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2017年6月

2017年6月30日 (金)

(1532) 大統領の陰謀

【監督】アラン・J・パクラ
【出演】ロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマン、ジェイソン・ロバーズ、ジャック・ウォーデン
【制作】1976年、アメリカ

ウォーターゲート事件を扱った二人の新聞記者の活躍を描いた作品。

1972年、民主党本部のあるウォーターゲートビルに不法侵入した5人が逮捕される。事件を担当したワシントン・ポスト社の新米記者、ウッドワード(ロバート・レッドフォード)は、犯人の目的が単なる窃盗ではないと考え、調査を続ける。先輩記者のバーンスタイン(ダスティン・ホフマン)も協力し、この不法侵入に、ニクソン大統領の再選委員会が関与していることを突き止める。はじめは二人の記事の掲載に慎重だった主幹のブラッドリー(ジェイソン・ロバーズ)も、彼らを応援。官邸はワシントン・ポスト社を激しく非難。ニクソン大統領再選の儀式がテレビで放送される中、ウッドワードとバーンスタインは黙々と記事を書き続ける。やがてニクソン大統領の関係者が次々と有罪となり、大統領は辞職に追い込まれたのだった。

被疑者側がほとんど映像に登場せず、記者たちの取材活動に焦点が当たっている。被疑者が有罪となることを伝えるのも、法廷や逮捕の場面のような派手な映像ではなく、タイプライターが文字を刻む映像で表現。全貌の見えない巨大な権力に立ち向かっているという印象を与える演出であるが、悪役と主人公が火花を散らして戦い合うような興奮はなく、もの静かな作品。
被疑者側の人物が名前だけで語られるため、事件の予備知識がないと、誰が誰なんだかよく分からないまま、エンディングを迎えることになる。

【5段階評価】2

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2017年6月29日 (木)

(1531) シンデレラ

【監督】ケネス・ブラナー
【出演】リリー・ジェームズ、リチャード・マッデン、ケイト・ブランシェット
【制作】2015年、アメリカ

名作童話、シンデレラを実写化したディズニー映画。

幼い頃に母親(ヘイリー・アトウェル)を亡くしたエラ(リリー・ジェームズ)は、心優しい父親(ベン・チャップリン)に育てられ、健やかに成長していた。父親はトレメイン夫人(ケイト・ブランシェット)と再婚。まもなく父親は渡航先で亡くなり、エラは、夫人と、その連れ子のアナスタシア(ホリデイ・グレインジャー)、ドリゼラ(ソフィー・マクシェラ)とともに暮らすことになる。しかし夫人と二人の姉は意地悪で、エラを灰かぶりのエラ、シンデレラと呼び、馬鹿にする。シンデレラは屋根裏部屋に追いやられ、家事の重労働を一人でやらされるようになる。
ある日、エラが馬で森を駆けていると、キット(リチャード・マッデン)と名乗る青年と出会う。彼はエラの住む国の王子だった。キットの結婚相手を選ぶパーティが開かれることとなり、シンデレラのことが忘れられないキットは、身分に関係なく、若い女性を招待するよう父親である国王(デレク・ジャコビ)に条件を出す。
トレメイン夫人は自分の娘二人を連れてパーティに出かける。母親のドレスを縫い直して自分のドレスを作ったシンデレラだったが、夫人に袖を破られてしまい、嘆き悲しむ。そこに魔法使いのフェアリー・ゴッドマザー(ヘレナ・ボナム=カーター)が現れ、カボチャの馬車とトカゲの侍従、アヒルの御者を魔法で作り出し、シンデレラには青いドレスとガラスの靴を与える。
シンデレラはお城に向かい、王子は最初のダンスにシンデレラを選ぶ。二人は楽しい時を過ごすが、12時になり、シンデレラは慌てて城を走り去る。王子は残されたガラスの靴を頼りにシンデレラを探し始める。トレメイン夫人は、シンデレラを屋根裏に幽閉してしまうが、王の家来がシンデレラの歌声を聞きつけてシンデレラを発見。家来の中に身分を隠して紛れ込んでいたキットがシンデレラにガラスの靴を履かせ、シンデレラの足はぴったりとガラスの靴に収まった。シンデレラと王子は結婚し、国は喜びに沸くのだった。

原作に忠実な作りなので、退屈するかと思いきや、シンデレラに魔法がかけられるシーンはなかなか感動的。意外にも最後まで楽しめた。リリー・ジェームズは平愛梨に雰囲気が似ていた。

【5段階評価】4

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2017年6月26日 (月)

