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2017年1月

2017年1月31日 (火)

(1440) ZMフォース ゾンビ虐殺部隊

【監督】マルコ・リストーリ、ルカ・ボニ
【出演】クリスチャン・ボービング、アイビー・マーシャル・コービン、カール・ウォートン
【制作】2013年、イタリア、アメリカ、ドイツ、カナダ

ゾンビが発生した街からの脱出を試みる傭兵たちの活躍を描いた作品。

ルーマニアの小さな町で住民がゾンビ化。生物実験の証拠隠滅のため、米軍は傭兵をやとって研究施設の爆破作戦を決行。送り込まれたのは、優秀な兵士だったジャック・ストーン(クリスチャン・ボービング)、爆弾のプロ、ジョン・マッドドッグ・マッケラン(マイク・ミッチェル)、スナイパーのドラガン・イリッチ(ダニエル・ビビアン)、女剣士のイーデン・シズカ(タラ・カーディナル)の4名。
服役中のジャックは刑の帳消しと幼い娘との生活を、他の3人は200万ドルの報奨金を米軍のカーター(カール・ウォートン)に約束され、軍用トラックで町に入るが、それはカーターの罠だった。町の爆破に使う時限爆弾は、トラックに溶接されており、彼らは帰りの足がなくなってしまう。彼らはゾンビと化した施設職員に襲われ、ドラガンが犠牲となる。ジャックは施設の研究者、ニューマン博士の娘、サム(アイビー・マーシャル・コービン)を救出。車を入手して襲いかかるゾンビを振り払いながら施設を脱出。途中で事業家のダグ・マリガン(ジョン・キャンプリング)と、その恋人クレアを合流するが、クレアはゾンビに襲われてしまい、拳銃自殺。ダグはカーターに激しい憎悪を抱く。
ゾンビに囲まれたジャックたちだったが、マッドドッグが囮役を買って出る。イーデンも行動をともにするが、マッドドッグは始めから死を覚悟しており、ゾンビに囲まれ、襲われたところでガソリンスタンドごと爆死する。
ジャックたちはカーターの待つ空港にたどり着くが、そこに強力なゾンビが現れ、カーターは襲われてしまう。ジャックたちはその場を逃げるがカーターを襲ったゾンビに追いつかれる。ジャックがゾンビに襲われ、危機一髪のところに、イーデンが現れる。彼女はガソリンスタンドの爆発から生還していた。ダグがロケット・ランチャーでゾンビを倒し、彼らはヘリで施設をあとにし、施設の爆発から逃れることに成功するのだった。

いわゆるB級ホラーなのだが、けっこう面白かった。女剣士の動きがかっこわるすぎだったのはちょっと残念だった。登場するゾンビは、「28日後...」に登場するような全速力で追いかけてくるタイプ。ただ、銃やなよなよした剣術で倒されていき、次のシーンでは悠々と車に乗り、えらいノロノロ運転にもかかわらず余裕でゾンビたちを振り切ってしまうので、絶望的な恐怖感を味わうことはできなかった。

【5段階評価】3

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2017年1月30日 (月)

(1439) レッド・ブロンクス

【監督】スタンリー・トン
【出演】ジャッキー・チェン、フランソワーズ・イップ、アニタ・ムイ、トン・ピョウ
【制作】1995年、香港

街の暴走族とダイヤを狙うマフィアと対決する青年の活躍を描いた作品。ジャッキー・チェンのハリウッド進出の足がかりとなった作品としても有名。

香港の青年クーン(ジャッキー・チェン)は、アメリカのブロンクスに住む叔父(トン・ピョウ、なぜかテレビの字幕ではビル・トンと表示)の結婚式に招かれる。叔父の経営するスーパーはエレーナ(アニタ・ムイ)という女性に売却され、叔父は新婚旅行に。クーンはエレーナの手伝いをする。
店に街のチンピラが現れて万引きをしたため、エレーナはそれを咎めるが、チンピラたちが暴れ出す。クーンはカンフーを使ってチンピラを追い出すが、チンピラたちの恨みを買ってしまう。
ある晩、女性が男たちに襲われているのを見かけたクーンは男たちを追い払うが、女はチンピラの仲間、ナンシー(フランソワーズ・イップ)で、男たちとぐるだった。クーンはリンチに遭い、バットで打った大量のガラス瓶を打ち付けられて血まみれでアパートに戻る。ナンシーは同じアパートに住んでおり、車いす暮らしの弟に優しくしてくれている青年がクーンだったことを知って自分の行為を後悔する。チンピラのボスはナンシーとクーンが仲良くなったことに激怒し、エレーナのスーパーで大暴れ。クーンはチンピラたちのたまり場に乗り込み、彼らを降参させる。一方、とある黒人窃盗犯グループがマフィアにダイヤの取り引きを持ちかけるが、逆にマフィアに襲われて逃走。窃盗犯の車から、クーンを敵視していたチンピラグループの一人がダイヤをくすね、たまたま見かけたナンシーの弟の車いすのクッションにダイヤを隠して逃走。チンピラたちはマフィアから追われることになってしまう。
それを知ったクーンはFBIに相談しようと持ちかけるが、クーンがFBIだと勘違いしたのはダイヤを追っているマフィアグループで、チンピラのボスとナンシーは拉致されてしまう。クーンは警察と組んでマフィアに取り引きを持ちかける。マフィアたちはクーンをマリーナの船着き場に誘い込み、ボスに連絡を入れるが、ボスはクーンの殺害を指示。クーンはとっさにその場を逃げる。警察がクーンを襲ったマフィアの手下を追い、彼らはホバークラフトで逃走。クーンは必死でホバークラフトを追いかけ、骨董品店にあった剣でホバークラフトのエアクッションを切り裂いて彼らを警察に引き渡すと、応急措置をしたホバークラフトでマフィアのボスがいるゴルフ場に押しかけ、ボスをホバークラフトで追い回す。ボスはホバークラフトに轢かれてさんざんな目に遭い、クーンたちは復讐を果たすのだった。

ホバークラフトのシーンは大がかりな撮影の割に、あまり現実味がなくて大味だが、生身の対人戦は見応えがあった。ストーリーもあらすじをさらっと書きづらい程度には凝っていて、最初は敵対していたチンピラのボスと、最後には仲間になるという筋書きになっている。
本作は、撮影中にジャッキー・チェンが足首を骨折したことでも知られている。骨折はめちゃくちゃ痛いわけだが、それでもギプスをして撮影を続行したのだから、本当に頭が下がる。エレーナ役のアニタ・ムイは、「酔拳2」でジャッキー・チェンの母親役を、「奇蹟 ミラクル」では娼婦の役を演じている。

