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2013年7月

2013年7月31日 (水)

(1022) 平成狸合戦ぽんぽこ

【監督】高畑勲
【出演】野々村真(声)、石田ゆり子(声)、古今亭志ん朝(声)
【制作】1994年、日本

自然を破壊する人間に戦いを挑む狸たちを描いたジブリアニメ。

多摩丘陵に住む狸たちが、人間の住宅新興開発により住む地を追われる。狸の正吉(野々村真)らは、化学(ばけがく)を学び、宅地開発の妨害を開始。
しかし、いくら妨害をしても次々と人が送り込まれてくるため、彼らは物の怪に化け、自然に対する畏怖の念を植え付ける作戦に出る。
一時は、レジャーランドの社長に作戦のアイディアを横取りされるが、ようやく人間は、緑を残しながら開発をするようになる。正吉たちは人間界に紛れ込み、暮らし続けるのだった。

人間の自然破壊への警鐘をならしている「もののけ姫」などに比べると、テーマのとらえ方が凡庸で、面白味に欠けた。キャラクターもリアルになったりコミカルになったり、描き分けの趣旨も今ひとつ理解できず、ちょっとダレた。

【5段階評価】2

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2013年7月25日 (木)

(1021) ホーンテッドマンション

【監督】ロブ・ミンコフ
【出演】エディ・マーフィ、マーシャ・トマソン、テレンス・スタンプ
【制作】2003年、アメリカ

ディズニーランドのアトラクションをモチーフにしたホラー仕立ての家族向け作品。

家族より仕事を優先する不動産業者のジム(エディ・マーフィ)は、大きな仕事をものにしたのを機に、家族旅行を計画。妻のサラ(マーシャ・トマソン)や子供達は喜ぶが、そこに高級住宅街の屋敷を売りたいという電話が入る。電話の主は、サラに一人で来るよう告げるが、ジムは家族旅行の途中、車で屋敷に向かう。
屋敷には執事のラムズリー(テレンス・スタンプ)がおり、彼らを屋敷の奥へといざなう。
そのとたん、外は大雨になり、彼らは屋敷に泊まらざるを得なくなってしまう。
子供達が部屋のオルゴールを開けると、そこからまばゆい光が現れる。屋敷の中には主人のエドワード(ナサニエル・パーカー)や使用人たちがおり、彼らは幽霊だった。エドワードは、婚約者のエリザベスが自殺したことを知って自らも首を吊っていたのだ。
しかし、エリザベスの死因は自殺ではなく、執事のラムズリーが盛った毒だった。ラムズリーは、エリザベスはエドワードに釣り合わないと考え、彼女を殺していたのだ。
ラムズリーは、自分が屋敷にとらわれてしまったため、エリザベスと偽ってサラをエドワードと結婚させようとしていた。ラムズリーは使用人を使って邪魔な家族を屋敷から追い出そうとする。
サラは子供達がとらわれてしまったことを知り、その結婚を受け入れようとするが、ジムは使用人や水晶玉の中にいるマダム・レオタらを味方につけ、結婚式の場に駆け込む。ラムズリーは炎の竜に捕らえられ、地底に引きずり込まれる。しかし、サラはラムズリーの用意した毒を飲んでしまったため、倒れてしまう。
そこに、子供達が見つけた光の玉が現れる。それは、亡くなったエリザベスの魂だった。エリザベスはサラをよみがえらせる。死の真相を知ったエドワードはサラとジムに謝罪し、エリザベスとともに天国へと飛び去る。使用人達も次々と天に召されていくのだった。

ほのぼのとしたエンディングで、罪のない作品。大人にはやや退屈かもしれない。

【5段階評価】3

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2013年7月24日 (水)

(1020) ツーリスト

【監督】フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
【出演】ジョニー・デップ、アンジェリーナ・ジョリー、ポール・ベタニー
【制作】2010年、アメリカ

