの手下が二人やってくる。アルが死んだことのけじめをつけに来たのだ。ハリーとヘレンは逃げるが、ついに追いつかれる。ハリーは、自分がいかにアルが死なないようにしたかを力説し、二人のもとを立ち去ろうとするが、ブンブンの手下はハリーに銃弾を浴びせる。ハリーは救急車に運び込まれるあいだもヘレンにしゃべり続ける。虚勢を張ったハリーの声が救急車の中でむなしく響くのだった。

ロバート・デ・ニーロの演技力と話術がみどころ。はじめは「リベンジ・マッチ」のように、ロバート・デ・ニーロ自身がボクサーとなるのかと思っていたら違った。彼が演じるのは、口先ばかりで夢を追う男。結局、夢が実現することもなく、ペックが最初に忠告したとおり、ペックは金を失い、ハリーは殺されるという展開になる。ほろ苦いエンディングだが、救いはヘレンがハリーに付き添っていること。金でハリーの企みを思いとどまらせようとするブンブンに、金ではなく夢を追うんだと啖呵を切るところは感動的。捨てる神あれば拾う神ありという余韻が心地いい作品だった。

【5段階評価】3

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2017年7月23日 (日)

(1550) アルカトラズからの脱出

【監督】ドン・シーゲル
【出演】クリント・イーストウッド、パトリック・マクグーハン、ラリー・ハンキン、フランク・ロンジオ
【制作】1979年、アメリカ

アルカトラズ刑務所からの脱獄に挑む服役囚を描いた作品。

サンフランシスコ湾に浮かぶアルカトラズ刑務所に、アトランタで脱獄を試みたフランク・モリス(クリント・イーストウッド)が投獄される。所長(パトリック・マクグーハン)は、かつて誰も脱獄に成功した者はない、とフランクに語る。フランクは何食わぬ顔で聞きながら、所長の爪切りをくすねる。
フランクは、ネズミをペットにしているリトマス(フランク・ロンジオ)や図書館員のイングリッシュ(ポール・ベンジャミン)、絵を描くことを喜びとしているドク(ロバーツ・ブロッサム)、隣の独房にいるチャーリー(ラリー・ハンキン)らと親しくなる。
独房をチェックしていた所長は、ドクが自分の肖像画を描いていることを知り、ドクの絵描きを禁止。絶望したドクは、木工作業所で斧を借り、看守の目の前で自分の指をたたき切ってしまう。その原因が所長にあると知らされたフランクは、脱獄を決意する。独房の壁が案外もろく、爪切りでも削り取れることを知ったフランクは、旧知の二人組、ジョンソン(フレッド・スタスマン)、クラレンス(ジャック・チボー)に脱獄計画を持ちかけ、チャーリーもそれに乗る。
4人は独房の通気口を掘って穴を拡大。紙粘土で自分の頭の模型を作る。
所長がフランクの独房を変えることを決めた日の夜。フランクは脱獄を実行に移す。フランク、ジョンソン、クラレンスは独房を抜けて屋上に出ると、コートで作ったボートで海を渡る。しかし、緊張で行動が遅れたチャーリーは取り残されてしまう。
翌日の朝、脱獄に気づいた刑務所側は捜索を開始。所長は対岸で、フランクが大事にしていた菊の花を見つけるが、三人は海に沈んだと自分に言い聞かせる。しかし大規模な捜索にもかかわらず、三人が発見されることはなかった。

フランクに殺意を持つウルフ(ブルース・M・フィッシャー)や、ドクの心の象徴だった菊の花を奪った所長に挑みかかってショック死する心優しいリトマスなど、刑務所内での人間模様を描きながら、脱獄に専心するフランクを克明に描くことで、脱獄の迫真性をうまく表現していた。
一方、監視の目は行き届いているようで甘いと思う面もあった。まず、爪切り1個なくなったら気付けよ所長。看守も、金属探知機を通ってブザーが鳴り、金属の部品を取り上げたらそのまま通したり、楽器の入った箱を1つだけ調べて1つはスルーしたり。スプーンもくすねられちゃうし。そもそも囚人服になんでポケットがついてるの、とか。もっとも、今なら電磁的な装置で監視できるだろうから、脱獄って難しいんだろうな。

【5段階評価】4

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2017年7月21日 (金)

(1549) 十戒

【監督】セシル・B・デミル
【出演】チャールトン・ヘストン、ユル・ブリンナー、アン・バクスター、ジョン・デレク
【制作】1956年、アメリカ

ヘブライ人を奴隷から解放した指導者、モーゼの人生を描いた作品。

エジプト人がヘブライ人を奴隷として使役していた時代。エジプト人の王(ファラオ)は、奴隷の中に救世主が生まれ出ることを防ぐため、男児を全て殺すよう命じる。しかし、男児を産んだヘブライ人の女性、ヨシャベル(マーサ・スコット)は、男児をかごに入れて川に流す。男児を拾ったのは、王女のベシア(ニナ・フォック)だった。彼女は男児にモーゼと名付け、エジプト人の王族として育てる。立派な青年となったモーゼ(チャールトン・ヘストン)は、セティ1世(セドリック・ハードウィック)の寵愛を受け、実子のラメス(ユル・ブリンナー)を差し置いて跡継ぎとなることが決まる。しかし、モーゼがヘブライ人の子であることが分かり、ラメスはモーゼを砂漠に追放する。モーゼは山で、神の啓示を受ける。モーゼはエジプトに戻り、ヘブライ人を解放するようラメスに要求。ラメスは拒否するが、モーゼの預言通り、水が血に染まったり雹が降ったりと、エジプトに次々と災厄が降りかかる。ついにエジプト人の長子が死ぬ災厄により、ラメスの息子が命を落とし、ついにラメスはヘブライ人の解放を認める。
モーゼは大勢のイスラム人を連れて旅路を行く。ラメスは戦車の大群でそれを追う。それを知ったは、モーゼは海を二つに割り、その中を通って対岸に行く。しかしラメスの軍勢は波にのまれてしまう。ラメスの追撃を振り切ったモーゼだったが、同行していた奴隷の監督官、デーサン(エドワード・G・ロビンソン)は、モーゼは嘘つきだと民衆をあおり、シナイ山にモーゼがこもっている間に、不謹慎な酒宴を始める。モーゼは山で十戒を授かり、山を下りるが、人々の享楽の姿を見て怒り、神の側につく者とつかない者を分ける。つかない者のいる側は地面が割れ、人々は地面に飲み込まれてしまう。40年もの間、モーゼの一団は旅を続け、十戒を守る者だけの集団となる。モーゼは自分の跡継ぎをヨシュア(ジョン・デレク)に指名し、自らはネボの山に消えていくのだった。

4時間近い長編作品だが、カラフルで壮大な映像が魅力的で、ストーリーもわかりやすかった。昔の人にとっては、大がかりであると同時に細部まで背景や衣装などの小物が作り込まれた本作は、とても感動的だっただろう。

【5段階評価】3

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2017年7月19日 (水)

(1548) ヒッチコックのファミリー・プロット

【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【出演】バーバラ・ハリス、ブルース・ダーン、ウィリアム・ディベイン、カレン・ブラック
【制作】1976年、アメリカ

