« 2015年1月 | トップページ | 2015年4月 »

2015年2月

2015年2月25日 (水)

(1270) ホビット 思いがけない冒険

【監督】ピーター・ジャクソン
【出演】マーティン・フリーマン、イアン・マッケラン、リチャード・アーミティッジ
【制作】2012年、ニュージーランド、アメリカ

ロード・オブ・ザ・リング」の主人公、フロド・バギンズの父、ビルボ・バギンズの冒険譚を描いた作品。

ホビット庄で暮らすビルボ(マーティン・フリーマン)のもとに、魔法使いのガンダルフが現れ、ドワーフの故郷を取り戻す冒険に、ビルボを誘う。12人のドワーフに困惑し、初めは旅を拒むビルボだったが、ガンダルフに同行することを決意。オークやトロールに追われながら、エルフの住む裂け谷にたどり着いた一行は、エルロンド(ヒューゴ・ウィービング)に、地図に隠された文字を解読してもらい、さらに先を目指す。
ガンダルフより一足早くエルフの里を旅立ったドワーフ達は、ゴブリンの群れに襲われ、捉えられる。隙を見つけて物陰に潜んだビルボだったが、1体のゴブリンに見つかり、谷底に転落。そこには、黄金の指輪を持ったゴラム(アンディ・サーキス)がいた。ゴラムが落とした指輪を拾ったビルボは、隙を見て逃げ出す。ビルボは、指輪をはめると自らの姿が消えることに気付く。
ガンダルフの助けによってゴブリンの住む洞窟から逃げ出したドワーフ達は、ビルボと再会。そこにドワーフの宿敵、オークの王、アゾグが現れる。ドワーフのリーダー、トーリン(リチャード・アーミティッジ)は敢然とアゾグに立ち向かうが歯が立たず、倒されてしまう。アゾグが手下に首をはねろと命じ、もはや絶体絶命というとき、ガンダルフに託されたナイフを持ったビルボがオークに飛びつき、オークを倒す。そこに、残りのドワーフたちが参戦。オークと死闘を繰り広げる。そこにようやく、ガンダルフの呼んでいた大鷲の一団が現れ、ビルボ達を救い出す。
トーリンは、ビルボの勇気をたたえ、信頼できる仲間としてビルボを迎え入れる。彼らの旅は続くのだった。

雄大な自然と、種族ごとに特徴のある風景、街並みが溶け合った映像美が素晴らしい。戦闘シーンも迫力があり、トールキンの造り上げた世界観を見事に映像化している。オークやゴブリン、トロールの造形が、ややCGっぽすぎるのは残念だった。そう考えると、「エイリアン」は、30年以上も前に作られたにもかかわらず、あの圧倒的なリアリティは神がかり的だなと改めて感じる。

【5段階評価】4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月24日 (火)

(1269) グレムリン2 新・種・誕・生

【監督】ジョー・ダンテ
【出演】ザック・ギャリガン、フィービー・ケイツ、ジョン・グローバー
【制作】1990年、アメリカ

ビルの中で大量発生し、大暴れするいたずら好きのモンスター、グレムリンと、グレムリン退治に奔走する主人公達の活躍を描いた作品。「グレムリン」の続編。

ビリー(ザック・ギャリガン)は、結婚を約束しているケイト(フィービー・ケイツ)とともに、ニューヨークの高層ビルのオフィスで働いている。会社ではクランプ会長(ジョン・グローバー)の指揮のもと、チャイナタウンの再開発計画が進行中。取り壊された骨董品店から逃げ出したギズモを、会社の研究者が発見。ビリーは、解剖されそうになっているギズモを助け出し、自分のデスクの引き出しに隠すが、抜け出したギズモに水がかかり、グレムリンが発生。スプリンクラーの水を浴びてさらに増殖し、ビルの中で大暴れする。
ビリーは、ビルの中の時計の時間をずらし、建物の入り口にスクリーンを張って、グレムリンをホールに誘い込み、日光を浴びせて一網打尽にする計画を立てるが、実行の直前、空がかき曇り、雨が降り出す。ビリーは作戦を変更。あえてグレムリンに水を浴びせると、電気の状態になったグレムリンを解き放つ。グレムリン達は感電し、全て解けてしまう。しかし、女性に変化したグレムリンだけは、妖しく生き残るのだった。