謎の美女と偶然出会った旅行者の逃避行を描いた作品。

大泥棒、アレクサンダー・ピアースを追う警察は、謎の美女、エリーズ(アンジェリーナ・ジョリー)を追っていた。彼女はアレクサンダーからの手紙を受け取る。そこには、乗る列車の便名と、そこで自分に似た男に声を掛け、周りにそれが自分であるように思わせろ、という指示があった。彼女が声を掛けたのは、アメリカ人の数学教師、フランク(ジョニー・デップ)だった。彼女は半ば強引に、フランクを自分の泊まるホテルに誘い込む。
アレクサンダーを追っているのは警察だけではなかった。彼はマフィアの裏金を横領しており、冷酷なボスのショー(スティーブン・バーコフ)もまた、彼を追っていた。ショーはフランクがアレクサンダーの整形した姿なのかと疑いつつも、手下をホテルに送り込むが、フランクはパジャマのままホテルから逃げ出し、警察に確保される。それを見つけたエリーズは、フランクをアメリカに帰るよう促すが、フランクはエリーズのもとから離れない。エリーズはアレクサンダーを恋い慕いつつも、フランクと恋に落ちていく。
実は彼女は、アレクサンダーの捜査のため、アレクサンダーのもとに送り込まれた捜査官だった。彼女の同僚、ジョン・アチソン(ポール・ベタニー)はフランクを捕らえ、エリーズとショーの取引現場を狙撃手に包囲させる。エリーズを助けるためにアレクサンダーが現れるはずと予想するアチソンだったが、そこに現れたのは、アチソンのもとから抜け出したフランクだった。
フランクは不適な笑みを浮かべて金庫の鍵を開けるから彼女を解放しろとショーに告げる。そのとき、警察の狙撃銃が火を噴き、犯人一味は倒される。フランクはそのまま、本当に金庫の暗証番号を入力する。彼は本当にアレクサンダーだったのだ。
アチソンは彼を取り逃すが、アレクサンダーは脱税被害額分の小切手を金庫の中に残していた。アレクサンダーはエリーズと二人、人知れず旅立つのだった。

そこそこ面白かったのだが、「もしかしてフランクは本当にアレクサンダーなんじゃないの」という疑いを持ちながら、「これはさすがにそうじゃないか」と思わせておいて、本当にそうだったというオチには、ちょっと納得しがたかった。分かった上で観ると、それはそれで面白いのかもしれないが。ということでアンジェリーナ・ジョリーのまつげの盛りっぷりがすごいのが気になった。

【5段階評価】3

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2013年7月23日 (火)

(1019) セルラー

【監督】デビッド・R・エリス
【出演】クリス・エバンス、キム・ベイシンガー、ジェイソン・ステイサム、ウィリアム・H・メイシー
【制作】2004年、アメリカ

拉致監禁された女性のかけた電話を偶然携帯電話で受けた青年による救出劇を描いた作品。

不動産業を営む夫を持つジェシカ(キム・ベイシンガー)は、ある日、突然家の中に押し込んできた集団に拉致され、廃屋の屋根裏に監禁されてしまう。一味のボス、イーサン(ジェイソン・ステイサム)は、電話機を破壊して立ち去るが、科学教師である彼女は、何とか部品をつなぎ合わせ、配線を接触させて電話をかける。たまたまその電話を携帯で受けたナンパ男のライアン(クリス・エバンス)は、はじめは取り合わないものの、彼女の懸命な説得に応じ、携帯を警察に持って行く。対応したのは退職間近の警察官、ボブ(ウィリアム・H・メイシー)。ところが警察署の中で乱闘騒ぎが起きてしまい、結局、誰にも電話を取り次いで貰うことができず、次第にことの重要さに気付いたライアンは、自らジェシカを助けることを決意する。
ジェシカはイーサンに、夫の持っているものを出せ、と脅迫されるが、何のことか分からない。それは、イーサンの犯行現場をおさえたビデオ映像だった。彼らは悪徳刑事で、犯人を射殺しており、それを偶然撮影したのがジェシカの夫だったのだ。
ジェシカ一家はイーサン一味に捕らえられ、ジェシカの夫は貸金庫に預けてあったビデオカメラをイーサンに渡そうとするが、そこにライアンが現れ、ビデオカメラを奪い取って逃走。
必死にそれを追うイーサンらだったが、ライアンの逃走劇がテレビニュースで報道されたことを機に、ボブは真相に気付き、ライアンとともにイーサンらの逮捕に向かう。最後は海水浴場での死闘の末、犯人一味は逮捕される。

少々、ノリは軽めでご都合主義もほのみえるB級テイストの作品だが、息をつかせぬ展開でなかなかよかった。犯人の目的、身分、黒幕など、少しずつ謎が明らかになっていくので飽きさせない。ビデオがダビングされている可能性を犯人一味が疑わなかったり、武闘慣れしたイーサンらに素人男とまじめな警察官が勝ってしまうあたりは若干ご都合主義的だった。

【5段階評価】4

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2013年7月18日 (木)

(1018) フィクサー

【監督】トニー・ギルロイ
【出演】ジョージ・クルーニー、トム・ウィルキンソン、ティルダ・スウィントン、シドニー・ポラック
【制作】2007年、アメリカ

企業の大規模集団訴訟を扱う弁護士事務所で繰り広げられる攻防を描いた作品。原題は主人公の「Michael Clayton」の名前そのものとなっている。「エリン・ブロコビッチ」も同じだが、本作は主人公の通称を邦題に据えている。