(1530) シェーン

【監督】ジョージ・スティーブンス
【出演】アラン・ラッド、バン・ヘフリン、ジーン・アーサー、ブランドン・デ・ワイルド
【制作】1953年、アメリカ

開拓民一家とともに戦う流れ者のガンマンを描いた作品。ラストシーンの「Shane! Come back!」の台詞が有名。

開拓民のスターレット一家の前に、馬に乗った流れ者が現れる。男の名はシェーン(アラン・ラッド)。開拓民たちは、地元の大地主であるライカー(ジョン・ディークス)一味から、土地を捨てて出て行くよう嫌がらせを受けており、それを知ったシェーンは、スターレット一家に協力することを決める。スターレット一家の主人、ジョー(バン・ヘフリン)とシェーンは意気投合し、ジョーの息子、ジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)はシェーンに憧れの感情を抱く。
ジョーの依頼で町に向かったシェーンは、酒場でライカー一味に絡まれるが、反抗せずに町を出る。開拓者の一人がライカーの嫌がらせに耐えかねて立ち去ると宣言したため、ジョーたちは集会を開き、集団で町に買い出しに出かける。シェーンは再び酒場に足を向けると、今度は絡んできたライカー一味と大げんかを始める。大勢がシェーンに殴りかかるが、ジョーも加担し、けんかは五分と五分になる。ジョーイは大興奮し、ジョーの妻、マリアン(ジーン・アーサー)もシェーンに好感を持つようになる。
ライカーは殺し屋のウィルソン(ジャック・パランス)を雇い、実力行使に出始める。ウィルソンは、開拓者の中で好戦的なトーレー(エレン・コービー)にけんかを売り、銃を先に抜かせて早撃ちでトーレーを殺す。ライカーはジョーに和解の話し合いを持ちかけるがそれは罠だった。ジョーは半ば罠と知りつつも、その場に向かおうとする。シェーンのもとに、かつて殴り合いの決闘をしたライカー一味の男が現れ、自分はライカーと手を切ると言って、ジョーは罠にはまるとシェーンに忠告。シェーンは男と友情の握手を交わすと、ジョーを引き留める。ジョーとシェーンは殴り合いになる。シェーンはジョーを拳銃で殴って昏倒させ、ライカーの待つ酒場に向かう。ジョーイは夜の荒野を走ってシェーンの向かった酒場にたどり着く。
シェーンはウィルソンと決闘となり、ウィルソンが拳銃を抜く間もなく彼を倒すと、続けざまにライカーも倒す。上の階からシェーンを狙う男にジョーイが気づき、シェーンに大声で知らせ、シェーンは振り向きざまに男を倒すが、シェーンも銃弾を食らってしまう。
ジョーイは一緒に家に帰ろうとシェーンに頼むが、シェーンは人を殺したら元の道には戻れないと言って、ジョーイのもとを去る。ジョーイは「シェーン、カムバーーック! 」と叫ぶのだった。

普段は物静かで優しいが、けんかが強くて銃の達人。子供が憧れるヒーローそのままの主人公の活躍はすがすがしい。主人公はやられないというお定まりがあまりなく、酒場のけんかのシーンでは互いに殴ったり殴られたりと、主人公だけが超人的な活躍をするわけではないし、最後も二階から狙う男に撃たれてしまう。それでも屈しない強さがシェーンの魅力になっていた。
また、作品の中には、鹿や牛、豚、犬などの動物が数多く登場する。撮影の面では大変になるに違いないのだが、犬が歩き出すのを追うようにカメラがパンして別の人物を映し出すなど、退屈になりがちな映像にアクセントを持たせていた。
古い映画だが、テンポよく展開し、楽しめる作品。

【5段階評価】4

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2017年6月25日 (日)

(1529) ブルース・ブラザーズ2000

【監督】ジョン・ランディス
【出演】ダン・エイクロイド、ジョン・グッドマン、J・エバン・ボニファント、ジョー・モートン
【制作】1998年、アメリカ

ブルース・バンドの再結成のために奔走する男の物語。「ブルース・ブラザーズ」の続編。

刑務所から出てきたエルウッド(ダン・エイクロイド)は、兄のジェイクが死んでいると聞かされる。古い知り合いのカーティスにキャブ・チェンバレン(ジョー・モートン)という息子がいると知らされ、会いに行くが、彼は警察署長だった。エルウッドはバンドに誘うが警察署を追い出される。エルウッドはシスター(キャスリーン・フリーマン)に押しつけられた孤児のバスター(J・エバン・ボニファント)と、バーの従業員マイティ・マック(ジョン・グッドマン)とともにブルース・ブラザーズを再結成。仲間を増やしてバンドコンテストに出場。決勝では敗れるが、相手バンドとセッションをし、盛り上がるのだった。