アルフレッド・ヒッチコックの最後の監督作品。大金持ちの子供を探す霊媒師とその相棒が巻き込まれる事件を描いている。

いんちき霊媒師のブランチ(バーバラ・ハリス)は、資産家の老婦人(キャスリーン・ネスビット)から、遺産を相続するため、離ればなれになった親族を見つけてほしいという依頼を受ける。ブランチは、相棒のジョージ(ブルース・ダーン)にその話を伝え、ジョージは調査を始める。
探す相手の名はエドワード・シューブリッジ。ところが彼は、養父母とともに家事で焼け死んだことが判明。ところが、彼の墓に、遺体は埋められていないと墓守が告げる。ジョージは、遺体のない状態でエドワードの死亡届を出した男に接近。彼はマロニー(エド・ローター)というガソリンスタンド経営者だった。マロニーはしらを切ったまま、宝石商のアダムソン(ウィリアム・ディベイン)に相談。二人は犯罪者で、アダムソンが自分の養父母を部屋に閉じ込め、マロニーが火をつけて養父母を殺害していた。アダムソンはまた、黒髪の女性、フラン(カレン・ブラック)と組んで誘拐事件を起こし、巨大なダイヤを手に入れていた。アダムソンはマロニーにジョージの殺害を指示。マロニーは、ブランチとジョージを山道のレストランにおびき寄せ、二人が店で待っている間に車に細工をする。待ちぼうけを食わされたブランチとジョージは、車で帰る途中、アクセルペダルが戻らず、ブレーキもきかなくなっていることに気づく。途中の山腹で車は横転するが、なんとか死亡事故は避ける。マロニーは自分の車で二人をひき殺そうとするが、運転を誤り、崖から落下して死亡する。
ブランチの探していた老婦人の相続人はアダムソンだった。ブランチはアダムソンを見つけるが、アダムソンとフランはブランチを昏睡させ、隠し部屋に幽閉する。ブランチを追っていたジョージは、アダムソンの隠し部屋に寝かされているブランチを発見。ブランチは寝たふりをしており、とっさの機転でアダムソンとフランを部屋に閉じ込める。ブランチは突如、霊能力に目覚め、アダムソンとフランがだまし取った巨大ダイヤを発見するのだった。

軽快な作品で、サスペンスの巨匠の最後の監督作品としては、やや物足りない気もした。マロニーがブランチとジョージを呼び出しておいて、自分も車でそこに向かうとか、計画性がなかったり、ブランチが隠し部屋に閉じ込められるがジョージの機転で助かるところも、なぜすぐに殺さず部屋にとどめるのか不明だったり、サスペンスとしては今いち迫真生がなかった。
バーバラ・ハリスは、公開当時41歳だが、少年のような幼い顔つき。見ようによってはものすごくかわいい。マロニー役のエド・ローターは、桜井和寿の髪の薄くしたような顔つきだった。

【5段階評価】3

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2017年7月18日 (火)

(1547) グリーン・ランタン

【監督】マーティン・キャンベル
【出演】ライアン・レイノルズ、ブレイク・ライブリー、ピーター・サースガード、マーク・ストロング
【制作】2011年、アメリカ

アメコミヒーロー、グリーン・ランタンの活躍を描いた作品。

宇宙を守るガーディアンの役割を担うグリーン・ランタン。その一人、アビン・サー(テムエラ・モリソン)は、強大な敵、パララックス(クランシー・ブラウン)を相手に重傷を負い、地球に不時着。指輪の力で自分の役割を継ぐ者を探す。見いだされたのは、問題児パイロットのハル・ジョーダン(ライアン・レイノルズ)だった。ハルは訳が分からないながらも、アビン・サーの後を継ぐことを決意。ハルは、グリーン・ランタンの本拠地、惑星オアに強制的に連れてこられる。グリーン・ランタンは、恐怖を克服すれば、想像のままに物体を具現化できる力を持っていた。ハルは、厳しい訓練を受け、能力を身につけていく。
一方、地球では、アビン・サーの死体を調査した研究者のヘクター・ハモンド(ピーター・サースガード)が、パララックスの力に感染。心を読み、物体を操る超能力を手にする。ヘクターは、自分を軽んずる父親(ティム・ロビンス)への恨みから、パーティ会場で父の乗ったヘリコプターを墜落させようとするが、ハルはグリーン・ランタンに変身し、ヘリの下敷きになりそうだった、パイロット仲間で経営者でもあるキャロル・フェリス(ブレイク・ライブリー)を救出。彼女はあっさりとグリーン・ランタンがハルであることに気づく。
ヘクターは、再度、父親への復讐を企て、父を焼死させる。グリーン・ランタンのリーダー、シネストロ(マーク・ストロング)は、恐怖の力を使ってパララックスを倒そうとするが、ハルは自分が意思の力でパララックスを倒すと宣言。ハルに恨みを持つヘクターは、ハルの恋人のキャロルをさらい、自分のような姿にキャロルを変えてハルへの恨みを晴らそうとするが、ハルはリングをヘクターに渡し、ヘクター自身が自分のようになればいいと告げる。ヘクターはハルをだまし、指輪の力でハルを倒そうとするが、ハルもまた、ヘクターをだましていた。指輪の力は選ばれた者にしか使えないのだった。ヘクターの隙を突いてハルはキャロルを救い出し、ヘクターは、そこに現れたパララックスに魂を吸い取られてしまう。
ハルはグリーン・ランタンとなってパララックスを太陽におびき寄せ、太陽の重力にパララックスを引き込ませて倒す。地球人のグリーン・ランタンに懐疑的だったシネストロはハルをたたえる。地球には平和が訪れるが、シネストロは強くなるには恐怖が必要との確信に至り、自らイエローのリングを身につけ、黄色い体に変身するのだった。

アメコミ作品は、あまり外れがないというイメージがあったが、本作はいまいちだった。
主人公の超能力が、あまり楽しくない。想像力を具現化するのだが、あまり無敵感がなくて心許ない。敵のパララックスがしょぼい骸骨キャラでかっこ悪い。できそこないのゲームの中ボスみたいな感じ。ヒロインがあっさり主人公の正体を見破り、ハラハラドキドキ感がない。3,600人もグリーン・ランタンはいて、いろんな宇宙人が出てくる割に、ほとんどただ並んでいるだけで存在感がない。そして何より、名前がダサい。ランタンの意味が分からない。ぶっちゃけ「Mr.インクレディブル」の方がかっこいい。
かっこ悪い分、コミカルな楽しさがあるのかと思いきや、本編は至ってシリアス。同じ監督の「007 カジノ・ロワイヤル」もまた、クールなジェームズ・ボンドに徹してかなりかっこよかったが、本作はかっこよくもない割にコミカルさもなく、期待外れ。特撮は大がかりだったので、評価2にはしなかったけれども、他人に勧める気にはなれない作品だった。

【5段階評価】3

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2017年7月17日 (月)

