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2017年3月

2017年3月31日 (金)

(1490) 愛と青春の旅立ち

【監督】テイラー・ハックフォード
【出演】リチャード・ギア、デブラ・ウィンガー、デビッド・キース、ルイス・ゴセット・ジュニア
【制作】1982年、アメリカ

海軍士官学校訓練生ので厳しい訓練と恋の行方を描いた青春映画。

女にだらしのない父親(ロバート・ロッジア)と、父親のせいで自殺した母親を両親に持つザック・メイヨ(リチャード・ギア)は、父の反対を押して海軍士官学校に入ることを決意。鬼教官のエミール・フォーリー軍曹(ルイス・ゴセット・ジュニア)の厳しいしごきによる訓練が始まる。
同じ部屋で友人となったシド(デビッド・キース)とともに、パーティに来た若い女性に誘いをかけ、シドはリネット(リサ・ブロント)と、そしてザックはポーラ(デブラ・ウィンガー)と付き合い始める。リネットはパイロットの妻となることを夢見ており、妊娠したことにしてシドを落とそうともくろむ。シドには恋人がいたが、リネットを本気で愛し始める。
一方、屈折した青春時代を過ごしたザックは、ポーラに惹かれながらも、愛されることにおびえ、ポーラとの距離を置き始める。リネットのようなやり方ができないポーラもまた、ザックを愛しながらも強く求めることができずにいた。
13週間にわたる訓練の12週間目、シドは高高度の気圧の訓練に耐えられず、パニック状態になってしまう。自分のためではなく、亡くなった兄の代わりに親や恋人の期待に応えようと入学していたシドは、自らDOR(Drop on Request: 任意除隊)を決意。指輪を買ってリネットの元に向かう。リネットはシドの求婚を喜ぶが、シドが除隊したと聞いて、妊娠は嘘だ、とシドに告げる。シドはそれでも結婚しようとリネットの手を取るが、リネットは結婚したくないと指輪をシドに返す。シドはなじみのモーテルに行き、店主の前で指輪を飲み込むと、部屋の中で首つり自殺をする。
ザックはポーラとシドを探し、トイレで首を吊って亡くなっているシドを発見。ザックは自分のせいだと悔やむ。ポーラはザックをなぐさめるが、素直に聞き入れられないザックは、ポーラもリネットと同じなんだろう、ときつくあたる。
やり場のない怒りを、ザックはフォーリー軍曹にぶつける。サシの空手勝負をする二人。戦いは互角だったが、百戦錬磨の軍曹がザックの金的に蹴りを入れ、勝負が付く。
晴れてザックや仲間たちは士官学校を卒業。ザックは少尉となる。ザックはバイクを走らせ、ポーラの働く印刷工場に向かうと、士官の制服のまま、工場の中へ。驚く工員たちに見向きもせず、まっしぐらにポーラのもとに向かったザックは、ポーラを抱き寄せ、熱い口づけをすると、そのままポーラを抱きかかえて工場から出て行く。最初は妬むような顔つきをしたリネットだったが、やがてポーラに心から祝福の拍手を送り、他の工員たちもポーラの幸せをたたえるのだった。

もはや古典のような青春映画。恋物語もいいのだが、鬼軍曹が、最後には育てた生徒たちより低い身分になるという卒業シーンも、生徒たちの成長を実感させ、感慨深い。「スターシップ・トゥルーパーズ」でも、主人公をしごいた鬼軍曹が最後は一兵卒となって戦うというシーンがある。
「♪Love lift us up where we belong,...」というサビが印象的な主題歌、「Up Where We Belong/愛と青春の旅立ち」も有名。さわやかな青春映画という印象の作品で、今回はNHKのBSプレミアムでの放送だったが、いきなり陰部のボカシがあったり、そこそこエロいシーンのある作品でもある。

【5段階評価】4

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2017年3月30日 (木)

(1489) 白雪姫と鏡の女王

【監督】ターセム・シン
【出演】ジュリア・ロバーツ、リリー・コリンズ、アーミー・ハマー、ネイサン・レイン
【制作】2012年、アメリカ

悪の女王と戦う白雪姫の活躍を描いたコミカル・ファンタジー。

とある王国の王女として生まれた白雪姫(リリー・コリンズ)。母親は白雪姫を産んですぐ亡くなり、媚薬を使って王(ショーン・ビーン)に取り入った継母(ジュリア・ロバーツ)が女王となるが、王は森に出たきり行方不明。女王は白雪姫を城の中に幽閉し、派手な生活を送るが、金は底をついていた。召使いたちは心の優しい白雪姫が大好きで、彼女の18歳の誕生日の日、彼女に村を見に行くよう助言。白雪姫はこっそり城を抜け出す。
その頃、バレンシア王国のアルコット王子(アーミー・ハマー)が、家来のレンボック(ロバート・エムズ)を連れて、森を進んでいた。そこに7人のこびとの盗賊が現れ、王と家来は身ぐるみ剥がされて木につるされてしまう。そこに通りかかった白雪姫が彼らを木から下ろす。王子は美しい白雪姫が気になる。
アルコット王子を迎えた女王は、王子の気を引くために盛大なパーティをしようと考え、村からさらに税金をむしり取るお触れを出す。白雪姫は村に到着。かつて父親である王訪れたときと違い、村人たちは貧しく、元気がなかった。彼女は女王の圧政を実感する。
城に戻った白雪姫は、舞踏会で王子と再会。女王は邪魔になった白雪姫を殺すよう、家来のブライトン(ネイサン・レイン)に命じる。ブライトンは森の中で白雪姫を逃がす。白雪姫は森の中で木にぶつかって倒れてしまい、7人のこびとに助けられる。こびとたちは白雪姫を自分たちの小屋に泊める。
ブライトンは、村長から金貨を受け取り、馬車で城に戻るが、7人のこびとがそれを強奪。白雪姫は、こびとたちが持って帰ってきた金貨をもって村に戻り、村長に返す。こびとたちが怒って追ってくるが、白雪姫は、この7人の勇者が金貨を取り戻した、と村人に言い、村人はこびとたちに感謝。こびとたちは改心する。
こびとたちは白雪姫に剣術をはじめ、戦うすべを教え始める。女王は媚薬でアルコット王子を手なずける。こびとたちと白雪姫は、女王と王子が結婚するという話を聞き、王子を誘拐。王子は白雪姫の口づけによって正気を取り戻す。
怒った女王は魔物を召喚して白雪姫を襲わせる。しかし、王子とこびとたちが助けに入り、白雪姫は魔物に掛かっていた飾りを剣ではぎとる。魔物は消え去り、行方不明になっていた王が現れる。一方、魔法の力を無理矢理使っていた女王は、老婆の姿になってしまう。
王は王子と白雪姫の結婚を認める。老婆となった女王が挙式の場に現れ、白雪姫にりんごを差し出す。白雪姫はそれをかじろうとするが直前で気がつき、短剣でリンゴを切ると、お年寄りからどうぞ、と言って老婆に差し出す。お城に幸せが訪れるのだった。

カラフルでファンタジックな衣装を亡くなった石岡瑛子氏が担当。彼女の遺作となった本作では、映画の終わりに「石岡瑛子氏に捧げる」の文字が出る。
七人のこびとを、特撮やCGではなく、小人症の俳優が演じている。設定も、小人症のために差別を受けた人たちというもの。趣味ではない人もいるかもしれないが、コミカルで明るい彼らの演技が、本作を盛り上げており、白雪姫の博愛精神の描写に一役買っている。
また、ジュリア・ロバーツが悪者を演じているのも見所の一つ。「マレフィセント」のアンジェリーナ・ジョリーも悪者を演じたが、どちらかというと悲劇の主人公という描き方だったのに対し、本作のジュリア・ロバーツは最後まで徹底的に悪者。
ただなんと言っても、本作の最大の魅力は、リリー・コリンズの可愛らしさだろう。公開当時23歳。眉毛が濃く、オードリー・ヘップバーンのような清楚さを持ちながら、胸の谷間もぷっくりと魅力的。「ミッシングID」でもヒロインを演じていた。フィル・コリンズの娘というのは有名な話。エンディングでは歌も披露している。

【5段階評価】3

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2017年3月29日 (水)

(1488) 麗しのサブリナ

【監督】ビリー・ワイルダー
【出演】オードリー・ヘップバーン、ハンフリー・ボガート、ウィリアム・ホールデン
【制作】1954年、アメリカ

運転手の娘と富豪との恋を描いたラブ・コメディ。

ララビー家のお抱え運転手の娘、サブリナ(オードリー・ヘップバーン)は、ララビー家の豪勢なパーティを遠くから眺めていた。サブリナは、ララビー家の次男、デイビッド(ウィリアム・ホールデン)に憧れていたが、デイビッドは彼女の存在を全く気にかけていなかった。
サブリナは父親(ジョン・ウィリアムズ)の勧めでパリの料理学校で2年の修行を積み、ロングアイランドに戻る。すっかり洗練されたサブリナが、駅で父の出迎えを待っていると、偶然通りかかったデイビッドが彼女を見つけ、出迎え役を買って出る。デイビッドは彼女がサブリナだと知って驚き、パーティに招待。すっかり虜になってしまう。デイビッドは、シャンペングラスをポケットに忍ばせ、サブリナの待つ屋内テニスコートに向かおうとするが、兄のライナス(ハンフリー・ボガート)が引き留める。ライナスは仕事一筋の男で、事業合併のためにデイビッドを合併先の企業主の娘、エリザベス(マーサ・ハイヤー)と婚約させていた。ライナスは、デイビッドを説得しようと彼を椅子に座らせるが、そのせいでポケットに入れていたシャンペングラスが割れ、デイビッドはガラスの破片でけがをする。ライナスはデイビッドの代わりにテニスコートに向かい、デイビッドからだと言ってサブリナにキスをする。
ライナスはデイビッドがけがをしている間、サブリナとデートを重ねる。サブリナはデイビッドに、もうライナスとは会わないと言うが、デイビッドは兄の機嫌を損ねないでくれとサブリナに言う。ライナスは、自分でも気づかないうちにサブリナに惹かれていき、サブリナも優しいライナスを認めるようになる。
ライナスは自分とサブリナの二人分のパリ行きチケットを用意する。ライナスはをサブリナ一人でパリに行かせるつもりだった。それを知ったサブリナは、ライナスのもとを立ち去る。ライナスは合併を諦め、デイビッドに船に乗るよう告げる。
ライナスは、デイビッド不在の会議の場で、合併解消の話をしようとする。そのとき、会議室にデイビッドが入ってくる。彼はエリザベスにキスをすると、ライナスに傘と帽子を投げ渡し、タグボートを手配したからサブリナの乗った船に乗れと勧める。ライナスは会議の出席者にわびると、会議室から駆け出す。ライナスはサブリナと再会し、二人は抱き合うのだった。

作品の魅力は、オードリー・ヘップバーンの可愛らしさだろう。当時、彼女は25歳。一方のハンフリー・ボガート55歳。30歳差の恋愛映画。中年男が若い女性と結ばれるという、男の夢を映画にしたような作品。ライナスに惹かれていく経緯が、今ひとつよく分からないが、相手役は大物俳優ハンフリー・ボガートなので、もうそういうもんだと思って観るしかないのだった。

【5段階評価】3

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2017年3月28日 (火)

(1487) ブロークン・フラワーズ

【監督】ジム・ジャームッシュ
【出演】ビル・マーレイ、ジェフリー・ライト、シャロン・ストーン、フランセス・コンロイ、ジェシカ・ラング、ティルダ・スウィントン
【制作】2005年、アメリカ