ギズモがランボー(シルベスター・スタローン)に感化され、炎の弓矢を放ってケイトを救ったり、グーフィーのような歯と声のグレムリンが出たり、パロディ色の濃い作品。前作には、ケイトが父の死の真相を語るようなシリアスなシーンもあったが、本作は全編コミカルな展開。
12時以降に食事を与えるとさなぎになる、と警備員を説得するビリーに「11時に食べて歯に食べ物が挟まってたらどうなるの」とか「日付変更線をまたいだら」などと警備員がちゃちゃを入れ、作品の設定に自ら突っ込みを入れるようなシニカルなシーンもある。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月23日 (月)

(1268) ナインハーフ

【監督】エイドリアン・ライン
【出演】キム・ベイシンガー、ミッキー・ローク
【制作】1986年、アメリカ

二人の男女の激しい恋の葛藤を描いた作品。

画廊に勤めるリズ(キム・ベイシンガー)は、チャイナタウンで出会ったジョン(ミッキー・ローク)と知り合い、深い仲に陥る。
ジョンに導かれてリズは性愛に目覚め、ときに抵抗しながらも隷属的にジョンの虜になる。しかし、レズ行為を強要するまでに至り、リズはジョンと別れることを決意するのだった。

氷を体に這わせたり、目隠しをして食べ物をくわえさせたり、といった官能的な映像美が印象に残る作品。ミッキー・ロークの色男っぷりも魅力。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月12日 (木)

(1267) 大洗にも星はふるなり

【監督】福田雄一
【出演】山田孝之、山本裕典、佐藤二朗、戸田恵梨香
【制作】2009年、日本

海の家で働いていたアルバイトたちが、クリスマス・イブの夜に再会して巻き起こす騒動を描いた作品。

大洗の海の家が8月31日を迎え、マスター(佐藤二朗)はアルバイト達をねぎらう。
そしてクリスマス・イブの晩。半ば廃屋となった海の家に、アルバイトだった仁科(小柳友)、松山(山本裕典)、猫田(ムロツヨシ)、杉本(山田孝之)、そしてマスターまでもが次々と集まってくる。彼らはみな、バイト時代のマドンナ、江里子(戸田恵梨香)からの会いたいという手紙を携えていた。
さらに、弁護士、関口(安田顕)が現れ、マスターに海の家の撤去を命じる。しかし、集まった全員が江里子が来るまで海の家は壊せないと言い出したため、関口は全員に、どれだけ江里子に愛されていたかを証言させる。
杉本から順に話を始めるが、誰もが自分に都合のいい妄想話をするばかりで関口にあっさりと嘘を見抜かれ、そうこうするうちに関口までもが江里子を好きだと言い始める。
そこに、遅れて林(白石隼也)が現れるが、話を聞いているうちに、関口は、全員に送られた手紙は、林が書いたものであることを見抜く。林は自分が脳梗塞で余命幾ばくもないため、もう一度、バイト仲間に集まりたいと考え、江里子の名を使って、みんなを呼び寄せていたのだった。
結局、江里子は全く別の男と結婚することになり、次の年もまた、アルバイトの男どもが、新しく来た女の子のアルバイトに夢中になる日々が始まるのだった。

季節外れの夜の海の家の中で、登場人物が一人一人思い出を語り、それが映像として紡がれていくというワン・シチュエーションの展開は、「キサラギ」を彷彿とさせた。そういう意味では、江里子は思い出のシーンにしか登場せず、そして誰のものにもならないな、というのは読める範疇なのだが、それでも物語がどういう方向に進んでいくのか、引き込まれていく、舞台劇の様相の色濃い作品だった。戸田恵梨香の演じる江里子が、明るくかわいい天使のような女の子というよりは、落ち着いたトーンでクールなキャラとして描かれているのは、監督の好みなのだろうか。ゴスロリが好みという話もあるようだが。

【5段階評価】4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月11日 (水)

