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2017年4月23日 (日)

(1504) 目撃

【監督】クリント・イーストウッド
【出演】クリント・イーストウッド、ジーン・ハックマン、エド・ハリス、ローラ・リニー
【制作】1997年、アメリカ

大統領の不祥事を目撃した泥棒の運命を描いた作品。クリント・イーストウッドが監督・主演の二役を担っている。

大邸宅に忍び込んだ大泥棒のルーサー・ホイットニー(クリント・イーストウッド)は、人の気配を感じ、マジックミラーの奥の隠し部屋に逃げ込む。部屋の中に一組の男女が入ってくる。クリスティ(メロラ・ハーディン)は夫が留守中だと言って年老いた男、アラン(ジーン・ハックマン)を誘惑。二人は濃厚なキスを重ねるが、そのうち、男の行動が暴力的になり、反抗的な女の首を絞める。女はそれをかわしてペーパーナイフで男の腕を刺し、男めがけてナイフを振り上げる。男は「助けてくれ」と悲鳴を上げる。突如、銃声が鳴り響き、女は倒れる。銃を持って駆けつけたスーツ姿の二人の男、ビル(スコット・グレン)とティム(デニス・ヘイスバート)が、アランを助け起こす。さらに有能そうな女性、グロリア(ジュディ・デイビス)が現れる。ビルは警察に通報しようと言うが、グロリアは事件をもみ消すことにし、証拠となりそうな品を持って立ち去る。ところが、あわてて肝心のペーパーナイフを床に落としてしまう。隠れていたルーサーは、そのナイフを取り上げる。
車で現場を離れようとしたグロリアは、バッグにナイフが入っていないことに気づき、男二人が慌てて現場に戻る。ルーサーは窓からロープで脱出。それに気づいた二人はナイトスコープをつけて追いかけるが、ルーサーは車に乗り込み、逃走する。グロリアたちは、犯行現場にあったマジックミラーの奥に隠し部屋を発見。事件の一部始終を見ていた男が、証拠品のペーパーナイフを持って逃走したことは明らかだった。
翌日、現場を調べていた刑事のセス・フランク(エド・ハリス)は、不可解な状況に頭を悩ませていた。空き巣を見つけて撃ち殺されたように見えるが、なぜ首を絞められてから銃殺されたのか。犯人はなぜ女の服を脱がせて着せ直しているのか。なぜ床は指紋もないほどきれいになっているのか。なぜセキュリティを解除して侵入した犯人が、帰りは窓から出て行ったのか。亡くなったのは高齢の大富豪ウォルター・サリバン(E・G・マーシャル)の二番目の妻、クリスティ。そしてクリスティに暴行を働いた男は、アメリカ大統領アラン・リッチモンドだった。ウォルターは300万ドルで殺し屋を雇う。
セスは、警備の厳重な大邸宅に忍び込むほどの腕を持つ泥棒の線から捜査をし、ルーサーにたどり着く。セスは美術館で模写をしているルーサーを訪ねる。ルーサーは何食わぬ顔でアリバイを主張すると、犯人像を語って聞かせる。
ルーサーは高飛びをしようと空港に向かうが、そこでアラン大統領の記者会見の映像を目にする。アランは自分の支持者であるウォルターに起こった不幸を嘆いていた。ルーサーはアランの行為に激怒する。
ルーサーが人を殺すような人物でないと確信していたセスは、ルーサーの一人娘のケイト(ローラ・リニー)を訪ね、父親の命が危ないからルーサーと会うよう電話をしてほしいと頼む。電話したケイトはルーサーと会うことになり、それをセスに報告。しかしそれは、ビルに盗聴されていた。事件のもみ消しに賛成だったティムは、ルーサーを暗殺するため、ケイトとルーサーの待ち合わせ場所のカフェに向かう。そこにはウォルターの雇った殺し屋も来ていた。セスとビルも大勢の警官と現場に待機する。