話の展開は前作とさほど変わらない。「ターミネーター2」で凄絶な最期を迎えたスカイネット社の技術者、ダイソンを演じたジョー・モートンが警察署長役で出ており、終盤で前作のジェイク同様、天の啓示を受けてバンドメンバーとなる。前作はなかなかよかったと思ったのだが、本作はなんだか今ひとつ面白さを感じなかった。それまでハーモニカだけだったバスターが最後に子供ながらも軽快なシャウトで魅せるなど、見所もあったのだが、ジェイクを演じたジョン・ベルーシのとぼけた魅力がないのが、やはり物足りなかったのかもしれない。

【5段階評価】2

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2017年6月22日 (木)

(1528) 名探偵コナン 純黒の悪夢

【監督】静野孔文
【出演】高山みなみ(声)、山崎和佳奈(声)、天海祐希(声)、池田秀一(声)、古谷徹(声)
【制作】2016年、日本

劇場版「名探偵コナン」シリーズ第20作。

コナン(高山みなみ)たちは、記憶を失ったオッドアイの女性(天海祐希)を大観覧車近くのベンチで発見。彼女が、コナンと敵対する黒の組織の一員である可能性に、灰原哀(林原めぐみ)が気づく。彼女をFBIや黒の組織が追い、コナンたちはそれに巻き込まれる。オッドアイの女性は記憶を取り戻すが、自らを犠牲にして少年探偵団や毛利蘭(山崎和佳奈)らを助ける。

推理らしい推理もなく、非常につまらない作品だった。これが当時のシリーズ最高収入をたたき出したというのは、不思議でしょうがない。もはや名探偵コナンは、推理ものではなく、子供向けのアニメになってしまったということなのだろうけど、その割に登場人物の関係は複雑で、誰がどういう立場で戦っているのか、全く頭に入ってこなかった。原作をしっかり知っている人だけ楽しんでくださいということなんだろう。
遊んでいたオセロを女性がもとに戻すシーンの意味もよく分からず、推理ものにつきものの、謎解きの見せ場もなく、主要キャラが死ぬはずもないのでハラハラドキドキもしない展開だった。
唯一の見所は、FBIの赤井秀一(池田秀一)と安室透/降谷零(古谷徹)の二人が、機動戦士ガンダムのシャアとアムロと同じ声優なので、二人のやりとりがガンダムを彷彿とさせた、ということぐらいだった。

【5段階評価】2

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2017年6月21日 (水)

(1527) バッド・ガールズ

【監督】ジョナサン・カプラン
【出演】マデリーン・ストウ、アンディ・マクダウェル、ドリュー・バリモア、メアリー・スチュアート・マスターソン
【制作】1994年、アメリカ

4人の女性ガンマンの活躍を描いた西部劇。

売春宿を経営するコーディ(マデリーン・ストウ)は、娼婦に暴力をふるう大佐を撃ち殺し、縛り首を宣告される。そのコーディを救ったのが、アイリーン(アンディ・マクダウェル)、リリー(ドリュー・バリモア)、アニータ(メアリー・スチュアート・マスターソン)の3人。4人は、アニータの発案で製材所の経営をしようと考え、コーディはためていた1万2,000ドルを銀行から下ろすことを決意。そこに、コーディの古い知り合いのお尋ね者、キッド・ジャレット(ジェームズ・ルッソ)が銀行強盗に押し入り、コーディの金も奪って逃走。4人のうち、アイリーンが逃げ遅れて収監されてしまう。
コーディは金を返してもらうためにキッドの元を訪ねるが、キッドを怒らせてしまい、暴行される。コーディを気にしていたジョシュ・マッコイ(ダーモット・マローニー)はコーディを発見。集落の療養所にコーディを担ぎ込む。一方、リリーとアニータはアイリーンの奪還に向かう。アイリーンは牢屋の番人の保安官見習いのウィリアム(ジェームズ・レグロス)を説得して鍵を開けさせ、脱走する。
コーディは復讐のため、キッドが列車強盗で手に入れたガトリング砲などの武器を強奪。しかし、リリーをさらわれてしまう。コーディは、キッド側の人間、フランク(ロバート・ロッジア)を捉えており、リリーと交換しようとする。しかし、コーディの作戦を手伝ったジョシュにとって、フランクは親の敵だった。フランクの挑発に乗り、ジョシュはフランクを撃ち殺してしまう。
捉えられたリリーは、キッドに犯されてしまうが、そこにジョシュが現れ、リリーを救い出す。しかし、ジョシュはキッドに捕まってしまう。コーディはガトリング砲と引き換えにジョシュを救うことにする。コーディはガトリング砲をキッドの手下に渡し、キッドはジョシュを解放する。しかし、ジョシュがコーディのところにたどり着いた瞬間、キッドはジョシュを撃ち殺してしまう。それでもコーディらは、キッドの投げてよこした1万2,000ドルを持って帰ろうとするが、リリーを強姦し損ねた男がリリーを挑発し、リリーは男に発砲。そこから激しい銃撃戦が始まる。コーディたちは一人また一人と敵を倒し、キッドとコーディの一騎打ちとなる。コーディは早撃ち勝負に勝ち、アジトにしていたウィリアムの家に戻る。
ウィリアムはアイリーンに求婚。アイリーンはそれを承諾し、ウィリアムの家に残ることを決意。コーディら3人はアイリーンに別れを告げ、荒野に旅立っていくのだった。

