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2017年5月15日 (月)

(1516) 天国と地獄

【監督】黒澤明
【出演】三船敏郎、山崎努、仲代達矢、三橋達也、香川京子、佐田豊
【制作】1963年、日本

誘拐事件に巻き込まれた男と、事件を追う刑事たちの活躍を描いた作品。

ナショナル・シューズの常務、権藤金吾(三船敏郎)は、会社の実権を握るため、5,000万円の資金をつぎこむ大ばくちを打とうとしていた。その彼のもとに、息子の純(江木俊夫)を誘拐したという脅迫電話が入る。誘拐犯は3,000万円を要求。ところが誘拐されたのは純ではなく、お付きの運転手、青木(佐田豊)の息子、進一(島津雅彦)だった。権藤の屋敷に警察官が到着。犯人は、丘の上にある権藤の家をどこからか監視しているようだった。
誘拐犯は、子供を間違えたことを認めつつ、変わらず権藤に身代金を要求。権藤は支払いを拒否するが、妻の伶子(香川京子)や青木の言葉を受け、身代金を用意することを決意。腹心の河西(三橋達也)は、権藤のもとを去る。
犯人は、身代金を厚さ7cmの鞄に詰め、特急のこだまに乗るよう権藤に指示。警察の責任者、戸倉(仲代達矢)は特急に同乗。犯人はこだまに電話をかけ、特急のトイレの7cmだけ開く窓から身代金の入った鞄を投げ捨てさせる。犯人は首尾よく身代金を手にし、権藤は常務の座を追われるが、そこから警察の逆襲が始まる。
戸倉は、進一の記憶、誘拐に使われたエーテル、逃走車両、脅迫電話に録音された電車の音、権藤邸を観ることのできる公衆電話の位置などの情報をもとに、徐々に犯人像を絞り込んでいく。
犯人は、裕福な暮らしをする権藤に一方的な恨みを持った病院のインターン、竹内銀治郎(山崎努)だった。竹内は、麻薬中毒だった共犯者を、純度の高いヘロインを渡すことでショック死させていた。戸倉は竹内を断罪するため、死んだ共犯者のニュースをマスコミに封じさせてあえて戸倉を泳がし、誘拐だけではなく殺人の罪でも竹内を逮捕。竹内は獄中から権藤に面会を要求。竹内は自分は死刑は怖くないと強がりながらも、手が震えて権藤の前で絶叫し、係官に連れ去られるのだった。

特急こだまから見える橋の上のシーンの撮影で、黒澤監督が、家が邪魔だと言って一部を撤去させたというのは有名な話。煙突からのぼる煙を、白黒映画の中で唯一、色をつけるという手法は、「シンドラーのリスト」なんかでも用いられている。「シンドラーのリスト」はカラーの映画が当たり前の時代にあえて白黒にした映画での演出だが、本作は白黒映画の時代の演出なので、インパクトは相当大きかっただろう。黒澤監督のこだわりがかいまみえる。しかし、昔の映画を観ると思うが、昔の映画では、たばこを吸うシーンがとても多い。ポイ捨てもしょっちゅうだし。

【5段階評価】4

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