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2015年6月28日 (日)

(1290) 小さいおうち

【監督】山田洋次
【出演】妻夫木聡、倍賞千恵子、黒木華、松たか子、吉岡秀隆
【制作】2014年、日本

太平洋戦争の時代、女中として生きていた女性の自叙伝を題材とした作品。黒木華がベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞したことでも有名。

大学生の健史(妻夫木聡)は、亡くなった大叔母(祖父母の姉妹)のタキ(倍賞千恵子)の遺品を整理している際、彼女が書いていた自叙伝を見つける。健史は、タキが存命のとき、彼女に自叙伝を書くよう勧め、添削などを担当しながら、内容に口さがなく意見をしていたのだ。
タキ(黒木華)は、当時としては決して珍しくはない女中として、東京の平井家に仕えていた。
ときは太平洋戦争に突入せんとする時代であるが、タキは日本の戦勝や東京オリンピックの雰囲気に浸り、幸せな日々を過ごしていた。
そんなとき、平井家の主人、雅樹(片岡孝太郎)の会社に、芸大卒の若者、板倉正治(吉岡秀隆)が就職。彼は年始の挨拶に来て以来、たびたび平井家を訪ねるようになる。
健史は、その青年とタキとの恋愛を想像するが、そうではなかった。
板倉に熱を上げたのは、雅樹の妻、時子(松たか子)だった。嵐の夜に平井家に泊まることになった板倉に、時子は思わず口づけをし、板倉に見合いを勧める役割を名目に、板倉の下宿を訪ねた時子は、板倉と肉体関係をも持っているようだった。それを知ったタキは苦悶する。
そしてついに、板倉にも召集令状が来る。時子は板倉に会いに下宿に行こうとするが、タキは、それでは平井家が崩壊すると諭し、板倉に手紙を書いて平井家に来てもらうように、と進める。時子は憤慨しながらもタキに手紙を託し、タキは手紙を届けに向かうが、板倉は結局、平井家に来なかった。
戦局戦況が悪化し、実家に戻ることになったタキは、戦後、平井家を訪ねるが、平井家の赤い屋根の小さいおうちは空襲で焼けてしまっており、防空壕で雅樹と時子が死んでいたことを知る。タキの自叙伝はそこで終わっていた。
健史は、板倉正治が戦死しておらず、絵本作家として生きていたこと、さらに、雅樹と時子の一人息子、恭一が生きていることを知る。健史は、恭一のもとを訪ね、タキの遺品の中にあった、開封されていない封筒を恭一とともに開ける。それは、時子が板倉に宛てた手紙だった。タキは、時子の手紙を板倉に渡していなかった。恭一は、母親の不倫の証拠を見せられた形だが、それでもタキが何もかもを背負い込んでいたことに対してねぎらいの言葉をなげかけ、健史は涙するのだった。

黒木華が、清楚な女中役を好演。戦争勃発直前という不安定な時期を、けなげに生きる姿に好感が持てた。
ちなみに、重役を演じた片岡孝太郎と、若手社員を演じた吉岡秀隆は、実際の年齢は3つしか違わない。確かに、重役にしては若かったし、若者にしては老けていた。でも、制作側はこの配役にしたかったんだろうな。

【5段階評価】 3

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