女性が主人公というのが珍しい西部劇。ただ、主人公を女性にしてみました、というだけで、この時代の女性が強く生きるために何を求めるのか、とか、女性の生きづらさとかが、力強く描かれている感じはなく、また逆に、男たちがメロメロになって女性は無敵みたいなコミカルな演出もなく、主人公が女性でなくても成り立つような、何が主題かよく分からない作品だった。主人公は撃たれないというお約束も健在で、非力な分、アイディアで勝負するといった面白みもなく、あまり深みのない作品だった。
ジョシュがキッドのアジトであれだけの大爆発をさせて、ほとんど誰も死んでいなかったり、リリーが助かったのにジョシュが捕まってしまったりしたのは、なぜだかよく分からなかった。お色気感もあまりないのだが、ドリュー・バリモア演じるリリーだけは、胸の谷間や太ももを強調したお色気作戦をしたり、キッドに捕まって裸にされたりしていた。

【5段階評価】3

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2017年6月20日 (火)

(1526) イップ・マン 葉問

【監督】ウィルソン・イップ
【出演】ドニー・イェン、サモ・ハン・キンポー、ダーレン・シャラビー、ホァン・シャオミン
【制作】2010年、香港、中国

実在の武術家、イップ・マンの活躍を描いた作品。「イップ・マン 序章」の続編。

身重の妻(リン・ホン)を持つイップ・マン(ドニー・イェン)は、知り合いの新聞社の編集長、リョウ(ゴナン・ケリー)のつてで、武館と呼ばれる道場を開く。やがてウォン(ホァン・シャオミン)という生意気な若者がイップ・マンに勝負を挑んでくる。イップ・マンは簡単に相手を負かす。ウォンはさらに3人の仲間を連れてくる。3人は同時にイップ・マンに挑むが、全く歯が立たない。4人はイップ・マンの弟子になる。やがて弟子は20人近くに膨れ上がるが、貧しい弟子から稽古代を取ることができず、苦しい生活は変わらなかった。
道場のチラシを壁に貼っていたウォンは、別の流派の若者と勝負になり、一対一の勝負には勝利したものの、取り巻きの3人に袋だたきにされ、捉えられてしまう。イップ・マンは彼を助けに魚市場に向かう。武器を持った大勢の連中が襲いかかるが、イップ・マンとウォンは応戦。そこに、かつてイップ・マンにこらしめられた悪人のカム・サンチャウ(ルイス・ファン)が大勢の仲間を連れて駆け込んでくる。身構えるイップ・マンだったが、カムはすっかり心を入れ替えており、戦いを収めさせる。イップ・マンとウォンが帰ろうとすると、魚市場を経営する彼らの師匠、ホン(サモ・ハン・キンポー)が現れる。ホンはイップ・マンに、道場を開くのであれば、諸流派と拳を交えて勝利する必要があると告げる。イップ・マンとウォン、カムは逮捕され、妻のウィンシンが新聞社の編集長に頼み込んで保釈金を支払い、彼らは釈放される。
