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2013年5月

2013年5月28日 (火)

(997) ミクロの決死圏

【監督】リチャード・フライシャー
【出演】スティーブン・ボイド、ラクエル・ウェルチ
【制作】1966年、アメリカ

人体を縮小して人の体内に潜入する決死隊を描いた作品。SFパニックものの古典的名作。

物質縮小技術の開発者であるベネシュ博士(ジーン・デル・バル)が亡命中に襲われて脳を損傷し、治療困難な状態に陥る。
彼を救うためには、縮小技術を用いて博士の体内に潜入し、内部から治療するしかない。カーター将軍(エドモンド・オブライエン)は、博士の亡命を支援したグラント(スティーブン・ボイド)を招集。グラントは、スパイ容疑をかけられているデュバル博士(アーサー・ケネディ)と美人助手のコーラ(ラクエル・ウェルチ)、循環器が専門のマイケルズ(ドナルド・プレザンス)、潜水艇の操縦士オーウェンス海軍大佐(ウィリアム・レッドフィールド)ら4人とともに、縮小技術を用いて細胞サイズになった潜水艇に乗り、ベネシュ博士の体内に潜行する。
途中、破れた血管から静脈に流れ込んだり、肺から空気を補充したり、といった難事を乗り越え、博士の脳の悪性物質をレーザーで除去。しかし、裏切り者のマイケルズは操縦士を昏倒させて単独で脱出しようとする。しかし、デュバルはレーザーで潜水艇を攻撃。潜水艇は体内の白血球に取り込まれ、マイケルズは命を落とす。残った4人は涙腺を通って目に脱出。作戦成功をたたえ合うのだった。

写実的と言うよりは、サイケデリックな映像が目を引く。演劇のセットのようなシーンもあり、かなり大胆な演出である。次々とアクシデントが起きるのは、この手の作品の定番。ラストでは、マイケルズが助からず、人数が4人になっているのにそのことに誰も気づかないかのようにみんなでたたえ合うが、あまり気にしてはいけない。

【5段階評価】3

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2013年5月27日 (月)

(996) 陰陽師II

【監督】滝田洋二郎
【出演】野村萬斎、中井貴一、深田恭子、伊藤英明、市原隼人
【制作】2003年、日本

陰陽師、安倍晴明の活躍を描いたSF時代劇。「陰陽師」の続編。

都を滅ぼし、息子の須佐(市原隼人)を新たな神に仕立てようとする幻角(中井貴一)に安倍晴明(野村萬斎)が立ち向かう。須佐の実の姉、日美子(深田恭子)は弟を思いとどまらせようとするが、弟に食われ、弟はスサノオの力を得る。晴明は源博雅(伊藤英明)とともに天岩戸に向かい、天照大神を蘇らせようとするが、幻角は剣を投げつける。剣は晴明の体を貫くが、そこに亡くなった日美子が現れ、スサノオと幻覚を説得。須佐はおとなしく姉のもとに向かい、幻角も邪悪な野望から覚める。
晴明は昏睡状態となるが、幻角が命を代償に琵琶の調べを捧げ、晴明は息を吹き返すのだった。

超豪華俳優による学芸会。幻角への感情移入を誘われることもなく、ただただ中途半端な特撮が続く、緊張感のない作品だった。
見所は、端整な顔立ちの野村萬斎が巫女さんコスプレで舞うときの気持ち悪さのすさまじさ。こんなに女装が似合わないのもすごい。また、市原隼人が本作では「ハッ」、「フアッ」といった叫びを連呼しており、もはや彼の方が花香よしあきのものまねをしているところも見所かもしれない。

【5段階評価】2

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2013年5月25日 (土)