(1546) ラストミッション

【監督】マックG
【出演】ケビン・コスナー、ヘイリー・スタインフェルド、アンバー・ハード
【制作】2014年、アメリカ、フランス

CIA工作員のイーサン・レナー(ケビン・コスナー)は、風邪のような症状に悩まされながら、密売人のアルビノ(トーマス・レマルキス)を追い込むが、すんでのところで症状が悪化し、取り逃してしまう。病院で診断した結果、彼の余命は3ヶ月だった。
身辺整理をしろと医者に言われたイーサンは、パリに向かい、妻のクリスティン(コニー・ニールセン)に、娘と過ごしたいと告げる。クリスティンは、イーサンが危険な仕事を辞めることを条件にする。
家族を顧みてこなかったイーサンに、娘のゾーイ(ヘイリー・スタインフェルド)は冷たかった。イーサンは、イーサンは娘に自転車をプレゼントするが、ゾーイはしらけた表情をする。イーサンは、CIAのビビ(アンバー・ハード)から、延命効果のある注射を報酬に、アルビノのボス、ウルフ(リチャード・サメル)の追跡を依頼される。
ゾーイは、父親に内緒でナイトクラブのパーティに出かける。イーサンが店に向かうと、ゾーイは若い男たちに襲われそうになっていた。イーサンは男たちを殴り倒してゾーイを救い出す。ゾーイはイーサンに、自転車に乗れないことを告白。父親に教えてもらう機会がなかったからだ。イーサンはゾーイに自転車の乗り方を教え、親子の溝は埋まっていく。
イーサンは、ダンスが踊れないというゾーイにダンスを教える。帰宅したクリスティンがそれを見て涙ぐむ。三人の家族の絆がもどった瞬間だった。イーサンとクリスティンはベッドをともにする。しかし、クリスティンは、イーサンが仕事のためにまた家を出て行くことが不安だった。イーサンに電話が入る。アルビノが現れたのだ。イーサンは、僕はもう消えないとクリスティンに優しくささやく。
イーサンは、車で移動するウルフを追い、カーチェイスの末、ウルフを地下鉄駅まで追い詰めるが、そこで持病が悪化。ホームに倒れ込んだイーサンを、アルビノがホームの端まで引きずり出して電車で頭を潰そうとするが、イーサンはギリギリでかわしてアルビノを線路に転落させて殺す。しかし、ウルフには逃げられてしまう。
イーサンは家族でゾーイのプロムに向かう。そこで、ゾーイの恋人、ヒュー(ジョナス・ブロケット)に挨拶。ヒューの父親が仕事のパートナーをイーサンに紹介。なんとそれはウルフだった。緊張の走る中、何食わぬ顔で二人は握手を交わす。
パーティのさなか、ウルフは手下にイーサンの殺害を指示。激しい銃撃戦となるが、イーサンはエレベータに逃げ込んだウルフを、エレベータごと落下させる。最下階でウルフを発見したイーサンだったが、またも病状が悪化する。ウルフはイーサンの拳銃を奪い取ろうとするが、そこにビビが現れ、イーサンにウルフにとどめを刺させようとする。しかし、イーサンは妻との約束だと言って殺害を拒否。ビビがウルフを射殺する。
イーサンは家族とクリスマスを過ごす。ビビはイーサンに延命用の注射をプレゼント。遠くからイーサン一家を見守るのだった。

序盤のセルビアのホテルでの銃撃シーンや、自転車を使って会計係を拉致するシーンなんかはよくできていたし、不法滞在している黒人一家が子供を出産してイーサンの名をつけたりする、いいシーンもあったのだが、全体的には脚本は結構ずさんで、コメディなのかヒューマンドラマなのか、よく分からない展開だった。
まず、ビビが、自ら手を下せばいいじゃん的な感じでイーサンを助けすぎ。RPGでよく、長いダンジョンを抜けたりボス戦が終わるとムービーシーンに入ることがあり、そこに登場するNPC(プレーヤーが操作しないストーリー上のキャラ)が主人公に「大丈夫か」とか「こんなところに宝が隠されていたのね」的なことを言ってくることがあるが、「こっちはトラップやら雑魚敵やらさんざんくぐり抜けてやっとたどり着いたのに、お前はなにをあっさり追いついてんだよ」と言いたくなることがある。あれに近い。敵を追い詰めたら病状が悪化するというのもお約束すぎるし、イーサンを襲った暗殺者がイーサンの家族の写真を持っていたのに、特に家族が襲われることもない。イーサンがウルフに近づく間際で、死んだふりをする理由がよく分からないし、さんざんウルフの手下を撃ち殺しておいて、ボスになって急に妻との約束で殺せないじゃないだろうという気もした。
また、プロムでの銃撃戦のさなか、ゾーイはヒューと二人きりで部屋の中で口づけをしていて戦闘に気づかないのだが、だからなんなんだ、というのもよく分からない。黒人家族がイーサンの家に住み着くようになるのも、本編とからむことはないので、いらないっちゃいらない。
それでも、あまり難しいことを考えずに見ていれば、強いイーサンはかっこいいし、ゾーイは日本人好みのかわいらしい顔をしているし、仰向けで倒れているイーサンを、ミニスカートでまたいで仁王立ちするビビにも萌える。イタリア人にスパゲッティソースの作り方を聞くところも楽しい。娘を救い出すシーンは、ほぼ「ボディガード」だった。というわけで、娯楽作としては評価4をつけた。

【5段階評価】4

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2017年7月16日 (日)

(1545) ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

【監督】ジェームズ・ガン
【出演】クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイブ・バウティスタ、ブラッドリー・クーパー、ビン・ディーゼル
【制作】2014年、アメリカ

マーベル・コミック、「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」の実写映画化作品。

幼い頃に母親を病気で亡くしたピーター・クイル(クリス・プラット)は、ラベジャーズという宇宙盗賊団に捕らえられ、トレジャーハンターとして成長。彼は報酬目当てでオーブを手に入れるが、凄腕の女暗殺者、ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)にオーブを狙われ、遺伝子操作されたアライグマの賞金稼ぎロケット(ブラッドリー・クーパー)と、その相棒の樹木ヒューマノイド、グルート(ビン・ディーゼル)にも追われ、大乱闘の末、逮捕される。4人は収監され、そこでドラックス(デイブ・バウティスタ)という屈強な男と出会う。彼はガモーラのボス、ロナン(リー・ペイス)に妻と娘を殺されており、ロナンへの復讐を誓っていた。ガモーラがロナンを裏切ろうとしていることを知らされたドラックスは、クイルたちと監獄を脱走する。5人は情報を求めて辺境の星、ノーウェアに向かう。彼らはオーブの中に、銀河を破壊するほどの力を持つインフィニティ・ストーンが仕込まれていることを知る。その場にいた使用人が、それを奪い取ろうとしたたため、大爆発が起き、そこに、酔ったドラックスの呼びつけたロナンが現れる。
ロナンの一味とクイルたちの間で激しい戦闘が始まり、ガモーラは乗っていた戦闘機を破壊され、宇宙空間に放り出されてしまう。クイルは命がけでガモーラを救う。5人はロナンと最後の戦いに挑み、見事に勝利する。

登場人物の関係がけっこう複雑。はまれば楽しいのかもしれないが、アメコミらしくスカッと楽しみたいと思ってみていると、誰と誰が敵対していて、何が目的で戦っているのか、なんだかよく分からなくなる作品だった。他のアメコミヒーロー作品と違って、ヒーロー側が何人もいて、しかもこれがヒーロー戦隊ものみたいに一致団結しているわけでもなく、もともと敵と味方だったりしているので、設定次第では面白くなるのだろうが、本作は、この設定を消化しきれていないと思った。

