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2017年4月

2017年4月27日 (木)

(1508) 図書館戦争 -THE LAST MISSION-

【監督】佐藤信介
【出演】岡田准一、榮倉奈々、松坂桃李、福士蒼汰、石坂浩二、栗山千明
【制作】2015年、日本

有川浩の原作漫画の映画化作品。「図書館戦争」の続編。

メディア良化法という法律ができ、図書の検閲が合法化されたパラレルワールド。図書を守る図書隊に勤める笠原郁(榮倉奈々)と上司の堂上篤(岡田准一)は互いに憎からず思いつつも、不器用な関係にあった。水戸の図書館の展示に、図書隊の原点とも言える図書館法規要覧を展示することとなるが、図書を守る図書隊と検閲を行う良化隊とが激突。激しい戦いの末、笠原が要覧を展示会場に届ける。

検閲するしないで銃で撃ち合うという、ほぼ全く感情移入のできない状況設定。ドンパチしていても何も迫力がない。撃たれても誰も死なない。岡田准一と榮倉奈々のやりとりも、くさくて見てらんない。全くと言っていいほど面白くなかった。いちおう、有名な俳優がいっぱい出ているということで、評価1にはしなかったが、ただの一度もホロリともドキドキもしない作品だった。

【5段階評価】2

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2017年4月26日 (水)

(1507) 推定無罪

【監督】アラン・J・パクラ
【出演】ハリソン・フォード、ボニー・ベデリア、グレタ・スカッキ、ラウル・ジュリア
【制作】1990年、アメリカ

検事が容疑者となった殺人事件を巡る法廷サスペンス。

検事のラスティ・サビッチ(ハリソン・フォード)の同僚、キャロリン・ポルヒーマス(グレタ・スカッキ)が殺される。ラスティの上司、レイモンド・ホーガン(ブライアン・デネヒー)は、いやがるラスティを担当者にする。ラスティはキャロリンとかつて不倫関係にあり、妻のバーバラ(ボニー・ベデリア)もそのことを知っていたのだ。ラスティは友人のリップランザー刑事(ジョン・スペンサー)とともに捜査を開始する。
キャロリンは、レイプされたように見えたが、縄で縛られたのは死亡した後であり、避妊具が取り去られた形跡もあった。法的知識を持った者がレイプに見せかけているようだった。
やがて、現場から採取された証拠の鑑定結果が上がってくる。キャロリンの膣から検出された精液の血液型、そして何より、部屋にあったグラスの指紋が、ラスティのものと一致した。ラスティは逮捕される。
ラスティの事件は裁判となり、ラスティを敵視するトミー・モルト(ジョー・グリファシ)とニコ・デラ・ガーディア(トム・マーディロジアン)が告訴側になる。ラスティは、ライバルのサンディ・スターン(ラウル・ジュリア)を弁護士につける。
キャロリンは出世欲が強く、ラスティだけではなく、上司のレイモンドとも関係を持っていた。地方検事選に立候補中のレイモンドは、事態の悪化を恐れ、ラスティを裏切って検察側の証言台に立つ。しかし、サンディは巧みにレイモンドが捜査に有益な情報、「Bファイル」を隠していた事実を引き出す。リップランザーは、Bファイルの事件の関係者、レオン(リーランド・ギャント)の居場所を突き止め、キャロリンが、この裁判を裁いているラレン・リトル判事(ポール・ウィンフィールド)と共謀して収賄の悪事を働いていたことを吐き出させる。サンディは、この事件を扱った「Bファイル」を法廷でことあるごとに取り上げ、判事が深入りを避けるように仕向ける。有力な証拠品のはずの指紋が付いたグラスがなくなっていること、そしてキャロリンが避妊手術をしており、避妊具をつけるはずがないこと、つまり精液のサンプルは被害者から採取されたものとは考えられないこと、これらを踏まえ、判事は訴えを退ける。ラスティは心配そうに見守っていた妻のバーバラと喜び合う。
なくなったグラスはリップランザー刑事が持っていた。隠していたわけではなく、誰も取りに来なかっただけだ、と彼はうそぶき、受け取ったラスティは乗っていた船からグラスを放り投げる。
平穏な日々に戻ることのできたラスティは、ある日、大工仕事をしていて、工具の中から何気なくハンマーを取り出す。そのハンマーには血痕と頭髪がこびりついていた。驚くラスティ。ラスティ自身は犯人ではない。であれば、これが意味することは一つしかない。茫然自失となって、地下室でハンマーの血を洗い流すラスティの背後から、「私がやった」と声がする。バーバラだった。
バーバラは自分を支えてくれるはずの夫をキャロリンにとられたことで、一時は自殺も考えたが、家庭を破壊したキャロリンを破壊することが解決の道と気づき、計画を練る。バーバラは、キャロリンにグラスを贈るようラスティに頼まれた際、同じグラスを自宅にも送る。そのグラスで夫にビールを飲ませ、ラスティの指紋付きグラスを確保すると、自分との性交で得たラスティの精子を冷凍保存し、それを持ってキャロリンの家に向かったのだ。
キャロリンはバーバラを招き入れるが、バーバラは背後からキャロリンを殴り殺すと、夫に教わった変質者がやるように彼女を縛り上げ、注射器で精子を注入し、グラスを置いて帰ったのだった。無謀な賭けに思えるが、サンディの巧みな戦術により、ラスティは無罪となった。昔の関係を取り戻したかったと告白するバーバラ。ラスティは、妻の思いに涙しながらも、この罪をいつか償うときが来ることを予感せざるを得ないのだった。

法廷サスペンスものは、興味深い謎、証言を通して二転三転する事件の内容、そして最終的に明かされる驚愕の真実が、観る者を興奮させる。個人的には大好きなジャンルで、作品的にも外れが少ない。本作も面白かったが、いくつか残念な点があった。
まず、登場人物の関係の分かりづらさ。テレビ版でカットされすぎだったのかもしれないが、ラスティのライバルであるニコやらサンディやらトミー・モルトやらの人間性が今ひとつ分からない。また、これは字幕のせいとも言えるが、登場人物の名前の表記がいろいろで、しかも名字だか名前だか分からないので、どの呼び名が誰だか、特に日本人には分かりづらい。「主人公の名前はラスティだと思っていたらサビッチなのか? 別人なのか? 」と思ったし、相手の弁護士を「ニコ」と呼んだり「デラ・ガーディア」と呼んだりするので、誰が誰だか混乱した。
それと、冷凍した精子を注入して、古い精子だと気づかれないのだろうか。バーバラが部屋にいた痕跡はなぜ発見されていないのだろうか。法廷では極めて重要な物的証拠や捜査のあり方に疑わしい点があるのは気になった。ラスティのもとに届く「いい加減にして」というメモの謎も、きちんと回収されていなかった。
ちなみに、ラスティとキャロリンのラブ・シーンはテレビでは大幅にカットされていた。YouTubeなんかで観ることのできる動画よりシーンが少ないってどうなのよ。
主人公の妻、バーバラを演じたボニー・ベデリアは、「ダイ・ハード」でも主人公の妻を演じている。