(995) クライマーズ・ハイ

【監督】原田眞人
【出演】堤真一、堺雅人、尾野真千子、遠藤憲一、山崎努
【制作】2008年、日本

御巣鷹山の日航機事故を扱う地方新聞社の記者達を描いた作品。

地方紙、北関東新聞社の記者、悠木(堤真一)は、亡くなった登山仲間の息子と山を登りながら、日航機事故を追った記者時代を思い出す。
日航機事故の全権デスクとなった悠木は、地方紙の意地をかけて日航機事故に真っ正面から取り組むが、社内の様々な対立に巻き込まれる。
悠木はそれでも佐山(堺雅人)や玉置(尾野真千子)を使って取材を続け、事故の原因が圧力隔壁の破損により尾翼が吹き飛んだというスクープに迫る。しかし、佐山が100%の確信が持てないと言ったことから、これを記事にすることを断念。その結果、このスクープは他紙にすっぱ抜かれてしまったのだった。
登山中に落下しそうになった悠木は、疎遠になっていた自分の息子が打ったハーケンで命拾いをする。彼は海外に住む息子との再会を決意するのだった。

新聞社内の社員同士の対立シーンが迫力ある台詞で描かれており、「金融腐蝕列島〔呪縛〕」の原田監督らしい作品。遠藤憲一が演じる上司の「土下座しろ」や、蛍雪次朗演じる次長のののしり方など、さすがの演技力。尾野真千子演じる若い女性記者、玉置も、作品にみずみずしさを与えていた。

【5段階評価】3

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2013年5月24日 (金)

(994) アンフェア the answer

【監督】佐藤嗣麻子
【出演】篠原涼子、佐藤浩市、山田孝之、阿部サダヲ、大森南朋
【制作】2011年、日本

女性刑事が主人公のテレビドラマ、「アンフェア」の劇場版。「アンフェア the movie」の続編。

東京から北海道の西紋別署に移った女性刑事、雪平夏見(篠原涼子)は、容疑者が次々とネイルガンでめった打ちにされて殺される連続殺人事件を追う。元夫の佐藤和夫(香川照之)もまた容疑者となり、夏見に警察の極秘情報の入ったUSBメモリを託すが、殺されてしまう。そしてその容疑は夏見に降りかかる。一度は逮捕される夏見だったが、検察官の村上(山田孝之)を人質にとって脱走。しかしそれは、村上自らが仕掛けた狂言だった。夏見は村上とともに犯人を追い、警視庁の小久保(阿部サダヲ)は警察の威信をかけて夏見を追う。
夏見は、情報を取り返そうとする警察に依頼された殺し屋、結城(大森南朋)を追って部屋に忍び込むが、逆に結城に拉致されてしまう。夏見は解放を条件に、持っていたUSBメモリを結城に明け渡すが、結城は夏見にネイルガンを撃ち込む。USBを受け取りに現れた結城の雇い主は、夏見の恋人、一条(佐藤浩市)だった。一条はUSBメモリを受け取り、ほくそ笑むが、実は夏見と結城は結託していた。一条は警察に逮捕される。
しかし、一条が仕えていたのは、検察官の村上だった。村上はUSBメモリの内容を確認するが、そこに夏見からの電話が入る。その瞬間、USBメモリは爆発を起こし、メモリの内容は消去されてしまう。佐藤和夫が死ぬ前に仕込んだ罠だった。夏見のもとにはメモリの内容が転送されており、警察の極秘情報は夏見のものとなるのだった。

前半の謎解きの場面はスリルがあり、楽しいのだが、後半はどんでん返しをさせすぎて食傷気味だった。そもそも、USBメモリを取りに戻るためにいったん夏見が解放され、そこに夏見が丸腰で戻るというのがあり得ないし、それにだまされてしまう一条というのも間抜けで、緊迫感がなさすぎだった。村上が黒幕というのも、どんでん返しするならそうだよね、という、逆に予想通りの展開。前半はスリリングで映像もよかっただけに、後半のズルズル感が残念だった。

【5段階評価】3

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2013年5月22日 (水)

(993) オズの魔法使

【監督】ビクター・フレミング
【出演】ジュディ・ガーランド、レイ・ボルジャー、ジャック・ヘイリー、バート・ラー、マーガレット・ハミルトン
【制作】1939年、アメリカ

