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2017年3月15日 (水)

(1474) 告白

【監督】中島哲也
【出演】松たか子、西井幸人、藤原薫、木村佳乃、橋本愛
【制作】2010年、日本

湊かなえ原作の、いわゆる「イヤミス」と呼ばれるミステリ小説の映画化作品。一人娘を亡くした女性教師の復讐劇を描いている。

中学1年B組の担任、森口悠子(松たか子)は、騒々しいクラスの中で、告白を始める。自分の娘、愛美(芦田愛菜)が、このクラスの生徒2人に殺されたと。科学の能力にすぐれ、目立つために電気ショックを与える装置を作った渡辺修哉(西井幸人)は、森口の娘を実験台に選び、電気ショックで倒れた愛美を、プールに投げ込んだのは、事件を事故に見せかけようと考えた下村直樹(藤原薫)だった。森口は、二人が飲んだ牛乳に、愛美の父で、HIVに感染した桜宮正義(山口馬木也)の血を混ぜた、と告げる。教室は騒然となり、修哉は口を押さえて教室を飛び出す。
彼らは2年生になる。修哉は登校していたが、クラスメートに制裁とも言えるいじめを受けていた。一方の直樹は不登校になっていた。修哉のいじめに加担しなかった北村美月(橋本愛)もまた、クラスメートから制裁されるが、それがきっかけで、修哉と美月は付き合うようになる。
直樹は精神状態が不安定になり、直樹の母親、下村優子(木村佳乃)は激しく悩み、息子をこんな状態にした森口を恨む。2年の担任となった熱血教師の寺田良輝(岡田将生)は、美月を連れて毎週、直樹に会いに来るが、そのたびに直樹は半狂乱になるのだった。寺田に悪気はなく、彼の行動は森口の悪意ある指示によるものだった。夜のレストランで森口と寺田が会っているのを偶然見つけた美月は、そのことを知らされ、ショックを受ける。美月は森口に、修哉は、離婚して修哉の元を去った科学者の母親(黒田育代)に会いたいだけなんだ、と、修哉を責めないよう森口に頼むが、森口はそれを一笑に付す。
直樹の精神はさらに病んでいき、母親の優子も混乱していく。ついに息子の口から、実は愛美が死んでいなかったのを知っていてプールに投げ込んだと告白され、優子は直樹と心中することを決意する。ところが、直樹は死なず、逆に優子が殺されてしまう。
修哉は母親に振り向いてもらおうと、サイトを立ち上げ、自分の作品をアップしていたが、母親から書き込みが来ることはなかった。ちょっとしたいざこざから、美月にマザコンと馬鹿にされた修哉は、美月を殴り殺してしまう。そしてついに母親からの書き込みがあり、修哉は母親の研究室に向かうが、思い直して母親に会わず、爆弾を作り上げて学校で爆破させることを決意する。修哉は自分のサイトにその計画を告白した動画をアップする。全校生徒の前での自分のスピーチのあと、講堂を爆破をさせるという計画だった。ところが、以前から修哉のサイトをチェックしていた森口は、その爆弾を取り外してしまう。そうとは知らない修哉は、スピーチのあと、携帯電話で爆弾を起動させるが、何も起きない。茫然とする修哉の携帯に、森口から電話がかかる。修哉のサイトのコメントは、母親のふりをした森口が書いたものだった。森口は修哉がすぐに母親に会いに行ったが母親がいなかったことを見ていた。森口は、修哉が学校に仕掛けた爆弾を、修哉の母親の研究室に置いたと告白。爆弾は、修哉が作り、修哉が起動させた。母親を爆死させたのは、修哉自身ということだった。電話で森口からそれを聞かされた修哉は、講堂の中で泣き叫ぶ。そこに森口が現れ、涙を流しながらも不敵な笑みを浮かべるのだった。

原作を読んでいて、その面白さを知っていたが、本作はその魅力を十分に引き出し、とても見応えのある作品になっている。イヤミスの雰囲気そのままに、映画もどっしりとした後味を残すが、主人公の森口が、最後に「なんてね」と不敵に言うことで、真相に含みを持たせているところは心憎かった。全く救いのないエンディングを望まない観客は、「実は爆弾を修哉の母親の研究室に仕掛けたというのは嘘なのかも」という一縷の希望を信じることが許されているのだ。
中島哲也監督の作品では、「嫌われ松子の一生」や「下妻物語」も面白かったが、本作はさらに研ぎ澄まされた隙のない素晴らしい作品だった。松たか子の、感情を失ったようで時折激しい憎悪を冷ややかにむき出しにする怪演が特に素晴らしかった。安っぽいコメディではなく、こういう重厚な役をやってくれるのは嬉しい。
ちなみに、この作品には、あまちゃんで有名になった能年玲奈が出ている。

【5段階評価】5

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