【5段階評価】3

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2017年4月25日 (火)

(1506) フォレスト・ガンプ/一期一会

【監督】ロバート・ゼメキス
【出演】トム・ハンクス、ロビン・ライト、ゲイリー・シニーズ、サリー・フィールド
【制作】1994年、アメリカ

知能障害を持つ男性の人生をアメリカの近代史とともに描いた作品。第67回アカデミー賞作品賞受賞作品。

一人の男(トム・ハンクス)がとある町のバス停のベンチに腰掛けていた。彼は隣に座った女性に身の上話を始める。
彼の名はフォレスト・ガンプ。子供の頃から知能指数が低く、歩くのには補助具が必要だった。母親(サリー・フィールド)は校長の反対を押し切って、普通の小学校に彼を入学させる。
フォレストはジェニー(ハンナ・ホール)という女の子と仲良くなる。いじめられっ子に追いかけられるフォレストをジェニーは「走ってフォレスト」と応援。フォレストはいつの間にか、補助具なしで走れるようになる。
フォレストは脚力を買われて大学のアメフト・チームで活躍。卒業後は陸軍に入り、ベトナム戦争に行く。ベトナム兵に襲撃され、退却し、被弾しつつも、小隊長のダン(ゲイリー・シニーズ)や親友のババ(ミケルティ・ウィリアムソン)ら、多くを救出。しかし、ババは戦死し、ダンは両足の膝から下を失う。
ババと約束していたとおり、船を買ってエビ漁の会社を興す。ダンも協力し、会社は大成功。フォレストは船にジェニーと名付け、いつもジェニー(ロビン・ライト)のことを考えていたが、時折再会しつつも、彼女はいつも彼の元を去っていた。
フォレストはまた走ることに夢中になり、全米を何度も往復して有名人となる。それを見たジェニーが、連絡をしてきた。彼がバス停にいたのは、ジェニーの元に向かうためだった。
ジェニーと再会したフォレストは、ジェニーの息子(ハーレイ・ジョエル・オスメント)が自分の子だと知る。喜ぶフォレスト。しかし、ジェニーは不治の病に冒されていた。それでもフォレストはジェニーと結婚。幸せを感じつつも、やがてジェニーは帰らぬ人となる。フォレストはかつて自分の母親がしたように、息子をスクールバスに送り出すのだった。

フォレスト・ガンプが代々の大統領と面会していたり、当時のトレンド(エルビス・プレスリーのステップやジョン・レノンとの共演、アップル社の隆盛など)に関わっていたり、というところが本作の見所の一つ。合成映像がよくできていて、史実とフィクションの掛け合わせも、ここまでやるとご都合主義を超えて楽しくもある。残念ながら世界史と言うよりはアメリカ史なので、よく分からないのもあったりした。泥の汚れがスマイリー(ニコちゃんマーク)になったとか。
また、ジェニーがAIDSで死ぬというのも、当時の話題を盛り込んだと言えばそうなんだが、ちょっと盛り上げようとしすぎな気もした。一期一会っていうサブタイトルもいただけない。アメリカ文化を徹底的に扱った作品に、茶道由来の言葉を持ってくるというのはセンスがなかった。

【5段階評価】4

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2017年4月24日 (月)

(1505) サイクロンZ

【監督】サモ・ハン・キンポー
【出演】ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウ、ポーリン・ヤン
【制作】1988年、香港

恋する女性と仲間のために悪徳企業に立ち向かう弁護士の活躍を描いた、ジャッキー・チェン主演のアクション映画。

女性が大好きな弁護士、ジャッキー(ジャッキー・チェン)は、ファー(ユン・ワー)がボスの悪徳企業のお抱え弁護士。マオは工場から有毒な廃液を垂れ流し、養殖業を営む女性、イップ(デニー・イップ)から訴えられる。
ジャッキーは、イップ側の証人となるメイ(ポーリン・ヤン)に一目惚れ。しつこく食事に誘う。メイは相手にしなかったが、イップから情報を得られるかも、と言われ、付き合うことにする。
ジャッキーは、その一方、仲間のウォン(サモ・ハン・キンポー)とトン(ユン・ピョウ)を使って養殖場の買収に向けた作戦を開始。ウォンは手始めにイップの隣に引っ越す。トンはイップの家に盗聴器をしかけようと忍び込むが、トンを知らないウォンはトンを捕まえる。トンは警察に突き出されてしまうが、ジャッキーが保釈金を積んでトンを連れ出す。
ジャッキーはメイを食事に誘い、次第に仲良くなっていく。ウォンもまた、強引とも言える方法でイップを射止め、二人の距離を縮めていく。ところが、正義感が妙に強いトンが、ジャッキーとウォンが養殖業者を取り込もうとしていることをメイとイップの前で暴露してしまう。メイとイップは裏切りに怒り、ジャッキーとウォンを置いて部屋に入ってしまう。
ウォンはイップの信頼を取り戻すため、イップが走らせている車の前に立ち塞がる。ぎりぎりで車を止めたイップはスパナを持ってウォンに詰め寄り、思わずスパナをウォンの頭に振り降ろしてしまう。それでもウォンは逃げず、頭からは一条の血が流れ落ちる。ウォンは体を張ってイップへの愛が本物であることを証明。ウォンはトンを連れてファーの工場に潜入し、証拠となりそうな写真を撮り始める。ウォンは工場の奥に入り、麻薬の精製現場を発見。ところが工場の人間に見つかり、捕らえられてしまう。
ジャッキーは法廷でメイに自分を愛しているか、と質問。ジャッキーを味方してくれる裁判長も回答をメイに命じ、メイは愛していると回答。それを聞いたジャッキーは、ファーの弁護を降りることを宣言する。ジャッキーとメイは晴れて恋人となり、裁判所を出るが、そこにトンが現れ、ウォンが捕らえられたことを告げる。工場に戻ったファーは、ウォンを殺害するよう指示するが、そこにジャッキー、トン、メイが現れ、ウォンの身柄を引き渡すよう要求。ファーはウォンなどいないと嘘をつくが、薬を打たれて廃人のようになっていたウォンが、決死の覚悟で窓ガラスを椅子で叩き破り、存在を証明。ファーは部下に皆殺しを命じ、ジャッキーたちの死闘が始まる。次々とファーの手下を倒していくジャッキーとトンだったが、工場で最も格闘に優れたファーの部下(ベニー・ユキーデ)がトンを一撃で倒す。ジャッキーは男と一騎打ちとなる。ジャッキーが戦いを繰り広げる中、メイは警察に電話をかけようとするが、ファーに見つかり、階下に落とされてしまう。そのとき、ウォンがファーに薬を注射。ファーは発作が起きて倒れてしまい、ウォンは廃液の中にファーをたたき落とす。
ジャッキーは死闘の末、ついに男を倒し、4人は工場を出る。イップはウォンを抱きしめて迎え、事件は解決したのだった。