【5段階評価】4

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2017年1月29日 (日)

(1438) HERO

【監督】鈴木雅之
【出演】木村拓哉、松たか子、北川景子、佐藤浩市、松重豊
【制作】2015年、日本

女性が亡くなった交通事故の真相を追究する検事の活躍を描いた作品。「HERO」の続編。

パーティドレスを着た女性がどこかの屋敷を逃げ出し、走り出したところを車にはねられて死亡。検事の久利生公平(木村拓哉)は女性をはねたドライバー(新井浩文)の捜査を担当する。
はねられた女性はコンパニオンの三城紗江子(森カンナ)。彼女は暴力団二崎(おとざき)会の恐喝事件の証人予定者だった。大阪地検で検事をしている雨宮舞子(松たか子)は、彼女の事件を追って8年ぶりに久利生と行動をともにする。久利生と雨宮は、それぞれの事務官、麻木千佳(北川景子)、一ノ瀬(大倉孝二)とともに交通事故現場を訪れ、現場がネウストリア公国大使館の裏手であることを知る。被害者の紗江子は、大使館から飛び出して車にはねられたようだった。
大使館に日本の捜査は及ばない。久利生は大胆にも大使館のインターホンを押すが相手されず、さっそく外務省経由でクレームが飛んでくる。
久利生は麻木とネウストリア料理店に行き、ネウストリア人がペタンク好きだと一人の客に教えてもらう。久利生は店に通い、客として店に来た3人組の大使館員にペタンクの試合を申し込んで仲良くなる。その夜の飲み会で、麻木は紗江子と写っているネウストリア人の写真を大使館員に見せ、その男がコールマンという名の大使館員であることをつきとめるが、彼らは久利生が検察官であることを知ると、怒って店を出て行ってしまう。久利生は外務省の欧州局長、松葉(佐藤浩市)に呼び出され、たかが交通事故一つで重要な国交交渉を妨害するなとなじられる。
久利生がおでん屋で麻木と食事をしていると、そこにダンプカーが突っ込んでくる。おでん屋の店主をかばった久利生はダンプと接触し、病院に運び込まれる。麻木から連絡を受けた雨宮は大阪から駆けつけ、病室で一夜を明かす。
目を覚ました久利生は、雨宮に向かって、亡くなった紗江子、交通事故の加害者として罪を問われているドライバーのためにも、検察官が捜査をあきらめるわけにはいかないと話す。彼の言葉を、病室の外に来ていた東京地検城西支部の仲間たちが聞いていた。彼らはこの事件の真相を探ることを決意。次々と病院をあとにする。
彼らの集めた情報から、二崎会とネウストリア大使館は違法薬物の闇取引でつながっており、二崎会は不利な証言者の紗江子の殺害を大使館に依頼し、一方の大使館は執拗な捜査をする久利生への攻撃を二崎会に頼んでいることが明らかになってくる。
雨宮は親が貿易会社に勤めている見合い相手の弁護士、矢口(児嶋一哉)から、ネウストリア大使館のパーティの招待券を入手し、久利生とともに大使館に入り込む。
久利生は大使館の裏庭に忍び込み、紗江子のものと思われる靴のスパンコールを見つけるが、大使館員に見つかる。捕まった久利生は大使(ジェームズ・C・バーンズ)と対面。その男は、ネウストリア料理店に一人で来ていた気さくな男だった。大使に解放された久利生と雨宮は、ホールで松葉と対面。松葉は久利生に激怒するが、そこに大使館の時計のオルゴールが鳴り響く。それは、紗江子が友人に送った留守電メッセージのバックで流れている曲だった。紗江子はやはり大使館にいたのだ。
久利生は仲間とともに改めて松葉のもとに行き、数々の証拠を示して大使に話をさせてほしいと頼み込む。松葉も久利生の熱意に折れ、大使に久利生と会ってくれるよう依頼する。
ついに久利生は堂々と大使と対面。大使はかつて法律を学んでおり、誠実に久利生に接する。暴力団との闇取り引きに手を染めていた大使館のナンバー2、ベルネ(グレッグ・デール)は外交特権があるため、本国に送還され、本国でさばかれることに。コールマンは日本の法律でさばかれることになった。久利生、雨宮、麻木の3人は大使館をあとにする。
麻木は雨宮の帰阪を残念がる。あらためて久利生の熱意を目の当たりにした雨宮は、見合い相手の矢口に別れの電話をする。雨宮は並木道で久利生に再会。しかし好きだという気持ちは告げぬまま、雨宮は静かに立ち去るのだった。

サブタイトルがやたら長い作品も目立つ中、すっきりとしたタイトルは好感が持てる。「HERO 2」ぐらいにはしてもよかったと思うが。俳優の生き生きとした演技が気持ちいい。
仲間が力を合わせて難事件に取り組むところが本シリーズで胸が熱くなるところ。今回も病室の前から次々と捜査に向かっていく検事と事務官の姿に胸が打たれる。始めは反対していた部長の川尻(松重豊)も、お偉方を相手に熱弁をふるうのだが、ここはもっと激しい言葉で話してもよかったのにな、という気はした。
また、今回の悪役であるコールマンやベルネが、どれだけ悪いやつかという描写がほとんどないため、絶対にこいつら許せない、という観客の感情移入を引き出すことが十分にできていない気がした。久利生に追われたコールマンが大使館に逃げ込んで事なきを得るとか、ベルネが高圧的な態度で久利生の追究をはねのけるとか、そういうシーンがあるとよかった。
もう一つ残念なのは、結局、紗江子は何におびえて逃げたのか、事件当時の再現シーンがなく、すっきりしなかった点。冒頭のシーンはなにやらメルヘンチックな映像で、現実感が乏しい。あれが実は、コールマンに殺されそうになって必死に逃げているところで、きわめて現実的な危機的状況だったという説明が、コールマンの非道ぶり、車に轢かれる可能性にすら考えが至らないほど追い詰められた紗江子の恐怖を描くために必要だと思った。
ちなみに、前作は久利生と雨宮のキスシーンで締められていたが、本作ではそういうシーンはなかった。まあ、松たか子も公開当時37歳。ほほのたるみも気になる年齢だし、仕方ないのかな。