イップ・マンはホンの待つ道場主の茶会に現れる。そこは中央に不安定な丸テーブルがあり、その上で師匠たちと戦い、強さを認めてもらう必要があった。ロー師匠(ロー・マン)、チェン師匠(フォン・ハックオン)が相手をするが、イップ・マンが勝利。他の師匠は怖じ気づいて戦いを挑もうとしない。ついにホンが立ち上がってテーブルの上に立つ。ホンは肥満体からは想像も付かない俊敏な動きでイップ・マンと堂々と渡り合い、テーブルの板は真っ二つに割れるが、二人はその板の上に互いに立ち、勝負は引き分けとなる。ホンはイップ・マンに会費を払うように命じるが、イップ・マンは私腹を肥やすような金を払う気はない、と吐き捨てる。ホンは、自分が私腹を肥やしているのではなく、イギリス人から香港の道場を守るため、イギリス人の警察署長にやむなく金を渡していたのだった。
ホン一派は、イギリス人のボクシングの試合の会場設定をしており、ホンはイップ・マンを招待する。試合の前座として、中国人たちの演武が行われたが、ボクサーのツイスター(ダーレン・シャラビー)はリングに上がると、演武を披露している中国人たちを殴り飛ばし始め、中国の武術を馬鹿にする。誇りを傷つけられたことを怒りに火の付いたホンは、ツイスターとの勝負を挑むが、ツイスターのパンチ力は強力で、ホンはリングの上で殴り殺されてしまう。
ツイスターのマネージャーは、記者会見の場で、ツイスターに挑戦する中国人との異種格闘技戦を行うことを発表。ツイスターは、挑戦する者などいないだろうと発言するが、イップ・マンが記者会見の場に現れ、自分が相手になると宣言する。
試合の日、イップ・マンとツイスターは互角の戦いを見せるが、ゴングの係や審判団はツイスター側についていた。不利になったツイスターは、ラウンド終了のゴングがなった直後に、イップ・マンに強烈なフックを浴びせる。観客は猛烈に抗議。審判団は協議するが、なんと徐々に優勢に立ったイップ・マンに対して、足技の禁止を命じる裁定を下す。劣勢になるイップ・マンだったが、最後はイップ・マンがツイスターの腕の急所を連続攻撃し、命を落としたホンの得意技をたたき込むと、得意の連打でツイスターに勝利する。勝利してもおごらず、謙虚さを保つイップ・マンに、会場のイギリス人たちも立ち上がって拍手喝采を贈る。
会場を後にしたイップ・マンが家に戻ると、ウィンシンが無事に子供を出産していた。イップ・マンは満面の笑顔で喜ぶ。
やがて、イップ・マンの道場に一人の少年が弟子入りを志願してくる。イップ・マンは大きくなったらもう一度来るよう諭して帰らせる。少年の名はリー・シャオロン。のちのブルース・リーである。

ストーリーはわかりやすく、クライマックスの試合のシーンは「ロッキー」と似ているが、思わず胸が熱くなる。記憶を失って廃人のようになっていたイップ・マンの恩人、チョウ・チンチュン(サイモン・ヤム)がイップ・マンの試合の放送を聞いて記憶と誇りを取り戻したり、悪事を働いていた警察署長が試合終了後に逮捕されたり、と、ハッピーエンドをたたみかけ、見応えがあった。ロー師匠やチェン師匠の戦い方も、それぞれ動きに特徴があって、ただの殴り合いではないのも楽しかった。久々にいい作品に出会った。
ちなみに、記者会見場で息巻くチャンピオンは、東京03の角田を彷彿とさせた。また、チェン師匠は、「ポリス・ストーリー 香港国際警察」などジャッキー・チェンの作品によく登場する、蟹江敬三似のフォン・ハックオンが演じている。

【5段階評価】5

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2017年6月19日 (月)

