(1191) レナードの朝
【監督】ペニー・マーシャル
【出演】ロビン・ウィリアムズ、ロバート・デ・ニーロ、ペネロープ・アン・ミラー
【制作】1990年、アメリカ
脳炎の治療に取り組む医師の姿を描いた作品。
脳炎患者を扱う病院に、研究一筋で臨床経験の乏しい医師、セイヤー(ロビン・ウィリアムズ)が赴任する。彼は持ち前の研究心で、何の反応も示さない脳炎患者が、名前の呼びかけには応じたり、落下物をキャッチするといった反射神経を発揮していることに気付く。
彼は、パーキンソン病用の新薬、Lドーパを、体を全く動かさない重症患者のレナード(ロバート・デ・ニーロ)に投与。投与量を上げていくと、ある日、彼はベッドから起き上がっていた。彼は他の患者にも薬を投与し、多くの患者がめざましい症状の改善を示す。
やがてレナードは、病院に父親の看病に来ていた若い女性、ポーラ(ペネロープ・アン・ミラー)に恋をする。しかし、単独での外出を認められないなどのストレスもあり、レナードは徐々に引きつりなどの症状が悪化。ついにもとに戻ってしまう。他の患者も同様だった。
セイヤーは自らの行為を後悔するが、彼の真摯な取り組みを身近で見ていた看護師のエレノア(ジュリー・ガブナー)は優しく彼を励ます。かつてレナードから、エレノアがセイヤーのことを憎からず思っていると聞かされていたレナードは、エレノアにコーヒーを飲もうと声をかけ、治療と研究に邁進することを決めるのだった。
患者を持つ家族などから、激しい苦情が来るのではないか、と思えるような、強烈な脳炎患者の症状の演技をロバート・デ・ニーロが見せているのが圧巻。主役は本来、ロビン・ウィリアムズのはずだが、多くの作品紹介では、ロバート・デ・ニーロの名が最初に挙がっているのも頷ける。
事実に基づいた作品でもあり、何とも救われないエンディングだが、このむごい作品を映像化したスタッフの勇気と技術に拍手を送りたい。
【5段階評価】4
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