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2014年8月23日 (土)

(1196) ミスティック・リバー

【監督】クリント・イーストウッド
【出演】ショーン・ペン、ケビン・ベーコン、ティム・ロビンス、ローレンス・フィッシュバーン
【制作】2003年、アメリカ

殺人事件を機に再会した幼なじみの3人の数奇な運命を描いた作品。

友達同士の少年、ジミー、ショーン、デイブの3人が、生乾きのセメントに悪戯書きをしていると、刑事とおぼしき男がそれをとがめ、デイブを車に乗せて連れ去る。男は少年性愛者で、デイブはまもなく保護されるが、心に深い傷を負う。
3人は成人し、リーダー格だったジミー(ショーン・ペン)は、犯罪生活から足を洗い、雑貨店を経営。19歳の娘、ケイティ(エミー・ロッサム)に愛される良き父親だ。ケイティが車に乗り込むと、そこにはボーイフレンドのブレンダン(トム・グイリー)がいた。二人は熱いキスを交わす。
幼なじみの3人の一人、デイブ(ティム・ロビンス)が、友人とバーで酒を飲んでいると、ケイティが女友達を連れてバーに現れ、騒ぎ出すのを目撃。彼はその夜、腹をナイフで切られ、血まみれになって帰宅する。妻のセレステ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)には強盗に襲われたので、かっとなって殴り返したから殺したかも知れない、と説明。怯えるデイブをセレステはやさしく抱きしめる。
翌日はケイティの妹の教会の儀式。ところがケイティは現れない。ケイティの車は銃撃されていた。刑事になったショーン(ケビン・ベーコン)は、相棒のホワイティ(ローレンス・フィッシュバーン)と捜査に当たり、やがて無残なケイティの死体を発見する。現場近くにいたジミーは娘の死を知り、半狂乱になる。
ショーンはホワイティとともに捜査を進め、ジミーも激しい復讐心をたぎらせ、地元の実力者として独自の捜査を進める。ショーンとホワイティは、嘘発見器も使って、ブレンダンが無実であることを早々に突き止めるが、なぜかショーンはブレンダンの一家に不信感を募らせる。ブレンダンは、言語障害があって話すことのできない弟のレイ(スペンサー・トリート・クラーク)を優しくいたわる好青年であり、ジミーの不信感は過剰であった。
ショーンとホワイティは、事件の日、デイブがケイティと遭遇しており、当日、手に深いけがを負っていることを知る。デイブの過去の暗い事件を知っているショーンは、デイブは無実だと信じるが、ホワイティの疑いの目は容赦ない。彼はデイブを尋問し、盗まれた彼の車にB型とO型の血痕がある理由を問うが、決定的な証言は得られず、デイブは釈放される。
ところが、ジミーの取り巻きが、警察がデイブを疑っていることを突き止める。ジミーはデイブを疑い、彼の妻、セレステに話を聞く。デイブの行動を不審に思っていたセレステは、彼がケイティを殺したかも知れない、と思わず漏らしてしまう。
ジミーはデイブを馴染みの店に連れ出し、デイブにケイティ殺しを自白させようとする。実はデイブは、帰宅中に、少年の売春場面を目撃し、少年性愛者を殴り殺して死体を遺棄していた。デイブはそのことをジミーに告白するが、娘を殺された怒りの矛先を見失ったジミーは、自分がかつて、ブレンダンの父親、レイを殺して川に流したことを告げ、脅迫まがいの手口で無理矢理デイブにケイティ殺しを自白させ、挙げ句、デイブを殺してしまう。
ブレンダンは、ショーンとホワイティの尋問中、ケイティが撃たれたのはブレンダンがかつて酒屋強盗をしたときの銃だと知らされる。銃のことなど知らない、としらを切り通して帰宅すると、天井裏に隠した拳銃を確認する。そこに拳銃はなく、ホルスターだけがあった。ブレンダンは全てを悟り、帰宅した弟のレイを問い詰める。レイは、友人とともに拳銃でケイティを追い回し、撃ち殺していたのだ。ケイティを心から愛していたブレンダンは激高してレイとレイの友人を殴りつけ、レイの友人はブレンダンに銃を向けるが、そこにショーンとホワイティが現れ、事態を収拾する。
翌日、ショーンはジミーに会いに行き、犯人を捕まえたことを報告する。ジミーは、それにより、自分が誤解でデイブを殺してしまったことに気付き、ショーンもデイブ失踪の真相を悟る。
ジミーは妻のアナベス(ローラ・リニー)に、自分のしたことを告白するが、アナベスは、ジミーは力があるのだから、家族を守るためになすべきことをしてかまわない、自分の夫を信用できなかったセレステのほうが間違っているのだ、とジミーを勇気づける。
街ではパレードが催され、ジミーとアナベスは、仲間に守られながら誇らしげにパレードを見物。セレステは、ただ一人、うなだれて元気のない息子に声援を送り続ける。ショーンは、ジミーの罪に気付きつつも、別居していた妻とよりを戻し、家族の幸せを感じながらパレードをながめるのだった。

ストーリーは重く、決してハッピーエンドとは言えない内容。しかし、ストーリーが幾重にも絡み合い、とても見応えがある。それぞれの登場人物が負った運命の罪深さに、理不尽さを感じつつも、自分とは全く相容れないとは言い切れない真実みを持った作品になっている。
監督としてのクリント・イーストウッドの力量がいかんなく発揮されている。「ミリオンダラー・ベイビー」や「マディソン郡の橋」をはじめ、彼の監督作品には、ほとんど外れがない。自身が名優であるだけあって、映画をとても大切に作っているのだな、と感じる。尊敬する監督の一人だ。

【5段階評価】4

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