ルーサーは馬鹿正直に現場に現れる。殺し屋が銃の狙いをつけるが、一瞬、ガラスの光が反射して手元が狂い、弾はそれる。ティムも狙撃に失敗。カフェは騒然となる。セスはあわてて現場に駆け込むが、ルーサーは警官に変装してその場から消え失せていた。
セスはケイトを部屋に送ると、自分は一人暮らしなんだとしつこくアピールしつつ、部屋の鍵をしっかりかけるよう告げて部屋を立ち去る。いつの間にか冷蔵庫の中が充実していることに気づいたケイトは、部屋の中にルーサーが入り込んでいることを確信。部屋の中にいたルーサーは、ケイトに事件の真相を話す。彼は自分が人殺しではないことをケイトに知ってもらいたかったのだ。
ルーサーは、大統領の筆跡をまねたメッセージカードをつけて、グロリアに豪華な首飾りをプレゼントする。グロリアはそれをつけてパーティ中の大統領の前に現れる。アランはグロリアとダンスをしながら、それは死んだクリスティが殺害当日つけていたものだ、とささやく。現場にいたルーサーからの脅しだった。アランは、ルーサーとともに娘のケイトも亡き者にするよう指示する。
ティムはケイトを尾行。ケイトはいつものジョギング場所に向かい、崖上の駐車場に車を止める。ティムは車でケイトの車を後ろから押し、崖下に転落させる。ルーサーはケイトを追って現場に駆けつけるが、ティムの車は逃走する。ケイトは病院に運ばれる。ティムは医師に化けてケイトの病室に入り込み、持っていた注射器でケイトを殺そうとするが、背後からルーサーがティムの頸動脈に注射器を突き立て、ティムに注射器を捨てさせる。弁解をするティムだったが、ルーサーは娘の命を狙った者を許さなかった。彼は突き立てていた注射器の中身をゆっくりとティムに注入する。
ルーサーは、ウォルターの運転手になりすまし、ウォルターの車で二人きりになると、ウォルターに事件の真相を明かす。信じられないというウォルターに、ルーサーは証拠品のペーパーナイフを手渡す。ルーサーの言葉が真実だと知ったウォルターは怒りに震える。
ルーサーはウォルターをホワイトハウスで降ろす。ウォルター「私は妻を愛していた」と言い残し、ホワイトハウスに入っていく。時を同じくして、ビルは自殺。グロリアたちは逮捕された。ペーパーナイフを握りしめ、アランの部屋をノックするウォルター。アランが笑顔で迎え入れ、ウォルターは無言で部屋に入る。
ルーサーはケイトの入院する病院に向かう。ニュースでは、サリバン氏が大統領と非公式に面会し、大統領が自殺したことが報じられていた。サリバンはインタビューで、大統領は悩んでいたようだったと告げた。病室にはセスがいて、ケイトの頭をなで、何も言わずに立ち去る。ケイトは安心した笑顔でルーサーに「私、大丈夫よね」と話しかけ、ルーサーも笑顔で「俺たちは大丈夫だ」と答えるのだった。

ストーリーはシンプルでわかりやすく、ベテラン俳優の安定した演技で良質のサスペンスに仕上がっている。
もっとも、突っ込みどころとしては、大統領がお忍びで行動したことを全く知られずにいられるなんてことがあるのか、とか、凄腕の殺し屋の割りに暗殺に失敗したり、崖から車を突き落とすという確実性のない暗殺方法だったりはするのだが。
アラン自殺の真相は分からないが、おそらくはサリバンがアランを刺し殺し、彼と自分の名誉を守りつつ、復讐を遂げたのだろう。その辺りをはっきり描かないのも、うまい終わり方だろう。殺人を犯さなかったルーサーだが、唯一、ティムだけは殺している。これを娘への強い愛情の表現ととるのか、画竜点睛を欠くととるのかは、評価が別れるところだろう。自分はちょっと残念だった。

【5段階評価】3

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