【5段階評価】3

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2017年7月15日 (土)

(1544) ひつじのショーン ~バック・トゥ・ザ・ホーム~

【監督】マーク・バートン、リチャード・スターザック
【出演】ジャスティン・フレッチャー(声)、ジョン・スパークス(声)
【制作】2015年、イギリス、フランス

ストップ・モーション・アニメ、「ひつじのショーン」の映画化作品。記憶を失った牧場主を探す羊たちの大冒険。

ひつじのショーン(ジャスティン・フレッチャー)たちは、牧場主(ジョン・スパークス)の目を盗んで遊ぶことを計画。牧場主に自分たちを数えさせ、寝かせると、キャンピングカーに彼を運び込む。ところが、ストッパーが外れ、キャンピングカーは坂を下って暴走。町中で車は倒れ、牧場主は記憶喪失になってしまう。ショーンたちは町に出て牧場主を探す。牧場主は記憶を失っていたが、羊の毛を刈る腕前から、カリスマ美容師になっていた。動物駆除係の追撃を逃れながら、ショーンたちは牧場主に再会。はじめは記憶を失っていたが、記憶を取り戻し、牧場に帰るのだった。

羊たちも人間も、言葉は話せない割に字が読める。字幕だけで楽しめるということではあるが、微妙な世界観。口が鼻の下ではなく、横に広がるのも奇妙な感じだった。
めちゃくちゃ感動するわけでもなく、めちゃくちゃ笑えるわけでもなかった。相変わらず、外国の映画はゲップを笑いのネタにするんだな、と再確認した。

【5段階評価】3

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2017年7月14日 (金)

(1543) ANNIE/アニー

【監督】ウィル・グラック
【出演】クヮベンジャネ・ウォレス、ジェイミー・フォックス、キャメロン・ディアス、ローズ・バーン
【制作】2014年、アメリカ

ミュージカル「アニー」の実写映画化作品。親を探している少女と、富豪の市長選立候補者とのふれあいを描いたコメディ・ミュージカル。

歌が大好きな少女、アニー(クヮベンジャネ・ウォレス)は、年増の女性、コリーン・ハニガン(キャメロン・ディアス)の家で4人の少女とともに暮らしていた。彼女は、自分が両親に置いて行かれたレストランで、けなげに親の帰りを待っていた。
ある日、車に轢かれそうになったアニーを、市長選立候補者のウィル・スタックス(ジェイミー・フォックス)が助け上げる。彼は支持率の低さに悩んでいたが、アニーを助けた動画が出回って人気が上昇。彼の選挙スタッフのガイ(ボビー・カナベイル)は、ウィルにアニーと暮らすことを勧める。支持率目当てでアニーと暮らし始めるウィルだったが、次第にアニーへの愛情に目覚めていく。ガイは、アニーが両親と再会すればウィルの当選は間違いないと考え、ハニガンと共謀して偽物の親を仕立て、アニーに会わせる。
偽の両親は、ウィルの元からアニーを連れ去るが、自分の行為の過ちに気づいたハニガンが、ウィルに両親は偽物だと証言。ウィルは秘密にしていた自社の携帯電話の通信傍受機能を使ってアニーを探し出すと、マスコミの前で立候補取り下げを宣言。アニーの正式な里親となり、字の読めなかったアニーのような子を減らせるよう、識字センターを設立する。

後半から出てくるジェイミー・フォックスの歌声が印象的で、一気に引き込まれた。アニーが終始、けなげで明るい。学校で馬鹿にされたり、大金持ちの家に住むようになったことで友達から妬まれたり、といった暗い描写がなく、最後までニコニコと楽しめた。

【5段階評価】4

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2017年7月13日 (木)

(1542) スネーキーモンキー 蛇拳

【監督】ユエン・ウーピン
【出演】ジャッキー・チェン、ユエン・シャオティエン、ウォン・チェンリー
【制作】1978年、香港

蛇拳を伝授された若者の活躍を描いた作品。

蛇拳の絶滅をもくろむ鷹爪派の拳法家(ウォン・チェンリー)は、蛇拳の使い手(フォン・ハックオン)を倒す。拳法家は隠遁生活をしている最後の使い手を探る。
カンフー道場の小間使いとして働いているチェンフー(ジャッキー・チェン)は、カンフーに憧れる青年。師範の留守中に偉そうにしている師範代(ディーン・セキ)にやられ役を命じられ、不憫な生活をしていた。チェンフーが道を歩いていると、一人の老人(ユエン・シャオティエン)が隣の道場の人間に攻撃されているのを目撃。彼こそは蛇拳の最後の使い手、パイ・チャンティエンだった。そんなことは知らないチェンフーはパイを「おじいちゃん」と呼び、自分の暮らす納屋にパイを招く。パイは鷹爪派の一派に襲われ、胸を刺されてけがをする。チェンフーはパイを看病。チェンフーの優しさを知ったパイは、彼に蛇拳を伝授する。チェンフーは厳しい稽古で力をつけていく。
パイが町を出ているさなか、チェンフーの暮らす道場に、隣の道場の拳法家がやってくる。彼はチェンフーの道場の師範代らをコテンパンにしたため、生徒たちはみな、隣の道場に移ってしまう。そこに帰ってきた師匠は、チェンフーに訳を聞くと、隣の道場に向かうが、殴り込みをかけてきた拳法家に歯が立たない。そこでチェンフーは、パイの与えた禁を破り、蛇拳で相手を倒し、それを道場の外から中を見ていた鷹爪派の師範に、蛇拳を使っていることを気づかれてしまう。師範はチェンフーをだましてパイに会おうとする。チェンフーは、その師範と手合わせをするが、全く勝てない。道場に帰ったチェンフーは、猫が蛇をやっつける様子を見て、自分の拳法に猫の動きを取り入れる。
パイはしばらくして帰ってくる。それを鷹爪派の師匠が迎え撃つ。二人は互角の戦いを見せるが、次第にパイが劣勢になる。そこに猫の動きを取り入れた新しい蛇拳を身につけたチェンフーが現れ、相手の師匠を倒す。チェンフーとパイは楽しそうに勝負の場を後にするのだった。

師匠を悪者に倒された弟子が、厳しい修行の末、悪者を倒すという、カンフー映画の定番から外れ、本作では師匠は死なないし、掟を破ったことで犠牲者が出るわけでもない。コメディタッチの展開で、のちのジャッキー・チェン主演映画の原点とも言えるような作品。
コメディタッチとは言え、ただの馬鹿騒ぎだけの内容ではなく、中身は濃い。カンフーに憧れる青年を見下して殴られ役を命じる師範代を、修行の末、いいようにあしらうところは見ていて痛快だし、パイが自ら手を下さずにチェンフーを操って隣の道場の人間を倒すシーンも楽しい。道場にいるスパイが茶に毒を盛って、それをチェンフーとパイが何も疑いもせずに飲み、観客はハラハラするが、パイは熱いお茶が嫌いという序盤の伏線がここで回収され、チェンフーがお茶を冷たいお茶にすり替えていたということが最後に明かされるのも、ちょっとしたどんでん返し。古い作品だがわかりやすくてよくできていた。