独身の中年男性が、かつての恋人たちを訪ねて回るロードムービー風の作品。

コンピュータビジネスで一山当て、富豪になったドン・ジョンストン(ビル・マーレイ)は、自堕落な生活がたたり、同棲中の若い恋人、シェリー(ジュリー・デルピー)に逃げられる。彼のもとに、差出人の名前のないピンク色の手紙が届いていた。それによると、差出人の女性は、20年前にドンと別れた後、妊娠していることに気づき、男の子を出産。19歳になった息子が父親探しの旅に出た、というのだ。ドンは、隣人のウィンストン(ジェフリー・ライト)に手紙の件を話す。ウィンストンは探偵気取りで、ドンに過去に付き合った女性のリストを作成するように指示。そんなことに付き合う気はないといいながら、ドンは律儀に女性の名前と思い出せる限りの住所をリストにする。ウィンストンはそれをもとに、彼女たちの現在の住所と職業を調べ上げると、完璧に旅の手配をしてチケット類をドンに手渡す。行くわけがないだろうというドンだったが、次の日の朝、彼はしっかりと空港に来ていた。女性たちを訪ねるドンの旅が始まる。
一人目の女性はローラ(シャロン・ストーン)。家を訪ねると訪ねるとローラは留守で、娘のロリータ(アレクシス・ジーナ)がバスローブ姿で出迎える。彼女は電話が鳴るといったん引っ込み、大胆にも全裸の状態で自分の携帯を取りに来た。いたたまれなくなってドンは家を出るが、そこにローラが帰ってくる。ローラはドンを歓迎し、夕食に招く。ローラの夫はレースドライバーで、すでに事故死。息子はいないようだった。ドンは家に泊まり、ローラとベッドをともにする。翌朝、バスローブ姿のローラと下着姿のロリータに見送られ、ドンは次の目的地に向かう。
二人目はドーラ(フランセス・コンロイ)。不動産業を営む夫のロン(クリストファー・マクドナルド)と二人暮らしで、豪邸に住んでいた。子供はつくっていなかった。気まずいディナーをともにしてホテルに戻ったドンは、ウィンストンからかかってきた電話に、もう帰ると告げる。
翌日、ドンは三人目の女性の家に向かっていた。ウィンストンに言われるがままのドン。三人目のカルメン(ジェシカ・ラング)は、アニマル・コミュニケーターという診療所風の怪しげな商売をしていた。カルメンはドンの酒や食事の誘いには乗らず、かろうじて結婚していないことだけは伝える。受付の美人女性(クロエ・セビニー)がパートナーであるようだった。
四人目のペニー(ティルダ・スウィントン)は地図にも載っていないような荒れ野の家に住んでいた。二人の荒くれ男に居場所を尋ね、ペニーに再会するが、ペニーは今更何しに来た、と興奮気味。ドンが子供はいるかと尋ねると、激怒して部屋に引っ込んでしまう。それに気づいた男二人がドンを取り押さえ、一人がドンの顔面にパンチをお見舞いする。
ひどい目にあったドンだったが、花屋の若い娘、サン・グリーン(ペル・ジェームズ)に優しく絆創膏を貼ってもらい、五人目、亡くなったミシェル・ペペの墓参りを済ませる。
家に戻ったドンは、自分と同じような二本線のジャージを着た若い男(マーク・ウェバー)に気づく。ドンはサンドイッチをおごると言って話しかける。しばらくは会話が弾むが、父親の話になったとたん、彼は苦手な話題だと言って立ち去る。思わずドンは、「俺を父親だと思っているんだろう」と言うが、青年は気味悪がって走り去る。彼を追って交差点に立ちすくむ。そこを一台の車が通り過ぎる。助手席の窓から、太めの青年(ホーマー・マーレイ)がジャージ姿で身を乗り出していた。

最後のシーンは、「えっ、これで終わり? 」という感じだが、この余韻をいいと思うか、なんじゃそらと腹を立てるかは微妙なところだろう。
最初のローラはよかったが、会うたびに相手の対応が悪化していき、最終的には殴られてしまう。とぼけた雰囲気のビル・マーレイが、隣人のウィンストンに妙に素直に従っているのがかわいらしく、面白い。謎解きがなされない作品はあまり好きではないが、たまにはこういう肩肘張らずに観られる作品も悪くはない。

【5段階評価】3

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2017年3月27日 (月)

(1486) カンバセーション …盗聴…

【監督】フランシス・フォード・コッポラ
【出演】ジーン・ハックマン、シンディ・ウィリアムズ、アレン・ガーフィールド、ハリソン・フォード
【制作】1974年、アメリカ

盗聴を仕事としている男の苦悩を描いたサスペンス。

サンフランシスコのユニオン・スクエア。盗聴業者のハリー・コール(ジーン・ハックマン)が、複数のスタッフを使って二人の男女の会話を盗聴している。ハリーは録音テープを依頼人の企業専務に届けようとするが不在。専務秘書(ハリソン・フォード)が代理で受け取ろうとするがコールは直接渡す、と言い張ってそれを拒否。秘書は「深入りするな、危険なテープだ」と釘を刺す。
作業場に戻ったコールはテープを聴き直す。男(フレデリック・フォレスト)が「彼は僕らを殺す気だ」と言っていた。コールは、自分の行った仕事が誰かを不幸に陥れるという罪の意識にさいなまれる。
コールは通信傍受の見本市に行き、意気投合した同業者たちを自分の作業場に連れ込み、飲み始める。コールはメレディス(エリザベス・マックレイ)に誘いをかけられ、二人きりで会話をする。みんなのところに戻ったところで、同業者のモラン(アレン・ガーフィールド)が、コールがかつて実施不可能と思われた盗聴を成し遂げ、結果関連する3人が殺害された伝説の事件について真相を尋ねる。コールは何も語らない。モランはコールに手を組もうとしつこく迫るが、コールはそれをいなす。するとモランは、先ほどのメレディスとコールの二人きりの会話をテープで聴かせる。いつの間にか盗聴していたのだ。コールは怒って彼らを追い出す。一人残ったメレディスに、コールは自らの不安を吐露する。「二人は殺される。テープを始末しないと。」コールは自分の仕事のせいでまたも人が殺されるかもしれないことに絶えかねていた。メレディスはコールをベッドに誘い、優しく口づけながら彼を慰める。
夢から覚め、目を開けると、メレディスは消えており、録音テープもなくなっていた。依頼者の差し金だったのだ。コールは撮影した写真を持って専務のもとへ行き、請負料を受け取る。盗聴されていた女性、アン(シンディ・ウィリアムズ)は専務の妻だった。コールはアンと相手のマークの身が危ないと考え、二人の会話に出てきたジャックター・ホテルに向かう。コールは二人がいるはずの773号室の隣の部屋をとり、773号室を盗聴する。言い争う声。専務が二人に録音テープを聴かせている。何もできず焦るコール。思わずベランダに出ると、曇りガラスのしきり戸越しに女性の悲鳴が聞こえ、血まみれの手が目に入る。恐怖に襲われたコールはパニック状態となる。
しばらくして落ち着きを取り戻したコールは、773号室に侵入。部屋はなにごともなかったように静かだったが、コールはトイレが気になり、水を流してみる。すると便器の奥から血に染まった水と布があふれ出てきた。
コールは依頼人の事務所を訪ねるが、追い返される。新聞で専務が交通事故死したというニュースを知ったコールは悟る。殺されようとしていたのはアンとマークではなく、依頼者の専務の方だったのだ。アンとマークは生きていた。コールは憔悴し、部屋に戻ると、趣味のサックスを奏でる。そこに専務秘書のマーティンから電話が入る。「これ以上、深入りするな、盗聴してるぞ」と。電話の向こうからは、コールがさきほど奏でたサックスの音色が流れてくる。
電話を切ったコールは盗聴器を探し始める。部屋中をひっくり返し、床板や壁も剥がすが、何も出てこない。荒れ果てた部屋の中で、コールは力なくサックスを吹き続けるのだった。

観終わった直後は、正直、ピンとこなかった。真相がよく分からなかった。観返してみて、どうやら専務秘書とアン、そしてアンの恋人のマークがグルになって、専務の殺害を計画したのだろうと考えた。専務はアンの浮気を疑う。おそらくは秘書がたきつけたのだろう。秘書は早くテープを専務に聴かせたがったが、コールが渡そうとしないため、メレディスを使ってテープを入手。浮気を知った専務はホテルに向かい、二人を問い詰めるが、マークが専務に襲いかかる。血を流しながらもベランダに逃げたアンに迫るが、マークにとどめを刺された。どうやらこういう真相らしい。
本作は、「地獄の黙示録」や「ゴッドファーザー」といった大がかりな作品を手がけてきたコッポラ監督の隠れた名作と言われている。なんてことはない二人の会話。何のために盗聴しているのか。盗聴されている二人はなぜ盗聴を恐れているのか。よく分からないまま話が進む。このよく分からない序盤が、ちょっと長すぎた。冒頭には魅力的な謎がほしい。それがやや弱い。弱い代わりに長いのだが、盛り上がるまでに時間がかかってしまった。
コールの不安を表現するような、効果的な音楽は見所の一つだろう。

【5段階評価】3

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2017年3月26日 (日)

(1485) さらばあぶない刑事

【監督】村川透
【出演】舘ひろし、柴田恭兵、吉川晃司、夕輝壽太、菜々緒、仲村トオル、浅野温子
【制作】2016年、日本

あぶない刑事」シリーズ第7作。定年を控えた二人の刑事の活躍を描く。

横浜港警察の刑事、鷹山(舘ひろし)と大下勇次(柴田恭兵)は、3/31の定年まであと数日となっており、課長の町田透(仲村トオル)は二人が無事に定年を迎えられるか、気が気でない。そんな心配をよそに、二人は横浜での闇取引を実現しようとするアメリカのマフィア、BOBの幹部、キョウイチ・ガルシア(吉川晃司)と若手のディーノ・カトウ(夕輝壽太)を追う。
鷹山は恋人の夏海(菜々緒)が誘拐されたため、罠と知りながら勇次とビルに乗り込み、ガルシアと格闘になる。夏海は床に転がった拳銃をガルシアに向けるが、とっさにガルシアはアイスピックを夏海の心臓めがけて投げつけ、夏海は命を落とす。
鷹山は魂が抜けたようになり、勇次は単身、ガルシアの闇取引現場に向かう。薫(浅野温子)が鷹山を励ましに行き、鷹山もバイクで現場に乗り込み、二人はカトウとガルシアを倒す。
退職した二人は、ニュージーランドで探偵事務所を開くのだった。

公開当時60代半ばの二人が主役。ところどころ、年寄り臭くなるのは仕方ない。
良くも悪くも昔ながらの「あぶない刑事」らしいテレビドラマっぽい展開。安易に銃はぶっ放す。警察の押収物は簡単に奪い返される。アイスピック一本で悲劇のヒロインは死亡。自分の無計画な作戦で、一般人、しかも最愛の女性を死なせておきながら、元同僚の薫に追いかけられて海外で陽気にはしゃぐ鷹山。若い美人の外交官という夏海の設定に、上玉の女という記号的な意味合いしか持たせておらず、薄っぺらなエンディング。殉職すればいいってものではないけれど、ああいう明るいエンディングを持ってくるなら、最愛の女性を死なせてはいけない。アイスピックがつき立ったままの夏海を抱いた鷹山の慟哭は、本作の中で一番痛々しい、とても見てられないシーンだった。しかもなんかちょっと夏海のおっぱい触ってるし。
シリーズものなのでがんばって観たけれど、予想通りの駄作だった。二人とも、大物俳優の割に、意外と映画にはあまり出ていない。主役級でキャラが立ちすぎていて、逆に渋めの脇役なんかには使いづらいのかもしれない。

【5段階評価】2

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2017年3月25日 (土)

