(1502) 劇場版MAJOR メジャー 友情の一球
【監督】加戸誉夫
【出演】くまいもとこ(声)、野島健児(声)、蓮佛美沙子(声)、咲野俊介(声)
【制作】2008年、日本
満田拓也原作漫画のアニメ、「MAJOR」の劇場版。
小学五年生の茂野吾郎(くまいもとこ)は、プロ野球選手である父親の茂野秀毅(咲野俊介)が福岡ソフトバンクホークスに移籍したため、横浜から博多に引っ越す。博多南リトルに入団した吾郎は、監督に認められ、4番バッターに抜擢される。エースで4番の六年生、古賀将人(野島健児)は敵対心をむき出しにする。それは将人の妹で転校した吾郎の同級生の古賀恵(蓮佛美沙子)も同じだった。彼らの父親、古賀哲也(浜田賢二)もまた、ホークスのピッチャーだが、茂野秀毅の一軍入りにより、二軍に落ちていたため、二人は茂野の息子である吾郎を恨んでいたのだ。吾郎は、茂野秀毅が実の父親ではないこと、実の父親は試合中のデッドボールが原因で死んだこと、母親も実の母親ではないことを恵に話す。恵は吾郎への恨みの感情がなくなるが、将人は恨んだままだった。
リトルリーグ全国大会の九州予選が始まる。将人は、先発試合で苦戦。吉野監督(大川透)に交代を告げられるが、プライドの高い将人は続投を主張。いがみ合ってばかりだった吾郎は、意外にも投げさせればいい、と将人を支持。しかし、将人は打たれて逆転を許してしまう。吾郎は将人を全く責めず、味方の応援を続ける。たまりかねた将人が、なぜ自分を責めないんだと吾郎に詰め寄ると、吾郎は点を取られたって俺たちが点を取り返せばいいんだ、野球は一人でやっているんじゃないんだから、と話す。吾郎の純粋な気持ちに、将人も心を入れ替え、吾郎の大逆転の一打を素直に祝福。二人は無二の親友となる。
九州予選の決勝戦で、博多南は強豪の北九州リトルと対戦。肩を故障し、ピッチングを両親に止められていた吾郎は、親に内緒で先発マウンドに立つ。相手チームの左投げアンダースロー投手、マックス(岩田光央)に苦戦しつつも、特訓の成果により、チームはマックスを攻略。4対3で勝利を収める。しかし、吾郎の右肩はピッチングが二度とできない状態になってしまう。
それを知った茂野秀毅は、吾郎に左利き用のグローブを渡す。吾郎が左投げピッチャーとなる瞬間だった。大リーグで活躍するという夢を叶えた吾郎は、大学生投手となっていた将人に、小学生のときに約束していたサインボールをプレゼントするのだった。
MAJORの原作やアニメを知らなくても、十分に楽しめ、感動できる作品。原作やアニメに寄りかかって説明をはしょったり、コアなファンにしか分からないような内輪受けを狙ったり、あるいはスピンオフ過ぎて脇役にフィーチャーしすぎたり、あるいは逆に、初めて見る人向けの単なるダイジェスト版にすぎなかったりということなく、きちんと主人公に焦点を当て、効果的にキャラクターを紹介しながら、メインストーリーもきちんと盛り上がり、しかも原作にないエピソードをファンに提供するという、とても丁寧なつくり。テレビアニメの劇場版の中では、出色のできばえだった。MAJORのファンはもちろん、見たことのない人にも勧められる作品。
【5段階評価】4
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