【5段階評価】4

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2017年7月12日 (水)

(1541) 蛇にピアス

【監督】蜷川幸雄
【出演】吉高由里子、高良健吾、ARATA、あびる優、藤原竜也
【制作】2008年、日本

金原ひとみの芥川賞受賞小説の映画化作品。吉高由里子の体当たり演技が話題となった。

渋谷の怪しげなバーに一人で入った少女、ルイ(吉高由里子)は、舌先を二つに割った男、アマ(高良健吾)と知り合い、同棲を始める。退屈な日々に飽いていたルイは、自分もスプリットタンを目指すことにし、アマの紹介でシバ(ARATA)の店に行く。その場で舌にピアスを通したルイは、入れ墨にも興味を示す。
アマは赤髪で見た目は顔中ピアスだらけのパンク風だが、少年のような性格。ルイはアマを友人のマキ(あびる優)に紹介する。3人は飲んだ帰りに、二人の柄の悪い男に絡まれる。二人はルイとマキに近づき、一人(藤原竜也)はアマを蹴飛ばす。アマは猛烈に反撃し、殴り倒された一人(小栗旬)は逃走。倒れ込んだもう一人にアマは激しい凶暴性を発揮して殴りかかると、口の中から歯を抜き取って走り去る。アマは血まみれの2本の歯を、「愛の証」と言ってルイに手渡す。
ルイは、バイト中のアマに内緒でシバの家に行き、キリンと竜の入れ墨を彫ってもらうことにする。料金を聞くルイに、シバは「エッチ1回」と言い、ルイはあっさりと受け入れる。サディストのシバはルイの首を絞め、苦しむ姿に興奮しながらルイと交わる。
ルイが、アマの寝ている暗い部屋の中、テレビを見ていると、アマが暴行を働いた事件のニュースを見る。アマが殴り倒した男は頭蓋骨陥没で死亡していた。ルイは慌ててコンビニに行き、アマの髪を茶色に染め直す。
やがてルイの入れ墨は完成するが、目標を失ったルイは酒に溺れるようになる。優しいアマにルイはつらく当たり、シバとの浮気を続けていた。シバはルイに結婚を持ちかけるようになる。
そんなある日、アマが朝になっても家に帰ってこなかった。ルイは動揺し、捜索願を出そうとして派出所に向かうが、警官に失踪者の名前を聞かれ、何も言えずに立ち去る。ルイはアマの本名を知らなかった。ルイはシバに泣きつき、二人で警察に向かい、捜索願を出す。
ルイはシバとともにアマの家に帰る。自暴自棄になるルイをシバがなだめていると、シバの携帯がなる。アマとおぼしき死体が見つかったという警察からの連絡だった。アマは手足の爪を全て剥がされ、たばこを押しつけられたやけどが無数にあり、陰部には線香が挿入されていた。ルイはアマの葬式に向かい、彼が自分の年下であることを初めて知る。ルイはシバと暮らすようになるが、シバに首を絞められてもルイは苦しい表情を見せなくなり、シバとの性交はなくなる。
警察はルイに捜査の状況を伝える。押しつけられたたばこはマルボロのメンソール、陰部に差し込まれた線香はアメリカ製のエクスタシーのムスクのアロマだったという。それらはいずれもシバが愛用しているものだった。刑事(市川亀治郎)はルイに、アマに同性愛趣味がなかったかを訪ねる。ルイは否定してシバの店に戻り、シバの使っていたアロマをココナッツに無理矢理変え、シバとの暮らしを続ける。ルイはアマにもらった歯を粉々に砕いてビールで飲み込む。スプリットタンは完成せず、舌には大きな穴が空いただけだった。ルイは渋谷の町をさまよいながら、ふと絶えきれなくなったように交差点でしゃがみ込むのだった。

なんと言っても吉高由里子のヌードが衝撃的。日本で、人気若手女優がヌードを披露することはほぼ皆無。蜷川監督に裸を見せて主役を射止めたというエピソードもあり、彼女の役者魂がうかがわれる。しかもヌードシーンは1回だけではなく、映画の冒頭から終盤まで何度も登場。顔も体も本当にきれいで、思わず見とれてしまうほど。この若い女性が舌に穴を空けたり背中に入れ墨をしたりするので、観る者への衝撃も大きくなる。彼女の体当たり演技も含めて、蜷川監督の力量が発揮された一作だ。

【5段階評価】4

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2017年7月11日 (火)

(1540) のんちゃんのり弁

【監督】緒方明
【出演】小西真奈美、岡田義徳、村上淳、倍賞美津子、岸部一徳、佐々木りお
【制作】2009年、日本

入江喜和原作漫画の映画化作品。弁当屋を目指す31歳子持ち女性の生き様を描く。

永井小巻(小西真奈美)は、夫の範明(岡田義徳)がだらしなく寝ている朝、弁当を作り、一人娘の乃里子(佐々木りお)を連れて家を出る。向かう先はいつもの幼稚園ではなく、母親の原フミヨ(倍賞美津子)のいる実家だった。道楽亭主に愛想が尽き、離婚を決意したのだ。
小巻は生活費を稼ごうと仕事を探すが簡単には見つからない。中学の同級生で淡い恋心を抱いていた川口健夫(村上淳)と再会した小巻は、実家の写真館で働いている彼の仕事に同行し、「ととや」という店に入る。そこは戸谷長次(岸部一徳)が一人で切り盛りする小料理屋だった。小巻はそこで振る舞われた鯖の味噌煮に感激し、突然、弟子入りを志願。しかし戸谷はそれをやんわりと拒否する。小巻は鯖の味噌煮を研究し、つくった味噌煮を幼稚園の先生や健夫の店に配るうち、弁当屋を行うことを思いつく。
小巻との離婚を認めようとしない範明は、幼稚園から乃里子を連れ出し、「ととや」に向かう。そうとは知らない幼稚園では誘拐騒ぎとなり、小巻は健夫と必死に乃里子を探す。戸谷から店に範明と乃里子がいると知らされた小巻は、店に駆け込み、範明と殴り合いのけんかをする。
警察のお世話になった小巻は、範明、健夫とともにフミヨの家に帰る。そこには戸谷もおり、小巻は改めて戸谷の店を借りて弁当屋を開きたいと申し込む。それは、店をたたんだ写真館の跡地で一緒に弁当屋を開こうと小巻に告げた健夫への、別れの宣告でもあった。戸谷は小巻の手をさわり、「子供の手だ。この手を大人の手にすること。それが条件」と告げ、弁当屋のオープンを認める。
乃里子は幼稚園を卒園。小巻は弁当屋の初日の準備を始める。フミヨはととやを訪れ、一生懸命準備をしている小巻の姿を認めると、何も言わず、彼女のために弁当を置いていく。料理の苦手なフミヨの不器用な弁当に、小巻は苦笑い。準備した弁当の仕上げとなるのりを手で刻みながら、小巻は静かに嗚咽する。
朝を迎え、乃里子は元気に登校。後ろ姿を見送る小巻に、さっそく最初のお客が声をかけるのだった。