(1484) ドリームガールズ

【監督】ビル・コンドン
【出演】ビヨンセ・ノウルズ、ジェニファー・ハドソン、ジェイミー・フォックス
【制作】2006年、アメリカ

ブロードウェイミュージカルの映画化作品。3人組の女性シンガーの数奇な運命を描く。

エフィ・ホワイト(ジェニファー・ハドソン)、ディーナ・ジョーンズ(ビヨンセ・ノウルズ)、ローレル・ロビンソン(アニカ・ノニ・ローズ)の3人組の女性シンガー、ドリーメッツは、オーディション番組でプロデューサーのカーティス(ジェイミー・フォックス)に才能を見いだされる。始めは売り出し中の男性黒人歌手、ジミー・アーリー(エディ・マーフィ)のバックコーラスを経て、3人組のザ・ドリームズとして売り出すことが決まる。ところがカーティスは、パワフルな歌唱力のあるエフィをリードボーカルから外し、ディーナをリードボーカルに据える。ドリームガールズの人気は大爆発するが、ディーナばかりが目立ちだし、エフィはいらだち、番組途中で舞台から立ち去るなどの態度を見せ始める。カーティスは恋人だったエフィをグループから外し、新たにミシェル・モリス(シャロン・リール)をメンバー入りさせる。エフィはカーティスに捨てられるが、彼の子を身ごもっており、娘を産んでシングルマザーとなる。
カーティスはディーナと結婚。ザ・ドリームズは大スターとなるが、次第にカーティスは横暴になっていき、麻薬に手を出し始めたジミーを解雇。ジミーは中毒死する。ジミーを育てたマーティ・マディソン(ダニー・グローバー)とも仲違いし、曲を作っていたC.C.ホワイト(キース・ロビンソン)の曲にも文句を言い始める。C.C.は妹のエフィに作った曲を提供。マディソンと再会してソロシンガーの道を歩んでいたエフィは、C.C.「One Night Only」をヒットさせるが、これに気づいたカーティスは金の力でこの曲を奪い取る。カーティスの横暴ぶりは頂点に達し、カーティスに無断で映画の話を勧めていたディーナに、歌唱力がないからレコーディングで苦労して調整しているんだと暴言を吐く。カーティスがエフィの曲を奪ったことを知ったディーナは、エフィに会いに行き、謝罪する。
ザ・ドリームズは解散となり、ラストコンサートを開く。最後の曲でステージに現れたのはエフィ。彼女のリードで最後の曲を4人で歌い、コンサートはフィナーレを迎える。カーティスは、彼に対して挑発的な演出に腹を立て、ボックスシートからステージ前の席に降りてくるが、そこにいたエフィが連れてきた少女が、自分の娘であることに気づくのだった。

曲が変わるごとに展開がめまぐるしく変わり、飽きさせない。めまぐるしすぎてストーリーに落ち着きがないのがやや難だが、楽曲をテンポよく見せるための必然かな、と納得。主演のビヨンセやジェイミー・フォックス以上に、エフィを演じたジェニファー・ハドソンの歌の魅力が素晴らしい。1曲目の「Move」で観客の度肝を抜く歌唱力を見せ、「And I Am Telling You I'm Not Going」では女々しい曲を貧相にならず歌い上げる。ラストでザ・ドリームズにこの人あり、とファンに思わせる存在感を出した。納得のアカデミー助演女優賞だった。

【5段階評価】4

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2017年3月24日 (金)

(1483) LIFE!/ライフ

【監督】ベン・スティラー
【出演】ベン・スティラー、クリステン・ウィグ、アダム・スコット、ショーン・ペン
【制作】2013年、アメリカ

LIFEのネガ管理担当者が、失われたネガを探して世界を飛び回る。1947年の映画、「虹を掴む男」のリメイク作品。

さえない男、ウォルター(ベン・スティラー)は、同僚のシェリル(クリステン・ウィグ)が出会いサイトに登録していることを知り、コンタクトしようとするが、うまく行かない。サイトに問い合わせると、担当者のトッド(パットン・オズワルト)に、自己アピールの書き込み不足だと言われる。しかし、消極的な性格のウォルターには大した体験談がなかった。
彼は16年間、雑誌LIFEの表紙を飾るネガの管理をしていたが、LIFEのオンライン化により、紙媒体の発行が最終回となる。妄想癖のあるウォルターは、再編担当のテッド(アダム・スコット)に目をつけられる。それは、リストラの有力候補となることを意味する。
写真家のショーン・オコンネル(ショーン・ペン)が、最終回の表紙の写真に、と25番のネガを指定してきたが、彼の送ってきたのは、25番が欠落した写真のネガと、ウォルターにあての革財布だけだった。
ウォルターは、ネガに映っていた親指、水面、湾曲した何かの一部、の3枚の写真を手がかりに、ショーンの居場所を探る。水面の写真に船の名前が写っていることが分かり、シェリルの協力も得て、船の場所がグリーンランドだと判明。彼は意を決してグリーンランドに飛ぶ。着いてまもなく、カラオケを歌っている大男に絡まれる。その男の親指が、写真の指だった。大男はヘリのパイロットで、ショーンの乗っていた船にウォルターを乗せていく。船でショーンの書いたメモを見つけたウォルターは、そのメモにあった火山を目指す。火山はアイスランドにあった。トッドに電話で自分の情報を伝えながらウォルターは旅を続ける。火山にたどり着いたウォルターは、飛行機に乗って火山の噴火を撮影しているショーンを見つけるが、大噴火から必死で逃げざるを得ず、ショーンを見失い、そのままいったん帰国する。
ネガを入手できないままのウォルターは、テッドに首を言い渡される。知り合いになったシェリルの息子、リッチに、アイスランドで手に入れたスケボーをプレゼントするため、シェリルの家に向かうが、そこにはシェリルを「ハニー」と呼ぶ男がおり、ウォルターはスケボーを玄関に置いて立ち去る。
帰宅したウォルターは、湾曲した一部の映っている写真が、家の中にある父の形見のピアノを撮ったものであることに気づく。母親のエドナ(シャーリー・マクレーン)に尋ねると、ショーンが家に来たのだと言う。ショーンがアフガニスタンにユキヒョウを撮りに行っていると分かり、ウォルターも現地に向かう。
ガイドを連れて、雪山を登り、ついにウォルターはショーンと対面する。25番の写真のありかを尋ねると、財布に入れたとショーンは答える。ウォルターは、その財布を母親の家のゴミ箱に捨ててしまっていた。ショックを受けるウォルターだったが、ショーンと一緒に現地の人たちとサッカーに興じ、貴重なひとときを過ごす。
帰国したウォルターは、父のピアノを骨董品屋に売却。家族で抱き合うウォルターに、エドナはウォルターが捨てたはずの財布を渡す。彼女がゴミ箱から拾っていたのだ。ウォルターは、財布の中にネガ入りの袋があるのを確認すると、中身を見ずにテッドにそれを突きつける。ウォルターは解雇され、手当を受け取って会社を出る。彼の前をシェリルが歩いていた。ウォルターはシェリルに声をかける。シェリルの家にいた男は、彼女の夫でも何でもなかった。ウォルターは改めて、妹のオデッサ(キャスリン・ハーン)が変な教会で芝居をするから見に行かないか、シェリルを誘い、シェリルは快諾。二人で歩き出すと、ほどなく雑誌売り場に通りかかる。LIFE最終号の表紙に映っていたのは、街角で写真を吟味しているウォルターだった。ウォルターは、シェリルの手を握り、元気に歩き出すのだった。

オープニングクレジットから、映画らしいおしゃれな演出。序盤はアメコミ映画のような派手な特撮アクションで引き込みつつ、中盤からは、アイスランドやヒマラヤの異国情緒あふれる映像で魅せる。出会いサイトのトッドが、ウォルターの帰国に一役買うのも、心憎い演出。映画らしい映画作品だった。

【5段階評価】4

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2017年3月23日 (木)

(1482) 黒子のバスケ ウインターカップ総集編 扉の向こう

【監督】多田俊介
【出演】小野賢章(声)、小野友樹(声)、神谷浩史(声)、小野大輔(声)
【制作】2016年、日本

藤巻忠俊原作漫画のアニメを劇場版に編集した作品。高校生バスケのウインターカップ戦を描いている。「黒子のバスケ ウインターカップ総集編 涙の先へ」の続編。

序盤は、キセキの世代の一員だった、緑間真太郎(小野大輔)のいる秀徳高校と、赤司征十郞のいる洛山高校との準決勝戦。赤司は、エンペラーアイで秀徳を圧倒。86対70で洛山が勝利する。
決勝は、黒子(小野賢章)のいる誠凛高校と洛山高校との戦い。誠凛は106対105で見事に勝利する。赤司は黒子たちをたたえ、熱い握手を交わして再戦を誓い合うのだった。

なかなか熱く感動的な仕上がり。評価4にしてもいいかな、とも思えた。
「SLUM DUNK」という不朽のバスケ漫画を生み出した少年ジャンプで、同じジャンルでのし上がるだけの力が原作にはあるんだろう。「ゾーンに入る」ことがテーマの一つになっていて、目からの光でそれを表現している演出もかっこよかった。赤司の目が、オッドアイだったり、両目が赤になったりしていたが、人格の違いを表現しているらしい。

【5段階評価】3

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2017年3月22日 (水)

(1481) 黒子のバスケ ウインターカップ総集編 涙の先へ

【監督】多田俊介
【出演】小野賢章(声)、小野友樹(声)、鈴村健一(声)、木村良平(声)
【制作】2016年、日本

藤巻忠俊原作漫画のアニメを劇場版に編集した作品。高校生バスケのウインターカップ戦を描いている。「黒子のバスケ ウインターカップ総集編 影と光」の続編。

本作では、黒子テツヤ(小野賢章)と火神大我(小野友樹)のいる誠凛高校が、キセキの世代のうち、紫原敦(鈴村健一)のいる陽泉高校と、黄瀬涼太(木村良平)のいる海常高校と対戦し、相手を退ける。

紫原は巨体、黄瀬はパーフェクトコピーが特徴。人間ドラマを織り交ぜながら進むので、ただただご都合主義の主人公チームが勝つ展開が気にならず、そこそこ感動できる。これが映画の力量なのか、原作者の力なのかと問われたら、後者のような気はするが。

【5段階評価】3

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2017年3月21日 (火)

(1480) 黒子のバスケ ウインターカップ総集編 影と光

【監督】多田俊介
【出演】小野賢章(声)、小野友樹(声)、諏訪部順一(声)、中井和哉(声)
【制作】2016年、日本

藤巻忠俊原作漫画のアニメを劇場版に編集した作品。高校生バスケのウインターカップ戦を描いている。

キセキの世代と呼ばれた帝光中学バスケ部の5人が別々の高校に進学。同じバスケ部にいた黒子テツヤ(小野賢章)は誠凛高校バスケ部に入部。アメリカの中学に通っていた火神大我(小野友樹)たちとともにウインターカップ戦に出場。キセキの世代の一人、青峰大輝(諏訪部順一)のいる桐皇学園と対戦。
一度、大敗を喫した相手だったが、死闘の末、101対100で桐皇を倒す。

あまり期待せずに観たが、意外と燃えた。記号的ではあるが、キセキの世代を色で特徴付けているのはわかりやすいし、一人一人のキャラもそれなりに立っていた。

【5段階評価】3

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2017年3月20日 (月)

