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2014年4月16日 (水)

(1140) その男、凶暴につき

【監督】北野武
【出演】ビートたけし、白竜、川上麻衣子、佐野史郎、芦川誠
【制作】1989年、日本

北野武の初監督作品。

刑事の我妻(ビートたけし)は、浮浪者を暴行している少年の家に上がり込んで力ずくで自首させるような異端者で、新署長の吉成(佐野史郎)は、彼の素行を疎んじていた。それでも、仕事仲間の岩城(平泉成)とは打ち解けた仲で、何とか孤立は逃れていた。
そんな中、管内で麻薬の売人の惨殺死体が発見される。調査を進めるうち、我妻は、麻薬を横流ししているのが、岩城であるという情報を手にする。
やがて、岩城は自殺の形で発見され、我妻は、それを麻薬密売の元締め、仁藤(岸部一徳)が雇っている清弘(白竜)のしわざであると確信。彼をねつ造した証拠で強引に逮捕すると、署内の一室で暴行して殺人を白状させようとする。
ついに我妻は退職となるが、取り調べで半殺しにされた清弘は、丸腰で歩いている我妻を刺し殺そうとする。我妻は何とか逃走に成功すると、拳銃を違法に入手し、仁藤を容赦なく銃殺。そのまま清弘のアジトに乗り込む。そこには、シャブ漬けにされて輪姦された我妻の知恵遅れの妹(川上麻衣子)がいた。我妻は清弘を撃ち殺すと、シャブが欲しいと清弘の死体にすがる妹を、しばらく哀れむような表情で見たあと、銃殺。そして彼もまた、仁藤の腹心に撃たれて即死する。
我妻とコンビを組んでいた若手刑事の菊地(芦川誠)は、岩城の後を継ぐように、汚職に手を染めるのだった。

北野監督の鮮烈なデビュー作。お笑い芸人というより、人の心をわしづかみにするのが何かを知り抜いているような作品だった。くだらない冗談を言ったり、若手の頭をポンポン叩いたり、金をせびったり、という、ちょっと粗野だがどこにでもいそうな先輩刑事が、いざブチ切れると暴力の限りを尽くす。日常に潜む暴力のほうが、戦地や宇宙での暴力よりもすごみがあることを知った演出だろう。
本作を観るのは初めてではないが、改めて、沈黙のシーンの使い方のうまさも感じた。

【5段階評価】5

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