不器用ながら真剣に生きようとする小巻を小西真奈美が好演。脇役もしっかりしていて、しっかりとストーリーに没頭できた。ととやの料理や小巻ののり弁が美味しそうで、レシピの情報も作品のいいアクセントになっていた。

【5段階評価】4

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2017年7月10日 (月)

(1539) イン・ハー・シューズ

【監督】カーティス・ハンソン
【出演】キャメロン・ディアス、トニ・コレット、シャーリー・マクレーン、マーク・フォイアスタイン
【制作】2005年、アメリカ

対照的な性格の姉妹の関係を描いた作品。

美人でスタイルのいい妹のマギー(キャメロン・ディアス)と見た目に自信のない弁護士の姉のローズ(トニ・コレット)は、性格の対照的な姉妹。マギーはだらしのない性格で、仕事に就かず、ローズを訪ねて家に来たローズの男友達、ジム(リチャード・バージ)と寝てしまう。
怒ったローズはマギーを家から追い出し、マギーはフロリダに住む祖母のエラ(シャーリー・マクレーン)と暮らすことになる。エラはマギーに高齢者施設で働くことを勧める。マギーは盲目の元教授の老人に本を読み聞かせる。難読症のマギーだったが、老人に君は頭がいいと褒められ、生き生きとしてくる。
一方のローズは新しい恋人のサイモン(マーク・フォイアスタイン)と付き合い始め、婚約するが、サイモンは、どこか自分を正直に見せないローズにいらだちを感じ、このままでは結婚できないとローズに告げる。
エラは、マギーがローズに謝罪の手紙を書こうとしていることを知り、エラ自身がローズを招待。ローズとマギーは次第にわだかまりを溶かしていく。
施設のパーティの日。会場にサイモンが現れる。マギーが呼んだのだった。ローズは、自分は妹を憎んでいるが、彼女がいるから自分は自分でいられるんだ、と正直な気持ちをサイモンに明かす。サイモンはそんな彼女を優しく抱き寄せる。
ローズとサイモンは結婚し、マギーはそこで、難読症を克服して立派に詩を朗読してみせる。ローズとサイモンが車で会場を去り、マギーは吹っ切れたような表情で、まだ興奮の覚めやらぬパーティの輪の中に入っていくのだった。

登場人物のそれぞれが抱えている劣等感や負い目を少しずつ乗り越えていく姿がすがすがしい。盲目の老人から「A+だ」と褒められて喜ぶマギーの顔はとても印象的だった。また、老人が自分の孫にマギーの話をしていたことが明らかになるシーンにもホロリときた。

【5段階評価】3

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2017年7月 6日 (木)

(1538) かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート

【監督】ウィルソン・イップ
【出演】ドニー・イェン、ニコラス・ツェー、ショーン・ユー、ドン・ジェ、リー・シャオラン
【制作】2006年、香港、中国

ドニー・イェン主演のアクション・カンフー映画。

幼い頃に離ればなれとなった兄弟、ドラゴン・ウォン(ドニー・イェン)とタイガー・ウォン(ニコラス・ツェー)。ドラゴンはマフィアのマー・カン(チェン・クワンタイ)の用心棒をしていたが、マー・カンはライバル組織のボス、シブミ(ユー・カン)の送り込んだ刺客に殺されてしまう。ドラゴンはマー・カンの娘、シャリオン(ドン・ジェ)を救うが、深い傷を負ってしまう。
タイガーは、ヌンチャク使いの若者、ターボ・セック(ショーン・ユー)と、ウォン・ホンロン(ユン・ワー)の道場、竜虎門で修行。しかし、道場破りに来たシブミには歯が立たず、師匠のウォン・ホンロンがシブミに殺されてしまう。シャリオンは傷ついたタイガーとターボを治療できるという寺院に二人を運び、二人はそれぞれ必殺技を手に入れる。
寺院を出た二人はシブミの居城に向かい、シブミ相手に善戦するがかなわない。そこに、恋人のローザ(リー・シャオラン)から力を授かったドラゴンが現れ、シブミを倒す。
ドラゴン、タイガー、ターボの3人は、師匠の遺志を継ぎ、竜虎門を守ることを決意するのだった。

カンフー・アクションと、遺志の壁や階段が砕け散る特殊効果を混ぜた派手な演出が独特だが、生身のアクションが好きな人には今ひとつ。つまり自分は今ひとつだった。ニコラス・ツェーの足技はかなりのもので見応えがあったが、床に穴開けたりするウソ演出はしないで、きちんと見せてほしかった。それでもドニー・イェンの武術のすごさは観ていて感動的なので、大したものだ。しかし、若作りのロンゲはちょっと見苦しかった。普通でいいのに。
竜虎門の師匠を演じたユン・ワーは、「サイクロンZ」で卑怯な足技を使って主人公を翻弄する敵のボス、ファーを演じた俳優。

【5段階評価】3

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2017年7月 5日 (水)

(1537) ワイルド・スピード SKY MISSION

【監督】ジェームズ・ワン
【出演】ビン・ディーゼル、ジェイソン・ステイサム、ジョーダナ・ブリュースター
【制作】2015年、アメリカ

ワイルド・スピード」シリーズ第7作。「ワイルド・スピード EURO MISSION」の続編。

かつて(前作で)ドミニク(ビン・ディーゼル)の敵だったオーウェン・ショウ(ルーク・エバンズ)の兄、デッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)が、ドミニクの復讐を開始。ドミニクの仲間、ルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)に大けがを負わせ、東京にいたハン(サン・カン)を殺害し、ドミニクの家に爆弾を送り込む。
ドミニクはデッカードを迎え撃つことを決意。デッカードを追うミスター・ノーバディ(カート・ラッセル)と協力し、強力な監視システム、「ゴッド・アイ」の開発者、ラムジー(ナタリー・エマニュエル)を、モーゼ・シャカンディ(ジャイモン・フンスー)一味から救出。
ラムジーは、「ゴッド・アイ」を使ってデッカードの居場所を突き止める。ミスター・ノーバディとドミニク、ブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)らが現地に向かうが、デッカードはシャカンディ一味を味方につけて迎撃。逆に「ゴッド・アイ」を奪われてしまう。
ドミニクらは、ラムジーにハッキングさせて「ゴッド・アイ」を奪う作戦を計画。シャカンディ、デッカードたちがドミニクの住む町に現れる。ドミニクたちはラムジーを次々と別の車に乗せ替えながらシャカンディ一味の監視の目をくぐり、ハッキングを継続。ついにハッキングに成功し、「ゴッド・アイ」を奪還。ドミニクとデッカードは一騎打ちとなるが、決着は付かず、デッカードは崩れ落ちた立体駐車場の下敷きとなり、ドミニクは駐車場の崩落からなんとか逃れるものの、呼吸停止状態になる。記憶を失っていたドミニクの恋人、レティ(ミシェル・ロドリゲス)が、ドミニクを抱えて記憶を取り戻したことを告げると、ドミニクが息を吹き返す。
ブライアンは妻のミア(ジョーダナ・ブリュースター)との再会を喜ぶ。海岸で仲間たちがくつろぐ中、ドミニクはそこを立ち去るのだった。