(1479) アヒルと鴨のコインロッカー

【監督】中村義洋
【出演】濱田岳、瑛太、関めぐみ、大塚寧々、松田龍平、関暁夫
【制作】2007年、日本

伊坂幸太郎原作小説の映画化作品。大学入学を機にアパートに引っ越した男子学生が巻き込まれる事件を描いた作品。

親元を離れ、一人暮らしを始めることになった大学生の椎名(濱田岳)。ボブ・ディランの「風に吹かれて」を口ずさみながら引っ越しの片付けをしていると、隣の部屋に住む男(瑛太)から話しかけられる。彼は河崎と名乗り、隣の隣の部屋に住む男(田村圭生)の名がドルジで、彼のために広辞苑を強盗しに行こうと持ちかけられる。河崎によると、ドルジはブータン人。車に轢かれそうになっていた犬を助けたことがきっかけで、かつて河崎と付き合っていた琴美(関めぐみ)と付き合うようになったと言う。彼がアヒルと鴨の違いを知りたがっているので、広辞苑を渡そうというのだ。
はじめは尻込みする椎名だったが、河崎は強引に計画を実行。椎名は河崎に、モデルガンを持って30分間、書店の裏口に待機し、3分おきにドアを蹴れ、と指示され、ときどき入り口を気にしながらも30分待ち続ける。椎名は、書店の前に止められた車の助手席に誰かが乗っていること、車が突如、走り出したことを確認する。30分後、いつの間にか河崎は車の中にいた。椎名は広辞苑は盗めたのか、と河崎に聞く。河崎は間違って広辞林を持ってきていた。
椎名は、ペットショップの店長、麗子(大塚寧々)と知り合う。河崎からペットショップの麗子に気をつけろと言われていた椎名は、馬鹿正直にその話を麗子にしてしまう。麗子は琴美が麗子のペットショップで働いていたこと、2年前、飼い犬や飼い猫の虐待事件が起きていたことを教え、河崎に気をつけろ、と椎名に助言する。
椎名は麗子と別れて教科書を買いに行き、自分の持っている教科書を確認するため、アパートにいた河崎に電話。消火器の下に隠した合鍵で部屋の中に入ってもらうと、本棚に入っている教科書の名前を読み上げてくれと頼む。ところが河崎は、本棚に教科書はない、と返事をしてきた。教科書はいつの間にか盗まれているようだった。
書店の様子が気になった椎名は、書店に行き、何食わぬ顔をして、店員に昨日異常はなかったか尋ねる。店員(平田薫)は、店長の息子、江尻(関暁夫)が店を開けっぱなしにしていたのでは、と椎名に教える。
椎名は、河崎に、それとなく2年前のペット虐待の話を振る。河崎は、ドルジと琴美がかつて、ペット虐待をしている3人組を見つけ、襲われそうになったことがあると話す。河崎の行動を怪しむようになった椎名は、河崎が夜な夜な、車で出かけていることに気づき、麗子に報告。麗子は河崎がHIVに感染して病院に通っていたらしいというエピソードを話す。
椎名と麗子は、夜になってアパートから車で出て行く河崎を尾行。河崎の車は人気のない河川敷に入っていった。夜が明けて河崎の車が走り去ったあと、二人は河崎のいた場所を捜索。草むらの中の大木の根元に、書店の男、江尻が暴行された状態でくくりつけられているのを発見する。二人は警察に通報。椎名は、河崎がやったんですか、と麗子に尋ねるが、麗子は河崎君は死んだ、と告げる。椎名は何かに気づいたようだった。
椎名は、河崎が日本語を読めないことを見抜き、隣の隣の男は山形出身だったと彼を問い詰める。河崎は、隣の隣はこの部屋だから嘘はついていないと言って、自分がブータンから来たキンレィ・ドルジだと告白する。彼が他人のように話していたドルジのエピソードは、自分のことだった。彼は、河崎(松田龍平)との思い出話を打ち明ける。ドルジと琴美がペット虐待の3人組を見つけて逃げたとき、琴美が定期券を落としたことで住所と電話番号を犯人に知られ、琴美が襲われそうになったことがあった。そのときは河崎が撃退したが、琴美の家には、江尻たちから嫌がらせの電話が来た。琴美は、電話の背後の音から彼らがボーリング場にいると見当をつけ、ドルジを連れてボーリング場に向かう。二人は彼らを発見し、ドルジは警察に通報。ところが、ブータン人からの通報に不信感をあらわにした警官は、雑な方法で3人に接近。警官に気づいた3人は店の裏口から逃げて車で逃走しようとする。その車の前に立ちはだかったのは琴美だった。運転手の江尻は、かまわずに突進。琴美を跳ね飛ばして車道に出るが、そこに来たトラックと激突して江尻以外の二人は死亡。はねられた琴美も命を落とした。
河崎は、江尻が書店の店員としてのうのうと生きていることを知り、ドルジと二人で復讐を計画。ところが、書店に乗り込む途中で河崎は病状が急に悪化し、倒れてしまう。計画は未遂となり、ドルジは河崎を乗せて車を病院に走らせる。車中で河崎は、神の声だと言ってドルジに「風に吹かれて」のカセットを聴かせると、早く生まれ変わって女を抱くぜ、と言い残して息を引き取る。
河崎と琴美を失ったドルジが、アパートの部屋で二人との思い出にふけっていると、不意に「風に吹かれて」を口ずさむ声が外から聞こえてきた。それが、引っ越しの片付けをしている椎名の歌声だったのだ。ドルジは椎名と二人で、果たせなかった復讐計画の実行を決意。自分が河崎役となり、椎名には何も知らせず、裏口にいるよう指示し、店内にいた江尻を縛り上げると、車に乗せて河川敷に連れ去り、彼を鳥葬にしようとしたのだった。夜な夜な、彼が車で出かけていたのは、江尻がすぐに死なないよう、食事を与えに行っていたのだ。
ドルジから真実の告白を受けた椎名のところに、父親(なぎら健壱)の病状が悪化したという連絡が入る。二人が仙台駅に向かおうとアパートを出ると、そこには車に乗った麗子がいた。麗子は二人を仙台駅に送ると、ドルジに自首を勧める。ドルジは「ソウデスネ」と片言の日本語でおどけて返事をする。仙台駅のコインロッカー。椎名はバックパックからラジカセを取り出し、「風に吹かれて」を流したまま、それをコインロッカーにしまう。神様には見なかったことにしてもらおう、という椎名のメッセージだった。椎名はまた戻ると告げて新幹線の改札を通る。ドルジは駅を立ち去り、交差点へ。そこに、一匹の犬が現れ、車道に飛びだそうとしていた。ドルジはとっさに犬に駆け寄る。青い空の下、コインロッカーの中で「風に吹かれて」が静かに鳴り響くのだった。

日本人の、外国人、特にアジア人に対する差別意識というテーマを扱いながら、登場人物の語る告白に出てくる人物が実は別人だったというトリックをうまく映像化している。名前だけで登場人物が描かれる小説では成り立つトリックだが、映像にするのは難しい。本作では、独白部分を白黒の映像にすることで、事実描写とは限らないことを暗喩する手法をとり、推理ものとしてのルールを構築していた。トリックを知った上で見直すと、その巧みさがさらによく分かり、面白い。麗子と椎名の会話は、実はかみ合っているようでいて、二人の指し示す人物は違っていたということだ。
意味深なタイトルのアヒルと鴨だが、劇中で、琴美がドルジにアヒルと鴨の違いを聞かれ、鴨が在来種でアヒルが外来種なのかな、と答えている。日本人と、日本に来た外国人を意味しているということだ。
ボブ・ディランの「風に吹かれて」がテーマ曲のように使われている本作。彼がノーベル文学賞を取ったことで、作品の格も上がったかもしれない。

【5段階評価】4

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2017年3月19日 (日)

(1478) 犬神家の一族

【監督】市川崑
【出演】石坂浩二、島田陽子、あおい輝彦、高峰三枝子、草笛光子、加藤武、小沢栄太郎
【制作】1976年、日本

横溝正史原作の推理小説の映画化作品。犬神家の相続争いに絡んだ連続殺人の謎を、探偵金田一耕助が追う。

製薬業で財をなした犬神佐兵衛(三国連太郎)が死亡。弁護士、古舘恭三(小沢栄太郎)は遺言書を読み上げる。その内容は、遺産と事業権は、犬神家ではない野々宮珠世(島田陽子)に譲る、というものだった。ただし条件があった。犬神佐兵衛には腹違いの娘、松子(高峰三枝子)、梅子(草笛光子)、竹子(三条美紀)がおり、それぞれ、佐清(すけきよ)(あおい輝彦)、佐武(すけたけ)(地井武男)、佐智(すけとも)(川口恒)という息子がいた。珠世が遺産を相続するのは、この3人の誰かと結婚したときか、3人が珠世との結婚を拒否、ないし死亡した場合だった。
佐清は、戦争で顔が焼けただれ、ゴムの仮面をかぶっており、本当に佐清なのかが疑われた。周囲は神社に奉納した手形をもとに本人か確かめようとするが、松子が拒絶。明くる日、佐武が首を切られた状態で発見される。次いで佐智も殺害される。捜査を依頼された金田一耕助(石坂浩二)が事件の謎を追う。

30年後に同じ市川崑監督がリメイクしているが、30年も経っているのに、石坂浩二、加藤武、大滝秀治は同じ役を演じている。「日本の熱い日々 謀殺・下山事件」でも書いたが、30年以上、高齢者役をやり続けているのはすごすぎる。映像も、どこか不気味で、でも小気味よく、市川崑監督のセンスが光る。
エヴァンゲリオンの太い明朝体でのクレジットや各話タイトルの表記が、本作のクレジット表記に似ているのは有名な話。

【5段階評価】4

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2017年3月18日 (土)

(1477) 裏切りのサーカス

【監督】トーマス・アルフレッドソン
【出演】ゲイリー・オールドマン、ベネディクト・カンバーバッチ、コリン・ファース
【制作】2011年、イギリス、フランス、ドイツ

東西冷戦時代のスパイが関わる陰謀を描いた作品。

あらすじをまず書きたいわけだが、難解だった。書けない。ほとんど全く理解できなかった。映画館に観に行ってなくてよかった。ここまで訳の分からない作品も珍しかった。
序盤、コントロール(ジョン・ハート)という男がジム・プリドー(マーク・ストロング)にブダペスト行きの指示を出す。ジムは現地の案内人に会うが、危険を察知して逃げようとしたところを、オープンカフェの店員に撃たれる。
そこから先、ジョージ(ゲイリー・オールドマン)やらビル(コリン・ファース)やらリッキー・ター(トム・ハーディ)やら、いろいろ出てくるわけだが、もう全くわかりません。誰がカーラでウィッチクラフトだったんですか。難解すぎます。

ゲイリー・オールドマン、ベネディクト・カンバーバッチ、コリン・ファース。有名な俳優がいっぱい出ているし、サスペンスものだし、きっと面白いだろうと思ったんだが、完全に裏切られた。この手の作品は2回ぐらい見直した方がよさが分かったりするものなんだが、その気力もわかなかった。ネタバレ記事を読んで、復習してみよう・・・。

【5段階評価】2

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2017年3月17日 (金)

(1476) ヒトラー ~最期の12日間~

【監督】オリバー・ヒルシュビーゲル
【出演】ブルーノ・ガンツ、アレクサンドラ・マリア・ララ、ユリアーネ・ケーラー
【制作】2004年、ドイツ、イタリア、オーストリア

ドイツ軍の総帥、ヒトラーが自殺し、ドイツが降伏するに至る過程を描いた作品。ブルーノ・ガンツのヒトラー役が話題となった。

22歳の女性、トラウドゥル・ユンゲ(アレクサンドラ・マリア・ララ)は、ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)の秘書を志願し、その座を射止める。しかし、ソビエト軍はベルリン市街に侵攻しており、ドイツの敗北はもはや時間の問題だった。ヒトラーの側近の中には、作戦本部からの脱出を進言する者もいたが、ヒトラーは聞き入れず、徹底抗戦を指示し続ける。シュタイナーが来れば事態は好転すると作戦会議で発言するヒトラーだったが、幹部はシュタイナーの部隊にその兵力はないと説明。ヒトラーは会議の場で激高する。その様子は部屋の外にいるトラウドゥルたちに筒抜けだった。忠臣のヒムラー(ウルリッヒ・ネーテン)はソ連軍に接触して停戦の交渉をしていることが明らかになり、ヒトラーの立場はますます悪くなっていく。
もはや死を覚悟せざるを得なくなったヒトラーは、愛人のエバ・ブラウン(ユリアーネ・ケーラー)と婚姻。しかし、ついに二人は心中する。ヒトラーの遺書をタイプしたのは、トラウドゥルだった。ヒトラーとエバの遺体は即座にガソリンで焼かれる。ヒトラーに忠誠を誓ったゲッベルス(ウルリッヒ・マテス)は、5人の娘と1人の息子を毒殺した妻、マクダ(コリンナ・ハルフォーフ)と心中。
トラウドゥルは、多の兵士ととともに作戦本部を抜け出す。士官の中には、本部内で自殺する者もいた。ほどなくトラウドゥルを率いた兵士たちもソ連軍に投降することとなる。トラウドゥルは逃げ延びることに成功する。

ベルリン・天使の詩」や「僕のピアノコンチェルト」などで知られるブルーノ・ガンツのヒトラー役が絶品。作戦会議で興奮する姿はパロディ動画に使われ、変な形で有名になっている。
第二次世界大戦を取り上げた映画は数多く、「大脱走」や「プライベート・ライアン」、「史上最大の作戦」など枚挙にいとまがないが、本作は壊滅寸前のドイツが舞台なので、大迫力の戦闘シーンみたいなのはない。
ドイツ軍将校の登場人物が多く、普通だと訳が分からなくなるが、そんなに気にしなくても話に入っていくことができる。史実を知った上で一人の将校に着目してどっぷり鑑賞するもよし、人間ドラマとして見入るもよし。いろいろな鑑賞の仕方ができる作品だ。

【5段階評価】4

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2017年3月16日 (木)