ジャッキー・チェンの最盛期の作品で、アクションシーンのできばえは素晴らしい。何度見ても飽きない。
いつもは三枚目役の多いサモ・ハン・キンポーが、イップに愛を伝える場面は感動的。これをユン・ピョウじゃなく、サモ・ハン・キンポーがやるところがうまい。一方のジャッキーの告白シーンは、強引なだけでさすがにありえなかった。「スパルタンX」にも登場した格闘家、ベニー・ユキーデが本作にも登場。切れのある動きはさすがだ。

【5段階評価】5

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2017年4月23日 (日)

(1504) 目撃

【監督】クリント・イーストウッド
【出演】クリント・イーストウッド、ジーン・ハックマン、エド・ハリス、ローラ・リニー
【制作】1997年、アメリカ

大統領の不祥事を目撃した泥棒の運命を描いた作品。クリント・イーストウッドが監督・主演の二役を担っている。

大邸宅に忍び込んだ大泥棒のルーサー・ホイットニー(クリント・イーストウッド)は、人の気配を感じ、マジックミラーの奥の隠し部屋に逃げ込む。部屋の中に一組の男女が入ってくる。クリスティ(メロラ・ハーディン)は夫が留守中だと言って年老いた男、アラン(ジーン・ハックマン)を誘惑。二人は濃厚なキスを重ねるが、そのうち、男の行動が暴力的になり、反抗的な女の首を絞める。女はそれをかわしてペーパーナイフで男の腕を刺し、男めがけてナイフを振り上げる。男は「助けてくれ」と悲鳴を上げる。突如、銃声が鳴り響き、女は倒れる。銃を持って駆けつけたスーツ姿の二人の男、ビル(スコット・グレン)とティム(デニス・ヘイスバート)が、アランを助け起こす。さらに有能そうな女性、グロリア(ジュディ・デイビス)が現れる。ビルは警察に通報しようと言うが、グロリアは事件をもみ消すことにし、証拠となりそうな品を持って立ち去る。ところが、あわてて肝心のペーパーナイフを床に落としてしまう。隠れていたルーサーは、そのナイフを取り上げる。
車で現場を離れようとしたグロリアは、バッグにナイフが入っていないことに気づき、男二人が慌てて現場に戻る。ルーサーは窓からロープで脱出。それに気づいた二人はナイトスコープをつけて追いかけるが、ルーサーは車に乗り込み、逃走する。グロリアたちは、犯行現場にあったマジックミラーの奥に隠し部屋を発見。事件の一部始終を見ていた男が、証拠品のペーパーナイフを持って逃走したことは明らかだった。
翌日、現場を調べていた刑事のセス・フランク(エド・ハリス)は、不可解な状況に頭を悩ませていた。空き巣を見つけて撃ち殺されたように見えるが、なぜ首を絞められてから銃殺されたのか。犯人はなぜ女の服を脱がせて着せ直しているのか。なぜ床は指紋もないほどきれいになっているのか。なぜセキュリティを解除して侵入した犯人が、帰りは窓から出て行ったのか。亡くなったのは高齢の大富豪ウォルター・サリバン(E・G・マーシャル)の二番目の妻、クリスティ。そしてクリスティに暴行を働いた男は、アメリカ大統領アラン・リッチモンドだった。ウォルターは300万ドルで殺し屋を雇う。
セスは、警備の厳重な大邸宅に忍び込むほどの腕を持つ泥棒の線から捜査をし、ルーサーにたどり着く。セスは美術館で模写をしているルーサーを訪ねる。ルーサーは何食わぬ顔でアリバイを主張すると、犯人像を語って聞かせる。
ルーサーは高飛びをしようと空港に向かうが、そこでアラン大統領の記者会見の映像を目にする。アランは自分の支持者であるウォルターに起こった不幸を嘆いていた。ルーサーはアランの行為に激怒する。
ルーサーが人を殺すような人物でないと確信していたセスは、ルーサーの一人娘のケイト(ローラ・リニー)を訪ね、父親の命が危ないからルーサーと会うよう電話をしてほしいと頼む。電話したケイトはルーサーと会うことになり、それをセスに報告。しかしそれは、ビルに盗聴されていた。事件のもみ消しに賛成だったティムは、ルーサーを暗殺するため、ケイトとルーサーの待ち合わせ場所のカフェに向かう。そこにはウォルターの雇った殺し屋も来ていた。セスとビルも大勢の警官と現場に待機する。
ルーサーは馬鹿正直に現場に現れる。殺し屋が銃の狙いをつけるが、一瞬、ガラスの光が反射して手元が狂い、弾はそれる。ティムも狙撃に失敗。カフェは騒然となる。セスはあわてて現場に駆け込むが、ルーサーは警官に変装してその場から消え失せていた。
セスはケイトを部屋に送ると、自分は一人暮らしなんだとしつこくアピールしつつ、部屋の鍵をしっかりかけるよう告げて部屋を立ち去る。いつの間にか冷蔵庫の中が充実していることに気づいたケイトは、部屋の中にルーサーが入り込んでいることを確信。部屋の中にいたルーサーは、ケイトに事件の真相を話す。彼は自分が人殺しではないことをケイトに知ってもらいたかったのだ。
ルーサーは、大統領の筆跡をまねたメッセージカードをつけて、グロリアに豪華な首飾りをプレゼントする。グロリアはそれをつけてパーティ中の大統領の前に現れる。アランはグロリアとダンスをしながら、それは死んだクリスティが殺害当日つけていたものだ、とささやく。現場にいたルーサーからの脅しだった。アランは、ルーサーとともに娘のケイトも亡き者にするよう指示する。
ティムはケイトを尾行。ケイトはいつものジョギング場所に向かい、崖上の駐車場に車を止める。ティムは車でケイトの車を後ろから押し、崖下に転落させる。ルーサーはケイトを追って現場に駆けつけるが、ティムの車は逃走する。ケイトは病院に運ばれる。ティムは医師に化けてケイトの病室に入り込み、持っていた注射器でケイトを殺そうとするが、背後からルーサーがティムの頸動脈に注射器を突き立て、ティムに注射器を捨てさせる。弁解をするティムだったが、ルーサーは娘の命を狙った者を許さなかった。彼は突き立てていた注射器の中身をゆっくりとティムに注入する。
ルーサーは、ウォルターの運転手になりすまし、ウォルターの車で二人きりになると、ウォルターに事件の真相を明かす。信じられないというウォルターに、ルーサーは証拠品のペーパーナイフを手渡す。ルーサーの言葉が真実だと知ったウォルターは怒りに震える。
ルーサーはウォルターをホワイトハウスで降ろす。ウォルター「私は妻を愛していた」と言い残し、ホワイトハウスに入っていく。時を同じくして、ビルは自殺。グロリアたちは逮捕された。ペーパーナイフを握りしめ、アランの部屋をノックするウォルター。アランが笑顔で迎え入れ、ウォルターは無言で部屋に入る。
ルーサーはケイトの入院する病院に向かう。ニュースでは、サリバン氏が大統領と非公式に面会し、大統領が自殺したことが報じられていた。サリバンはインタビューで、大統領は悩んでいたようだったと告げた。病室にはセスがいて、ケイトの頭をなで、何も言わずに立ち去る。ケイトは安心した笑顔でルーサーに「私、大丈夫よね」と話しかけ、ルーサーも笑顔で「俺たちは大丈夫だ」と答えるのだった。