前作は大味な作品だったが、本作はアクションシーンに迫力があり、登場人物も豪華で面白かった。世界一かっこいいハゲ、ジェイソン・ステイサムをはじめ、多くのスキンヘッド俳優が登場。カーチェイスシーンだけでなく、格闘シーンも見応えがあった。

【5段階評価】4

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2017年7月 4日 (火)

(1536) ジャージの二人

【監督】中村義洋
【出演】堺雅人、鮎川誠、水野美紀、大楠道代、田中あさみ、ダンカン
【制作】2008年、日本

長嶋有の小説の映画化作品。不器用な親子二人の生き方を描いた作品。

妻(水野美紀)との関係がぎくしゃくしている失職中の32歳の男(堺雅人)が主人公。彼は東京都の気温が35度近くまで上がる真夏に、54歳の父親(鮎川誠)ともに山奥の別荘に向かう。携帯も通じない山奥。二人は別荘に置かれている地元の小学校のデザインのジャージに着替え、東京より涼しい生活を営みながら、息子は浮気をしている妻を、父親は仕事のことを考え、悶々とする。
二年目の夏。二人は再び別荘に向かう。今度は妻も一緒だった。妻はレタス畑のあぜ道で夫の腕を掴むが、男は振り払う。妻が別れたと嘘をついて交際を続けていたことを吹っ切れないでいたのだ。やがて妻は東京に帰っていく。
しばらくして、父親の娘、花ちゃんが別荘に来る。花ちゃんはビデオが見たいと言って、近所の遠山さん(大楠道代)の家からデッキを借りる。ところがピアノの先生が亡くなったという知らせが来て、翌日、父親と東京に戻る。息子は一人でジャージ生活を始める。遠山さんに「かのうしょう」と言われていたのが、犬の鼻の「化膿症」ではなく、ジャージの「和小」の読み方だったことを知り、父親にメールで知らせるのだった。

落ちのない作品は好きではないので、評価は低くなった。「かのうしょう」のくだりも、はじめから「和小」のことだと思って観ていたので、どんでん返し感はなかった。携帯が通じるレタス畑の場所のことを、男は妻に告げない。妻が浮気相手からの連絡を気にする様子を見たくないからだ。そんな機微をにじませるシーンがあったりはするが、登場人物がどうなったのかはすっきりしないし、主人公がどういう答えにたどり着いたのかもよく分からなかった。
中村義洋監督作品では、「アヒルと鴨のコインロッカー」や「予告犯」はとても面白かったが、逆に「ポテチ」や「ゴールデン・スランバー」は今ひとつだった。どれも原作は魅力的なので、けっこう当たり外れのある監督なのかもしれない。

【5段階評価】2

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2017年7月 3日 (月)

(1535) トレーニング デイ

【監督】アントワーン・フークア
【出演】イーサン・ホーク、デンゼル・ワシントン、エバ・メンデス
【制作】2001年、アメリカ

麻薬捜査官となった白人刑事が、相棒の黒人刑事とともに過ごす訓練日を描いた作品。

美しい妻(シャーロット・アヤナ)と幼い子を持つ刑事のジェイク・ホイト(イーサン・ホーク)は、麻薬捜査官としての初日、相棒となるベテラン刑事のアロンゾ・ハリス(デンゼル・ワシントン)と待ち合わせる。アロンゾは、麻薬の取引現場で若者を捕らえ、質の悪い麻薬を押収すると、ジェイクに無理矢理吸わせる。意識が混濁したジェイクは、アロンゾの知り合いで元収監者のロジャー(スコット・グレン)と面会させる。車での移動中、女性が暴行されているところを見かけたジェイクは、車から飛び降りて犯人を殴り倒す。襲われていたのは女子高生(サマンサ・エステバン)で、自分のいとこはギャングだ、と襲ってきた男二人に悪態をつく。アロンゾは男二人を逮捕せず、走り去る。ジェイクは女子高生が落とした財布に気づき、ポケットにしまう。
アロンゾは、凶悪な麻薬犯は狼であり、善良な市民である羊を守るためには、自らが狼になる必要があるんだ、とジェイクに話す。二人は車椅子に乗ったヤクの売人を取り押さえ、ボスの情報を聞きつけると、偽の捜査令状でその家を捜索。アロンゾはなんと、その家から現金を盗み取っていた。気づいた住人はこいつらを撃ってと騒ぎ立て、近くにいた男たちがアロンゾの車に発砲、アロンゾは車から降りて銃で応戦し、そのまま走り去る。
アロンゾを責めるジェイクに対し、アロンゾは、狼になれないのだったら降りろと告げる。ジェイクは仕方なくアロンゾと行動を共にする。
アロンゾはストリートギャングのはびこる地区に車を止める。そこにはアロンゾの愛人の家があった。近隣の住人は、アロンゾに感謝の意を伝えつつも、裏では悪態をついていた。
愛人の家でいつの間にかまどろんでいたジェイクをアロンゾは起こし、とあるレストランに向かう。アロンゾはラスベガスでいざこざを起こし、大物のロシア人マフィアを射殺していた。彼は復讐を逃れるために金での解決をもくろんでいたのだった。アロンゾは賄賂を使って逮捕状を入手し、仲間の刑事を集めてロジャーの家に乗り込む。ロジャーが自宅の地下に隠し持っていた400万ドルを入手する。アロンゾはそのうちの100万ドルを仲間と分け合おうとするがジェイクは拒否。アロンゾは預かっておくとジェイクに告げると、ロジャーのほうに向かう。アロンゾはジェイクを呼んで横に座らせると、散弾銃を渡してロジャーを撃ち殺せと命じる。ジェイクが拒否すると、アロンゾは散弾銃を取り上げ、ロジャーを撃ち殺してしまう。ジェイクはとっさに散弾銃を取り上げ、アロンゾに突きつけるが、アロンゾは、仲間はみんなジェイクが撃ったと証言するし、調べれば麻薬を吸っていたことも分かるぞ、とジェイクを脅す。ジェイクは怒りが収まらないながらも、従うしかなかった。
夜になり、アロンゾは、服役中の犯罪者の家に施しに行くと言って、ジェイクをとある家に連れて行く。そこは柄の悪い連中の巣窟になっていた。アロンゾはジェイクを連れて、その家に電化製品と金を渡し、用を足しに行く。ジェイクは家の中にいた男たちにポーカーをやろうと持ちかけられる。気づいたときにはアロンゾは車ごといなくなっていた。アロンゾはロシア人に金を支払うため、邪魔になったジェイクを置き去りにしたのだった。ジェイクは家から出ようとするが、男たちに襲われ、バスタブに連れ込まれる。男の一人がジェイクのポケットをあさると、昼間、襲われた女子高生の財布が出てくる。女子高生の言うギャングのいとことは、この家の男のことだった。男は女子高生に電話し、ジェイクが女子高生を救ったことを知ると、ジェイクを解放する。
ジェイクはアロンゾの愛人の家に向かい、金を持ち去ろうとしているアロンゾを引き留めようとする。激しい乱闘の末、ついにジェイクはアロンゾを這いつくばらせる。二人を大勢の住人が取り囲む。アロンゾは、こいつを撃ち殺せ、と住人に命じるが、誰も応じない。そのうちの一人がアロンゾの近くに拳銃を置き、自分でやれ、と告げる。アロンゾはジェイクに向かって、俺を撃てるはずがないと言いながら銃を拾おうとするが、ジェイクはアロンゾの尻を銃で撃つ。住人の一人が銃を拾い、ジェイクに立ち去るように告げる。アロンゾは悪態をつきながら、金を返せと叫ぶが、住人は誰一人、アロンゾの味方にはつかなかった。
仕方なく車を走らせるアロンゾが、交差点で信号待ちをし、走り出した瞬間、ロシア人マフィアの車に囲まれ、マシンガンで滅多撃ちにされる。血まみれで車から這い出すアロンゾだったが、再び激しく銃弾を浴び、死のダンスを踊って命を落とす。ジェイクは銃を手に持ったまま、車から降り、家に帰るのだった。