【5段階評価】3

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2017年1月28日 (土)

(1437) タイタンの逆襲

【監督】ジョナサン・リーベスマン
【出演】サム・ワーシントン、リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズ、ロザムンド・パイク
【制作】2012年、アメリカ、イギリス

世界を守るために戦う神と半神の男の活躍を描いた作品。「タイタンの戦い」の続編。

クラーケンからアルゴスの街を守ったペルセウス(サム・ワーシントン)は、息子のヘレイオス(ジョン・ベル)とともに漁師として暮らしていた。そこにゼウス(リーアム・ニーソン)が現れ、タルタロスの門が破られそうになっており、力を貸してほしいとペルセウスに頼むが、ペルセウスは息子のもとにいたいと言って依頼を断る。
ゼウスはポセイドン(ダニー・ヒューストン)とともに、兄のハデス(レイフ・ファインズ)を訪ね、協力を要請するが、ハデスは永遠の命を得るため、ポセイドンの息子、アレス(エドガー・ラミレス)と共謀してゼウスを捕らえ、父クロノスに差し出す。
人々の住む世界に魔物が放たれ、ペルセウスの住む街をキメラが襲撃。ペルセウスはキメラを倒し、息子を連れて神殿に向かう。神殿にポセイドンが現れ、ペルセウスと同じく半神の男、アゲノール(トビー・ケベル)と協力してゼウスを救え、と伝えて命を落とす。ペルセウスはアンドロメダ(ロザムンド・パイク)の率いる軍の拠点を訪ね、アゲノールに協力を乞う。アゲノールはそれに応じ、アンドロメダとともに、鍛冶の神ヘパイストス(ビル・ナイ)を訪ねる。ヘパイストスはアンドロメダの頼みを聞き入れ、タルタロスの牢獄への抜け道に彼らを案内する。そこアレスが現れ、彼らを襲い始める。ヘパイストスは神として最後の力を振り絞ってアレスを食い止め、その隙にペルセウス、アゲノール、アンドロメダの3人は塔の中に滑り込む。
塔の中は巨大な迷路となっており、3人はアゲノールの先導で先を急ぐ。途中でペルセウスが魔物に襲われたりしながらも、3人はゼウスの捕らえられた塔の中心部にたどり着く。
ゼウスはクロノスに力を吸い取られ、力を失っていく中、これまで冥界に封じ込めてきたことをハデスに謝罪する。ハデスは残された良心を目覚めさせ、クロノスの覚醒を阻止しようとするが、アレスがそれを妨害。ペルセウスたちはなんとかゼウスを助け出し、塔をあとにする。
ペルセウスはクロノスを倒すために必要な3つの槍のうち、2つを手に入れるが、残りの一つはアレスが持っていた。ペルセウスはアレスに決闘を申し入れる。アレスはペルセウスの息子ヘレイオスを連れて現れる。アレスの力の前にペルセウスは一方的に攻撃されるが、ヘレイオスが剣を取ってアレスの気を引いた隙に、ペルセウスが最後の力を振り絞ってアレスに槍を突き立て、アレスを倒す。クロノスを倒すことのできる唯一の武器、三重の槍を完成させたペルセウスは、ペガサスに乗ってアンドロメダ軍を襲うクロノスのもとに向かう。
瀕死の重傷を負っているゼウスのもとにハデスが現れ、ゼウスの力を回復させる。二人は死力を振り絞ってクロノスと戦う。そこにペルセウスが現れ、クロノスに三重の槍を投げ込むと、巨大なクロノスは轟音を立てて崩れ落ちた。
ゼウスはペルセウスと最後の言葉を交わすと、そのまま息を引き取る。ペルセウスはヘレイオスに漁師としてではなく、剣士として生きるよう説き、息子に剣を託すのだった。

前作同様、迫力のある特撮は見応えがあった。迷宮では特に謎解きや犠牲もなく闇雲に進むだけでゼウスのもとにたどり着くし、槍が完成したらクロノスは一発で倒されるし、といったあたりのひねりやどんでん返しのなさもまた、一本道RPG感があるのだが、アクション映画として素直に楽しむにはいいのかもしれない。

【5段階評価】4

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2017年1月27日 (金)

(1436) 帰らざる河

【監督】オットー・プレミンジャー
【出演】ロバート・ミッチャム、マリリン・モンロー、ロリー・カルホーン、トミー・レティグ
【制作】1954年、アメリカ

川を下ってカウンシルシティを目指す男女と少年の活躍を描いた作品。

ゴールドラッシュの時代。腕利きのガンマン、マット(ロバート・ミッチャム)は、酒場で働く息子、マーク(トミー・レティグ)と再会。マークは世話になった酒場の歌手、ケイ(マリリン・モンロー)に別れを告げ、父親の暮らす農場に向かう。
マットとマークは、家の横を流れる川を筏で進む二人を発見。それはケイと、婚約者のハリー(ロリー・カルホーン)だった。川の上で立ち往生している二人をマットは救出する。ハリーはギャンブルで手に入れた金鉱の鉱山を登記するため、カウンシルシティに急いで行く必要があった。筏での行程には無理があるとマットに諭されたハリーは、マットの銃と馬を奪って逃走。マットの小屋はそれを見ていた先住民に襲われてしまう。マット、マーク、ケイの3人はやむなく筏で川を下り始める。マットはケイを冷たく扱い、ケイもまた、マットがかつて人を後ろから撃って殺した経験があることを責める。それを聞いたマークはショックを受ける。
飢えをしのぎ、ハンターや先住民に襲われながらも3人はカウンシルシティに到着。そこには酒場でギャンブルをしているハリーがいた。ケイは、マットに謝るようハリーを説得するが、ハリーはマットのもとに向かうといきなり拳銃を取り出し、マットめがけて銃を撃つ。慌ててよろけたマットに、ハリーが立ちはだかったところ、突然銃声が鳴り、ハリーが倒れる。マークがハリーの背後からハリーを撃ったのだった。ケイはマークを慰め、マットは優しくマークを抱きしめる。
ケイは酒場の歌い手に戻るが、そこにマットが現れ、問答無用にケイを担ぎ上げると、自分の馬車に乗せる。3人で新たな生活を始めるのだ。ケイは馬車の上から、もはや不要になったハイヒールを投げ捨てるのだった。