(1266) 告発の行方

【監督】ジョナサン・カプラン
【出演】ジョディ・フォスター、ケリー・マクギリス、バーニー・コールソン
【制作】1988年、アメリカ

酒場で起きたレイプ事件を扱った法廷サスペンス。

ある晩、酒場から一人の学生(バーニー・コールソン)が飛び出し、公衆電話から女性が数人の男にレイプされている、と通報する。まもなく、はだけた服を直しながら女性が店を飛び出し、通りかかった車に乗り込んだ。
彼女の名はサラ(ジョディ・フォスター)。検事補のキャサリン(ケリー・マクギリス)は、現場の目撃者が十分ではないことや、彼女が酒やマリファナをやっていたことから、第1級暴行罪で起訴をしても有罪を勝ち取ることは難しいと判断し、第2級過失傷害罪で起訴。彼女をレイプした3人は有罪にはなったが、サラは、自分のような身分の女性のいうことは信用してもらえないのかとショックを受ける。彼女はつきあっていた男を追い出し、レコード店に立ち寄るが、事件の日に酒場でレイプをあおった男(レオ・ロッシ)にからかわれたことで逆上し、車で男の車に激突するという事件を起こす。
キャサリンは、サラの深い悲しみを知り、裁判をやり直すことを決意。事件の日、レイプをあおった客達を、暴行教唆の罪で起訴することにする。
サラの涙ながらの証言は胸を打つものではあったが、具体的に何人が、そして誰が暴行をあおったのかを証明したことにはならず、被告の有罪を勝ち取るのは難しい状況だった。しかし、キャサリンは、店にあったTVゲームのハイスコアの記録に、KENの名があることに気付き、事件当日、レイプを通報した学生、ケンを見つけ出す。彼の証言により、被告3人の有罪は確定となり、サラの訴えはようやく世に認められることになるのだった。

公開当時26歳のジョディ・フォスターの演技が絶大な評価を受けた作品。どうしようもない暴行を受けたシーンの壮絶さもさることながら、そこに至るまでの彼女の挑発的なダンスをもしっかりと映像化し、彼女を一方的な被害者とせず、レイプ事件を考えさせる形に仕上げている。単なる勧善懲悪ものでないことが、本作の魅力につながっていると感じた。

【5段階評価】4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月10日 (火)

(1265) 晴れ、ときどき殺人

【監督】井筒和幸
【出演】渡辺典子、太川陽介、伊武雅刀、松任谷正隆
【制作】1984年、日本

赤川次郎原作小説の映画化作品。

女手一つで巨大企業を育ててきた事業家、北里浪子(浅香光代)は、ある晩、地鎮祭を控えた工事現場で、首をナイフで刺されたコールガールの死体を発見。職場に脅しの電話がかかり、浪子は見覚えのない青年を、目撃した犯人だと嘘の証言をし、青年は飛び降り自殺をする。
罪の意識に呵まれた浪子は、アメリカから帰国した愛娘の加奈子(渡辺典子)に、真犯人は身近にいると告げるが、犯人の名前を言うことなく急死する。
告別式の準備のさなか、二人の刑事が加奈子の家を訪れ、コールガール連続殺人の容疑者が近所を徘徊しているとの情報を伝える。刑事が帰った後、加奈子は家の中に一人の男がいるのを見つける。それは、刑事から写真を見せられた男、上村裕三(太川陽介)だった。
加奈子は、母親が自らの偽証のせいで若者を死に追いやったことを悔いていたことから、自分は無実だと言う上村を警察に引き渡すのを思いとどまり、母親の作った隠し部屋にかくまう。
かかりつけの医師、菊井(前田武彦)、秘書の水原(伊武雅刀)、勝手に加奈子のフィアンセを名乗る円谷正彦(清水昭博)など、怪しい人間に囲まれる中、母親が雇っていた興信所の男(梅津栄)も殺され、加奈子が人間不信に陥る。
かくまっていた上村が高熱を出したため、加奈子は、英語の家庭教師として以前から信頼している医者、菊井和昌(松任谷正隆)に助けを乞う。和昌は、夜中に上村を自分の大学病院に連れ出そうと提案するが、隠し部屋のことが何者かの密告により警察にばれてしまう。
加奈子の家に警察が踏み込み、隠し部屋に乗り込むが、いつの間にか上村は脱出していた。
その晩、若い家政婦マリ子(美池真理子)が殺されているのを発見し、加奈子は怯えるが、和昌が加奈子を助ける。そこに不気味な足音が響く。足音の主は上村だった。和昌は自分がいるから安心だ、と加奈子に告げるが、上村は信用するな、と加奈子に叫ぶ。真犯人は和昌だった。マザコンの和昌は、コールガールに自分の性格を馬鹿にされて逆上し、連続殺人を犯していたのだった。上村と加奈子は、上村の作った人力飛行機で脱出。飛行機はあえなく墜落するが、追ってきた和昌は張り込んでいた警察に逮捕され、二人は安堵するのだった。