ストーリーはシンプルでわかりやすく、ベテラン俳優の安定した演技で良質のサスペンスに仕上がっている。
もっとも、突っ込みどころとしては、大統領がお忍びで行動したことを全く知られずにいられるなんてことがあるのか、とか、凄腕の殺し屋の割りに暗殺に失敗したり、崖から車を突き落とすという確実性のない暗殺方法だったりはするのだが。
アラン自殺の真相は分からないが、おそらくはサリバンがアランを刺し殺し、彼と自分の名誉を守りつつ、復讐を遂げたのだろう。その辺りをはっきり描かないのも、うまい終わり方だろう。殺人を犯さなかったルーサーだが、唯一、ティムだけは殺している。これを娘への強い愛情の表現ととるのか、画竜点睛を欠くととるのかは、評価が別れるところだろう。自分はちょっと残念だった。

【5段階評価】3

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2017年4月22日 (土)

(1503) イン・ザ・ヒーロー

【監督】武正晴
【出演】唐沢寿明、福士蒼汰、和久井映見、黒谷友香、寺島進、杉咲花
【制作】2014年、日本

子供向けヒーロー番組のスーツアクターの生きざまを描いた作品。

スーツアクターの本城渉(唐沢寿明)は、生意気な若手俳優、一ノ瀬リョウ(福士蒼汰)を共演することになる。スーツアクターを小馬鹿にしたようなリョウだったが、本城の親身な説教を聞くにつれ、アカデミー俳優となる夢を語り、本城との仲を深めていく。リョウはハリウッド映画「ラストブレイド」のオーディション合格のため、本城にアクションの指導を乞う。リョウは見事に役を射止める。ところが、韓国人の監督(イ・ジュニク)が、ワイヤー、CGなしの危険なスタントを作品に盛り込もうとしたため、その白忍者の役を演じるはずだった俳優が降板。プロデューサーの石橋(加藤雅也)は代役を本城に求める。別れた妻の凛子(和久井映見)は、命に関わるからやめてくれと懇願するが、本城はプライドをかけてその役に挑むことを決める。
撮影現場に凛子と娘の歩(杉咲花)も駆けつけ、危険な長回し撮影が始まる。本城の仲間たちが切られ役を演じ、迫力のアクションシーンが繰り広げられるが、最後の最後、本城はセットに作られた池に後ろ向きに倒れ込む。病院に担ぎ込まれた本城だったが、体は無事。ベッドの上でおどけて腹筋を始める。凛子は自分が面倒を見るしかないと苦笑いするのだった。

自分自身がスーツアクターでもあった唐沢寿明が演じており、公開当時51歳ながら、なかなかの動きを見せている。仲間との愛や師弟愛、夫婦愛、家族愛が、くどすぎずほのぼのと描かれていて、楽しい作品だった。

【5段階評価】3

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2017年4月21日 (金)

(1502) 劇場版MAJOR メジャー 友情の一球

【監督】加戸誉夫
【出演】くまいもとこ(声)、野島健児(声)、蓮佛美沙子(声)、咲野俊介(声)
【制作】2008年、日本

満田拓也原作漫画のアニメ、「MAJOR」の劇場版。

小学五年生の茂野吾郎(くまいもとこ)は、プロ野球選手である父親の茂野秀毅(咲野俊介)が福岡ソフトバンクホークスに移籍したため、横浜から博多に引っ越す。博多南リトルに入団した吾郎は、監督に認められ、4番バッターに抜擢される。エースで4番の六年生、古賀将人(野島健児)は敵対心をむき出しにする。それは将人の妹で転校した吾郎の同級生の古賀恵(蓮佛美沙子)も同じだった。彼らの父親、古賀哲也(浜田賢二)もまた、ホークスのピッチャーだが、茂野秀毅の一軍入りにより、二軍に落ちていたため、二人は茂野の息子である吾郎を恨んでいたのだ。吾郎は、茂野秀毅が実の父親ではないこと、実の父親は試合中のデッドボールが原因で死んだこと、母親も実の母親ではないことを恵に話す。恵は吾郎への恨みの感情がなくなるが、将人は恨んだままだった。
リトルリーグ全国大会の九州予選が始まる。将人は、先発試合で苦戦。吉野監督(大川透)に交代を告げられるが、プライドの高い将人は続投を主張。いがみ合ってばかりだった吾郎は、意外にも投げさせればいい、と将人を支持。しかし、将人は打たれて逆転を許してしまう。吾郎は将人を全く責めず、味方の応援を続ける。たまりかねた将人が、なぜ自分を責めないんだと吾郎に詰め寄ると、吾郎は点を取られたって俺たちが点を取り返せばいいんだ、野球は一人でやっているんじゃないんだから、と話す。吾郎の純粋な気持ちに、将人も心を入れ替え、吾郎の大逆転の一打を素直に祝福。二人は無二の親友となる。
九州予選の決勝戦で、博多南は強豪の北九州リトルと対戦。肩を故障し、ピッチングを両親に止められていた吾郎は、親に内緒で先発マウンドに立つ。相手チームの左投げアンダースロー投手、マックス(岩田光央)に苦戦しつつも、特訓の成果により、チームはマックスを攻略。4対3で勝利を収める。しかし、吾郎の右肩はピッチングが二度とできない状態になってしまう。

それを知った茂野秀毅は、吾郎に左利き用のグローブを渡す。吾郎が左投げピッチャーとなる瞬間だった。大リーグで活躍するという夢を叶えた吾郎は、大学生投手となっていた将人に、小学生のときに約束していたサインボールをプレゼントするのだった。

MAJORの原作やアニメを知らなくても、十分に楽しめ、感動できる作品。原作やアニメに寄りかかって説明をはしょったり、コアなファンにしか分からないような内輪受けを狙ったり、あるいはスピンオフ過ぎて脇役にフィーチャーしすぎたり、あるいは逆に、初めて見る人向けの単なるダイジェスト版にすぎなかったりということなく、きちんと主人公に焦点を当て、効果的にキャラクターを紹介しながら、メインストーリーもきちんと盛り上がり、しかも原作にないエピソードをファンに提供するという、とても丁寧なつくり。テレビアニメの劇場版の中では、出色のできばえだった。MAJORのファンはもちろん、見たことのない人にも勧められる作品。

