(1096) 攻殻機動隊 ARISE border:1
【監督】むらた雅彦
【出演】坂本真綾(声)、塾一久(声)、松田健一郎(声)
【制作】2013年、日本
士郎正宗の漫画「攻殻機動隊」の劇場版。自分の上官の殺害の謎に迫る女性サイボーグの活躍を描いている。
サイボーグの草薙素子(坂本真綾)は、帰国した空港で恩師のマムロ中佐(宮内敦士)の死を知らされ、その調査を進める。公安9課の荒巻(塾一久)は、調査のため、マムロの墓を掘り起こすが、中には少女型の自走地雷が仕込まれていた。素子は自走地雷を倒し、荒巻を救う。
その後、素子は、自走地雷の幻影を見るようになり、時折、右手がしびれて動かない、という症状も現れる。やがて素子は、自分の記憶が何者かに操作されていることに気付く。走行車両のロジコマ(沢城みゆき)の力を借りて真実の映像を見た素子は、自分がウィルスに感染していることを知る。犯人は教官のサイボーグ、ライゾー(星野貴紀)だった。素子は激闘の末、ライゾーを倒す。そこに素子の上司、クルツ(浅野まゆみ)が現れ、真相を明かす。
実は素子は、空港を出た後、マムロの遺体を発見。そこで彼の記憶を読み取る際にウィルスに感染してしまっていたのだった。マムロは501組織の存続のため、葬られていた。素子は偽りの記憶を消去する。彼女を育てた女性の存在も、はかなく消滅するのだった。
もともと複雑なストーリーである上に、SFとしての設定も十分に観客と共有されていないまま、登場人物が次々と現れる。分かったような分からないような結末にもやもやする作品だった。「イノセンス」は映像と音響がすばらしく、ジャパニメーションの力を感じたが、本作は「イノセンス」から10年近く経った作品であるにもかかわらず、映像は比較的チープでサイボーグ同士のアクションシーンも、今ひとつ映像的な驚異がなく、残念だった。連作物の1作目、という点も、ストーリーの希薄さ、尻切れトンボ感に拍車を掛けていた。
【5段階評価】2
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