中盤で、マットがいきなりケイに襲いかかり、強姦しようとするのだが、このシーンの意味が全く分からなかった。ケイは必死で嫌がっており、マットはただただ卑劣な人間としか映らないのだが、その割に、その直後に現れたハンターがケイを誘っても、ケイはマットと一緒に行く、とハンターを袖にする。恋愛感情があれば襲ってもいいということでしょうか。よく分からない展開だった。筏のシーンは合成映像感が強く、遠景のシーンでは人形を使っているようだった。マリリン・モンローの代役は、スタイルが抜群なだけになかなか務められる人がいないからかもしれない。

【5段階評価】3

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2017年1月25日 (水)

(1435) ブラック・レイン

【監督】リドリー・スコット
【出演】マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉健、松田優作
【制作】1989年、アメリカ

凶悪な日本のヤクザを追うニューヨークの刑事の奮闘を描いた作品。

ニューヨーク市警の刑事、ニック(マイケル・ダグラス)は28歳の若い刑事、チャーリー(アンディ・ガルシア)と昼食を取っていると、突然、日本のヤクザ、佐藤(松田優作)が現れ、客としてきていた日本人から木箱に入った何かを奪い取り、その日本人と取り巻き一人を殺害して逃走。
ニックはヤクザを追いかけて捕まえるが、政府の要請により大阪に送還することになる。
ニックとチャーリーは空港で刑事(内田裕也)に佐藤を引き渡すが、その刑事は偽物だった。ニックとチャーリーは日本の警察の捜査に介入して佐藤を探そうとするが、大阪府警の大橋(神山繁)は彼らの拳銃を取り上げる。府警の松本(高倉健)はニックらに無理矢理協力させられるが、上司の大橋に叱責される。チャーリーはクラブで明るくふるまい、松本とニックの仲を取り持とうとする。飲み明かしたニックとチャーリーが梅田の街を歩いていると、一台のバイクが現れる。バイクの男はチャーリーのコートを奪ってチャーリーを挑発。コートにパスポートを入れていたチャーリーはバイクを追いかけるが、それは罠だった。チャーリーは複数のバイクに囲まれ、ナイフで刺されると、最後は日本刀を持った佐藤に首をはねられてしまう。
ショックの癒えないニックのもとに松本が現れ、チャーリーの遺品をもらってくれと言う。あとにしてくれ、と言うニックだったが、遺品の中にはチャーリーの拳銃があった。ニックは拳銃を手にし、目の前でチャーリーを殺した佐藤への復讐を誓う。松本もニックに協力することを決める。松本とともに、事件の鍵を握るクラブの女性(小野みゆき)を尾行していたニックは、空港で偽の刑事を演じていた男を発見。彼を尾行して鉄工所内でヤクザの親分、菅井(若山富三郎)と取り引きをしようとしている佐藤を発見する。佐藤がニューヨークで奪った木箱の中身はドル紙幣偽造用の原板だった。佐藤はこの原板をカタに、菅井に自分と杯を交わす取り引きをもちかけていた。菅井を挑発して帰途につく佐藤を捕らえようとするニックだったが、佐藤はバイクで逃走。ニックはそれを必死に追うが、そこに大阪府警が現れ、ニック自身が取り押さえられてしまう。
大橋によってアメリカに強制送還されそうになるニックだったが、飛行機から逃げ出し、大阪に戻る。ニックは松本の家に行き、協力を求めるが、組織人としての行動を重んじる松本はニックの頼みを断る。
ニックはアメリカ人ホステス、ジョイス(ケイト・キャプショー)から菅井の居場所を聞き出し、復讐するため佐藤に会わせてほしいと菅井に頼む。
菅井は、佐藤と杯を交わす場所にニックを呼び、ニックにショットガンを渡す。ニックが佐藤を待ち伏せしていると、そこに松本が現れ、協力を申し出る。
やがて佐藤が現れるが、彼は菅井ら親分を皆殺しにする計画を立てていた。それに気づいたニックと松本は、佐藤の手下が親分たちを襲撃する現場に乗り込み、佐藤を捕らえようとする。佐藤はバイクで逃走するが、ニックもバイクで佐藤を追い、ついに彼を取り押さえる。復讐心のたぎるニックだったが、佐藤を殺さず、松本とともに佐藤を大橋のもとへ連れて行く。松本とニックは大橋に表彰される。
松本とニックの間には厚い友情が生まれる。松本は偽造紙幣の原板が見つからなかったとニックに告げる。ニックは別れ際、松本にワイシャツをプレゼントするが、ワイシャツの入った箱の中には、一対の偽造紙幣の原板が収められていたのだった。

リドリー・スコット監督作品には、「エイリアン」や「ブレードランナー」、「グラディエーター」や「ハンニバル」など好きな作品が多いが、本作はなかなか観る機会がなく、ようやく観ることができた。本作は舞台が日本。ハリウッド映画での日本は、トンデモ描写になることがよくあるが、本作の日本にはあまり違和感がない。ガッツ石松や島木譲二、安岡力也なども登場していて、それだけでも日本人として面白い。
ストーリーもあまり複雑すぎないし、アクションシーンも安っぽくなくて印象的な映像。松田優作の演じる佐藤の狂気ぶりもとてもよかった。

【5段階評価】4

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2017年1月24日 (火)