(1525) イップ・マン 序章

【監督】ウィルソン・イップ
【出演】ドニー・イェン、池内博之、リン・ホン、ルイス・ファン
【制作】2008年、香港、中国

実在の武術家、イップ・マンの活躍を描いた作品。

詠春拳の達人、イップ・マン(ドニー・イェン)は、美しい妻のウィンシン(リン・ホン)と一人息子とともに暮らしていた。ある日、リュウ(チェン・チーフイ)という武術家が来て、イップ・マンに勝負を挑むが、イップ・マンは簡単に彼をあしらうのだった。
やがて日中戦争が起こり、イップ・マンの屋敷は日本軍に接収される。一転して貧しい生活となったイップ・マンは、肉体労働で日銭を稼ぐようになる。そこに日本兵が現れ、空手の組み手の相手を募集する。白米が報酬と聞いて、イップ・マンの友人、林(シン・ユー)は日本人への憎しみから参加を決意。しかし、士官の三浦(池内博之)は三人の中国人をいとも簡単に倒す。二人は早々に降参するが、林は三浦の背後から襲いかかる。しかし三浦の返り討ちにあって命を落としてしまう。林の安否が気になったイップ・マンは、再び来た組み手相手の募集に参加する。そこには、かつて自分に勝負を挑んだリュウがいた。彼は組み手に勝って白米を一つ手にすると、調子に乗って三人との同時の組み手を希望。しかし、さすがに歯が立たず、降参して立ち去ろうとする。すると、三浦の部下、佐藤(渋谷天馬)はリュウを重殺してしまう。三浦はそれを咎めるが、佐藤は、リュウが負けたのに白米に手を伸ばしたので、と言い訳をする。
目の前で友人を殺されたイップ・マンは、道場に上がり、10人との組み手を希望。殺人的な武力で日本人をたたきのめすと、白米を受け取らずに道場を後にする。
イップ・マンは、工場を営む知人のチョウ・チンチュン(サイモン・ヤム)が、山賊に脅されていることを知り、工員に武術を教える。山賊の中には、林の弟、ユン(黄又南)がいた。山賊が工場に現れ、工員たちは防戦。そこにイップ・マンが現れ、山賊たちを打ち負かす。イップ・マンはユンを呼び止め、林が持っていたブリキの小箱を渡す。その中には、かつてユンが持っていた凧が入っていた。
イップ・マンに惚れ込んだ三浦は、部下を使ってイップ・マンを探し出し、日本兵の武術師範となるように告げるが、イップ・マンは三浦との対戦を希望。町の中心部で二人の組み手が始まる。三浦の実力にイップ・マンも手こずるが、最後は三浦を倒す。佐藤はそれを見てイップ・マンを銃で撃ち、弾はイップ・マンの肩に当たる。重傷を負ったイップ・マンは家族とともに町を逃れて香港で新たな生活を始め、やがてブルース・リーの師匠となることが後日談として語られる。

コミカルなアクションを得意としたジャッキー・チェンとは違い、端正なマスクのドニー・イェン。遅咲きのアクションスターだが、武術の達人らしい洗練された動きが魅力的。無駄な戦いを好まず、相手の非礼をただすような戦い方をする前半から、日本人に対して激しい怒りをぶつける後半への展開によって、ストーリーに変化を持たせているのが面白い。
その一方、三浦を極悪人として描かず、礼節を知り、正々堂々とイップ・マンに勝負を挑む武術家として描いているので、日本人として不愉快になることもなかった。
ちなみに今回はTOKYO MXでの放送を視聴。民放キー局で放送するには、ドニー・イェンが地味なのかもしれない。

【5段階評価】4

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2017年6月13日 (火)