赤川次郎原作、角川三人娘が主役という、角川映画の全盛期の中の一本。ラブストーリー中心の薬師丸ひろ子、清純派の原田知世に比べると、全裸の女性死体が何度も登場する若干エロ路線の仕上がりになっている。推理ものとしてしっかりと仕上げようとしている意気込みは感じられ、特に、興信所の男が訪ねてから殺害されるまでをワンカットで描いているシーンのカメラワークには、井筒監督のこだわりを感じた。ただ、犯行の動機がマザコンを馬鹿にされたから、という、こんな脈絡のない動機であれば、誰が犯人でもいいので、物語としてのこくはなかった。とは言え、こうした謎解きの軽薄さは、赤川作品らしいと言えなくもない。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 9日 (月)

(1264) 清洲会議

【監督】三谷幸喜
【出演】役所広司、大泉洋、鈴木京香、小日向文世、佐藤浩市、剛力彩芽
【制作】2013年、日本

三谷幸喜原作小説の映画化作品。織田信長の跡目争いに熱を上げる人々を描く。

本能寺の変で織田信長(篠井英介)が殺害され、家老の柴田勝家(役所広司)は、参謀の五郎左(小日向文世)の助言により、跡継ぎを清洲会議で決めることにする。首謀者の明智光秀(浅野和之)を討った羽柴秀吉(大泉洋)は、大衆を味方につけ、意気揚々と清洲に到着。
勝家と秀吉は、清洲に身を寄せる未亡人のお市の方(鈴木京香)に入れ込んでいた。お市の方は、息子を殺害した秀吉を激しく怨んでおり、勝家に秀吉の思い通りにはさせないよう強く求める。
勝家は、妾の子で三男だが優秀な織田信孝(阪東巳之助)を跡目に推し、一方の秀吉は、うつけ者の次男、信雄(のぶかつ)(妻夫木聡)を推挙する。
会議は出席予定の滝川一益(いちます)(阿南健治)の到着の遅れにより延期される。
延期中に開催された砂浜での徒競走の帰り、秀吉は、川辺で遊ぶ三法師(津島美羽)を見つける。三法師は信長の嫡男、信忠と、松姫(剛力彩芽)の間に生まれた子であった。三法師が小さな親方様と呼ばれているのを聞いた秀吉は、彼を跡目に立てることこそが、自身の野望を実現する秘策であると確信。勝家の側に付く五郎左をも籠絡し、清洲会議に臨む。
結局、信孝を推すのは勝家一人であり、秀吉、池田恒興(つねおき)(佐藤浩市)、五郎左が三法師を推し、跡取りは三法師に決まる。秀吉を激しく怨むお市の方は、秀吉を苦悶させるためだけに、勝家と祝言を挙げることを決め、秀吉は悶絶する。
秀吉の妻、寧(中谷美紀)は、再び松姫に河原遊びに誘うが、意外にも松姫は河原は嫌いだと言って拒絶する。松姫は、なぜ河原が嫌いなのに、前は河原遊びに向かったかを告げる。それは、その日、河原に行けば、砂浜での試合の後、跡目争いをしている誰かが三法師を見かけ、三法師を跡目に置くことを思いつくだろうと考えたからであった。松姫は武田信玄の血を受け継ぐ三法師に織田家を継がせようと画策していた。松姫は自身の謀略が成功したことに満足し、不敵な笑みを寧に返す。かくして清洲会議は終わり、新たな時代が訪れるのだった。

相変わらず俳優はやたらと豪華。三谷監督の作品は、たたみ込むようなユーモアが見所で、本作も、そこかしこに演出の妙は見て取れるのだが、本作は史実が基調となっているせいか、監督の豊かな発想が発揮し尽くされていないという印象を持った。とは言え、個性のないちょい役と思っていた松姫が、最後に一番の策略家として描かれているところは、さすがにウマかった。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 7日 (土)