(1434) わらの犬

【監督】サム・ペキンパー
【出演】ダスティン・ホフマン、スーザン・ジョージ、デル・ヘニー、ピーター・ボーン
【制作】1971年、アメリカ

数学者が暴徒と化した男たちと戦うバイオレンス作品。

アメリカの数学者、デイビッド(ダスティン・ホフマン)は、妻エイミー(スーザン・ジョージ)の生まれ故郷、イギリスの片田舎に引っ越す。デイビッドは村社会の中で歓迎されず、何かにつけて馬鹿にされる。
デイビッドは地元の村人に納屋の修理を頼むが、そのうちの一人、チャーリー(デル・ヘニー)は、エイミーと過去に肉体関係があるのだった。修理屋の一人、クリス(ジム・ノートン)は、エイミーの下着を盗んで仲間に自慢する。
エイミーはデイビッドが仕事に没頭していることに不満で、わざと上半身裸で窓際に行って修理中の男たちに見せたりといった行動をとる。
デイビッドは修理工らにハンティングに誘われるが、彼らはデイビッドを置き去りにする。そのすきにチャーリーは留守を預かるエイミーの家を訪ね、エイミーを強姦する。エイミーは拒絶しながらも「抱いて」などと錯乱気味の行動を取る。そこに銃を持ったノーマンが現れ、彼も強引にエイミーを犯す。エイミーはデイビッドにその事実を告げることができずにいたが、デイビッドは翌日、彼らを首にする。
デイビッドは教会のパーティに招かれ、エイミーとともに訪れるが、そこにはチャーリーとノーマンも来ており、エイミーは恐怖で涙ぐんでしまう。エイミーの異常に気づいたデイビッドは家に帰ることにするが、霧が濃かったせいで、道をさまよっていた男を車ではねてしまう。男は地元の精神障害者ヘンリー(デビッド・ワーナー)。彼はかつて少女へのわいせつ行為の前科があり、この日はトム(ピーター・ボーン)の娘、ジャニスに誘惑され、二人で教会を抜け出し、わいせつな行為をしていた。それに気づいたトムやチャーリーたちはヘンリーを探し始め、ヘンリーは気が動転してジャニスを絞め殺してしまう。その後、道をさまよっているところをデイビッドの車にひかれてしまったのだ。
デイビッドはヘンリーを家に連れ帰り、警察や病院に電話をするが、つながらないため、村人が集まっているパブに電話をする。バーテンからヘンリーがデイビッドの家にいると聞かされたトムたちは、デイビッドの家に押しかける。しかし、デイビッドはヘンリーがリンチに遭うと確信し、彼らを家から追い出す。激高したトムは家の中に押し入ろうとし、一緒に来ていたクリスは家のガラスを割ってネズミを放り込むなど、次第に暴徒と化していく。仲介に来たお目付役のスコット少佐(T・P・マッケンナ)も、トムともみ合って銃で撃たれて死んでしまう。トムらはますます興奮状態となる。エイミーはデイビッドにヘンリーを差し出せ、と叫ぶが、デイビッドはとりあわず、籠城戦に打って出る。トムが窓から侵入してきたのを待ち伏せしたデイビッドは、トムの持つ銃を下に打ち付け、トムは自らの足を銃で撃ってしまう。部屋に侵入してきたクリスはナイフを投げつけてデイビッドを攻撃してくるが、デイビッドは火かき棒で応戦し、クリスを殴り殺す。そこに銃を持ったチャーリーが現れ、万事休すと思いきや、2階からノーマンが侵入し、エイミーを襲う。そこにデイビッドとチャーリーが駆け込むが、ノーマンは俺が済んだら呼ぶから下に降りろと指図をする。エイミーの恐怖にゆがんだ顔を見たチャーリーは、ノーマンを撃ち殺す。デイビッドはチャーリーももみ合いになり、階段から転げ落ちる。デイビッドは骨董品の巨大なトラバサミでチャーリーを仕留める。全員を倒したかと思いきや、最後の一人がチャーリーに襲いかかってくる。デイビッドはエイミーに銃を撃てと命じ、エイミーがこわごわ銃をぶっ放し、男は絶命する。
デイビッドはヘンリーを車に乗せ、村の中心部へ向かう。ヘンリーが「帰り道が分からない」とつぶやく。デイビッドはヘンリーを慰めながら、不敵な笑みを浮かべ、「僕もだ」と言うのだった。

序盤、乳首の突起もあらわなスーザン・ジョージが登場。公開当時21歳。これはなんの観客サービスかと思ったら、男の劣情をいたずらに引き出す無警戒な女性という設定であった。
最初のうちは、内気なアメリカ人が粗野なイギリス民に冷たくされ、つまらないヒューマンドラマなのかと思って観ていたが、後半は過激なバイオレンスが展開する。これをダスティン・ホフマンが演じているというのが、なんとも味がある。この結末を知って一から観直すと、トムの激情的な性格や、人の神経を逆なでするようなクリスの振る舞いなどが、きちんと描かれているのだ。
本作の感想や評価を見ていると、温和なデイビッドが内なる狂気に目覚めるという解釈が多かったが、自分はあまりそう思わなかった。彼は残酷で過剰な殺戮を繰り広げたわけではなく、自らの正義を守るために、やむにやまれぬ防御的な戦いをしていたように見えた。
同じサム・ペキンパー監督作品の「戦争のはらわた」や「ゲッタウェイ」は、あまり面白いと思わなかったが、本作は期待以上に面白かった。ダスティン・ホフマンの演技のすばらしさが理由かもしれない。序盤のだるい感じがなければ、評価5だった。

【5段階評価】4

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2017年1月23日 (月)

(1433) プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂

【監督】マイク・ニューウェル
【出演】ジェイク・ジレンホール、ジェマ・アータートン、ベン・キングズレー
【制作】2010年、アメリカ

往年の名作ゲーム、「プリンス・オブ・ペルシャ」を原作とするディズニー映画。

ペルシャ帝国の第三王子、ダスタン(ジェイク・ジレンホール)は、幼少の頃、シャマラン王(ロナルド・ピックアップ)にその勇気をたたえられて貧民の身分から王子となっていた。
シャマラン王の弟、ニザム(ベン・キングズレー)の導きで聖なる都、アラムートに攻め入ったダスタンたちは、美しい王女、タミーナ(ジェマ・アータートン)に出会う。ダスタンは兄のタス(リチャード・コイル)に託されたマントをシャマラン王に贈るが、それには毒が仕込まれており、王は死亡。ダスタンは王殺害の濡れ衣を着せられ、タミーナとともに城から逃亡する。
ダスタンが戦いの最中に手に入れた短剣は、その中に封じ込められた時間の砂の分だけ、時間を巻き戻すことのできる魔力を持っていた。ニザムはその短剣を手に入れようとしていたのだ。
ニザムの野望を知ったダスタンは、道中で知り合った商人たちを味方につけ、アラムートに潜入。タミーナとともに時間の砂のある地下深くの場所に乗り込む。後を追うニザムが巨大な砂の水晶に短剣を突き刺し、過去に戻って自らが王になろうとするが、それをダスタンが阻止。彼はダスタンたちがアラムートを攻め落とした直後の時間に戻る。ダスタンはその場でニザムの野望を暴露。ニザムはダスタンに斬りかかるが、最後はタスの剣によって命を落とす。
ダスタンとタミーナはあらためて出会うが、タミーナはダスタンが始めから短剣を持っていたことで、彼との運命を悟るのだった。

