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2014年11月 1日 (土)

(1229) 誰も守ってくれない

【監督】君塚良一
【出演】佐藤浩市、志田未来、松田龍平、佐々木蔵之介、柳葉敏郎、石田ゆり子
【制作】2009年、日本

兄が少女殺人の容疑者として逮捕された妹と、その身の安全を確保する刑事との交流を描いた作品。

中学3年生の船村沙織(志田未来)の家に警察が上がり込み、小学生殺害の容疑者として長男の直人(飯島耕大)を逮捕する。容疑者の家族はマスコミの目を逃れるため、警察が守ることとなるが、家に残っていた母親は、トイレの中で自殺してしまう。
刑事の勝浦卓実(佐藤浩市)は、相棒の三島(松田龍平)とともに沙織をホテルにかくまうが、すぐにマスコミの手が及び、勝浦はしかたなく、自分がカウンセリングにかかっている精神科医の尾上令子(木村佳乃)を頼る。母親の死を、ボーイフレンドの園部達郎(冨浦智嗣)から知らされた沙織は、勝浦に対する不信感をあらわにするが、勝浦は上司から沙織の事情聴取まで指示され、しかたなく東京を後にする。
勝浦が向かったのは、家族で来るはずだったペンションだった。ペンションの経営者の本庄圭介(柳葉敏郎)と本庄久美子(石田ゆり子)は、かつて勝浦が担当した事件の容疑者に息子を殺された経歴を持っていた。圭介は二人を温かく迎えるが、沙織は心を閉ざしたままだった。
ところが、沙織を追求する手は、マスコミからネットの住民に移り、沙織が勝浦とともに本庄のペンションにいることが広まってしまう。情報を流したのは、勝浦を困らせようとした沙織だった。自分の母親は死に、家族がめちゃくちゃになっているのに、自分は家族旅行の心配をしているのが許せなかったのだ。ペンションの周りには、カメラを構えた男達が群がり、情報が流れている掲示板を見た圭介は、事件の被害者が自分の息子と同様ナイフで刺し殺されたことを知り、警察は自分の息子は守れなかったのに、容疑者の家族は守るのか、と思わず勝浦に声を荒げてしまう。
その夜、ペンションに沙織のボーイフレンドの達郎が現れる。達郎は沙織をそそのかしてペンションを抜け出すと、とあるホテルの一室に沙織をかくまう。しかしそこにセットされていた防犯カメラは、沙織の映像をネット上に流していた。達郎は沙織と縁を切り、映像をネットに流すことに荷担していたのだった。
全てがいやになり、一人になりたい、と告げる沙織に、勝浦は、君が家族を守るんだ、と説得する。沙織は、ようやく、兄が父親の厳しい指導にノイローゼ気味になっており、事件の日、血のついた手を洗いながら沙織に「助けて」と言っていたことを告げる。事件は真相解明に向けて進展し、勝浦は休暇を取ることを決めて娘に電話をするのだった。

容疑者の家族をマスコミが執拗に追求するシーンは、やや過剰である気もするが、追われている方からすると、これぐらいの恐ろしさなのだろう。マスコミ記者の梅本(佐々木蔵之介)が、過去に勝浦の関わった捜査で悲劇が起きたことを発見し、さらに容疑者の妹をかくまおうとする勝浦を罵倒することで、勝浦自身が追い込まれる心理をうまく表現していた。
ネット住民のさらしも、さすがに妹生中継は下種の極みすぎるが、正義漢ぶって他人のプライバシーを暴こうとする悪趣味から逃れられない恐ろしさがうまく表現されていた。もっとも、この手の演出は、今後、珍しいものではなくなるだろう・・・というか、すでに陳腐化しているといっていいかもしれない。
救いようのないタイトルだが、最後は希望のある終わり方になっている。

【5段階評価】4

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