(1475) 理由なき反抗

【監督】ニコラス・レイ
【出演】ジェームズ・ディーン、ナタリー・ウッド、サル・ミネオ、コリー・アレン
【制作】1955年、アメリカ

少年たちの葛藤を描いた青春映画。「エデンの東」に並ぶジェームズ・ディーンの代表作。

高校生のジム・スターク(ジェームズ・ディーン)は、母親(アン・ドーラン)の尻に敷かれている父親のフランク(ジム・バッカス)がいけ好かない。転校した高校で、気弱なプラトン(サル・ミネオ)と親しくなる。近くに住むジュディ(ナタリー・ウッド)は不良集団とつるんでおり、ボス格のバズ(コリー・アレン)の恋人だった。バズはジムを挑発。盗難車でチキン・ランを挑む。
まだまだ甘えんぼのジュディは、父親(ウィリアム・ホッパー)にキスするが、やめろとはたかれ、ショックで家を飛び出し、チキン・ランが行われる場所に向かう。
夜の崖地でジムとバズによるチキン・ランが行われる。ジムはぎりぎりで車を飛び降りるが、バズは袖が引っかかって脱出できず、そのまま崖下に転落してしまう。
バズの仲間はジムの居場所を探すため、プラトンを問い詰める。プラトンは家に逃げ込み、枕元に隠してあった拳銃を持ち出して、家を飛び出す。
相変わらず情けない態度の父親に業を煮やしたジムもまた、家を飛び出し、ジュディと合流して、プラトンに聞いた空家の屋敷に向かう。プラトンもそこに合流する。プラトンが寝てしまったため、ジムとジュディは屋敷を探検しに行く。そこにジムを探していた不良3人が現れ、見つけたプラトンを追い回す。いつの間にか一人になっていたプラトンは、追ってきた不良の一人を銃で撃ってしまう。少年たちを探していた警官がプラトンを追い、プラトンはプラネタリウムの建物に逃げ込む。建物は警察に囲まれる。ジムは隙を見てジュディを連れて建物内に入り込み、プラトンを優しく説得。銃の弾を抜いて建物を出ることにする。ところが、強いライトに恐怖したプラトンは、拳銃を持ったままジュディの制止を振り切って走り出し、警察の銃撃を浴びてしまう。ジムは、現場に来ていた父親に抱きつき、父親も自分を頼ればいい、と言葉をかける。ジムはジュディを両親に紹介し、ジュディとともに立ち去る。痛ましい犠牲を生んだ現場に朝が訪れるのだった。

親への反発。チキン・ラン。思春期の不安定を象徴的に描いている。歴史的名作なので、一応観たのだが、正直、あまり面白くなかった。

【5段階評価】2

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2017年3月15日 (水)

(1474) 告白

【監督】中島哲也
【出演】松たか子、西井幸人、藤原薫、木村佳乃、橋本愛
【制作】2010年、日本

湊かなえ原作の、いわゆる「イヤミス」と呼ばれるミステリ小説の映画化作品。一人娘を亡くした女性教師の復讐劇を描いている。

中学1年B組の担任、森口悠子(松たか子)は、騒々しいクラスの中で、告白を始める。自分の娘、愛美(芦田愛菜)が、このクラスの生徒2人に殺されたと。科学の能力にすぐれ、目立つために電気ショックを与える装置を作った渡辺修哉(西井幸人)は、森口の娘を実験台に選び、電気ショックで倒れた愛美を、プールに投げ込んだのは、事件を事故に見せかけようと考えた下村直樹(藤原薫)だった。森口は、二人が飲んだ牛乳に、愛美の父で、HIVに感染した桜宮正義(山口馬木也)の血を混ぜた、と告げる。教室は騒然となり、修哉は口を押さえて教室を飛び出す。
彼らは2年生になる。修哉は登校していたが、クラスメートに制裁とも言えるいじめを受けていた。一方の直樹は不登校になっていた。修哉のいじめに加担しなかった北村美月(橋本愛)もまた、クラスメートから制裁されるが、それがきっかけで、修哉と美月は付き合うようになる。
直樹は精神状態が不安定になり、直樹の母親、下村優子(木村佳乃)は激しく悩み、息子をこんな状態にした森口を恨む。2年の担任となった熱血教師の寺田良輝(岡田将生)は、美月を連れて毎週、直樹に会いに来るが、そのたびに直樹は半狂乱になるのだった。寺田に悪気はなく、彼の行動は森口の悪意ある指示によるものだった。夜のレストランで森口と寺田が会っているのを偶然見つけた美月は、そのことを知らされ、ショックを受ける。美月は森口に、修哉は、離婚して修哉の元を去った科学者の母親(黒田育代)に会いたいだけなんだ、と、修哉を責めないよう森口に頼むが、森口はそれを一笑に付す。
直樹の精神はさらに病んでいき、母親の優子も混乱していく。ついに息子の口から、実は愛美が死んでいなかったのを知っていてプールに投げ込んだと告白され、優子は直樹と心中することを決意する。ところが、直樹は死なず、逆に優子が殺されてしまう。
修哉は母親に振り向いてもらおうと、サイトを立ち上げ、自分の作品をアップしていたが、母親から書き込みが来ることはなかった。ちょっとしたいざこざから、美月にマザコンと馬鹿にされた修哉は、美月を殴り殺してしまう。そしてついに母親からの書き込みがあり、修哉は母親の研究室に向かうが、思い直して母親に会わず、爆弾を作り上げて学校で爆破させることを決意する。修哉は自分のサイトにその計画を告白した動画をアップする。全校生徒の前での自分のスピーチのあと、講堂を爆破をさせるという計画だった。ところが、以前から修哉のサイトをチェックしていた森口は、その爆弾を取り外してしまう。そうとは知らない修哉は、スピーチのあと、携帯電話で爆弾を起動させるが、何も起きない。茫然とする修哉の携帯に、森口から電話がかかる。修哉のサイトのコメントは、母親のふりをした森口が書いたものだった。森口は修哉がすぐに母親に会いに行ったが母親がいなかったことを見ていた。森口は、修哉が学校に仕掛けた爆弾を、修哉の母親の研究室に置いたと告白。爆弾は、修哉が作り、修哉が起動させた。母親を爆死させたのは、修哉自身ということだった。電話で森口からそれを聞かされた修哉は、講堂の中で泣き叫ぶ。そこに森口が現れ、涙を流しながらも不敵な笑みを浮かべるのだった。

原作を読んでいて、その面白さを知っていたが、本作はその魅力を十分に引き出し、とても見応えのある作品になっている。イヤミスの雰囲気そのままに、映画もどっしりとした後味を残すが、主人公の森口が、最後に「なんてね」と不敵に言うことで、真相に含みを持たせているところは心憎かった。全く救いのないエンディングを望まない観客は、「実は爆弾を修哉の母親の研究室に仕掛けたというのは嘘なのかも」という一縷の希望を信じることが許されているのだ。
中島哲也監督の作品では、「嫌われ松子の一生」や「下妻物語」も面白かったが、本作はさらに研ぎ澄まされた隙のない素晴らしい作品だった。松たか子の、感情を失ったようで時折激しい憎悪を冷ややかにむき出しにする怪演が特に素晴らしかった。安っぽいコメディではなく、こういう重厚な役をやってくれるのは嬉しい。
ちなみに、この作品には、あまちゃんで有名になった能年玲奈が出ている。

【5段階評価】5

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2017年3月14日 (火)

(1473) 乱気流/タービュランス

【監督】ロバート・バトラー
【出演】ローレン・ホリー、レイ・リオッタ、ベン・クロス、ヘクター・エリゾンド
【制作】1997年、アメリカ

凶悪犯を乗せた飛行機で起きるパニックの中で奮闘する客室乗務員を描いた作品。

女性連続殺人事件の容疑者、ライアン・ウィーバー(レイ・リオッタ)と強盗犯スタッブス(ブレンダン・グリーソン)が飛行機で護送されることになる。恋人に振られたばかりの客室乗務員、テリー・ハロラン(ローレン・ホリー)が、この飛行機に搭乗する。
飛行機は飛び立ち、しばらくするとスタッブスがトイレに行きたいと言いだす。スタッブスは用を足すふりをして、トイレで洗面台の水栓を抜き取り、保安官の腹に突き刺して殺害。機内でテリーを人質を取って暴れ出す。ライアンはスタッブスをなだめるが、ドアを開けて保安官を機外に放り出そうとしたため、ライアンは殺害された警官から抜き取った拳銃でスタッブスを撃ち殺す。このパニックで機長は死亡。副操縦士も操縦室内で倒れていた。ライアンは、撃たれた保安官の手当てをしているテリーから操縦室の鍵を受け取り、中に入り、倒れている副機長を見つける。
テリーの元に戻ったライアンは、気は着陸態勢に入っていると言ってテリーに鍵を返す。テリーは自ら操縦室に行くが、副操縦士は死んでいた。パニックになりながらも、ロスの管制室のレイチェル(レイチェル・ティコティン)とやりとりを始める。
ライアンは、機内にいた他の乗客や乗務員を仮眠室に押し込めると、ライアンを警戒していた乗務員のマギー(キャサリン・ヒックス)を絞殺する。ライアンはやはり凶悪犯だったのだ。
機は自動操縦の状態だったが、このままでは強力な乱気流につっこむため、別の機の機長、ボウエン(ベン・クロス)がテリーに指示を出そうとする。ところが、操縦室の外から、ライアンがマギーが重体だ、と叫んでテリーを呼ぶ。テリーは救急箱を持って客室に戻るが、マギーはおらず、ライアンはテリーに迫ってくる。テリーは気のあるそぶりをして、隙を突いて消火器でライアンを殴り倒すと、操縦室に戻る。意識を取り戻したライアンは、操縦室の手前で火をたいてテリーをいぶり出す。乱闘の末、テリーはバランスを失ったライアンを突き飛ばすと、下層階と上層階をつなぐ通路を遮断する装置を動かし、ライアンはそれに足が挟まれて動けなくなる。上層階の操縦室に戻り、ボウエンの指示で滑走路への自動操縦の作動させることに成功する。
しかし、ライアンはなんとか足を引き抜き、電子室に入って自動操縦の装置を破壊してしまう。旅客機は下降を続け、ビルの屋上をかすめて飛び、着陸用の車輪に屋上駐車場の自動車が引っかかってしまう。予備回路のおかげで自動操縦は復活するが、自動車の重みの影響で、機はうまく着陸ができず、再び離陸する。着陸不能と判断したFBIのシンクレア(ジョン・フィン)は、ロス市街に旅客機が墜落しないよう、並んで飛んでいた戦闘機に旅客機の撃墜を命じる。テリーは自力で機を旋回させ、もう一度チャンスがほしいと懇願。
そこに、斧を持ったライアンが現れ、操縦室の扉を打ち破り始める。テリーは扉に突進してライアンを突き飛ばすと、床に転がっていた拳銃に弾を込め、襲いかかってきたライアンの眉間を撃ち抜く。
戦闘機のパイロットは、照準を旅客機の胴体ではなく、車輪に引っかかっていた車両に移し、車両を撃墜。旅客機は無事に着陸する。テリーは着陸を導いてくれたボウエンに対面。「ボウエン機長」と呼びかけるテリーに、ボウエンは「ハロラン機長」と優しい笑顔で返すのだった。

保安官があっさりやられたり、機長が様子を見に操縦室を抜け出たり、副操縦士が席を立とうとして倒れたり、簡単に操縦室の鍵を容疑者に託したり、リスクに際しての脇の甘い行動があまりにも目についたし、こんな少人数の輸送になんでこんなデカい機材を使ってるんだよ、とか、手斧で操縦室のドア破れんのかよ、なんて気もしたが、ハラハラドキドキ感を追求した作りはなかなか楽しかった。
レイ・リオッタ演じるライアンが、始めは極悪人なのか無実の罪を問われた被害者なのか、分からない状態で引っ張るのも、うまかった。客室乗務員へのからみ方なんかは、まともな神経の持ち主ではない感じで、いかにも怪しく、好きな映画や本の話をしながら女性の性格分析を始めるあたりも、残忍でありながら知的で狡猾な犯人像をうまく作り出していた。
ホテルのペントハウスに突っ込むシーンでは、盛り上がっているのは日本人という設定で、「危ない!」と日本語で叫ぶ台詞が確認できる。

【5段階評価】4

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2017年3月13日 (月)

(1472) 最強のふたり

【監督】エリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ
【出演】オマール・シー、フランソワ・クリュゼ、オドレイ・フルーロ
【制作】2011年、フランス