(1263) ダイ・ハード/ラスト・デイ

【監督】ジョン・ムーア
【出演】ブルース・ウィリス、ジェイ・コートニー、セバスチャン・コッホ
【制作】2013年、アメリカ・ハンガリー

ダイ・ハード」シリーズ第5作。ロシアにスパイとして潜入している息子とジョン・マクレーンとの活躍を描く。

CIAのスパイ、ジャック(ジェイ・コートニー)は、ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)の息子。ロシアで裁判にかかったという知らせを受けたジョンは、娘のルーシー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)に見送られ、ロシアに向かう。
被告人のユーリ・コマロフ(セバスチャン・コッホ)は、かつて、政治家のチャガーリン(セルゲイ・コルスニコフ)と組んで濃縮ウランの密売を行っていたが、チャガーリンの裏切りにより収監されていた。ジャックは、ユーリがチャガーリンの悪事の証拠となるファイルを持っていることをつかんでおり、彼からファイルのありかを聞こうとしていた。
ところが、チャガーリンは、裁判所を爆破してユーリの拉致を画策。ところが、ジャックはユーリを連れて裁判所を抜け出す。そこにジョンが現れ、息子の行動をとがめる。父親に邪魔されたことで、CIAの計画に遅れが生じ、チャガーリンの腹心、アリク(ラシャ・ブコビッチ)の装甲車に追いつかれてしまう。ジョンは一般車に乗り込み、ジャックを追い、装甲車をハイウェイの下にたたき落とす。ジャックはしかたなく、ジョンを連れてCIAのアジトに戻る。
ユーリの娘を連れて国外に逃亡しようとするジャックだったが、ジョンの携帯のせいで、アジトの場所がチャガーリン側にバレてしまう。アジトはチャガーリンの部隊に強襲され、ジョン、ジャック、ユーリの3人は命からがらアジトを抜け出す。
ユーリは娘のイリーナ(ユーリヤ・スニギル)とともに国外逃亡するため、老舗ホテルのダンスホールで落ち合うが、イリーナはチャガーリンの側に付いていた。父親を裏切ったイリーナは、ユーリがファイルの隠されている金庫の鍵を入手したのを見届けると、父親を拉致してヘリで脱出。絶体絶命となるジョンとジャックだったが、敵の隙を突いてホテルを脱出する。
CIAの部隊は壊滅状態。ユーリも敵に拉致され、なすすべのなくなったジャックは、父親に助けを乞う。ジョンは単純に、わるいやつらがいるなら、俺たちが動くしかない、とシンプルなアドバイスをする。ユーリが原発事故を起こしたチェルノブイリに向かったと推理した二人は、車を盗んでチェルノブイリを目指す。
チェルノブイリでは、イリーナとアリクがユーリを脅してファイルを入手しようとしていたが、実はイリーナとユーリの親子は組んでいた。ユーリは、ファイルの話をすれば、チャガーリンが自分を裁判所から拉致すると読み、脱獄後にイリーナとともにチェルノブイリの濃縮ウランを密売し、巨万の富を得ようとしていたのだった。ユーリはアリクを殺害。チャガーリンも送り込んだ刺客を使って殺し、大量のウランをヘリに積んで引き上げようとするが、そこにジョンとジャックが到着。ジョンはユーリの狂言を見抜き、ジャックとともにユーリを確保するが、無線でユーリの危機を知ったイリーナは、父親を屋上に向かわせ、ヘリで救い出そうとする。しかし、屋上に向かったジャックは、自分を騙したユーリを屋上から投げ落とす。ユーリはイリーナの乗ったヘリのプロペラに巻き込まれて死亡する。
怒り狂ったイリーナは、ヘリごと、ジョンとジャックのいる建物に突っ込むが、二人は間一髪でフロアから飛び降り、下のプールに落下。
助かった二人はアメリカに戻り、ルーシーの出迎えを受けるのだった。

話は少々複雑だが、許容範囲。いい奴だと思っていた人間が極悪人、という展開は、「ダイ・ハード」のハンス(ジョンが初めて対面したときは、ハンスは人質のふりをしていた)、「ダイ・ハード2」の黒人隊長グラントと共通。ダンスホールで見せた、絶体絶命のピンチを、不敵な高笑いから大逆転に変えるのも、「ダイ・ハード」で妻のホーリーをハンスから奪い取るシーンに似ている。
巨大送水管から吹き出したり、戦闘機と戦ったりするエスカレートぶりに比べれば、今回のはちゃめちゃぶりも本作の魅力と言えるだろう。
派手なカー・アクションは、どうやって撮影したの、と不思議になるほどおおがかり。サービス精神たっぷりの作品だった。

【5段階評価】5

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 6日 (金)