善良な役の多いデンゼル・ワシントンが、悪徳刑事を演じたことが話題となった。序盤は、もしかするとアロンゾはとても優秀な捜査官なのかもしれない、という可能性も感じさせ、どういうどんでん返しが待っているのかという期待があるのだが、彼の悪事はエスカレートする一方。愛人の家でジェイクに発砲することで、悪人ぶりがピークに達する。最後は住民にリンチに遭うのかと思いきや、ロシア人マフィアに囲まれ、敢えなく最期を迎える。悪徳刑事が無残な死を迎えることで、事件は一応の結末を迎えるのだが、若い刑事に深い傷を残す、後味の悪い結果に、観客としてもどよーんとなるのだった。
ちなみに、劇中でロジャーの語るカタツムリのジョークは、結局、最後まで意味が分からなかった。何だったんだろうか。

【5段階評価】4

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2017年7月 2日 (日)

(1534) 駆込み女と駆出し男

【監督】原田眞人
【出演】大泉洋、戸田恵梨香、満島ひかり、内山理名、樹木希林、堤真一、山崎努
【制作】2015年、日本

駆け込み寺に駆け込んだ女性と、医者と戯作者の見習いの男との関わりを描いた作品。

堀切屋三郎衛門(堤真一)の愛人、お吟(満島ひかり)は、三郎衛門のもとを立ち去り、縁切り寺の東慶寺を目指す。女房に鍛冶場を任せて遊びほうけ、暴力を働く亭主、重蔵(武田真治)の妻、じょご(戸田恵梨香)もまた、時を同じくして東慶寺に向かう。じょごの事情を尋ねることになった信次郎(大泉洋)は、顔にやけどを負っているじょごの治療をし、じょごもまた、信次郎の薬草の知識を身につけていく。さらに、極悪非道の田の中勘助(松岡哲永)に夫を殺され、強引に娶らされた戸賀崎ゆう(内山理名)も、夫への復讐のため、東慶寺に入る。
やがてお吟は喀血し、容態が悪化していく。彼女は愛する三郎衛門に惨めな姿を見せないために入山したのだった。信次郎は次第にじょごに惹かれるようになり、結婚を申し込む。
お吟は自分の看病を続けてくれるじょごに感謝し、山を下りる。信次郎はお吟の願いを聞き入れ、彼女が亡くなるまで、八犬伝を読んで聞かせる。
山を出ることになったじょごは、正式に重蔵から離縁状を受け取る。しかし、重蔵はまじめに働くようになっており、じょごに復縁を申し込む。焦った信次郎がじょごに長崎行きの話をすると、じょごは長崎には行かないと言う。じょごは、長崎に医者の修行に行くのではなく、すぐにでも開業し、戯作者も始めるため江戸に向かうことを勧め、それならお供すると言って信次郎に三つ指をつく。戸惑いながらじょごに近づく信次郎に、じょごは口づけをする。
一方、ゆうの離縁を承知しない勘助は、刀を振り回して東慶寺に乗り込む。じょごは長刀を持って勘助に挑み、見事に勘助を討つ。
信次郎とじょごは御用宿を旅立つ。じょごが信次郎を連れて行ったのは、世話になった曲亭馬琴(山崎努)の家だった。驚いて声も出ない信次郎に、馬琴は景気づけのように鈴を鳴らすのだった。

タイトルのコミカルさや大泉洋が主演ということで、コメディタッチの喜劇なのかと思っていたが、けっこうシリアスで、純愛ものでもあった。戸田恵梨香の愛らしいか弱さの中にも男勝りの芯の通った気性がすがすがしく、すがすがしい作品だった。

【5段階評価】4

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2017年7月 1日 (土)

(1533) アフター・アース

【監督】M・ナイト・シャマラン
【出演】ジェイデン・スミス、ウィル・スミス、ソフィー・オコネドー、ゾーイ・イザベラ・クラビッツ
【制作】2013年、アメリカ

不時着した惑星で生き延びるために奮闘する親子を描いた作品。

地球を壊滅させた人類は、新天地を求めて新たな惑星に到達。惑星の住民は地球の人類を排除するため、アーサという生物を送り込む。アーサは人類の恐怖の感情を察知する凶悪生物だった。
レンジャー候補生のキタイ・レイジ(ジェイデン・スミス)は、姉(ゾーイ・イザベラ・クラビッツ)をアーサに殺されたトラウマが原因でレンジャーになれずにいた。有能な将校の父親、サイファ(ウィル・スミス)は、恐怖の感情を出さない能力を持っていた。サイファは厳しい父親で、キタイにつらく当たるが、母親のファイア(ソフィー・オコネドー)はサイファの遠征地への赴任にあたり、キタイを連れて行くようサイファに頼み、サイファはキタイとともに宇宙船に乗り込む。
ところが、宇宙船は小惑星の嵐に見舞われ、コースを外れて不時着。キタイは無事だったが、サイファは大腿骨を折る重傷を負い、生き残ったのは二人だけだった。
救難信号を発信するためには、100km先に落下した宇宙船の後部に向かう必要があった。サイファはキタイを向かわせる。しかし、宇宙船の後部には、訓練用のアーサが積み込まれており、惑星には人類に攻撃的な進化を遂げた生物が生息していた。不時着した惑星は地球だったのだ。
キタイは、サイファとの無線通信を頼りに100kmの行程を進み始める。サルの集団に襲われたり、巨大なヒルの毒液で意識が混濁したりしながらも、旅を続けるキタイだったが、巨大な猛鳥に襲われ、通信装置が壊れてしまう。単独でなんとか宇宙船後部にたどり着いたキタイだったが、アーサがキタイを発見。遭難信号を送るため、高い山の頂に向かうキタイにアーサが襲いかかる。アーサに襲われ、絶体絶命のピンチに陥るキタイだったが、父親譲りの無の境地で恐怖を克服したキタイは襲いかかるアーサを倒し、遭難信号を送ることに成功する。
二人は無事に救出され、熱い抱擁を交わすのだった。

親馬鹿映画と言われても不思議はないのだが、本格的なSF作品で、普通に面白かった。酸素吸収の薬が切れ、通信が途絶え、急激な寒さに襲われ、どんどん絶望的な状況に陥っていく主人公が困難を乗り越えていく姿は見応えがあった。辛口な評価が多く、日本でもあまり話題になっていないのは残念。個人的には隠れた名作と推したい。

【5段階評価】4

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