【5段階評価】4

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2017年4月20日 (木)

(1501) 秘密 THE SECRET

【監督】バンサン・ペレーズ
【出演】デビッド・ドゥカブニー、オリビア・サールビー、リリ・テイラー
【制作】2007年、フランス

東野圭吾原作小説の映画、「秘密」のリメイク作品。

眼科医のベン(デビッド・ドゥカブニー)は、愛する妻、ハンナ(リリ・テイラー)と娘のサム(オリビア・サールビー)の二人のドライブ旅行を送り出す。車の中で娘と口論となったハンナは運転を誤り、車は事故を起こす。
二人は病院に担ぎ込まれる。病院に駆けつけたベンは、ハンナが目を覚ますのに気づく。一方のサムは心配が停止する。ハンナは半狂乱になって娘の手を握り、サムの名を叫ぶ。今度はハンナの状態が急変し、帰らぬ人となり、サムは一命を取り留める。
家に戻ったサムが目を覚ます。ところがサムの中にいるのは「ハンナ」だった。信じられないベンだったが、やがて彼女を信じるようになる。「ハンナ」は、サムを取り戻すため、自分に反抗的だったサムの人生を生き始める。最初は見守っていたベンも、ドラッグをやり、異性とも交遊していたサムの生活をなぞる「ハンナ」に、ベンは嫉妬とも不安ともつかない複雑な感情を抱くようになる。
ベンの束縛を重荷に感じた「ハンナ」は、親友の家に逃げ込み、そこでついにドラッグに手を出す。幻覚症状に陥った「ハンナ」は、亡くなったハンナを視界に捕らえ、パニックに陥る。心配になって近くに来ていたベンは、「ハンナ」を家に連れ帰る。
目を覚ました「ハンナ」は、サムになっていた。サムはいなくなった母親を探して部屋を駆け回り、家の外に出たところで気絶してしまう。目が覚めると、意識は「ハンナ」になっていたが、次第に「ハンナ」の存在は弱まり、心はサムに戻りつつあった。「ハンナ」はサムに向けたビデオレターを作成する。ベンはそれをサムに見せる。サムはハンナの墓を訪ね、ハンナの思いを胸に秘めながら、サムとして生きていくことを決意するのだった。

原作、そして映画版の「秘密」より、ストーリーが単純化されていた。オリジナルの映画では、父親で夫の平介が、娘でもあり妻でもある藻奈美の結婚相手をなぐりつけるシーンが、決して普通の人生では経験できない感慨を観る者に与え、本作ならではの感動を与えてくれるのだが、本作は、リメイクなのに、オリジナルの斜め下を行くできばえ。おバカ高校のティーンエイジャーだけどがんばります、みたいな後味の薄い終わり方が残念だった。

【5段階評価】3

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2017年4月19日 (水)

(1500) ガンジー

【監督】リチャード・アッテンボロー
【出演】ベン・キングズレー、ジャワハルラール・ネルー、アリク・パダムゼ、ロヒニ・ハタンガディ
【制作】1982年、イギリス、インド

インド独立に貢献した歴史的人物、マタトマ・ガンジーの生涯を描いた作品。ベン・キングスレーのあまりにもガンジーに酷似したことが話題となった。第54回アカデミー賞作品賞受賞作品。

弁護士のガンジー(ベン・キングスレー)は、南アフリカの鉄道で、有色人種であるというだけで一等車に乗っていることを生意気だと差別され、列車から放り出される。ガンジーは理不尽な人種差別に立ち向かうことを決意。非暴力非服従の精神で南アフリカの人々の信頼を得る。
インドに帰国したガンジーは、イギリス人による差別的支配からの脱却を目指し、活動を続ける。集会を禁じた政府軍が、無抵抗の民衆を大量虐殺するという陰惨な事件が起き、ガンジーを悲しませる。逆に民衆が警官を暴行殺害する事件が起き、ガンジーは断食を行い、人民の暴力的な行為を戒める。インドは独立に向かうが、ガンジーの友、ジンナー(アリク・パタムゼ)はイスラム教徒の国、パキスタンを建国する。
高齢となったガンジーは、祈りの儀式に向かうさなか、銃を持った男に暗殺され、生涯を閉じる。彼の遺灰はガンジス川に撒かれるのだった。

最初のシーンで、ガンジーが暗殺され、回想のように若い頃のシーンに入っていく。「暗殺」、「人種差別」というわかりやすい主題が端的に示されるので、こうした長編映画にありがちな説明的で退屈なシーンが全くといっていいほど気にならない。壮大な葬儀当時の町並みの映像も見応えがあり、CG全盛の今なら何の感動もないが、よくこれだけの映画を作ったなという意味での感動もあった。
非暴力主義で政治的勝利を勝ち得ることが、絵空事の理想ではないこともわかりやすく表現されていた。作品賞をはじめアカデミー賞8部門受賞も納得の大作だ。

【5段階評価】4

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2017年4月16日 (日)

(1499) ワールド・トレード・センター

【監督】オリバー・ストーン
【出演】ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ、マリア・ベロ、マギー・ジレンホール
【制作】2006年、アメリカ

9.11のテロ事件で生き埋めとなった警官の救出劇を描いた作品。

警官の活躍を描いた作品かと思いきや、主人公のジョン・マクローリン(ニコラス・ケイジ)は映画開始早々、仲間とともにあっという間にがれきの中に埋もれてしまう。まだ、誰も救っていない。何の活躍もせず、いきなり埋まってしまうのだ。このあたりは、映画っぽくない展開だ。普通なら、誰かを救う代わりに自分が犠牲になったりするが、彼らは誰も救出しないまま、救出される側に回ってしまうのだ。
ジョンは、もう一人、生き埋めとなったウィル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)と励まし合いながら、救助を待つ。地上では、ジョンの妻、ドナ(マリア・ベロ)やウィルの妻、アリソン(マギー・ジレンホール)が行方不明の夫の無事を家族とともに祈る。
そんな中、事件を知った元海兵隊のデイブ・カーンズ(マイケル・シャノン)が自発的に現地に入り、生存者の捜索を開始。ウィルの鳴らすパイプの音に気づき、二人を発見する。決死の救出活動により、彼らは救い出される。

ニュースのレポーターが「これは映画ではありません」と実況した事件。それが映画になった訳だが、作品に登場する実際の映像は確かに、映画に違和感なく溶け込むほど映画的だった。
開始早々、主人公が埋まってしまうので、「もしかしてあとは救出されるのを待つだけの作品なのか」と思うのだが、本作は本当にその通りである。そこに家族の不安や道義心に燃える男たちの挿話を盛り込むことで、感動的な映画に仕立てている。2,000人以上がなくなった事故。ただのお涙ちょうだい映画であれば、悲惨な事故を金儲けに利用したと批判されかねないわけで、やはり監督の力なのだろう。