(1262) 極道の妻たち

【監督】五社英雄
【出演】岩下志麻、かたせ梨乃、世良公則
【制作】1986年、日本

任侠の道に生きる女の人生を描いた作品。

粟津環(岩下志麻)は、服役中の粟津組組長、粟津等(佐藤慶)の妻。妹の真琴(かたせ梨乃)には極道の世界に入って欲しくないと、縁談を持ちかけるが、真琴はやくざの杉田(世良公則)の強引なアプローチに惹かれていく。
環は真琴が杉田の元に向かうのを必死で止めるが、真琴の意志の強さを知り、応援することにする。杉田は、真琴との再会を喜ぶが、真琴をやくざの道に引きずり込んだ杉田を怨む清野(清水宏次郎)に刺し殺される。真琴は幸せから不幸の奈落に一気にたたき落とされ、放心する。
仮釈放となった粟津等だったが、環の目の前で、杉田組の組員、花田太一(竹内力)に撃たれて命を落とす。

杉田が、真琴の乳房をまさぐったまま命を落とすシーンが印象的。役者の関西弁がへたくそなのが耳障りだし、やくざ同士の抗争で次々と互いを殺し合うのが何とも安直というか、記号的な描き方ではあるのだが、一般人には縁のない世界を分かりやすく描いている、とも言える。

【5段階評価】4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 5日 (木)

(1261) 宇宙戦艦ヤマト

【監督】舛田利雄
【出演】富山敬(声)、麻上洋子(声)、納谷悟朗(声)、伊武雅之(声)
【制作】1977年、日本

日本のSFアニメの代表的作品。地球の滅亡を防ぐため、イスカンダルを目指す宇宙戦艦の活躍を描く。

ガミラス星の攻撃により、地上の生命が死に絶えた地球。放射能除去装置の入手のため、宇宙戦艦ヤマトがイスカンダル星を目指す。
ガミラス星のデスラー総統(伊武雅之)は、ヤマトに攻撃を繰り返すが、ヤマトは度重なる苦難を乗り越えていく。ヤマト艦長の沖田十三(納谷悟朗)は、航行中に体調を崩し、古代進(富山敬)が代理を務める。
ガミラスのドメル司令長官(小林修)は、ワープ航法を駆使してヤマトに総攻撃をかけ、ドリルミサイルをヤマトに打ち込むが、真田志郞(青野武)とアナライザー(緒方賢一)はミサイルを逆回転させることに成功。ミサイルはドメルの艦隊に命中して爆発し、艦隊は壊滅。ドメルはヤマトの艦底付近で自爆する。
イスカンダルに近づいたヤマトだったが、ガミラス星とイスカンダル星が双子星であることを知り、衝撃を受ける。デスラーは、ヤマトをガミラス星の硫酸の海におびき寄せるが、ヤマトは海底のマグマに波動砲を放って大噴火を誘発し、デスラーはついに落盤に巻き込まれて命を落とす。
イスカンダルにたどり着いた進は、スターシャ(平井道子)から放射能除去装置の作成方法を授かる。そこには、死んだと思われていた進の兄、古代守(広川太一郎)がいた。スターシャは守を連れて帰るよう進に告げるが、森雪(麻上洋子)は、スターシャが守を愛していることを知る。守もスターシャを愛しており、守は地球に戻らず、スターシャとともに生きる道を選ぶ。
ヤマトは製造に成功した放射能除去装置を積載し、無事、地球にたどり着くのだった。

テレビアニメの総集編として作成されているので、ダイジェスト版のような展開もあるが、盛り上がる後半は丁寧に作られている。猛攻を受けてボロボロになっても、主砲や第三艦橋がなくなっても、何もないはずの宇宙空間で何度も復活したりして、どんだけ資材積んでんねん的な突っ込みどころはあるが、ワープ航法や宇宙空間でのドッグファイトなどを、1977年公開の「スターウォーズ」に(テレビアニメでは)先んじて取り入れているあたりは感心させられる。
また、SFとしての面白さだけでなく、古代進と森雪の恋愛をちょこっと織り交ぜている辺りもよい。この名作を実写化すると、なんでこうなるの、というのも興味深いわけだが。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 4日 (水)

