(1188) いつか誰かが殺される
【監督】崔洋一
【出演】渡辺典子、古尾谷雅人、斎藤晴彦、松原千明、尾美としのり
【制作】1984年、日本
赤川次郎原作小説の劇場版。角川三人娘の一人、渡辺典子が主演。
四人の子供に財産を狙われている富豪の志津(加藤治子)は、自分の誕生パーティで、子供の名前を組み合わせた「もりやあつこ」という名の18の女性をパーティに招こうと企画する。探偵社の橘(石橋蓮司)は、会社を挙げてもりやあつこを探し始める。
新聞記者の父、守谷陽一(斎藤晴彦)を持つ高校生の守谷敦子(渡辺典子)は、父と久しぶりのデートを楽しんでいた。父親は、仕事をしばらく休むことをほのめかし、自分の生まれ故郷の国に行こうと敦子に話す。
二人が洋品店に入り、敦子が試着をしていると、陽一のポケベルが鳴る。陽一は、持っていたフロッピーディスクを敦子の鞄に忍ばせると、公衆電話に向かうが、そこで何者かに連れ去られてしまう。それがきっかけで、敦子は洋品店の店員、高良(古尾谷雅人)と知り合う。
新聞社に向かった敦子は、編集長の山形(橋爪功)に父の所在を確かめるが、山形は、父親から何かを預からなかったかを問うばかりだった。不審に思った敦子は、鞄から出てきたフロッピーを山形に渡さず、同級生の正太(尾美としのり)に中身を確認してもらう。中には暗号らしきファイルが入っており、敦子は正太に解読を依頼する。
その後、敦子は、家を荒らされ、拳銃を持った何者かに追い回されるようになる。バイクで逃げていた敦子は、偶然、高良と再会。高良は彼女をかくまい、自分の会社の倉庫に連れて行く。
高良のパートナーの梨花(松原千明)は敦子に優しく接し、仲間で敦子の父を探し始める。高良と梨花が夫婦だと思い込んでいた敦子だったが、そうではないと梨花に聞かされた敦子は、自分が高良に恋心を抱きはじめていることに気付く。
やがて正太が暗号を解読する。それは、諸外国のスパイのリストだった。諜報部員だった陽一は、山形を疑ってディスクを隠していたのだが、それが組織への裏切りと取られ、陽一は殺されてしまう。
守谷敦子を見つけた探偵社の橘は、ようやく招待状を敦子に手渡す。招待した志津は、実は父親の陽一を知っており、敦子に出生の秘密を明かす。陽一は馬賊を父に持っており、志津の女友達のヒナギクが母親だった。
父の言っていた旅の意味を理解した敦子は、一人、父の生まれ故郷の夕日を見に行くことを決意。高良と別れの口づけを交わすと、一人、バイクにまたがって走り去るのだった。
謎解きらしい謎解きも、どんでん返しもない作品。子供といがみ合う富豪の志津のパーティの下りは、最後まで本筋とからまないし、父の陽一が殺された理由もよく分からない。敦子を付け狙う組織の人間も、どこの所属だか分からないし、追い方も手ぬるい。タイトルの割に、誰かが殺されそうになる緊迫感もない。父親がモンゴル(作中では中国と言っていたが、モンゴルっぽい)出身であることも、父の謎の行動を説明するものでもなく、個々のプロットがからみあわないまま終わるので、全くスッキリしない。
この頃の角川映画では、「Wの悲劇」や「愛情物語」のような名作もある一方、本作のような、ただただゆるい作品もあり、当たり外れが大きい。
【5段階評価】2
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