首から下が麻痺した富豪と、貧しい黒人男性との心の交流を描いた作品。実話に基づいている。

無免許で失業者のドリス(オマール・シー)は、失業保険を得るため、不採用通知目的で介護人の募集に応募する。募集していたのは、大富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)。フィリップはパラグライダーの事故で首から下が麻痺しており、これまでの介護人は一週間も持たずにやめていた。粗野な性格のドリスは、採用される気もなく、あけすけなものいいで秘書のマガリー(オドレイ・フルーロ)を戸惑わせるが、フィリップはドリスを仮採用する。
豪華な個室をあてがわれたドリスは、グラマラスな美女のマガリーにちょっかいを出しながら、不慣れながらも献身的にフィリップの介護を務め、フィリップはドリスのがさつだが明るいユーモアに微笑みが絶えない。ドリスはフィリップに同情して接するのではなく、普通の人間として接しているのだった。いつしか二人は強い絆で結ばれていく。
フィリップは、ある女性と文通をしていたが、ドリスは強引に電話をかけ、会わせようとする。フィリップはレストランで相手のエレノア(ドロテ・ブリエール・メリット)を待つが、しびれを切らして店を出てしまう。
そんな中、フィリップの弟、アダマ(シリル・マンディ)が、フィリップ邸に住み込んでいるドリスのもとにやってくる。いざこざに巻き込まれて兄を頼ってきたのだった。ドリスはフィリップに複雑な家庭事情を話し、弟とは血がつながっていないことを説明。フィリップは、ドリスが自分の介護を続けるべきではないと考え、ドリスを解雇することにする。ドリスはそれを受け入れ、配達人の仕事に就く。フィリップも新しい介護人を雇うが、ドリスのように自分を安心して委ねることができず、精神的に不安定になっていく。見かねた使用人のイボンヌ(アンヌ・ル・ニ)がドリスを呼ぶ。ドリスはフィリップを乗せて車をかっ飛ばし、パトカーで追ってきた警官を、発作を起こした急病人を搬送中なんだと嘘をついて煙に巻くと、彼を海沿いのホテルに連れて行く。明くる日の昼、ドリスは予約したレストランにフィリップと入ると、自分はランチを食べないと言って席を去る。彼の立ち去った席にやってきたのは、文通相手のエレノアだった。フィリップは驚きながら、ドリスの粋な計らいと、エレノアに会えた喜びに、満面の笑みを浮かべるのだった。

感動の涙があふれるような作品ではないが、二人のやりとりに思わずこちらまで顔がほころんでしまうような、心温まる作品。顔だけで演技をしたフィリップの笑顔はとても魅力的。つうか、最初はダスティン・ホフマンかと思った。めちゃくちゃ似ている。

【5段階評価】4

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2017年3月12日 (日)

(1471) 夢

【監督】黒澤明
【出演】寺尾聰、笠智衆、いかりや長介、倍賞美津子、原田美枝子、根岸季衣
【制作】1990年、日本、アメリカ

夢を題材にしたオムニバス形式の作品。

狐の嫁入り。桃の節句。吹雪。隧道。ゴッホ。富士の原発。鬼。水車村。
それぞれのエピソードは「こんな夢を見た」という文字で始まる。それぞれにあまり脈絡がなく、最後にどう収束するのかと思ったら、収束しないまま終わった。

この作品から何を読み取るのかは難しい。黒澤明監督の心にある印象を映像化したような、映像美を楽しむ作品。1つめの花畑や8つめの水車村の川など、少し浮世離れしたような幻想的な色合い。非凡な作であるのだが、桃の精霊の踊りは眠くなるほど長いし、黙々と雪山を歩くシーンも長いし、若干退屈だった。

【5段階評価】3

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2017年3月11日 (土)

(1470) ロボコップ

【監督】ジョゼ・パジーリャ
【出演】ジョエル・キナマン、ゲイリー・オールドマン、アビー・コーニッシュ
【制作】2014年、アメリカ

人間とロボットが融合した警察官、ロボコップを描いた作品。「ロボコップ」のリメイクだが、展開はかなり異なる。

正義感の強い刑事、アレックス・マーフィ(ジョエル・キナマン)は、刑事の汚職の絡んだ武器密輸事件を捜査し、ボスのバロン(パトリック・ガロウ)を追うが、車に爆弾を仕掛けられ、瀕死の重傷を負う。アメリカの警察組織へのロボット導入を狙うオムにコープ社は、ノートン博士(ゲイリー・オールドマン)にロボコップを作らせる。
アレックスは、妻のクララ(アビー・コーニッシュ)と一人息子のデビッド(ジョン・ポール・ラッタン)に再会。互いに戸惑いながらも再会を喜ぶ。
ロボコップのお披露目の日。ノートン博士はマーフィに過去の犯罪のデータベースをアップロードするが、マーフィは興奮状態となる。上司に焦らされた博士は、マーフィからドーパミンを抜き取る。マーフィは感情を失い、息子や妻にも無反応となる。冷徹なロボットと化したマーフィは凶悪犯を逮捕しはじめる。家庭を顧みなくなったマーフィを見てクララは不安になり、マーフィの前に現れるとデビッドが学校に行けなくなったから帰ってきてほしいと叫ぶ。
マーフィはいったんは捜査に向かうものの、自ら自分の行為の優先順位を変更し、自身が巻き込まれた爆破事件の犯人を探し始める。それに気づいたバロンは仲間とともに応戦するが、マーフィはバロンを銃殺する。
警察署に戻ったマーフィは、バロンと取り引きしていた警官二人を逮捕。さらに上司のカレン(マリアンヌ・ジャン=バプティスト)にも銃を突きつけるが、そこでシャットダウンさせられる。悪事を全く見逃さないことで、オムにコープ社の上層部は逆にマーフィが邪魔になる。幹部のセラーズ(マイケル・キートン)は、マーフィの抹殺を博士に命じる。
博士は命がけでマーフィを脱出させる。マーフィはセラーズのもとに向かう。マーフィは赤い光のバンドを持つ者は攻撃できないようプログラムされているため、セラーズはマーフィやクララに銃を突きつけて挑発するが、マーフィの精神力がプログラムを凌駕し、マーフィの銃がセラーズを撃ち抜く。
修理を受けたマーフィは、再び家族と対面。アメリカはロボットの導入を禁止する法を維持するのだった。

オリジナルの「ロボコップ」シリーズのできがよいので、ふだんは観ない日本語吹き替え版ではあったものの観てみたが、感動は今ひとつだった。オリジナルではストップモーションアニメだった大型マシンがなめらかに動いたり、ロボコップの装備やバイクのデザインはかっこよかったりするのだが、ストーリーにあまり惹かれなかった。逆に監督は、このリメイクで何を表現したかったんだろうか。進化した特撮技術だけだったとしたら悲しい。

【5段階評価】3

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2017年3月10日 (金)

(1469) レスラー

【監督】ダーレン・アロノフスキー
【出演】ミッキー・ローク、マリサ・トメイ、エバン・レイチェル・ウッド
【制作】2008年、アメリカ

老レスラーの悲哀を描いた作品。イケメン俳優ミッキー・ロークの鬼気迫る演技が有名。

1980年代に名をはせたプロレスラー、ランディ(ミッキー・ローク)。20年度の彼はクスリまみれになりながらも現役を続けていたが、心臓発作で倒れてしまい、医者からプロレスを止められる。
ランディは一人娘のステファニー(マリサ・トメイ)に会いに行くが、かつて家庭を顧みなかった父親を、ステファニーは「最低」と罵倒して追い返す。彼は復活戦への出場を決意する。
ランディは、娘に何かプレゼントを持って行こうと考え、ストリップ・バーで働くキャシディ(エバン・レイチェル・ウッド)にアドバイスを求め、服をプレゼントする。やっとステファニーは父親に付き合ってくれ、土曜に食事の約束もする。
ランディはキャシディに礼を言い、キスをしようとするが、キャシディに拒絶され、客とは一線を越える気はないと言われる。ショックを受けたランディは、プロレス会場に試合を見に行き、若手レスラーと飲みに行く。そのせいで、ステファニーとの食事の約束をすっぽかしてしまう。
レストランで2時間も待たされたステファニーは、二度と会いたくないと泣き叫び、ランディは追い出される。
一人息子を子守に託し、店でストリップをしていたキャシディだったが、ランディの気持ちを受け入れる決意をし、店を後にすると、ランディの試合会場に向かう。ランディはかつての好敵手、ジ・アヤトッラ(アーネスト・ミラー)との試合に臨むところだった。キャシディはランディの心臓を心配し、引き留めるが、ランディは俺の居場所はリングだと告げ、試合に向かう。
ランディとアヤトッラの試合にファンは大喜び。ランディは心臓を押さえながらもコーナーポストに登り、アヤトッラめがけてジャンプをするのだった。

カミソリやステープラーで流血の派手な演出を仕込み、クスリまみれになって戦う姿は、かつて「ナインハーフ」で色男ぶりを見せつけたミッキー・ロークの人生の投影のようでもあり、極めて痛々しく映る。好きな女性には振られ、一人娘には罵倒され、救いのないランディも、プロレス会場には彼を尊敬する仲間がおり、応援するファンがいた。彼の居場所はそこしかない。そんな男の悲しみを十分に描いている。粗野なカット割りでまるで本物のレスラーの生活を映像として切り取っているように見せている。
評価4にしようか迷ったのだが、あまりにも救いのない話でどんよりしてしまったので、評価は3。

【5段階評価】3

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2017年3月 9日 (木)

(1468) ビバリーヒルズ・コップ3

【監督】ジョン・ランディス
【出演】エディ・マーフィ、ジャッジ・ラインホルド、ヘクター・エリゾンド、テレサ・ランドル
【制作】1994年、アメリカ

デトロイトの黒人刑事の活躍を描いたアクション・コメディ。「ビバリーヒルズ・コップ2」の続編。

紙幣偽造をたくらむ警備会社社長エリス・デワルド(ティモシー・カーハート)とその一味を、デトロイト市警のアクセル(エディ・マーフィ)が追う。紙幣偽造の現場はワンダーワールドというテーマパーク内の休眠施設。
アクセルは親友のビリー(ジャッジ・ラインホルド)、新たに知り合った刑事のジョン・フリント(ヘクター・エリゾンド)とともに捜査を開始。テーマパーク創設者のデイブおじさん(アラン・ヤング)と女性職員のジャニス(テレサ・ランドル)がアクセルに協力する。
アクセルはワンダーワールドに侵入し、デワルドを倒す。アクセルはデイブおじさんに感謝され、ワンダーワールドの新しいキャラクター、アクセル・フォックスのモデルとなるのだった。

前2作に比べて、作りはさらに大味になる。敵はマシンガンをぶっぱなし、主人公側は拳銃で相手を倒す。アトラクション内の戦いにも緊張感はなく、雑な殴り合いと銃撃戦の繰り返し。3作のうち、これだけがゴールデンラズベリー賞にノミネートされるのもやむなしだ。
アトラクションに乗れずに悔しがる男を、映画監督のジョージ・ルーカスが演じており、ほかにもカメオ出演が何人もいるのだが、そんなことで作品のひどさがカバーできるはずもなかった。

【5段階評価】2

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2017年3月 8日 (水)

(1467) ビバリーヒルズ・コップ

【監督】マーティン・ブレスト
【出演】エディ・マーフィ、ジャッジ・ラインホルド、ジョン・アシュトン、リサ・アイルバッハー
【制作】1984年、アメリカ

黒人の熱血刑事の活躍を描いた作品。

デトロイト市警の刑事、アクセル・フォーリー(エディ・マーフィ)はビバリーヒルズに住む友人のマイキー(ジェームズ・ルッソ)と再会。ところがマイキーは株券をくすねたことで悪者に殺されてしまう。アクセルはビバリーヒルズで捜査を開始。幼なじみのジェニー(リサ・アイルバッハー)の協力も得て、マイキーの雇い主で地元の名士、メイトランド(スティーブン・バーコフ)の前に何度も現れ、署長のハバード(スティーブン・エリオット)はアクセルに管轄外への退去を命じる。
しかし、アクセルの熱意に打たれたビリー(ジャッジ・ラインホルド)は、アクセル、ジェニーを連れて問題の倉庫へ。倉庫の中に入ったアクセルとジェニーは、コーヒー豆の入った箱の中に麻薬が隠されているのを発見。ところがそこにメイトランドの手下が現れ、ジェニーは連れ去られてしまう。外で待っていたビリーはアクセルが戻ってこないため、倉庫内に侵入。殴られているアクセルを救うと、メイトランドの邸宅に向かう。ビリーの相棒のタガート(ジョン・アシュトン)もそこに駆けつける。タガートはアクセルを制止するが、アクセルはそれを無視して手痛くないに侵入。ビリーもそれに続こうとしたため、タガートもやむなくショットガンを持って中に入る。ビリーとタガートの上司、ボゴミル警部補(ロニー・コックス)も警官をメイトランド邸に集結させ、自身も邸内に乗り込む。
アクセルは手下を倒しながらジェニーを探すが、右腕をメイトランドに撃たれてしまう。メイトランドはジェニーを人質にとるが、そこにボゴミルが現れると、ジェニーは隙を突いて逃走。メイトランドはアクセルに銃を放つが弾はそれ、アクセルとボゴミルに射殺される。
ボゴミルとハバートも事件の解決を喜び、アクセルとビリー、タガートとの間には厚い友情が生まれるのだった。