(1260) 戦火の馬

【監督】スティーブン・スピルバーグ
【出演】ジェレミー・アーバイン、ピーター・マラン、トム・ヒドルストン、ニエル・アレストリュプ
【制作】2011年、アメリカ

戦渦に巻き込まれる一頭の馬の数奇な運命と、その馬に関わる人々を描いた作品。

貧しい小作農の息子、アルバート(ジェレミー・アーバイン)は、憧れていたサラブレッド馬を父親のテッド(ピーター・マラン)が買ってきたことに狂喜。馬にジョーイと名付け、世話を始める。気性の荒い馬だったが、アルバートは辛抱強くしつけを続け、彼の口笛で呼び寄せられるようになるまで手なずける。サラブレッド馬ながら、農耕馬としても働くようになるジョーイだったが、せっかく耕した畑の作物は、悪天候で全滅。テッドはジョーイをイギリス軍に売ってしまう。アルバートはそれを止めるよう懇願するが、アルバートの思いを知ったニコラス大尉は、自分が馬を預かって大事に扱い、きっと馬を返す、とアルバートに約束する。
ジョーイは軍馬となり、盟友となる黒馬、トップソーンと出会う。ジョーイは軍馬としても優秀な能力をいかんなく発揮し、実戦に出るが、イギリス軍の作戦失敗によりニコラス大尉は戦死。ジョーイとトップソーンはドイツ軍のものとなる。
馬の担当を任された若い兵士、ギュンター(ダフィット・クロス)は、弟のミヒャエル(レオナート・カロブ)が戦地に赴任することを知り、ジョーイとトップソーンを連れてミヒャエルとともに軍を脱走。風車小屋に両馬を隠して一夜を明かそうとするが、あえなく隊に見つかり、敵前逃亡の罪で銃殺される。
風車小屋に立派な馬がいるのを発見した少女、エミリー(セリーヌ・バッケンズ)は、祖父(ニエル・アレストリュプ)にそれを伝える。初めはエミリーの乗馬に反対していた祖父だったが、エミリーの喜ぶ姿に打たれて、隠していた鞍をエミリーに託す。しかし、馬はドイツ軍に見つかり、なすすべなく奪われてしまう。
馬の世話係のフリードリヒ(ニコラス・ブロー)は、ジョーイの気高さを見抜き、使い捨てのように重たい大砲を引かせようとする軍の方針に反対。戦乱に乗じてジョーイを逃がす。しかし、混戦の中、ジョーイは我を忘れたように戦地の中を走り回り、鉄条網がからまって動けなくなってしまう。
一人のイギリス兵が、傷だらけとなった馬を救うが、医者は破傷風だから殺した方がいいと告げる。ところが、兵士として駐屯地にいたアルバートは、ドイツ軍の毒ガスで目が見えないまま、一頭の馬が来たという話を聞いて、ジョーイを呼ぶための口笛を吹く。すると、ジョーイはそれに反応。ジョーイが、アルバートのかけがえのない友であることを知った医者は、ジョーイを手厚く治療することを約束する。
ジョーイは回復するが、軍の決まりにより競売にかけられることになる。ショックを受けるアルバートだったが、彼の仲間達や上官までもが、彼がジョーイを買い戻せるようカンパをしていた。買い付け業者と競り合いになり、30ポンドまでせり上がったとき、遠くから100ポンドの声が聞こえる。エミリーの祖父だった。エミリーは亡くなっており、彼はエミリーの遺した馬を手に入れようとしていたのだった。しかし、ジョーイがアルバートに心底なついていること、ジョーイに付けられていた大隊旗がアルバートの父親のものであることを知ったエミリーの祖父は、彼に大隊旗とジョーイをアルバートに返す。
アルバートはジョーイとともに帰還し、父親のテッドに大隊旗を返す。テッドはアルバートを抱きしめ、帰還を喜ぶ。そこには夕日に染まるジョーイの姿があった。

さすがはスティーブン・スピルバーグ監督。一頭の馬を巡る壮大で複雑なドラマを、決してわかりにくくなることなく描いている。
馬の動きもすばらしく、CGではないかと疑いたくなるほど。戦争シーンも迫力があるが、ディズニー作品であり、「プライベート・ライアン」のような過激な描写は控えられている。

【5段階評価】4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 3日 (火)