大手弁護士会社に務めるマイケル・クレイトン(ジョージ・クルーニー)は、ギャンブルにおぼれ、副業を失敗して金銭問題を抱えていた。彼の車が謎の爆発を起こすところから、物語は4日前に遡る。
彼の友人のアーサーは、大手企業U・ノース社の弁護を引き受けていた。U・ノース社は、農薬被害に関する大規模集団訴訟を起こされていた。彼は、U・ノース社が被害の事実を隠蔽しようとしていることを知り、原告団の若い女性の一人に肩入れすることを決意。ところが、その真意を彼女に伝えるため、意見聴取の場で衣服を脱ぎ捨てるという異常行動に出てしまっていた。それを知った弁護士会社のカレン(ティルダ・スウィントン)は、マイケルに事態の収束を依頼。ところがアーサーはマイケルのもとから逃亡。結局カレンは、裏の組織を使ってアーサーを殺害。マイケルの車に爆弾を仕掛けさせたのも彼女だった。
全てを知ったマイケルは、ホテルで会合を開いているカレンのもとに現れる。マイケルが死んだと思っていた彼女は驚愕。マイケルは、「金さえあれば友人をも裏切る俺を殺すのか」とカレンにすごみ、カレンは金さえ払えば全て忘れてやるというマイケルの言葉に乗る。しかし、その会話はマイケルの隠し持ったマイクを通じて警察に筒抜けになっていた。カレンは脱力してへたり込む。彼女とその上司もまた逮捕されるのだった。
全てを成し遂げたマイケルは、タクシーに乗り込む。彼は行き先を告げず、走り出したタクシーの中で、これまでに起きたできごとに思いをはせるのだった。

草原の丘の上にたたずむ3頭の馬に心を奪われ、車を降りて爆死の難を逃れるという序盤の印象的なシーンをはじめ、弁護士殺しなどの凄惨なシーンもありながら、全体を通して灰色がかった暗めで物静かな印象の作品。金におぼれていたはずの人間が、正義を貫き通すというテーマは、ブルース・ウィリスの「16ブロック」にも通じるものがあった。
この作品は2回観ているが、子どもがマイケルやアーサーに薦めた「王国と征服」という本のからみをはじめ、ストーリーがちょっと分かりづらいのがやや残念。

【5段階評価】3

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2013年7月13日 (土)

(1017) カールじいさんの空飛ぶ家

【監督】ピート・ドクター、ボブ・ピーターソン
【出演】エドワード・アズナー(声)、クリストファー・プラマー(声)
【制作】2009年、アメリカ

ディズニー・ピクサー・アニメ作品。

伝説の怪物を追い、パラダイス・フォールで消息を絶った冒険家、チャールズ・マンツ(クリストファー・プラマー)を敬愛するカール(エドワード・アズナー)は、同じく冒険に憧れるエリーと結婚するが、結局、二人は冒険に出ることはなく、カールはエリーと死別する。
エリーが自分の夢をしたためたノートを開いたカールは、彼女が、パラダイス・フォールの近くに住むことを夢見ていたと知り、大量の風船を家につけて、家ごとパラダイス・フォールを目指す旅に出る。たまたま、ボーイスカウトのボランティア活動のためにカールの家を訪ねていたラッセル(ジョーダン・ナガイ)は、この旅に巻き込まれる。
南アメリカに降り立った二人は、人なつっこい奇妙な鳥を発見。その鳥をお供に従え、やがてパラダイス・フォール近くにたどり着く。そこには会話装置を付けた大量の犬がいた。それはカールとエリーの憧れだったマンツの犬だった。マンツは生きていたのだ。ところがマンツは、カールとラッセルがてなずけている鳥こそが、彼の追っていた伝説の怪物であることを知り、カールたちに襲いかかる。
カールは何とかそれを逃れ、妻の夢を果たすのだった。

連れ添った妻への思いと、伝説の鳥を巡る冒険と、大人向けなのか子ども向けなのか、よくわからない構想の結果、手に汗を握ることもなく、感動の涙にむせぶこともない作品になってしまっていた。冒険家マンツも必要以上に残忍で、カールに襲いかかる意味がよく分からなかった。

【5段階評価】2

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2013年7月12日 (金)

