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2014年10月29日 (水)

(1226) ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

【監督】スティーブン・ダルドリー
【出演】トーマス・ホーン、サンドラ・ブロック、トム・ハンクス、マックス・フォン・シドー
【制作】2011年、アメリカ

9.11テロで父親を亡くした少年が、父の残した鍵を巡って、人々と出会い、成長していく過程を描いた作品。

アスペルガー症候群の少年、オスカー(トーマス・ホーン)は、父親のトーマス(トム・ハンクス)が大好きだったが、父は9.11のワールド・トレード・センターへのテロ行為により、命を落とす。
喪失感にさいなまれたオスカーは、父の死から1年後、父親の部屋を探り、棚の上にあった青い花瓶を落として割ってしまう。中にはカギが入っていた。
父親からいつも調査探検遊びをしてもらっていたオスカーは、父から与えられた謎だと考え、このカギが何のカギかを探ることを決める。鍵の入っていた封筒に「Black」と書いてあったことから、彼は市内のブラックという名の人を次々と訪問する。やがて彼は、祖母の家の同居人(マックス・フォン・シドー)と知り合い、彼と行動を共にするようになる。彼は話すことができず、会話は筆談と、両手の平に書かれた「Yes」と「No」で行われた。
やがてオスカーは、肩をすぼめる、大好きだった父親の仕草と、この老人の仕草が似ていることから、老人が自分の祖父であることを確信する。
オスカーは、父親の亡くなった最悪の日に、父親が自宅にかけてきた留守番電話を老人に聞かせるが、老人は途中まで聞くともうやめろ、と書き残して部屋を立ち去る。
部屋で父親の残した新聞の切り抜きを見ていたオスカーは、その裏に遺品セールの広告を見つける。そこに電話をすると、最初に訪れたアビー・ブラック(ビオラ・デイビス)の家につながる。アビーの元夫、ウィリアム(ジェフリー・ライト)が遺品セールの開催主だったのだ。
ウィリアムに会ったオスカーは、彼に鍵の話をする。するとウィリアムは、その鍵は青色の花瓶の中にあったのではないか、とオスカーに訪ねる。この鍵は、ウィリアムの亡くなった父親が、ウィリアムに対して生前に残したカギだったのだ。ウィリアムは、中にカギがあるとは知らずに、花瓶を売りに出してしまい、あとで父の残した手紙を読んで、カギを探していたのだった。オスカーは、ウィリアムにカギを渡すと、実は9.11の日、家の電話が鳴ったのだが、怖くて出ることができなかった、という話をウィリアムに告白する。
家に帰ったウィリアムは、半狂乱になって、カギの謎を解くために使っていた地図や道具をめちゃくちゃに壊し始める。母親のリンダ(サンドラ・ブロック)は彼をなだめ、実は自分も、オスカーの行動を見守り続け、また自分自身もカギの謎を解くため、ブラックという名の人々を訪問し続けていたことを打ち明ける。
これまで母親と打ち解けられていなかったオスカーは、初めて母親と父親の思い出を分かち合う。オスカーは、これまで訪問したブラック姓の人たちに手紙を送り、父親の死を乗り越えて生きていく決意をするのだった。

子役のトーマス・ホーンの演技力が素晴らしすぎる。アスペルガー症候群という、難しい役どころで、台詞も長くて早く、理知的な中にも危うさを秘めた少年を見事に演じきっていた。これを見るだけでも十分に感動できる。
無言の祖父を演じたマックス・フォン・シドーも、作品にいい余韻を与えてくれていた。
9.11テロを題材としており、なかなか挑戦的な難しい作品だが、静かな感動を与えてくれる佳作だった。

【5段階評価】4

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