【5段階評価】4

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2017年4月15日 (土)

(1498) アナと雪の女王

【監督】クリス・バック、ジェニファー・リー
【出演】クリステン・ベル(声)、イディナ・メンゼル(声)、ジョナサン・グロフ(声)
【制作】2013年、アメリカ

王女姉妹の愛と冒険を描いたディズニーアニメ。主題歌「Let It Go」が大ヒットした作品。

アレンデール王国の国王の娘、アナ(クリステン・ベル)は、氷の魔法を使える王女のエルサ(イディナ・メンゼル)と遊ぶのが大好きだったが、事故で気絶してしまう。国王(モーリス・ラマルシェ)はトロールに相談し、城を封鎖してエルサに手袋をはめさせ、魔法を封じ込める。国王と王妃は海難事故で亡くなり、エルサの戴冠式を迎える。アナはそこで他国の王子、ハンス(サンティノ・フォンタナ)と意気投合し、初対面で結婚を決める。アナはエルサに報告に行くが、エルサはそれを却下。アナがエルサを怒らせてしまったため、エルサは氷の魔法を見せてしまう。人々の驚く姿を見たエルサは、そのまま雪山を登り、そこに氷の城を造り上げる。
アナはエルサを追って山を登り始め、そこでトナカイを連れたクリストフ(ジョナサン・グロフ)と出会う。アナはクリストフとともにエルサの城を目指す。途中で雪だるまのオラフ(ジョシュ・ギャッド)を仲間にした一行はエルサの城に到着するが、エルサはアナとともに町に戻ることを拒否する。アナはエルサに拒絶されたことで弱り始める。真実の愛が心の氷を溶かすと知ったクリストフは、アナをハンスに会わせようと雪山を下りる。
ハンスと再会したアナは会いの口づけを求めるが、ハンスはアレンデールの王となるためにアナと結婚してエルサを亡き者にしようと企む悪者だった。ハンスはアナを城の一室に閉じ込めると、エルサを死刑にすると宣言。閉じ込められたアナは、オラフの助けで城を脱出。再びアナのもとに駆けつけたクリストフと会おうとする。ところが、エルサに刃を向けようとするハンスを見つけたアナは、ハンスとエルサの間に入ってハンスの剣をはねつけると、そのまま凍り付いてしまう。アナの姉妹愛を知ったエルサは、凍り付いたアナを抱きしめて涙する。すると、アナの氷が溶け、もとの姿に戻る。真実の愛とは、エルサとアナの姉妹愛だった。国に平和が戻り、ハンスは追放される。アナはクリストフと恋人になって口づけをかわすのだった。

国民的アニメとなった本作は、テレビ公開時、エンディングで一般人や芸能人が歌う「レット・イット・ゴー」動画を流したのだが、これがひどかった。動画が採用された一般人は喜んだのかもしれないが、映画とはプロの作る作品、見ようによっては芸術なのであって、最後に素人動画で持ってきて締めるというのは、映画というものに対する敬意がなさすぎ。よゐこ濱口を始めとした芸能人の動画も、なんだか映画を馬鹿にしたような歌いぶりで、げんなりさせられた。

【5段階評価】4

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2017年4月14日 (金)

(1497) 言の葉の庭

【監督】新海誠
【出演】入野自由(声)、花澤香菜(声)
【制作】2013年、日本

1年の男子高校生と27歳の女性とのほのかな恋物語。

靴職人を目指し、雨の日の朝は学校をさぼる高校1年生のタカオ(入野自由)は、新宿の公園の東屋で、朝からビールを飲んでいるユキノ(花澤香菜)に出会う。女性も雨の日に仕事をさぼっているようで、二人は雨の日の逢瀬が楽しみになる。家庭環境の影響で料理が得意なタカオは、弁当をユキノにふるまうようになり、彼女の靴を作り始める。
やがて梅雨が終わり、二人は出会わなくなる。そして2学期のある日、タカオとユキノは学校の廊下ですれ違う。ユキノはタカオの高校の先生だった。ユキノは生徒からいじめを受けており、その日が学校最後の日だった。タカオはユキノをいじめていた3年生女子に平手打ちを食らわせるが、取り巻きの男子生徒に返り討ちに遭う。
公園に行ったタカオは、ユキノと会い、彼女の部屋に行く。二人は幸せを感じる。タカオはユキノに好きだと告げるが、ユキノは東京を離れて四国に戻ると話す。タカオは部屋を出る。ユキノはたまらなくなってタカオを追いかける。タカオはユキノの住むマンションの廊下の踊り場にいた。タカオは、好きだというのは嘘だ、本当は嫌いだと叫ぶが、ユキノは泣きながらタカオに抱きつく。
ユキノは四国に帰り、冬が来る。タカオはできあがった靴を、ユキノと会っていた東屋に置き、また会える日のことを思うのだった。

46分と短い作品。東京の町並みや新宿御苑をアニメで映像化していて、聖地巡礼したがる人には楽しい作品だろう。雨の風景の描写は素晴らしく、見入ってしまった。

【5段階評価】3

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2017年4月10日 (月)

(1496) ティファニーで朝食を

【監督】ブレイク・エドワーズ
【出演】オードリー・ヘップバーン、ジョージ・ペパード、パトリシア・ニール、バディ・イブセン
【制作】1961年、アメリカ

同じアパートに住む男女の恋物語。

ホリー・ゴライトリー(オードリー・ヘップバーン)は、悩んだときはティファニーにタクシーで乗り付け、気持ちを落ち着ける女性。同じアパートに作家のポール・バージャック(ジョージ・ペパード)が引っ越してくる。自由奔放なホリーに戸惑いながらも、ポールは彼女に好感を持つようになる。ホリーは実は14歳で結婚しており、家出をしていた。夫のドク(バディ・イブセン)が彼女を訪ねてくるが、ホリーは喜びながらも彼のもとへは戻らなかった。その後もホリーは、ポールと仲良くしながらも、富豪との結婚を画策しては失敗に終わる。ホリーはそれでも予約したチケットでブラジルに発とうとし、ポールはタクシーの中でそれをとめる。ホリーは大雨の中、飼い猫をタクシーの外に出してしまう。ポールはタクシーを降り、ホリーを責める。君は人を愛することを束縛と恐れ、結局は自分で築いた鳥かごの中にいるのだと。
タクシーに残されたホリーは、意を決してタクシーを降り、猫を探すポールのもとに歩み寄り、ずぶ濡れになった猫を見つけて抱き上げると、ポールと長い口づけをするのだった。