(1016) 魔界転生

【監督】深作欣二
【出演】沢田研二、千葉真一、真田広之
【制作】1981年、日本

山田風太郎原作小説の劇場版。現世に悔いを残した歴史上の人物が蘇り、幕府転覆を企む。

キリスト教信者の弾圧により、信者を惨殺されたことに怒り狂う天草四郎時貞(沢田研二)が魔界の力により蘇る。
彼は細川ガラシャ(佳那晃子)、宮本武蔵(緒形拳)、宝倉院胤舜(室田日出男)、霧丸(真田広之)、柳生但馬守宗矩(若山富三郎)を仲間にし、将軍家綱への復讐をもくろむ。
宗矩の息子、柳生十兵衛(千葉真一)は、燃えさかる江戸城で待つ宗矩のもとに現れ、宗矩を死闘の末、討つ。十兵衛はまた、天草四郎の首をもはねるが、四郎は自らの首を抱えたまま不敵な笑みを浮かべ、人間がある限り、自分は復活すると告げるのだった。

エロイムエッサイム、という呪文が流行った作品。「伊賀忍法帖」同様のエログロ時代劇だが、着想がおもしろく、単なるオゲレツ作品への関心だけではない、続きが気になる魅力がある。千葉真一の柳生十兵衛役も風格があり、大げさな演技だが、さすがはジャパンアクションクラブ。魅せてくれた。

【5段階評価】3

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2013年7月 6日 (土)

(1015) 吉原炎上

【監督】五社英雄
【出演】名取裕子、二宮さよ子、藤真利子、かたせ梨乃、西川峰子、根津甚八、緒形拳
【制作】1987年、日本

明治時代の遊郭で生き抜く花魁の人間模様を描いた作品。

貧しい家の出の久乃(名取裕子)は、借金返済のため、遊郭に身を預けることになる。初めての客に怯え、逃げ出す久乃に、一番花魁の九重(二宮さよ子)は男を悦ばせるすべを手ほどきする。先輩の花魁たちは、恋に破れ命を絶つ者、幸せな結婚を遂げたものの女郎に舞い戻る者、体を病んで精神を蝕まれる者など、さまざまであった。久乃は彼女たちとの交流を通じて成長し、花魁のトップ、紫太夫に上り詰める。彼女は財閥の御曹司、信輔(根津甚八)と懇意になるが、結局彼は別の花魁を選び、久乃は別のなじみ客(小林稔侍)を作る。
信輔は情事の最中、明かりを倒してしまい、遊郭は炎上。信輔は焼死し、久乃は吉原を去るのだった。

西川峰子が巨大な赤い布が敷き詰められたセットの中で、巨乳を振り乱しながら「ここ噛んで~」と絶叫するシーンが印象的と言えなくもないが、かたせ梨乃の芝居がかった台詞(いや、芝居なんですけども)をはじめとして、今ひとつ真実みが感じられず、ストーリーが作り物めいていて没入できなかった。
かたせ梨乃、西川峰子、名取裕子、根津甚八といったキャストは「肉体の門」と共通している。

【5段階評価】3

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2013年7月 2日 (火)

(1014) ミスター・ジャイアンツ 勝利の旗

【監督】佐伯幸三
【出演】長嶋茂雄、王貞治、フランキー堺、伴淳三郎
【制作】1964年、日本

国民栄誉賞も手にした日本のスーパースター、長嶋茂雄の現役時代の活躍と苦悩を描いた作品。

1963年のペナントレースを追いながら、ファンの子どもの交通事故死やデッドボールでの指の怪我などから来るスランプに苦悩しつつも、広報の坂井(フランキー堺)やチームメイト、特に王選手とのやりとりを通じて、前向きに野球に取り組む長嶋茂雄選手を描いている。

観る前は、ドキュメンタリー映画だと思っていたが、かなり様相が違った。最初はランニングをしているシーンなので、なるほど、こんな感じで試合以外のシーンもちょこちょこ映るのか、と思っていたら、ランニングを終えて宿に戻ってからは、台詞も多いし感情表現もしているし、本当にれっきとした一人の役者として出演しているのだ。
他にも、王選手や柴田選手、川上哲治監督や中西太選手など、みんなちゃんと台詞があり、きちんと芝居をしている。それも、スポーツ選手だからご愛敬ですね、というような台詞の棒読みではなく、一流の俳優陣としっかりからみ、笑ってみたり、おどけてみたり、悔やんでみたり、説教してみたりと、ちゃんと演技をしているのだ。
今の時代、イチローが古畑任三郎に出演したり、ということはあっても、現役時代の脂の乗った時期に、本業だけでなく映画の主役としてしっかりと芝居をこなすというのはすごい。
一昔前は、横文字発言(失敗は成功のマザーとか)を茶化すような芸人も多く、ちょっと変わった人、という印象もなくはなかったが、これは格が違う。国民のヒーロー、スーパースターのなせる技だ。感動した。
ほかにも、主題歌がいきなり坂本九だったり、宝田明ってこんな二枚目なのか、なんてことに気付いたり、なかなか実りの多い作品だった。

【5段階評価】4

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