ストーリーは複雑すぎず、単純すぎず、ちょっとしたどんでん返しもあって楽しかった。
原作のアクションゲームを彷彿とさせる、パルクールのような壁や建物の間を飛び回る動きも取り入れられ、映像的にもよくできていた。興ざめするほど非現実な立ち回りや、意味不明な魔法や飛び道具が登場して、もはや何が起きているか分からないようなアクション作品ではないところもよかった。
ヒロインを演じたジェマ・アータートンも美形の女優さん。

【5段階評価】4

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2017年1月22日 (日)

(1432) アラビアのロレンス

【監督】デビッド・リーン
【出演】ピーター・オトゥール、アンソニー・クイン、アレック・ギネス
【制作】1962年、イギリス

アラブでの戦いに身を捧げたイギリス軍人の生涯を描いた、第35回アカデミー賞作品賞受賞作品。

昔の話かと思いきや、いきなりバイクにまたがる男が登場。思いっきり事故に遭うフラグの立った状態で、案の定事故に遭い、いきなり葬式。そこから過去のシーンに入る。
男の名はロレンス。破天荒な男で、アラブのファイサル王の協力を取り付ける任務を負い、砂漠の地を旅する。トルコ軍が占拠するアカバを落とすため、トルコ軍の大砲が向いている海ではなく、陸地から攻め込む作戦を敢行。決死の砂漠横断を経て作戦を成功させ、アラブの人々の信頼を得る。
上官に作戦成功を報告したロレンスは少佐に昇進。トルコ軍の列車を爆破して襲う作戦を続けるが、信管の誤爆により仲間を失う。彼はまた、ダルアにアラブ人のふりをして潜入するが、敵軍に発覚し、拷問を受けてしまう。意気消沈したロレンスは上官に辞意を伝えるが、ダマスカスの占領を命令される。敵軍の大虐殺を行う蛮行にも手を染めながら作戦を成功させるロレンスだったが、精神は荒廃し、帰国を決意するのだった。

雄大な砂漠の景観や大がかりなロケは迫力がある。前半はテンポもよく面白いのだが、インターミッションのあとは史実を追う説明的な進行になり、退屈感が増す。
あまりにも有名な映画タイトルで、今まで深く考えたこともなかったが、「アラビアのロレンス」という邦題は、原題「Lawrence of Arabia」そのまんま。ロレンスというのが、なんとなく「ロマンス」に響きが似ているからか、どことなくロマンチックな印象を持っていたが、ロレンスは実在の人物の名字。「鳥取の星野」みたいなタイトルだった。

【5段階評価】3

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2017年1月21日 (土)

(1431) ベルリン・天使の詩

【監督】ビム・ベンダース
【出演】ブルーノ・ガンツ、ソルベーグ・ドマルタン、ピーター・フォーク
【制作】1987年、西ドイツ、フランス

人間になりたいと願う一人の天使の物語。

天使は人には気づかれず、人の心が読める存在。天使のダミエル(ブルーノ・ガンツ)は、サーカスのブランコ乗り、マリオン(ソルベーグ・ドマルタン)にほのかな恋心を抱くようになる。ダミエルは俳優のピーター・フォーク(本人)に話しかけられ、人として生きることの素晴らしさを知る。ダミエルは友人の天使カシエル(オットー・サンダー)に、人として生きたいという願いを告げる。そしてついにそれはかなう。ダミエルはマリオンと出会い、マリオンはダミエルに、自分は自分でいるために孤独を求めていた、という思いを告白。二人は口づけし、堅く抱き合うのだった。

ニコラス・ケイジの作品だと思い込んで観はじめたら、違った。そもそもタイトルが違うんだった。序盤からずっと白黒だったので、古い映画かと思ったら、なぜかビデオゲームが登場したり。あえて白黒にしていたのだった。天使から見えるのは白黒の世界ということのようだ。マリオンが登場して、ときおりフルカラーになる。「シンドラーのリスト」で、一瞬だけ赤色が登場するのを思い出した。
ピーター・フォークが出るというので、コロンボ以外にどんな役をするんだろうと思ったら、コロンボを演じるピーター・フォーク本人の役だった。それはそれですごい俳優ということだ。
名作であるはずなのだが、ちょっと退屈で、よく分からない作品だった。

【5段階評価】2

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2017年1月14日 (土)

(1430) 細雪

【監督】市川崑
【出演】岸惠子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子、石坂浩二、伊丹十三
【制作】1983年、日本

谷崎潤一郎原作小説の映画化作品。戦前を生きた良家の四姉妹を描いている。

蒔岡家の四姉妹。長女の鶴子(岸惠子)は銀行勤めの辰雄(伊丹十三)を養子に迎え、本家を張っている。次女の幸子(佐久間良子)も貞之助(石坂浩二)と結婚して分家となっている。三女の雪子(吉永小百合)と四女の妙子(古手川祐子)は独身。
妙子は人形作りに精を出しており、良家のボンボンや写真家、バーテンダーと次々と恋仲になる。雪子はおとなしい性格で、長女と次女は競うように縁談を持ち込むが、なかなかまとまらない。
養子の辰雄の東京転勤の話が持ち上がり、鶴子は混乱。雪子は結婚を考えていた写真家の板倉(岸部一徳)が急死し、バーテンの三好(辻萬長)のもとに駆け込み、生活を共にし始める。東京行き拒んでいた鶴子も、ついに東京行きを決意。見合いのまとまらなかった雪子も華族の血を引く東谷(江本孟紀)との結婚を決める。雪子を憎からず思っていた貞之助は、一人でやけ酒を飲みながら、四姉妹と京都の桜をともに楽しんだ頃に思いをはせるのだった。

古いが名作の誉れの高い作品だったので、頑張って観てみた。思ったよりは話に起伏があって飽きなかった。ただ、太平洋戦争に突入しようという時期に、金持ちの旧家の四姉妹が、なんとも平和ぼけしたような問題に大騒ぎしているような感じもあり、共感できるかどうかは微妙なところだった。とはいえ、文学作品らしい小気味よい台詞の応酬と、さほど違和感のない関西弁は心地よかった。公開当時24歳の古手川祐子の入浴シーンも、見所の一つかもしれない。

【5段階評価】3

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2017年1月13日 (金)

