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2016年9月

2016年9月13日 (火)

(1401) 野火

【監督】市川崑
【出演】船越英二、ミッキー・カーチス、滝沢修
【制作】1959年、日本

太平洋戦争で劣勢の日本兵の惨状を描いた作品。

舞台は太平洋戦争のさなかのフィリピン。喀血を理由に病院に行けと命令された田村(船越英二)は、病院から入院を拒否され、近くの林の中で他の兵隊とともに乏しい食料で食いつないでいた。病院が襲撃され、行く当てのない田村は、無人の村で塩を手に入れ、3人組の日本兵と合流。パロンポンに向かおうとするが、米軍の攻撃に遭い、それを果たすことができない。荒野で倒れているところを永松(ミッキー・カーチス)に助けられる。彼はたばこの葉を持つ安田(滝沢修)にこき使われており、田村も手榴弾を奪われてしまう。永松は復讐を決意。水路を断って安田をおびき寄せ、銃で撃ち殺す。永松は安田の服をはぎ始める。それを見た田村は、銃で永松を撃ち殺す。田村は野火に引き寄せられるように歩き始めるが、とうとう力尽き、息絶えるのだった。

食べるものがなく、細い芋や土混じりの塩、雑草で食いつなぐ日本兵。田村の頭の中に人肉に手を出すことがちらつき、狂人と化した日本兵からは、俺の肉を食っていいと言われ、そこを逃げ出したりする。日本兵が倒れゆくさまもリアルで、直接の描写はないものの、カニバリズムの狂気をひりひりと感じさせた。

【5段階評価】3

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2016年9月12日 (月)

(1400) 俺はまだ本気出してないだけ

【監督】福田雄一
【出演】堤真一、生瀬勝久、山田孝之、橋本愛、石橋蓮司、濱田岳
【制作】2013年

青野春秋原作漫画の映画化作品。漫画家志望の無職の男の奮闘ぶりを描く。

サラリーマンをやめた42歳の大黒シズオ(堤真一)は、娘の鈴子(橋本愛)と父親の志郎(石橋蓮司)との3人暮らし。ある日、漫画家になろうと決意し、何度も出版社に持ち込む。編集者の村上政樹(濱田岳)には愛のある言葉を投げかけられつつも、彼の作品はことごとくボツになる。
シズオはバイト先で知り合った26歳の市野沢秀一(山田孝之)を連れ、友人でサラリーマンの宮田修(生瀬勝久)に食事をたかる。シズオはプー太郎の自分を卑下せず、妙に前向きで、秀一は彼に好感を持つようになる。
何度も作品を持ち込んでいたシズオは、ついに村上に作品を認められ、新人賞の佳作をとる。ところが直後に担当者が変わり、新しい担当者(指原莉乃)は彼の作品をあっさりとボツにする。
気落ちしたシズオは風俗店に入り、憂さを晴らす。ところがその店で働く娘の鈴子と鉢合わせ。茫然自失として自転車を駆るシズオは、歩道橋で運転を誤り、歩道で頭を強打してしまう。
頭の固さが幸いして軽傷で済んだシズオは、父親らしく生きることを決意。妻と別れていた宮田は、シズオに触発されてパン屋を営むことを決断。秀一と店を開くことにする。宮田の元妻(水野美紀)も息子とともに宮田のもとに戻るのだった。

タイトルからして、そうとうどうしようもない男が主役なのかと思いきや、そうでもなかった。いちおうバイトはしているし、目標がころころ変わったりもせず一途に漫画家を目指すし、それなりの努力家だった。まあ、あまりひどすぎると救われないし、見る人によっては身につまされるかもしれないので、これぐらいがちょうどいいのかもしれないが、だらしなさに腹が立つわけでも不器用な努力ぶりに応援したくなるわけでもない、心を揺さぶられない作品だった。

【5段階評価】3

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2016年9月 7日 (水)

(1399) ムーンウォーカー

【監督】ジェリー・クレイマー、コリン・シルバース
【出演】マイケル・ジャクソン、ジョー・ペシ、ケリー・パーカー
【制作】1988年、アメリカ

マイケル・ジャクソンのミュージックビデオを多用したミュージカル仕立ての作品。

前半は、マイケル・ジャクソンの楽曲のミュージックビデオが多様され、後半、子供たちを悪者から救うヒーローとしてマイケル・ジャクソンが描かれる。
後半のストーリー部分のできばえはくそひどくて、子供向け戦隊テレビ番組レベルの特撮。映画としては駄作だが、Smooth Criminalのダンスシーンはめちゃくちゃかっこいい。ミュージックビデオとしては見所のある作品。

本作で悪者を演じるジョー・ペシは、「リーサル・ウェポン」シリーズで主人公コンビにいじられる小悪党や、「ホーム・アローン」シリーズで主人公の家に入ろうとして退治される泥棒など、コミカルな役どころも演じている俳優。

【5段階評価】3

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2016年9月 6日 (火)

(1398) バケモノの子

【監督】細田守
【出演】染谷将太(声)、役所広司(声)、広瀬すず(声)、大泉洋(声)、宮野真守(声)
【制作】2015年、日本

人間界からバケモノの世界に迷い込んだ少年の成長を描いた作品。

母親が事故死し、大人になじめない少年、蓮(宮崎あおい)は、偶然出会ったバケモノの熊徹(役所広司)に導かれるようにバケモノの世界に迷い込む。弟子を探していた熊徹は連に九太と名付け、強引に弟子にする。九太は人間の世界では行方不明となったまま、バケモノの世界で熊徹と暮らし始める。
青年になった蓮(染谷将太)は人間界で楓(広瀬すず)という少女と出会う。連は楓と出会い、勉強することの喜びを知る。父親(長塚圭史)とも再会を果たし、人間の世界で暮らすことをいったんは決めるが、父親の無神経な言葉を聞き、再びバケモノの世界に戻る。
バケモノの世界では、次期宗師を決めるため、熊徹とライバルの猪王山(いおうぜん)(山路和弘)との戦いの火ぶたが切って落とされる。劣勢だった熊徹は蓮の応援もあって戦いに勝利。ところが猪王山の長男、一郎彦(宮野真守)が、負の感情を爆発させ、闇の力に捕らえられてしまう。人間界で暴れ始めた一郎彦を蓮は止めようとするが、一郎彦の力は巨大だった。そこに刀に魂を宿した熊徹が現れ、蓮の心の剣となる。蓮は一郎彦の闇を打ち払う。
蓮は胸に熊徹を宿し、人間の世界で父親とともに暮らすのだった。

実写のような現実世界のアニメーションが印象的。ただ、現実世界は究極は実写にすればいくらでもリアルになる。バケモノの世界の虚構をどこまでリアルに見せられるかが腕の見せ所だが、そこは今ひとつである気がした。バケモノや擬人化した動物の世界を描いたアニメ作品としては「千と千尋の神隠し」や「猫の恩返し」などがあるが、これらを超える描き方をしているとは残念ながら思えなかった。

【5段階評価】3

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