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2015年2月10日 (火)

(1265) 晴れ、ときどき殺人

【監督】井筒和幸
【出演】渡辺典子、太川陽介、伊武雅刀、松任谷正隆
【制作】1984年、日本

赤川次郎原作小説の映画化作品。

女手一つで巨大企業を育ててきた事業家、北里浪子(浅香光代)は、ある晩、地鎮祭を控えた工事現場で、首をナイフで刺されたコールガールの死体を発見。職場に脅しの電話がかかり、浪子は見覚えのない青年を、目撃した犯人だと嘘の証言をし、青年は飛び降り自殺をする。
罪の意識に呵まれた浪子は、アメリカから帰国した愛娘の加奈子(渡辺典子)に、真犯人は身近にいると告げるが、犯人の名前を言うことなく急死する。
告別式の準備のさなか、二人の刑事が加奈子の家を訪れ、コールガール連続殺人の容疑者が近所を徘徊しているとの情報を伝える。刑事が帰った後、加奈子は家の中に一人の男がいるのを見つける。それは、刑事から写真を見せられた男、上村裕三(太川陽介)だった。
加奈子は、母親が自らの偽証のせいで若者を死に追いやったことを悔いていたことから、自分は無実だと言う上村を警察に引き渡すのを思いとどまり、母親の作った隠し部屋にかくまう。
かかりつけの医師、菊井(前田武彦)、秘書の水原(伊武雅刀)、勝手に加奈子のフィアンセを名乗る円谷正彦(清水昭博)など、怪しい人間に囲まれる中、母親が雇っていた興信所の男(梅津栄)も殺され、加奈子が人間不信に陥る。
かくまっていた上村が高熱を出したため、加奈子は、英語の家庭教師として以前から信頼している医者、菊井和昌(松任谷正隆)に助けを乞う。和昌は、夜中に上村を自分の大学病院に連れ出そうと提案するが、隠し部屋のことが何者かの密告により警察にばれてしまう。
加奈子の家に警察が踏み込み、隠し部屋に乗り込むが、いつの間にか上村は脱出していた。
その晩、若い家政婦マリ子(美池真理子)が殺されているのを発見し、加奈子は怯えるが、和昌が加奈子を助ける。そこに不気味な足音が響く。足音の主は上村だった。和昌は自分がいるから安心だ、と加奈子に告げるが、上村は信用するな、と加奈子に叫ぶ。真犯人は和昌だった。マザコンの和昌は、コールガールに自分の性格を馬鹿にされて逆上し、連続殺人を犯していたのだった。上村と加奈子は、上村の作った人力飛行機で脱出。飛行機はあえなく墜落するが、追ってきた和昌は張り込んでいた警察に逮捕され、二人は安堵するのだった。

赤川次郎原作、角川三人娘が主役という、角川映画の全盛期の中の一本。ラブストーリー中心の薬師丸ひろ子、清純派の原田知世に比べると、全裸の女性死体が何度も登場する若干エロ路線の仕上がりになっている。推理ものとしてしっかりと仕上げようとしている意気込みは感じられ、特に、興信所の男が訪ねてから殺害されるまでをワンカットで描いているシーンのカメラワークには、井筒監督のこだわりを感じた。ただ、犯行の動機がマザコンを馬鹿にされたから、という、こんな脈絡のない動機であれば、誰が犯人でもいいので、物語としてのこくはなかった。とは言え、こうした謎解きの軽薄さは、赤川作品らしいと言えなくもない。

【5段階評価】3

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