(1429) イングリッシュ・ペイシェント

【監督】アンソニー・ミンゲラ
【出演】レイフ・ファインズ、クリスティン・スコット・トーマス、ウィレム・デフォー、ジュリエット・ビノシュ
【制作】1996年、アメリカ

全身のやけどで記憶を失ったイギリス軍人の回想劇。第69回アカデミー賞作品賞受賞作品。

全身をやけどして記憶を失った患者(レイフ・ファインズ)が野戦病院で治療を受けている。彼は、国籍だけはイギリスだと覚えていた。残された彼の命がわずかだと感じた看護師のハナ(ジュリエット・ビノシュ)は、部隊を離れ、彼の看病を続ける。
そこに、両手の親指を失ったデビッド・カラバッジョ(ウィレム・デフォー)という男が訪ねてくる。

彼はイギリス人患者の正体を知っていた。カラバッジョは、彼が地図作成技師であり、それを敵であるドイツ軍に提供した結果、カラバッジョ自身がスパイとして指を切り落とされてしまったため、彼を殺そうと考えていたのだ。

患者は次第に記憶を蘇らせていく。彼の名はアルマシー。ハンガリーの伯爵だった。彼は地図の作成中、仲間のジェフリー・クリフトン(コリン・ファース)の妻、キャサリン(クリスティン・スコット・トーマス)と愛し合うようになる。キャサリンはアルマシーを愛しながらも、夫を悲しませることはできないと悩む。やがて、二人の関係をジェフリーが知ってしまう。怒りに狂ったジェフリーは、二人乗りの飛行機に妻を乗せ、アルマシーに飛行機ごと突っ込む。
飛行機は大破し、ジェフリーは死亡。キャサリンも重傷を負うが、アルマシーは発見した洞窟にキャサリンを運び込み、キャンプ地に助けを呼びに行く。ところが、彼の国籍を訝しんだ兵士は、彼をスパイ容疑で捕らえてしまう。一刻も早くキャサリンのもとに戻りたいアルマシーは、やむなく地図をドイツ軍に渡し、ドイツ軍の燃料でキャサリンの元に向かう。ところが、キャサリンは息絶えていた。彼が彼女の亡骸を飛行機に乗せて絶望の飛行を続けていたところを、軍に砲撃されて大やけどを負っていたのだった。
真相を知ったカラバッジョは殺意が失せる。ハナも真実を知り、モルヒネを投与してほしいと無言で依頼するアルマシーの希望を聞き入れ、キャサリンの遺した日記を読みながら、彼の最期を看取るのだった。

砂漠の映像が印象的で壮大な作品。イギリス人でないのにイギリス人患者にされたことを彼は皮肉に感じるのだが、国籍にからむ誤解から生じる悲劇は、日本人にはややピンとこなかった。今回はトゥエルビでの放映を見たが、ちょっとカットシーンが多く、残念だった。

【5段階評価】3

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2017年1月10日 (火)

(1428) 太陽の帝国

【監督】スティーブン・スピルバーグ
【出演】クリスチャン・ベール、ジョン・マルコビッチ、伊武雅刀
【制作】1987年、アメリカ

第二次世界大戦に翻弄されるイギリス人の少年の運命を描いた作品。

中国人を召使いに雇っている裕福なイギリス人家庭の少年、ジェイミー(クリスチャン・ベール)は、戦争の混乱の中、親とはぐれてしまう。しばらくは屋敷で親を待つが、やがて街に出てアメリカ人のベイシー(ジョン・マルコビッチ)と出会う。ジェイミーはベイシーに気に入られようと裕福なイギリス人が住んでいた街に彼を誘うが、そこには日本兵がおり、彼らは捕虜となってしまう。捕虜となってからもジェイミーはたくましく暮らす。やがて収用地にもアメリカ軍の攻撃の手が伸び、収容所は壊滅。ジェイミーは孤児施設に預けられ、そこで親と無事に再会を果たす。

スティーブン・スピルバーグの監督作は録画されれば必ず見るようにしており、これまでも外れはなかったが、本作は今ひとつだった。日本人が描かれている点。当時の町並みなどがよく描かれている点。こうしたところはよかったのだが、ストーリーにあまり盛り上がりがない。淡々としていて感動がない。退屈な映画によくある、「早くエンディングにならないかな」という感じだった。残念。

【5段階評価】2

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2017年1月 9日 (月)

(1427) コップランド

【監督】ジェームズ・マンゴールド
【出演】シルベスター・スタローン、レイ・リオッタ、ハーベイ・カイテル、ロバート・デ・ニーロ
【制作】1997年、アメリカ

市警の不正に対して正義を貫こうとする保安官の奮闘を描いた作品。シルベスター・スタローンが腹の出た中年男性を演じている。

警官が多く住む街、ニュージャージー州ギャリソンで、保安官をしているフレディ(シルベスター・スタローン)は、昔の事故で片耳の聴力が弱くて希望の警官になれず、くすぶった日々を送っていた。ある日、警官のマレー(マイケル・ラパポート)が不良2名の乗った車から銃撃を受ける。彼は拳銃で反撃し、2名は死亡してしまう。ところが、不良が持っていたのは銃ではなくステアリング・ロックで、銃撃を受けたと勘違いしたのは、ガラス瓶を踏みつけたタイヤがたまたまパンクしただけだった。かけつけたマレーのおじで、ギャリソンの顔役レイ(ハーベイ・カイテル)は、仲間のジャック(ロバート・パトリック)を使ってマレーの不祥事をもみ消そうとするがうまく行かず、マレーが自殺したと見せかけ、かくまうことにする。
ギャリソンの警官の内偵を進めていたニューヨーク市警のモー(ロバート・デ・ニーロ)は、フレディに協力を申し出る。マレーの姿を見かけていたフレディだったが、はじめは躊躇する。しかし友人のゲリー・フィッグス(レイ・リオッタ)の説得もあって正義感に目覚める。
フレディは自力でマレーを探しだす。レイたちは、隠蔽工作の発覚を恐れ、マレーを殺そうとしており、情婦から危険を知らされていたマレーは、辛くも逃走していたのだった。マレーを見つけたフレディは、モーのもとに連行しようとするが、そこにジャックらが現れ、マレーをさらう。
耳元で銃声を聞かされ、もうろうとした意識の中、銃を持ったフレディはレイの住居に向かう。銃を撃ってきた相手に反撃するフレディだったが、肩を撃たれてしまう。絶体絶命の危機に現れたのは、フィッグスだった。フィッグスは、保険金目当てに自宅で火事を起こしたことをフレディに見破られ、一度はフレディの元を去ったのだが、フレディの正義感に心を入れ替えたのだ。