(1259) 夜明けの街で

【監督】若松節朗
【出演】岸谷五朗、深田恭子、木村多江、萬田久子、中村雅俊、石黒賢
【制作】2011年、日本

東野圭吾原作小説の映画化作品。不倫を基軸に、時効間近の殺人事件の謎が明かされていく。

会社員の渡部和也(岸谷五朗)は、バッティングセンターで、勤め先の派遣社員、中西秋葉(深田恭子)に偶然会う。和也は、不思議な魅力を持つ秋葉に強く惹かれるようになり、二人は不倫の関係となる。和也は妻の有美子(木村多江)に嘘をつきながら、秋葉と二人で過ごす時間を作る。
秋葉の母親は、父親(中村雅俊)の不倫が原因で自殺していた。不倫の相手であった父親の秘書、本条麗子は、秋葉の家で殺されており、第一発見者の秋葉は、容疑者として扱われていた。
和也はついに離婚の意志を固める。和也は妻に、「今日は泊まりになる、明日、大事な話をする。」と告げて秋葉に会いに行く。会った秋葉は、なぜか執拗に現在時刻を気にする。それは、秘書殺人事件の時効の時刻だった。
時効の時刻直前、秋葉は父親と叔母の浜崎妙子(萬田久子)の前に姿を現す。彼女は事件の真相を二人に告げる。
これまで、事件は、父親と秘書との不倫が原因で母親が自殺。秋葉が秘書を怨んで殺害したという疑いがかけられていたが、秋葉の記憶はなく、死体を見つけてその場で気を失ったとされていた。
しかし秋葉は、秘書の傍らにあった彼女の遺書を隠し持っていた。父親の真の不倫相手は、秘書ではなく、叔母の妙子だった。秘書は、自分が偽装のために父親に利用されていたことを知って自殺していたのだった。父親は、その事実を隠して妻との離婚にこぎ着けるため、秘書との浮気を画策していたのだった。ところが、秘書が謎の死を遂げる。父親は、自分の娘が殺害したのでは、と疑い、睡眠薬を大量摂取してもうろうとする秋葉に、お前は死体を見て気を失ったのだ、と信じ込ませていた。しかし、秋葉はそのことを覚えていた。秋葉は、自分に殺人者の疑いがかかり、また、不倫をすることで、父親に苦悩を与え続けようとしていたのだった。
和也と二人きりになった秋葉は、自分は和也を利用していたのだ、と告げ、和也に家庭に戻るよう促し、和也のもとを立ち去る。しかし一人乗るタクシーの中で、秋葉は嗚咽を漏らすのだった。
帰宅した和也は、居間のテーブルの上に、妻の作ったサンタクロースの人形を見つける。それを箱にしまおうとしたとき、箱の中に握りつぶされた大量の人形があるのを発見する。妻は和也の不倫を知っていた。高ぶる感情の行き場が、つぶれた人形だったのだ。
いつもの出勤の朝。何か話があるんじゃなかったっけ、と問いかける妻に、和也は、それはもう済んだ、と答える。しかし、妻は笑顔で、「何が済んだの。何も済んでないと思うけど。あなたと私の中で、一生済まない話だと思うけど。」と返す。和也は凍り付いた表情のまま、無言で駅に向かう。晴れ晴れとした表情で新たな道を歩もうとする秋葉とは、あまりにも対照的なのだった。

不倫を丹念に描いているが、東野圭吾作品らしい謎解きの要素もあり、また、フラグは立っているものの、実は不倫をして知っていて知らない振りをしていた妻の憎悪に気付いた衝撃もあって、ぐっとくる作品にしようとしていることは分かる。
ただ、不倫を隠すために不倫をするとか、なぜそこまで時効を気にするのかとか、よく分からないところはしっかりと描いて欲しかった。あまりスッキリしない謎の解明シーンだった。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 2日 (月)

(1258) エクスペンダブルズ2

【監督】サイモン・ウェスト
【出演】シルベスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ジャン=クロード・バン・ダム
【制作】2012年、アメリカ

おじさんアクション・スターがてんこ盛りのアクション映画。

バーニー(シルベスター・スタローン)率いるエクスペンダブルズは、チャーチ(ブルース・ウィリス)から墜落した輸送機の積み荷を回収する任務を請け負うが、敵対するサングのリーダー、ジャン(ジャン=クロード・バン・ダム)に横取りされ、仲間のビリー(リアム・ヘムズワース)を殺される。
バーニーは復讐を誓い、サングのプルトニウム採掘基地に乗り込むが、ジャンはプルトニウムとともに基地を去っていた。バーニーらは空港で激しい銃撃戦を行い、敵をなぎ倒していく。バーニーはジャンと一騎打ちをし、ビリーの命を奪ったナイフをジャンに突き立て、復讐を遂げる。

アクションはそこそこ派手ではあるのだが、名優が無個性的な大量の敵をなぎ倒す無双っぷりには、どうしてもB級感が漂う。ブルース・ウィリスやジェット・リー、ジェイソン・ステイサムなど、好きな俳優が出ているのだが、これだけ集めると、逆に安っぽくなってしまう。思えば「キャノンボール」も、同じようなB級感を漂わせているな。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年1月 | トップページ | 2015年4月 »