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2017年6月13日 (火)

(1524) レイクサイド マーダーケース

【監督】青山真治
【出演】役所広司、薬師丸ひろ子、柄本明、鶴見辰吾、豊川悦司
【制作】2005年、日本

東野圭吾原作小説の映画化作品。湖畔で起きた女性カメラマン殺人事件を描いた作品。

妻、娘と別居中の並木俊介(役所広司)は、若いカメラマンの高階英里子(眞野裕子)と不倫をしていた。彼は英里子と別れ、車を走らせてとある別荘に向かう。そこは、並木の妻、美菜子(薬師丸ひろ子)の連れ子、舞華(牧野有紗)のほか、2人の中学受験生のための受験合宿の場だった。別荘は、参加者の保護者、藤間智晴(柄本明)の所有で、ほかに藤間の妻、一枝(黒田福美)、関屋孝史(鶴見辰吾)、関屋靖子(杉田かおる)の二家族も参加していた。親たちは別荘で、そして塾講師の津久見(豊川悦司)と子供たちは離れで寝泊まりすることになっていた。
突如、別荘に英里子がやってくる。うろたえる俊介。英里子は仕事の資料を俊介に届けに来たと告げ、立ち去るが、夕食のバーベキューにも参加。津久見が誘ったということだった。
帰り際、英里子は俊介に自分の泊まるホテルで待っていると告げる。俊介は東京に仕事に行くと嘘をついて英里子のいるホテルに向かうが、電話をしても連絡が取れず、諦めて別荘に戻る。彼を出迎えたのは、青ざめた顔の保護者たち。そして床には、毛布をかぶせられた英里子の遺体が転がっていた。
美菜子は自分が殴り殺したと証言。保護者たちは愛人を別荘に連れ込んだ俊介を責め、子供たちを守るため、事件を隠蔽することにしたと俊介に告げる。俊介は反対するが、加担を余儀なくされる。男親3人が死体を車に乗せて湖畔に運搬し、俊介と藤間が手こぎボートで湖の中央に向かい、死体を湖に投げ入れる。俊介は、死体を縛ったロープがボートの底板に引っかかったため、持っていたライターでロープを焼き切るが、そのライターを湖に落としてしまう。
藤間は、英里子が東京に帰った後に行方不明になったと見せかけるため、美菜子に英里子になりすましてホテルをチェックアウトするよう指示。藤間と俊介は車で英里子の荷物を英里子の自宅に運ぶ。その途中で、俊介は藤間の目を盗んで、英里子の荷物の中から封筒を抜き取る。俊介には一つの確信があった。英里子は美菜子や津久見の密談の写真を撮影していた。俊介は、中学への裏口入学の手配をしていることをネタに英里子に脅迫された津久見が、英里子を殺害したと予想していたのだ。俊介には確信に至るもう一つの材料があった。死体を移動させるとき、俊介は英里子の手の爪の間に、泥が詰まっているのを見ていたのだ。英里子は別荘で殺されたのではない。俊介は、保護者たちと津久見に詰め寄るが、津久見は自分が殺害したのではないと冷たく言い返す。津久見と保護者6人は、英里子が殺された現場に向かう。そこはやはり、湖畔だった。
確かに、津久見は英里子に脅されていた。津久見が手を染めていたのは、試験問題の横流しだった。子供たちの反復横跳びの練習を見守っている津久見の横で、英里子は津久見を脅迫。津久見が呼び出された夜の湖畔に向かうと、すでに英里子は撲殺されており、そこには子供の足跡が残されていた。しかし、3人の子供たちはみな同じ運動靴を履いており、誰の物だか区別が付かない。いや、3人の共犯である可能性すらあった。これを知った親たちは、子供たちを守るため、事件の隠蔽を決意したのだった。別荘に戻った俊介は、娘の舞華のために、受験に取り組むことを決意する。しかし、湖底で朽ちていく英里子の死体の眼窩には、イニシャルの付いた俊介のライターがはまっていた。死体は物言わず発見の日を待っているのだった。

回収されていない伏線がいくつもあって、いまいちな作品だった。英里子が俊介の上着のポケットに忍ばせたのは何なのか。ライター? 鍵? いずれにしてもなぜそんなことをしたのか。俊介が車から英里子に電話をしたとき、なぜ子供たちのいる離れで電話が鳴ったのか。俊介が携帯で美菜子と話しているときに車の後ろを走り去った人影は誰なのか。ボートで俊介が懐中電灯の光をまぶしがるのは何の意味があるのか。英里子の代わりに美菜子がホテルをチェックアウトして、防犯カメラなどもあるだろうに、どうしてバレないと考えたのか。俊介が人の目を盗んで英里子の道具箱を開けたのはなぜなのか。ぬかるみの中で死んでいたはずの英里子の服はなぜきれいで、爪の間にだけ泥が残っていたのか。どうやって死体を別荘まで運んだのか。
そして何より、真犯人は誰なのか。これがよくわからないというのは、ミステリ物としては致命的というか、あってはならないと言っていい。余韻を残すという演出が効果的なこともある。「告白」のラストなんかはよかった。しかし、すっきりしないという終わり方は、ミステリ物ではやめてほしい。カタルシスが得られない。途中までは面白かったので、終盤のモヤモヤ感は残念だった。

【5段階評価】3

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