友情を大事にして捜査に突き進むアクセルの活躍が爽快。序盤にマイキーが頭を撃ち抜かれて殺されるシーンは、残酷でなかなかショッキングなのだが、その後は、主人公は死なない法則が全開で、安心して見ていればいいだけの作品だった。アクセルは、麻薬を発見したところをメイトランド一味に見つかっても殺されず、お腹を殴られてる間にビリーに助けられるし、メイトランド邸宅内では相手の放つマシンガンが主人公と仲間にはかすりもしないのに、主人公側が拳銃を放てば相手はあっさりと仕留められてしまうし。まあ、娯楽作品なので肩肘張らずに楽しむ作品だった。

【5段階評価】3

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2017年3月 7日 (火)

(1466) ペリカン文書

【監督】アラン・J・パクラ
【出演】ジュリア・ロバーツ、デンゼル・ワシントン、サム・シェパード
【制作】1993年、アメリカ

最高裁判事殺害の謎に巻き込まれる女子大学生を描いたサスペンス映画。

最高裁判事のローゼンバーグ(ヒューム・クローニン)とジェンセンが相次いで殺し屋のカーメル(スタンリー・トゥッチ)に殺害される。ローゼンバーグの事務官をした経験のある法学部教授のトーマス・キャラハン(サム・シェパード)と、教え子でもある恋人の大学生、ダービー・ショウ(ジュリア・ロバーツ)は、二人が殺されたことを不思議だと話し合う。ダービーは図書館で調べ始め、二人が環境問題に肩入れしていた事実をもとに、一つの仮説にたどり着き、それを文書にまとめる。それを読んだトーマスは、FBIに勤める友人のバーヒーク(ジョン・ハード)に文書を渡し、読んでみろと勧める。
同じ頃、死ぬ直前のローゼンバーグに会っていた新聞記者のグレイ・グランサム(デンゼル・ワシントン)のもとに、事件の秘密を知っているという男から電話が入る。男はガルシアという偽名を名乗るが、真相は何も告げずに電話を切る。グランサムは逆探知をして公衆電話を張り、ガルシア(ジェイク・ウェバー)を写真に収める。
ダービーの書いた文書はFBI長官の手に渡る。その内容は大統領に不利なものだった。それを手にした大統領補佐官のコール(トニー・ゴールドウィン)は、大統領(ロバート・カルプ)にFBI長官がこの文書に基づいて捜査をするようだと伝える。
トーマスとダービーはディナーを終えて帰路につこうとしていた。酔ったトーマスがダービーの車の鍵を取り上げて運転しようとする。ダービーはトーマスが運転するなら歩いて帰ると言って車から離れる。トーマスはエンジンをかけようとするが、うまくエンジンがかからず、もう一度セルモーターを回したとき、突如、車は大爆発。トーマスは即死する。
パニックを起こし、事故処理に来た車の中で茫然とするダービーのもとに、ルーパート巡査部長と名乗る男が現れるが、パトカーが到着すると立ち去ってしまう。男は警察官ではなかった。ダービーは、病院に連れてこられるが、自分が命を狙われていることを察知し、病院から立ち去り、ホテルに身を隠すと、トーマスの友人のバーヒークに電話し、トーマスが死んだことを伝える。かつらをかぶって変装するダービーだったが、ホテルのエレベーターで怪しい男に狙われる。なんとか逃げ切ったダービーは、今度はグランサムに連絡を入れる。
大統領は、FBI長官のボイルズ(ジェームズ・B・シッキング)に捜査から手を引くよう頼み、長官はコールにFBI批判をやめさせるよう条件を出す。
ダービーは再度、バーヒークに連絡をとり、会う段取りをつけるが、その電話はジェンセンを殺したカーメルに盗聴されていた。カーメルはバーヒークを殺して彼になりすまし、待ち合わせ場所の公園でダービーと会う。カーメルを人混みの中で忍ばせた拳銃の銃口をダービーに向けるが、その瞬間、何者かがカーメルを狙撃し、カーメルは即死。その場から逃げ去ったダービーはグランサムに電話をし、彼と会う。
ダービーはかつて、湿原保護の問題を扱う弁護士が自殺と見せかけて殺された事件を知り、今回の判事殺害の件に関心を持ったとグランサムに告げる。マティースという実業家が、掘り当てた莫大な石油の運搬するため、ペリカンなどの野鳥の生息地となっている湿原に運河を建設しようとしており、その障害となる環境保護派の判事を殺害し、判事を再編するよう大統領に働きかけたのではないかという仮説を立てた。それがダービーの文書の内容だった。グランサムはマティースが大統領への最大の献金主であることを確認。ワシントンで一緒に事件を追うようダービーを説得するが、死ぬのを恐れたダービーは拒絶し、グランサムを追い返す。グランサムの家には、ダービーから「遠くへ逃げることにする」という留守電が入っていた。
グランサムは編集長のスミス・キーン(ジョン・リスゴー)を説得して山小屋にこもる。そこに怪しい人影が近づいてくる。それはダービーだった。彼女は何者かが盗聴している可能性を踏まえ、嘘の留守電を入れていたのだった。二人は協力して、ガルシアの本名がカーティス・モーガンであることを突き止める。ダービーはカーティスに会うため、勤め先の弁護士事務所を訪ねる。しかし、カーティスは死んでいた。ダービーはカーティスは殺されたのだと確信する。
グランサムはカーティスの妻サラ(ミシェル・オニール)に接触。サラはカーティスの貸金庫の鍵を見つけたとカーティスに告げる。グランサムはサラの代わりに中身を入手することを約束する。しかし、その会話は政府関係者に盗聴されていた。
明くる日、ダービーが貸金庫を開けに行く。その直後、怪しげな男女が銀行内に入り込む。そしてグランサムの車には爆弾が仕掛けられた。そうとは知らぬダービーは、貸金庫の中にあった文書とビデオテープをバッグに入れ、グランサムと銀行を立ち去る。二人はグランサムの車の中で文書を確認。それは弁護士事務所の人間がマーティスの案件を扱っていることを裏付ける内容だった。半ば興奮気味にグランサムが車のキーを回すと、エンジンがかからず、異音が鳴る。ダービーは、トーマスが爆死したときの音だと気づき、二人は慌てて車から飛び出す。二人を追っていた暗殺者が彼らに発砲するが、なんとか二人は逃げ切ることに成功する。
ダービーを連れて編集局に戻ったグランサムは、会議室でビデオを再生。それは、死を覚悟したカーティスが妻に宛てたビデオレターだった。カーティスは弁護士事務所のベルマーノ(アンソニー・ヒールド)やFBI長官らに電話し、事件を記事にすると告げる。
FBI長官はすぐさまグランサムの職場にやってくる。グランサムとダービーは長官と対面。長官は大統領に捜査を止められていたが、その指示は録音しており、大統領が否定したら公開すると約束。ダービーを狙った暗殺者はCIA長官(ウィリアム・アザートン)がダービー保護のために送り込んだ工作員によって殺されたことを伝える。トーマスの事故現場でルーパートと名乗った男もその工作員だった。ダービーは長官に今後、どうしたいかを聞かれ、一人で国外に出たいと回答。長官はダービーの望みに答える。ようやく安心を得られたダービーは、機内でグランサムの腕を抱いて安らかな寝顔を見せる。空港についた二人は強く抱きしめ会い、別れる。
グランサムのスクープは記事となり、彼は時の人となる。どこかの別荘でグランサムの出演番組を見ながら、ダービーは静かに微笑むのだった。

ペリカン文書というタイトルが、なんとなくイチゴ白書みたいな、青春ものみたいな響きをしていたので、そんな内容かと思ったら、サスペンスものだった。ジュリア・ロバーツの出世作として名高い作品で、二人の判事が殺された謎が明かされていく展開はなかなか面白かった。デンゼル・ワシントンとジュリア・ロバーツに安易な恋愛感情がなく、一定の距離感があるのもよかった。
一方で、ただの女子大生と新聞記者を、暗殺者が何度も取り逃がしたり、車の運転を誤って死んでしまったり、ややお粗末な展開もあった。また、ダービーやグランサムを尾行したり盗聴したりする怪しい人物が多めなので、暗殺者なのか政府の人間なのか、ややわかりにくいのも残念だった。

【5段階評価】3

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2017年3月 6日 (月)

(1465) REDリターンズ

【監督】ディーン・パリソット
【出演】ブルース・ウィリス、ジョン・マルコビッチ、メアリー=ルイーズ・パーカー、アンソニー・ホプキンス
【制作】2013年、アメリカ

衰えを知らぬ凄腕の男たちの活躍を描いた作品。「RED/レッド」の続編。

元CIA諜報員のフランク(ブルース・ウィリス)は、サラ(メアリー=ルイーズ・パーカー)と結婚し、幸せな生活を送ろうとしていたが、元相棒のマービン(ジョン・マルコビッチ)から命を狙われていると伝えられる。フランクは「ナイトシェード」を追い求めるジャック・ホートン(ニール・マクドノー)に命を狙われるが、マービンに助けられ、行動をともにする。ナイトシェードを開発したのはベイリー博士(アンソニー・ホプキンス)。死んだはずの博士はロンドンに32年間も幽閉されていた。フランク暗殺を請け負った元同僚のハン(イ・ビョンホン)の攻撃をかわしつつ、博士を救い出したフランクとマービンは、探知機にかからない強力な爆弾、「ナイトシェード」を入手。ところがベイリー博士はジャックと組んでいた。ベイリーはジャックに爆弾を渡す。
処刑寸前のフランク、サラ、マービンを、仲間のビクトリア(ヘレン・ミレン)が救出する。
ジャックはベイリーを裏切り、爆弾を入手しようとするが、ベイリーのほうが一枚上手だった。隠し持った解毒剤を自分に打ち、飛行機の中で神経ガスを放ったベイリーは、イラン大使館に向かう。フランクたちはベイリーの後を追うが、ベイリーはサラを人質にとって逃走。フランクは爆弾を持ってベイリーの乗った飛行機に乗り込む。ベイリーはフランクに爆弾を持って飛行機を降りろと命じ、サラをフランクに返す。
ベイリーは爆弾でロンドンを壊滅させようとしたのだが、フランクは爆弾を持って降りたと見せかけて爆弾をベイリーの飛行機の中に仕込んでいた。空高く飛び上がったベイリーの飛行機は空中で大爆発を起こす。フランクはロンドンを大爆発から守ったのだった。

お気楽なアクション映画だが、年寄りくさすぎず、単純に楽しい痛快な作品だった。ベイリーが最後、フランクを撃たず、サラを解放するあたりは、かなり謎なやりとりで、落ちもやや見え見えだったので、そこはちょっと残念だった。

【5段階評価】4

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2017年3月 5日 (日)