(1524) レイクサイド マーダーケース

【監督】青山真治
【出演】役所広司、薬師丸ひろ子、柄本明、鶴見辰吾、豊川悦司
【制作】2005年、日本

東野圭吾原作小説の映画化作品。湖畔で起きた女性カメラマン殺人事件を描いた作品。

妻、娘と別居中の並木俊介(役所広司)は、若いカメラマンの高階英里子(眞野裕子)と不倫をしていた。彼は英里子と別れ、車を走らせてとある別荘に向かう。そこは、並木の妻、美菜子(薬師丸ひろ子)の連れ子、舞華(牧野有紗)のほか、2人の中学受験生のための受験合宿の場だった。別荘は、参加者の保護者、藤間智晴(柄本明)の所有で、ほかに藤間の妻、一枝(黒田福美)、関屋孝史(鶴見辰吾)、関屋靖子(杉田かおる)の二家族も参加していた。親たちは別荘で、そして塾講師の津久見(豊川悦司)と子供たちは離れで寝泊まりすることになっていた。
突如、別荘に英里子がやってくる。うろたえる俊介。英里子は仕事の資料を俊介に届けに来たと告げ、立ち去るが、夕食のバーベキューにも参加。津久見が誘ったということだった。
帰り際、英里子は俊介に自分の泊まるホテルで待っていると告げる。俊介は東京に仕事に行くと嘘をついて英里子のいるホテルに向かうが、電話をしても連絡が取れず、諦めて別荘に戻る。彼を出迎えたのは、青ざめた顔の保護者たち。そして床には、毛布をかぶせられた英里子の遺体が転がっていた。
美菜子は自分が殴り殺したと証言。保護者たちは愛人を別荘に連れ込んだ俊介を責め、子供たちを守るため、事件を隠蔽することにしたと俊介に告げる。俊介は反対するが、加担を余儀なくされる。男親3人が死体を車に乗せて湖畔に運搬し、俊介と藤間が手こぎボートで湖の中央に向かい、死体を湖に投げ入れる。俊介は、死体を縛ったロープがボートの底板に引っかかったため、持っていたライターでロープを焼き切るが、そのライターを湖に落としてしまう。
藤間は、英里子が東京に帰った後に行方不明になったと見せかけるため、美菜子に英里子になりすましてホテルをチェックアウトするよう指示。藤間と俊介は車で英里子の荷物を英里子の自宅に運ぶ。その途中で、俊介は藤間の目を盗んで、英里子の荷物の中から封筒を抜き取る。俊介には一つの確信があった。英里子は美菜子や津久見の密談の写真を撮影していた。俊介は、中学への裏口入学の手配をしていることをネタに英里子に脅迫された津久見が、英里子を殺害したと予想していたのだ。俊介には確信に至るもう一つの材料があった。死体を移動させるとき、俊介は英里子の手の爪の間に、泥が詰まっているのを見ていたのだ。英里子は別荘で殺されたのではない。俊介は、保護者たちと津久見に詰め寄るが、津久見は自分が殺害したのではないと冷たく言い返す。津久見と保護者6人は、英里子が殺された現場に向かう。そこはやはり、湖畔だった。
確かに、津久見は英里子に脅されていた。津久見が手を染めていたのは、試験問題の横流しだった。子供たちの反復横跳びの練習を見守っている津久見の横で、英里子は津久見を脅迫。津久見が呼び出された夜の湖畔に向かうと、すでに英里子は撲殺されており、そこには子供の足跡が残されていた。しかし、3人の子供たちはみな同じ運動靴を履いており、誰の物だか区別が付かない。いや、3人の共犯である可能性すらあった。これを知った親たちは、子供たちを守るため、事件の隠蔽を決意したのだった。別荘に戻った俊介は、娘の舞華のために、受験に取り組むことを決意する。しかし、湖底で朽ちていく英里子の死体の眼窩には、イニシャルの付いた俊介のライターがはまっていた。死体は物言わず発見の日を待っているのだった。

回収されていない伏線がいくつもあって、いまいちな作品だった。英里子が俊介の上着のポケットに忍ばせたのは何なのか。ライター? 鍵? いずれにしてもなぜそんなことをしたのか。俊介が車から英里子に電話をしたとき、なぜ子供たちのいる離れで電話が鳴ったのか。俊介が携帯で美菜子と話しているときに車の後ろを走り去った人影は誰なのか。ボートで俊介が懐中電灯の光をまぶしがるのは何の意味があるのか。英里子の代わりに美菜子がホテルをチェックアウトして、防犯カメラなどもあるだろうに、どうしてバレないと考えたのか。俊介が人の目を盗んで英里子の道具箱を開けたのはなぜなのか。ぬかるみの中で死んでいたはずの英里子の服はなぜきれいで、爪の間にだけ泥が残っていたのか。どうやって死体を別荘まで運んだのか。
そして何より、真犯人は誰なのか。これがよくわからないというのは、ミステリ物としては致命的というか、あってはならないと言っていい。余韻を残すという演出が効果的なこともある。「告白」のラストなんかはよかった。しかし、すっきりしないという終わり方は、ミステリ物ではやめてほしい。カタルシスが得られない。途中までは面白かったので、終盤のモヤモヤ感は残念だった。

【5段階評価】3

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2017年6月12日 (月)

(1523) ブルース・ブラザーズ

【監督】ジョン・ランディス
【出演】ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、ジェームズ・ブラウン、レイ・チャールズ
【制作】1980年、アメリカ

孤児院を救うため、バンドを再結成してライブで金を稼ごうと扮装する兄弟の活躍を描いたスラップスティックコメディ。ジェームズ・ブラウンやレイ・チャールズなどの大物ミュージシャンが共演するミュージカル映画でもある。

刑期を終えて出所したジョリエット・ジェイク(ジョン・ベルーシ)は、弟のエルウッド(ダン・エイクロイド)に出迎えられる。世話になった孤児院に向かった二人は、シスター(キャスリーン・フリーマン)から、5,000ドルの固定資産税を支払わないと立ち退きを命じられると聞かされる。
知り合いのカーティス(キャブ・キャロウェイ)に教会に行くといいと助言された二人は、クレオファス・ジェームズ牧師(ジェームズ・ブラウン)のゴスペルを聴く。ジェイクはそこで天の啓示を受け、バンドの再結成を決意。かつてのバンド仲間をかき集める旅に出る。警官やネオナチ集団などを敵に回しながらも、5,000人を集めるライブの実施にこぎ着ける。警官らが包囲する中、会場にたどり着いた二人に観客は大興奮。レコード会社から手付金の1万ドルを手にした二人は、会場を抜け出し、市役所へ。税金を納めたところで二人は逮捕されるが、刑務所の中でも監獄ロックで盛り上がるのだった。