序盤に電撃ネットワークの南部のようなユニオシ(ミッキー・ルーニー)という日系人が登場。出っ歯で愚鈍で嫌なヤツという人種差別的な設定。最後にちょっといい役になるのかと思ったら、最後まで軽い扱いで、この有名な映画の大きな汚点になっている。
汚点はさらに二つある。一つは喫煙。主人公のホリー、恋人のポール。二人とも喫煙者。とにかく、映画の中で、たばこを吸い続けている。それともう一つは、町なかのポイ捨て。たばこは言うに及ばず、お菓子の包み紙やらなんやら、とにかく平気で地面に投げ捨てる。それもたぶん、かっこいい仕草として映している。今観ると、そこが気になってイライラしてしまう。昔の映画だから、ということもあるかもしれないが、自分は古い作品もそこそこ観ているのに、この作品では特にそれが目に付いたのだから、本作の特徴と考えざるを得なかった。
そしてメインストーリーの方も、あまり面白いと思えなかった。主人公の女性が何者なのか、よく分からない。派手なパーティの金は誰が出しているのか。フレッドが死んだという知らせが彼女に与えた変化とは。
小説だとじっくりと描かれるであろう展開が、作品内では断片的で余韻や連続性が感じられず、いくつかの不連続なエピソードの後、二人は結ばれましたというだけの作品になっていた。

【5段階評価】2

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2017年4月 9日 (日)

(1495) ポテチ

【監督】中村義洋
【出演】濱田岳、木村文乃、石田えり、大森南朋、松岡茉優
【制作】2012年、日本

伊坂幸太郎原作小説の映画化作品。空き巣を生業とする青年を巡るドラマ。

空き巣をしている今村忠司(濱田岳)には、黒澤(大森南朋)や中村(中村義洋)という信頼できる先輩がいた。今村は、同棲相手の若葉(木村文乃)と、プロ野球選手の尾崎(阿部亮平)の家に空き巣に入る。尾崎は補欠ではあるが試合中だった。二人が尾崎の部屋でくつろいでいると、電話が鳴る。二人は電話に出るか戸惑う。
忠司はかつて、似た経験をしていた。中村と二人で、結婚詐欺の男の家に空き巣に入ったところ、電話が鳴り、女が留守電に、今から飛び降りて死んでやる、と言ってきたのだ。忠司は迷った末にコールバックし、女のいるビルの屋上に行って彼女を助ける。それが今の彼女、若葉だった。
尾崎の家に電話をしてきたのも女性だった。尾崎に助けを求めているようだった。忠司は若葉の制止を振り切って、女がいるという店に行く。そこにはかわいらしい女性(松岡茉優)がいた。若葉と忠司が話を聞くと、ストーカーに付け狙われているところを尾崎さんに助けられた、そのストーカーから店に来いと言われたのだが、何かあったら電話しろと尾崎さんに言われていたので電話した、と彼女は答える。そこに車がやってくる。若葉と忠司は、男に文句を言ってやろうと席を立つが、女は慌てて店を出てしまい、車も走り去る。忠司はとっさに車のナンバーをメモする。
黒澤の助言を得た忠司は、運輸局で車の持ち主を割り出し、家に向かう。すると、中から店にいた女と、車の持ち主の落合(中村大樹)が親しそうに出てくる。二人は落合の家に侵入して待ち伏せ、帰ってきた落合と女を問い詰める。二人は尾崎に対して美人局をしようとしていた。落合が尾崎を馬鹿にすると、忠司は激しく怒り、興奮する。二人に釘を刺した二人は、外で待っていた黒澤と合流。若葉がポテチのコンソメ味を食べたいというので、忠司は自分の分と二つ買ってきて、若葉に一つを渡す。ところが、若葉に渡されたのは塩味で、忠司が先に食べていたのがコンソメ味だった。一口食べた若葉がそれに気づき、忠司は取り替えようとするが、若葉は塩味もおいしいことに気づいたからこれでいいと言う。すると、忠司は悲しそうな顔で涙を流す。若葉は訳が分からないのだった。
若葉は、忠司の家に電話をかけてきた忠司の母親、弓子(石田えり)と知り合いになり、すっかり意気投合する。忠司も交えて3人で飲んでいると、酒に弱い忠司は寝てしまう。若葉は弓子に忠司の子供の頃の話を聞く。話題は尾崎のことになり、弓子は尾崎が忠司と同じ病院で同じ頃に産まれたという話をする。酒に強い父親と違って酒が弱い忠司。若葉はある可能性を思いつく。
若葉は黒澤に話を聞く。黒澤は副業で探偵をしており、忠司に弓子が実の親か調査を頼まれことを打ち明ける。DNA鑑定を知人に依頼し、弓子の本当の子供は尾崎だったのだ。
黒澤と若葉は、尾崎のチームの監督(桜金造)が落合の女と寝ているホテルの部屋に侵入して写真をとり、尾崎を代打に出せ、と監督を脅すと、忠司と弓子の親子を試合に招待。
尾崎がいい場面で代打に立つ。忠司は立ち入り禁止の外野席に入り込んで尾崎を応援。尾崎はどでかいホームランを放つ。忠司は大喜びし、野球に興味がなく、ホームランを「遠くに玉が飛んだだけ」と馬鹿にしていた若葉も、ただ玉が遠くに飛んだだけのホームランに感動の涙を流すのだった。

話が唐突に終わった。え、これで終わりなの、という。自ら万有引力に気づき、三角形の内角の和が180度であることに気づく忠司という伏線が、どう今後の展開に効いてくるのかと期待していたらただ、庶民的な弓子の子とは思えない才能を持っていることを暗示しているだけだった。何より、序盤で、どたばたの出産の話が出た時点で真っ先に子供の取り違えの可能性に気づくのだが、それを裏切る展開があるのかと思いきや、そのままそれがオチなので、ほぼカタルシスがない。原作者は好きだっただけに、残念だった。東野圭吾原作の映画も当たり外れが激しいが、伊坂幸太郎も同じかもしれない。「アヒルと鴨のコインロッカー」は当たりだったが、「ゴールデン・スランバー」は外れだったし。全部、中村義洋監督なのだが。本作は、短編を無理矢理長編映画にしたような薄味の作品だった。あ、だからポテチなのか(違う)。
ちなみにポテチは、取り違えられた二人の子供を象徴している訳だね(未確認)。

【5段階評価】2

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2017年4月 7日 (金)

