(1501) 秘密 THE SECRET
【監督】バンサン・ペレーズ
【出演】デビッド・ドゥカブニー、オリビア・サールビー、リリ・テイラー
【制作】2007年、フランス
東野圭吾原作小説の映画、「秘密」のリメイク作品。
眼科医のベン(デビッド・ドゥカブニー)は、愛する妻、ハンナ(リリ・テイラー)と娘のサム(オリビア・サールビー)の二人のドライブ旅行を送り出す。車の中で娘と口論となったハンナは運転を誤り、車は事故を起こす。
二人は病院に担ぎ込まれる。病院に駆けつけたベンは、ハンナが目を覚ますのに気づく。一方のサムは心肺が停止する。ハンナは半狂乱になって娘の手を握り、サムの名を叫ぶ。今度はハンナの状態が急変し、帰らぬ人となり、サムは一命を取り留める。
家に戻ったサムが目を覚ます。ところがサムの中にいるのは「ハンナ」だった。信じられないベンだったが、やがて彼女を信じるようになる。「ハンナ」は、サムを取り戻すため、自分に反抗的だったサムの人生を生き始める。最初は見守っていたベンも、ドラッグをやり、異性とも交遊していたサムの生活をなぞる「ハンナ」に、ベンは嫉妬とも不安ともつかない複雑な感情を抱くようになる。
ベンの束縛を重荷に感じた「ハンナ」は、親友の家に逃げ込み、そこでついにドラッグに手を出す。幻覚症状に陥った「ハンナ」は、亡くなったハンナを視界に捕らえ、パニックに陥る。心配になって近くに来ていたベンは、「ハンナ」を家に連れ帰る。
目を覚ました「ハンナ」は、サムになっていた。サムはいなくなった母親を探して部屋を駆け回り、家の外に出たところで気絶してしまう。目が覚めると、意識は「ハンナ」になっていたが、次第に「ハンナ」の存在は弱まり、心はサムに戻りつつあった。「ハンナ」はサムに向けたビデオレターを作成する。ベンはそれをサムに見せる。サムはハンナの墓を訪ね、ハンナの思いを胸に秘めながら、サムとして生きていくことを決意するのだった。
原作、そして映画版の「秘密」より、ストーリーが単純化されていた。オリジナルの映画では、父親で夫の平介が、娘でもあり妻でもある藻奈美の結婚相手をなぐりつけるシーンが、決して普通の人生では経験できない感慨を観る者に与え、ファンタジーサスペンスならではの感動を与えてくれるのだが、本作は、リメイクなのに、オリジナルの斜め下を行くできばえ。おバカ高校のティーンエイジャーだけどがんばります、みたいな後味の薄い終わり方が残念だった。
【5段階評価】3
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