ハチャメチャ感満載の楽しい作品。バラエティ番組なんかでよく使われる、「チャーチャチャーチャ、チャラララ、チャーチャーチャー、ンチャンチャンチャンチャ、ンチャンチャンチャンチャ、ンチャンチャンチャンチャ、チャン!」っていう「Can't Turn You Lose」は有名。
とぼけた顔で熱い歌とダンスを見せるジェイクが魅力的。ドラッグ中毒で33歳で亡くなったが、それゆえ伝説の人物になったんだろう。ジェイクを付け狙う謎のクレイジーな女性を、「スター・ウォーズ」のレイア姫役、キャリー・フィッシャーが演じている。

【5段階評価】4

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2017年6月10日 (土)

(1522) 名探偵コナン 迷宮の十字路

【監督】こだま兼嗣
【出演】高山みなみ(声)、堀川りょう(声)、山崎和佳奈(声)、宮村優子(声)
【制作】2003年、日本

「名探偵コナン」シリーズ第7作。京都を舞台にした殺人事件の謎をコナンが追う。

盗賊団、「源氏蛍」のメンバーが、剣と弓の達人に相次いで殺害される。コナン(高山みなみ)は、西の高校生探偵、服部平次(堀川りょう)とともに事件を追う。平次と行動を共にしている遠山若葉(宮村優子)が犯人に誘拐され、平次は鞍馬の玉龍寺に呼び出される。ところが、平次は犯人との格闘の傷がもとで倒れ、一時的な薬の力で高校生の姿に戻った工藤新一(山口勝平)が、玉龍寺に向かい、真犯人の名を告げる。それは古書店の店主、西条大河(鈴木洋孝)だった。薬の切れかけた新一のもとに、病院を抜け出した平次が現れ、西条と一騎打ち。小学生の姿に戻ったコナンの力を借りて、平次は西条との戦いに勝利する。

謎解きもアクションも今ひとつキレはなく、残念な作品だった。平次の幼い初恋の相手が遠山若葉だったとか、毛利蘭(山崎和佳奈)が高校生の工藤新一に会えたり、といった恋愛ものとしてのエピソードが微笑ましかったりはするのだが。

【5段階評価】2

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2017年6月 7日 (水)

(1521) スタア誕生

【監督】ジョージ・キューカー
【出演】ジュディ・ガーランド、ジェームズ・メイソン
【制作】1954年、アメリカ

スター俳優に才能を見いだされた女優の数奇な運命を描いた作品。

しがないバンドの歌い手だったエスター・ブロジェット(ジュディ・ガーランド)は、大物俳優、ノーマン・メイン(ジェームズ・メイソン)にたぐいまれな歌唱力を見初められる。エスターは悩んだ末に、バンドを去り、独り立ちする。ノーマンは彼女をサポートし、二人は結婚。彼女はオスカー主演女優賞を受賞するに至る。ところがもともと酒癖の悪かったノーマンは、エスターがスター街道を駆け上る中、契約を打ち切られて落ちぶれていく。療養所で酒を断つが、競馬場で古い知人に罵倒され、また酒をあおってしまい、警察に逮捕されてしまう。エスターはノーマンを引き取るが、自分がエスターの人生の枷となっていることを自覚したノーマンは、一人で海に入り、帰らぬ人となる。
意気消沈するエスターだったが、友人のダニー(トミー・ヌーナン)から、酒飲みだったノーマンが唯一残したものが君だ、君がそれを捨てたらノーマンの人生は意味のないものになると励まされ、再びステージに立つ決意をする。彼女はステージで、「ノーマン・メイン夫人です」と自己紹介し、再び喝采を浴びるのだった。

オズの魔法使」でドロシーを演じたジュディ・ガーランドが主演。 3時間近い長い作品。
途中で、スチール写真と通常の映像を交互に使う独特の演出があり、回想のような現在進行形のような印象を観る者に与える。ジュディ・ガーランド自身、本作のノーマン・メインのような奇行癖があり、それを知ると感慨も違ってくる。
華やかな印象のあるタイトルとは違って、主役の男女には不可逆的な悲劇が起きる。ハッピーエンドを期待していたのだが、ジュディ・ガーランド本人の短い人生を予言するかのような作品だった。

【5段階評価】2

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