(1464) クール・ランニング

【監督】ジョン・タートルトーブ
【出演】レオン・ロビンソン、マリク・ヨバ、ダグ・E・ダグ、ロール・D・ルイス、ジョン・キャンディ
【制作】1993年、アメリカ

冬季オリンピックのボブスレーに挑む常夏の国ジャマイカのチームの活躍を描いた作品。

ジャマイカの陸上選手、デリース(レオン・ロビンソン)はソウル・オリンピック出場者決定のレースに出場。4位までに入れば出場できたが、隣のレーンを走るジュニア・バベル(ロール・D・ルイス)が転倒し、それにデリースとユル・ブレナー(マリク・ヨバ)が巻き込まれてしまう。
金メダルを諦めきれないデリースは、金メダリストのアービング・ブリッツアー(ジョン・キャンディ)にコーチを頼み、ボブスレーのチームを結成。手押し車レースが得意な友人、サンカ(ダグ・E・ダグ)とジュニア、ユル・ブレナーが仲間となる。
雪を経験したことすらない4人だったが、ジャマイカで訓練を重ね、カルガリーに降り立つ。アービングは、現地で古びたソリを調達する。
予選をクリアしたジャマイカチームだったが、本戦初日の滑走はボロボロで、他国の選手やアナウンサーに馬鹿にされる。アービングはリラックスするよう言い、2日目の滑走では好タイムを記録。
アナウンサーを味方につけ、メダル圏内からチームは最終滑走に挑む。素晴らしいスピードで滑走するが、ついに古びたソリのネジが外れてしまい、チームは大転倒。それでも4人は立ち上がるとソリを担いでゴールを目指す。周囲の観客はもちろん、彼らを馬鹿にしていた東ドイツのライバル選手や、ボブスレー挑戦に反対していた人々も、彼らに熱い拍手を送るのだった。

実話がベースになっているということもあってか、単純なサクセスストーリーではない展開がよかった。これが金メダルに輝いていたりしたら、かえって興ざめだったかもしれない。競技に対するリスペクトもあるということだし。久々に5点をつけようか、と思うぐらい感動した。

【5段階評価】4

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2017年3月 4日 (土)

(1463) クローズEXPLODE

【監督】豊田利晃
【出演】東出昌大、早乙女太一、勝地涼、永山絢斗、柳楽優弥、岩田剛典、広瀬すず
【制作】2014年、日本

高橋ヒロシ原作漫画の劇場版、「クローズZERO」シリーズ第3弾。てっぺん争いに挑む高校生たちを描いた作品。「クローズZERO II」の続編。

鈴蘭高校に転校してきた鏑木旋風雄(かぶらぎかぜお)(東出昌大)は、ボクサーの父親を亡くしており、暴力には興味がなかったが、初日にいきなり不良の一人を一発KOしたことから、てっぺん争いのダークホースと目されるようになる。
少年院上がりの藤原一(永山絢斗)は町の暴力団に入り、かつてのけんか相手、黒咲工業柴田浩樹(岩田剛典)の腕を折ったり、集団で鈴蘭高校の強羅徹(柳楽優弥)一派を襲ったりと暴れ始める。1年生の加賀美遼平(早乙女太一)は、実力がありながら頂点を目指さない鏑木にいらだち、挑発。鏑木はついに加賀美に挑むことを決め、高校での死闘の末、加賀美を倒す。鏑木は鈴蘭のてっぺんとして生きることを決めるのだった。

所詮は高校生のけんかなので、真剣になるだけ馬鹿らしいのだが、イケメン俳優がかっこつけている映像美を素直に楽しめば、そこそこ見られる。とはいえ、もう少し、それぞれのキャラクターのけんかの仕方に個性があるとよかった。みんな殴り合うだけだからな。足技使いとか、卑怯な手を使うやつとか、打たれ強いやつとか、いろいろあるともっと楽しめたように思う。それと、勝地涼はちょっと不良ぽくなさすぎだった。

【5段階評価】3

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2017年3月 3日 (金)

(1462) ミッシングID

【監督】ジョン・シングルトン
【出演】テイラー・ロートナー、リリー・コリンズ、シガニー・ウィーバー
【制作】2011年、アメリカ

闇の組織に追われる高校生と恋人の逃走劇を描いた作品。

高校生のネイサン(テイラー・ロートナー)は、父親のケビン(ジェイソン・アイザックス)からボクシングや格闘の教育でしごかれる日々を送っていた。健康的な高校生のネイサンだったが、女性が何者かに襲われる悪夢を何度も見る症状があり、ベネット先生(シガニー・ウィーバー)のカウンセリングを受けていた。
ある日、ネイサンは社会学の宿題を幼なじみのカレン(リリー・コリンズ)とすることになる。二人がネットで幼児失踪のサイトを見ていると、ネイサンに似た少年が写っているのを発見する。ネイサンがサイトのライブチャットに書き込みをすると、PCのカメラが起動し、住所を尋ねられる。恐ろしくなったネイサンはノートPCを閉じる。ネイサンが母親のマーラ(マリア・ベロ)を問い詰めると、マーラは自分は母親ではないと白状する。マーラがケビンを呼んでくると言ってネイサンの部屋を出ると、来客のベルが鳴り、二人組の男がやってくる。マーラは危険を感じてドアを閉めようとするが、男たちは部屋に乱入。するとマーラは、俊敏な動きで男たちに攻撃を食らわせ、男たちを撃退しようとするが、銃で撃たれて殺されてしまう。何かが起こったことに気づいたケビンは乱入してきた男の一人を倒し、ネイサンに逃げろと叫ぶが、直後、ケビンも撃ち殺されてしまう。
ネイサンは、カレンが男に捕まったことを察知して家に戻り、男を殴り倒すと訳を聞こうとするが、爆弾が仕掛けられていると告げられ、カレンとともに慌てて家を脱出。家は大爆発を起こして吹き飛んでしまう。
けがをしたカレンを連れて病院に向かったネイサンだったが、911に電話をすると、なぜかCIAのバートン(アルフレッド・モリーナ)が電話に出る。そこに、ネイサンのカウンセラーのベネット先生(シガニー・ウィーバー)が風船を持って現れ、ネイサンを連れて病院の脱出を図る。病院にはネイサンを追ってコズロフ(ミカエル・ニクビスト)らがやってくるが、間一髪でネイサンらは病院を脱出。ベネットは、自分がネイサンの実の両親と知り合いで、ケビンとマーラとともにネイサンを守っていたのだと告げる。ベネットは、ネイサンの父親はマーティンと言い、政府を裏切った25人の人物リストの暗号を盗み出した男であり、そのためにネイサンが追われていること、バートンは信用せず、父親のマーティンを信じろと伝えると、今すぐ車を飛び降りて隠れ家に行けとネイサンに指示。ネイサンはやむなくカレンとともに車から飛び降り、逃走する。
ベネットの告げた隠れ家に向かった二人は、そこで一息つくが、カレンが叔父に電話をすると、またしても電話に出たのはバートンだった。コズロフたちも盗聴で二人の居場所を見つける。二人は車庫にあった車で家を出ると、鉄道で逃走する。しかし、コズロフの手下の一人が列車に乗り込む。
ネイサンとカレンは互いを好きな気持ちを確かめ合うように抱き合い、キスをする。カレンは食事を買いに客室の外に出るが、コズロフの手下はカレンを襲い、ネイサンの居場所を聞き出す。カレンはビニールテープで縛られ、動けなくなってしまう。
ネイサンは男から身を隠そうとするが見つかり、激しい格闘となる。大きな体格の男を相手にネイサンは苦戦するが、ケビンの教えを頭に浮かべ、男を倒すと、割れた窓ガラスを蹴り破って男を投げ落とす。自力でビニールテープを解いたカレンとネイサンは再び抱き合うと、列車を停止させて脱走する。
ネイサンを追うバートンは、とうとうネイサンとカレンを発見。近くのレストランでネイサンとカレンに食事を取らせると、マーティンが持っていた暗号データを渡すようネイサンに告げる。そこにコズロフの一味が現れ、レストランの外を警戒していたバートンの部下を次々と撃ち殺す。ネイサンはカレンを連れて車でレストランを脱走する。
コズロフはネイサンの持っていた携帯に電話をかけ、データを渡さないと友人やカレンの両親を殺害すると脅迫。ネイサンはデータの受け渡し場所として大リーグの野球場を指定する。
ネイサンが球場に着くと、突如、マーティンから電話がかかり、データを渡したらコズロフに殺されると忠告される。ネイサンはコズロフに会い、コズロフから、ネイサンの実の母親(エリザベス・ローム)を殺したのが自分だと聞かされる。ネイサンは座席の下に隠した銃を手にしようとするが、銃の存在に気づいていたコズロフに銃を取られてしまう。ネイサンはとっさに席から飛び出して逃走。コズロフは必死で追いかける。ネイサンはマーティンから電話で、コズロフを南駐車場におびき出せ、と指示され、半信半疑ながらも南駐車場に逃げ込む。コズロフがネイサンに銃を向けたとき、奥の建物からマーティンがコズロフを狙撃。コズロフは心臓を打ち抜かれて死亡する。
そこにバートンと部下が現れ、暗号の入ったネイサンの携帯を強引に取り上げる。そこにバートンの上司が現れる。バートンは暗号を解除してリストを渡すと告げるが、上司は、マーティンから、バートンは自分の名前をリストから消そうとするはずだと聞かされていたため、バートンの言葉には乗らず、バートンの身柄を確保する。ようやくネイサンは危険から解放される。
カレンと無事を喜び合うネイサンのもとに、ベネットが現れ、二人の健闘を褒める。二人は試合の終わった人影のない球場の観客席に座り、唇を重ねるのだった。

ハードボイルド高校生みたいな、見ようによっては痛々しい設定ではあるが、それなりに楽しめる作品だった。もちろん、プロの暗殺者を高校生が殴り倒したり、女の子は自力でほどける程度の縛り方で無事だったり、レストランを守るCIAチームはなすすべなく次々と撃ち殺されたり、黒人の友達は必要だったのか、とか、突っ込みどころを挙げればいろいろあるわけだが、そんな細かいことは気にせず、素直にハラハラドキドキすればいいのだ。

【5段階評価】4

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2017年3月 2日 (木)

(1461) ファースト・ミッション

【監督】サモ・ハン・キンポー
【出演】ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、エミリー・チュウ、ジェームズ・ティエン
【制作】1985年、香港

ジャッキー・チェン主演のアクション映画。知的障害の兄を持つ刑事が、悪者にとらわれた兄の救出に挑む。

厳しい訓練の日々を送る警察官のファン・シャンヤン(ジャッキー・チェン)。彼には知恵遅れの兄、シャンタク(サモ・ハン・キンポー)がおり、彼の起こすトラブルに手を焼いていた。
ファンは金品盗難の捜査で、カム(ジェームズ・ティエン)一味のアジトに乗り込むが、手下のコー(チュン・ファト)は盗難品を持って逃走。ところが彼は、子供たちと警察ごっこをしていたシャンタクを見て、本物の警官だと思って鞄を投げ捨てて逃走してしまう。
カムはコーがブツをネコババしたと考え、それに気づいたコーは警察にたれ込む。カム一味はシャンタクを誘拐し、ファンにコーとの身柄を引き渡すよう脅迫する。
ファンは警察の仲間とともに指示された建設現場にコーを連れ込むが、一味はコーを撃ち殺し、警察と一味の大乱闘になる。ファンは一味の一番の実力者(ディック・ウェイ)を倒し、兄の救出に成功する。
コーを連れ出した罪でファンは刑務所行きとなるが、ファンの仲間や恋人のジェニー(エミリー・チュウ)が優しくシャンタクの世話をする。ファンは兄と仲良く暮らし続けることを願うのだった。

兄弟愛に焦点を当て、ドラマの部分を手厚く作っている。サモ・ハン・キンポーの演じる兄の役がハマっていて、兄を大事に思いつつも手を焼かされ、悩む弟の役をジャッキー・チェンが熱演。他の作品とはひと味違った見応えがある。アクション・シーンも殴ってやっつけるだけではなく、銃で撃ったり武器で突き刺したりといった倒し方が多いのも、他の作品と違いのある部分。
ちなみに、エンディングの制作シーンにユン・ピョウが登場するが、彼は俳優としてではなく演技指導を担当している。
久しぶりに観たが、今回のテレビ放映ではカットされたシーンが多めでちょっと残念だった。

【5段階評価】4

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2017年3月 1日 (水)

(1460) キャノンボール2

【監督】ハル・ニーダム
【出演】バート・レイノルズ、ドム・デルイーズ、ジャッキー・チェン、フランク・シナトラ
【制作】1983年、アメリカ、香港

アメリカ横断カーレースに挑む人々を描いた作品。「キャノンボール」の続編。

前作同様、とにかく大勢のスターを登場させたドタバタコメディ。スリルもストーリー性もなく、落ちのない寸劇を延々と見せられるだけだった。
評価1にしてもよかったが、有名俳優が出ているという程度の見所で、評価は2。「007 私を愛したスパイ」のリチャード・キールも、ジャッキー・チェンの相棒役で出ている。

【5段階評価】2

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