ロッキー」や「ランボー」などのアクション映画の印象が強いシルベスター・スタローンが、全く異なるイメージの役柄に挑戦。お腹が立派に出た中年保安官を演じている。「16ブロック」のブルース・ウィリスも、同じような警察の腐敗に立ち向かう腹ボテ中年警官を演じている。
本作はアクション要素が少ないせいか、全体的に退屈で、話も分かりづらかった。最後の銃撃戦は迫力があったが、それでも評価は2。

【5段階評価】2

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2017年1月 5日 (木)

(1426) 箱入り息子の恋

【監督】市井昌秀
【出演】星野源、夏帆、平泉成、森山良子、黒木瞳、大杉漣、穂のか、竹内都子
【制作】2013年、日本

さえない独身男性と盲目の女性の恋物語。

市役所勤めの天雫(あまのしずく)健太郎(星野源)は、13年間、記録課で定時退社を続ける公務員。結婚する気のない健太郎を見かねた父、寿男(平泉成)と母、フミ(森山良子)は、婚活パーティに出席。そこには、盲目の今井奈穂子(夏帆)を娘に持つ両親も出席。しかし、父親の晃(大杉漣)は頼りなさそうな彼をとっとと候補から外してしまう。
ある日、健太郎は雨の中、母親の玲子(黒木瞳)の車を待つ奈穂子を見かける。目の見えない彼女の目線を感じた健太郎は、思わず持っていた傘を奈穂子に差し出す。奈穂子の持っていた傘に描かれた名前が、婚活パーティで見た青年のものであることに気づいた玲子は、天雫家に電話をし、見合いの場をセットする。
見合いの日。夏帆の父、晃は、始まって5分もしないうちから、履歴書の情報だけで健太郎に夏帆は任せられないと断言。その場はけんか別れのようになってしまう。しかし、玲子は父に内緒で奈穂子を健太郎に引き合わせ、二人はデートを重ねる。
ところが、父親がそれに気づき、二人を引きはがそうとする。そのとき、走ってきた車に轢かれそうになった奈穂子をかばおうとして、健太郎が車に轢かれ、重傷を負う。
健太郎は無事に回復するが、二人の関係は途絶えてしまう。そんなある日、健太郎は、盲人用の杖をついて吉野家に入っていく奈穂子を見かける。二人が初めて行ったその店で、奈穂子は涙をこぼしながら牛丼を食べていた。奈穂子に気づかれないように店に入っていた健太郎もまた、こらえきれず号泣。思わず「奈穂子さん! 」と叫ぶが彼女は店を出たあとだった。
奈穂子のことで頭がいっぱいになった健太郎は、初めて会社を早退し、彼女の家に走り出す。
家の2階でピアノを弾いている奈穂子に会うため、ベランダによじ登った健太郎は、奈穂子にだけ通じる蛙の鳴き真似で奈穂子を呼び、彼女の部屋で結ばれる。ところが、物音に気づいた奈穂子の両親に見つかり、父親に殴られた健太郎は、奈穂子にかけよろうとした拍子にベランダから落ちてしまう。またもや病院送りの重傷を負った健太郎だったが、病室で展示の手紙を奈穂子に送る。二人は確実に愛をはぐくんでいくのだった。

TVドラマ「逃げ恥」で一躍有名となった星野源の初主演映画。夏帆がかわいすぎなのが、ややできすぎだが、吉野家のシーンは泣けた。ただ、交通事故はあまりにも必然性がないというか、あんな公園脇の路地裏のような道路で暴走車に轢かれるというのは、展開が強引だった。会社を早退して彼女の家に走り続け、着いたのが夜というのも、なんとも映画的な流れ。
それより何より、なんともさえない風貌のこの彼が、紅白にも出場するポップシンガーというんだから、見た目って分からないもんだなと思う

【5段階評価】3

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2017年1月 4日 (水)

(1425) 華麗なるギャツビー

【監督】ジャック・クレイトン
【出演】ロバート・レッドフォード、ミア・ファロー、サム・ウォーターストン
【制作】1974年、アメリカ

F・スコット・フィッツジェラルドの小説の映画化作品。若くして大富豪のギャツビーの人生を描いている。

29歳の青年、ニック・キャラウェイ(サム・ウォーターストン)は、友人のトム・ブキャナン(ブルース・ダーン)の家に招待され、その妻、デイジー(ミア・ファロー)と再会。ニックの隣人のギャツビー(ロバート・レッドフォード)は、毎晩のように派手なパーティを開いており、やがてニックも招待を受ける。顔が広く、大物の知り合いも多いギャツビーだったが、なぜかニックに親しく接する。実はギャツビーは、かつてデイジーと恋仲だったが、当時は兵役に就いていて金がなく、デイジーはトムと結婚してしまっていた。ギャツビーはデイジーに接近しようとしていたのだ。ニックの計らいで再会を果たしたギャツビーとデイジーは、再び恋心を燃やし始め、デイジーはトムとの離婚まで考える。ギャツビーはトムと口論をするが、デイジーは絶えられずにその場から走り去り、ギャツビーがそれを追う。ギャツビーとデイジーは、帰りの車で女性をひき殺してしまう。それはトムの浮気相手、マートル(カレン・ブラック)だった。マートルの夫、ジョージ(スコット・ウィルソン)は浮気の相手がギャツビーだとトムに吹き込まれ、プールでデイジーとの再会を夢見ているギャツビーを持っていた拳銃で撃ち殺す。
ギャツビーの友人たちは、ギャツビーが死ぬと彼への関心をなくす。ニックはギャツビーの父親と二人で葬儀に出る。デイジーもトムを選び、ニックはギャツビーの人生に思いをはせるのだった。

レオナルド・ディカプリオ主演のリメイク版を先に見ていたのだが、本作を観て、レオナルド・ディカプリオは名優ロバート・レッドフォードの雰囲気をうまく演じていたんだな、と再認識した。巨万の富を得ていながら恋にはあまりにも不器用だったギャツビーの繊細さをうまく演じていた。本作はそれに比べると、自動車事故のシーンがきちんと描かれていなかったり、さすがに昔の作品だけあってテンポがゆったりめで、やや物足りなかった。

【5段階評価】2

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