(1494) のだめカンタービレ 最終楽章 後編

【監督】川村泰祐
【出演】上野樹里、玉木宏、竹中直人、吉瀬美智子、ベッキー、ウエンツ瑛士
【制作】2009年、日本

二ノ宮知子原作漫画をテレビドラマ化した「のだめカンタービレ」の劇場版。前後編二編の後編。

のだめこと野田恵(上野樹里)は、恋人で指揮者の千秋信一(玉木宏)との距離を感じていた。千秋は音楽に専念するためにのだめと離れて暮らすことを決意。のだめは激しく落ち込む。ピアノのオクレール先生(マヌエル・ドンセル)からはコンクールに出ることを禁止される。のだめは思い悩む。
そこにシュトレーゼマン(竹中直人)が現れ、のだめをコンサートデビューさせる。のだめは一躍人気者となるが、のだめ自身は燃え尽き、演奏する気が失せてしまう。
行方不明状態となったのだめを千秋は探す。やがて、幼稚園で子供たち相手に演奏をしていることを知った千秋は、彼女を連れ帰り、モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」を二人で弾く。のだめは、最高の演奏に終わりはないことを知る。二人は再び抱き合う。
ついにのだめは、千秋とともにコンサートの舞台に立つ。夢を実現させた二人は、パリの橋の上で、長い口づけをかわす。

途中でどんよりするが、一応のハッピーエンド。前編の、バラバラ楽団が団結して感動的なコンサートを行うという王道のストーリーに比べると、後半はややまどろっこしい展開で、今ひとつの印象だった。

【5段階評価】3

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2017年4月 6日 (木)

(1493) のだめカンタービレ 最終楽章 前編

【監督】武内英樹
【出演】上野樹里、玉木宏、福士誠治、ベッキー、ウエンツ瑛士、山田優
【制作】2009年、日本

二ノ宮知子原作漫画をテレビドラマ化した「のだめカンタービレ」の劇場版。前後編二編の前編。

のだめこと野田恵(上野樹里)は、恋人で指揮者の千秋信一(玉木宏)とフランスに滞在。千秋は指揮者としての職がなかったが、落ちぶれた楽団「マルレ・オケ」の常任指揮者となる。楽団は貧乏で団員はバイトを掛け持ちするなどやる気に欠け、気難しいコンマス(マンフレッド・ボーダルツ)にも千秋は悩まされる。千秋は真剣に指揮を続け、楽団員も厳しい練習に応えるようになる。
マルレ・オケの新しいシーズンの最初のコンサート。千秋は見事な指揮で素晴らしい演奏を実現し、ホールは大盛況。のだめは千秋の成功に喜びながらも、自分が取り残されてしまったような悲しみを覚えるのだった。

テレビドラマでは、のだめのぶっとびキャラを上野樹里がうまく演じて話題となった。本作は前後編の前編として、どちらかというと玉木宏演じる千秋にフォーカスされており、のだめの出演は控えめ。
クライマックスのコンサートのシーンはとても感動的。「天使にラブソングを・・・」や「スウィングガールズ」など、音楽を扱った成長ものの作品は、だいたい胸にぐっと来る。音楽の力ってすごい。

【5段階評価】3

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2017年4月 4日 (火)

(1492) 悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46

【監督】丸山健志
【出演】乃木坂46
【制作】2015年、日本

アイドルグループ乃木坂46のメンバーを扱ったドキュメンタリー作品。

いじめに遭っていたり、不登校だったりした少女たちが、アイドルを目指してオーディションに挑み、プレッシャーや仲間との競争、スキャンダルと戦いながら成長していく姿を描いている。
AKB48にも同様の作品群(1作目2作目3作目)があり、こちらはこちらで面白かったので、本作も観てみた。AKB48よりはマイナーな乃木坂46なので、できばえもそれほどでもないのかと思ったら、意外にもこちらの方が面白かった。
作品を通してほぼセンターを任されているのは、美少女アイドルというには若干微妙な生駒里奈。不思議な気もするが、本作を観ると、その頑張りは応援したくなる。運命というか、巡り合わせもあるが、その運命に乗る本人の努力のたまものなんだろうね。評価4に近い評価3。

【5段階評価】3

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2017年4月 3日 (月)

(1491) 海底2万マイル

【監督】リチャード・フライシャー
【出演】カーク・ダグラス、ポール・ルーカス、ジェームズ・メイソン、ピーター・ローレ
【制作】1954年、アメリカ

ジュール・ベルヌ原作小説の映画化作品。最新鋭の潜水艦の謎に迫る人々を描く。

1868年、謎の巨大海洋生物が、航海中の船を襲う事件が世間を賑わせていた。モリ打ちが得意な陽気な船乗り、ネッド・ランド(カーク・ダグラス)は、自分が仕留めると豪語。海洋学者のアロナクス(ポール・ルーカス)は、政府の依頼で調査船に乗り込むこととなり、助手のコンセイユ(ピーター・ローレ)と乗船。ネッドも同乗する。3ヶ月にわたる調査で巨大生物を見つけられず、調査を打ち切ろうとしたそのとき、巨大な物体が海に現れ、調査船は沈没。3人は海に投げ出される。
アロナクスとコンセイユは、木切れに捕まり、海に浮かぶ謎の潜水艦にたどりつき、ネッドも合流する。潜水艦はアロナクロスも驚く未知の技術の結晶だった。艦長のネモ(ジェームズ・メイソン)は3人を潜水艦ノーチラス号に乗せ、航海を続ける。彼は、かつて奴隷のように働かされていたことで、地上の人々を恨んでおり、たびたび船を襲撃していたのだった。
ネッドは船から脱出しようと試みるが失敗。ネモ艦長は脱走を企てた彼を処罰しようとする。ところが、ノーチラス号が巨大イカに襲われ、応戦したネモ艦長は海に引きずり込まれてしまう。ネッドはモリをイカの急所に打つと、海に飛び込んでネモ艦長を救出。ネッドは処罰を免れる。
ネモ艦長は拠点の島に向かうが、そこでは政府の軍が待ち伏せしていた。ネッドは自分たちは味方だと伝えようとするが、軍は容赦なく銃撃。ネモ艦長は島の時限爆破装置を起動させ、船に戻ろうとするが、銃で撃たれて瀕死の重傷を負ってしまう。艦長は船を潜行させ、船員とともに命を絶つ決断をする。ネッドは捕らえられるが、暴れて船員たちを殴り倒すと、船を上昇させ、アロナクスとコンセイユとともにボートで脱出。島は大爆発を起こし、ノーチラス号は海に沈んでいくのだった。

2万マイルって深さのことで、深海の怪獣と戦うような作品かと思っていたが、どうやら2万マイルは航行距離のようだった。考えてみたら、1マイルって1.6kmだから、2万マイルって32,000kmなわけで、そんなに潜ったら地球の中心どころか、裏側も突き抜けてしまうのだった。地球の半径は6,400kmぐらいだからな。ワッハッハ。
いろんな深海生物が出てくるのかと思ったら、唯一出てくるのが巨大イカだった。自然との闘い、冒険というよりは、ネモ艦長の人々への恨みに主眼が置かれており、「沈黙の艦隊」の海江田四郎が潜水艦「やまと」を独立国家にしようとしたのと同じような雰囲気を感じた。
全体的に、当時の特撮技術が駆使され、見てらんないほどのひどい映像ではなかったが、手に汗握るような展開があるとも言えず、退屈に感じた作品だった。

【5段階評価】2

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