ライマン・フランク・ボーム原作の有名な童話、「オズの魔法使い」の劇場版。なぜか邦題には「使い」の「い」の文字がない。

カンザスに住む少女、ドロシー(ジュディ・ガーランド)は、家ごと竜巻に巻き込まれ、トトとともにオズの国に迷い込む。こびとのマンチキンに囲まれたドロシーは、北の魔女グリンダ(ビリー・バーク)から、オズの魔法使いに会うといいと助言され、ルビーでできた赤い靴を渡される。ドロシーは黄色いレンガの道をたどり、オズの魔法使いの住むエメラルドシティを目指す。
彼女は道中で、脳みそがほしいと願うカカシ、ハンク(レイ・ボルジャー)、心がほしいと願うブリキ男、ヒッコリー(ジャック・ヘイリー)、勇気がほしいと願うライオン、ジーク(バート・ラー)を旅の仲間にする。西の魔女ガルチ(マーガレット・ハミルトン)の妨害をはねのけながらエメラルドシティにたどりついたドロシーは、オズの魔法使い(フランク・モーガン)から魔女のほうきを持ってくるよう言われる。ガルチはドロシーを捕まえ、砂時計がつきたら命はないと脅すが、仲間たちはドロシーを救い出す。ガルチはハンクに火を放つが、それを消そうとかけた水が、ガルチにも降りかかる。するとガルチはとけて消滅してしまう。ドロシーはほうきを手に入れ、オズのもとに戻るが、彼女をカンザスに送り返すための気球は、ドロシーを乗せずに飛び立ってしまう。がっかりするドロシーの前にグリンダが現れ、「家ほどいいところはない(There's no place like home.)」と3回唱えて靴を鳴らしなさいと告げる。ドロシーがその通りにすると、彼女はカンザスの家のベッドで目を覚ます。そこには、旅の仲間と同じ顔をした使用人たちがいたのだった。

童話を題材とした映画の古典的名作。主題歌「虹のかなたに」も有名。
それにしても、水が弱点だった西の魔女。よく今まで生きて来れたな。

【5段階評価】3

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2013年5月19日 (日)

(992) JUNO/ジュノ

【監督】ジェイソン・ライトマン
【出演】エレン・ペイジ、マイケル・セラ、ジェニファー・ガーナー
【制作】2007年、アメリカ・カナダ

妊娠した女子高生が養母を見つけて出産するまでを描いた作品。

女子高生のジュノ(エレン・ペイジ)は、男友達のポーリー(マイケル・セラ)とのセックスで妊娠。彼女は中絶を考えるが決断できず、友達のリア(オリビア・サールビー)と養母を捜す。
両親に事実を告げたジュノは、父親(J・K・シモンズ)とともに養父母となる夫婦の家を訪ねる。妻のバネッサ(ジェニファー・ガーナー)は赤ちゃんを切望する感じのよい女性。夫のマーク(ジェイソン・ベイトマン)はCM音楽の作曲家で、ジュノともウマが合うようになる。
しかし、バネッサとマークの考え方がしだいにずれていき、あるときマークは、ジュノに離婚を決めたことを告白。ジュノはショックを受ける。
ジュノは悩んだ末、やはりバネッサのため、そして自分のため、そして生まれてくる赤ん坊のために出産を決意。元気な男の子が生まれ、バネッサはそれをいとおしそうに抱く。
出産を終えたジュノは、改めてポーリーに愛を告白。ふたりはまた、仲良くギターを奏で、愛の歌を歌うのだった。

ジュノのくそ生意気な態度が痛快で、最後にはちょっと頼りない男の子と恋人同士となるハッピーエンド。バネッサとマークの離婚も、どろどろしたいやな感じがないので、微妙な問題を扱っていながら、後味のよい作品だった。
エレン・ペイジと言えば、「ハード・キャンディ」でも、成人男性を手玉にとる少女を演じていたのが記憶に残る。かわいいが攻撃的な顔立ちの彼女が、マークとバネッサの離婚の話を聞いて車の中で涙を流すシーンは印象的だった。

【5段階評価】3

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2013年5月18日 (土)

(991) 突入せよ! あさま山荘事件

【監督】原田眞人
【出演】役所広司、宇崎竜童、天海祐希、伊武雅刀、藤田まこと
【制作】2002年、日本

連合赤軍浅間山荘事件を描いた作品。ただし、史実とは固有名詞などを一部変更している。

連合赤軍を追っていた長野県警は、グループを発見するが、彼らはあさま山荘に立てこもり、小雀真理子(篠原涼子)を人質に取る。
警視庁の佐々(役所広司)が陣頭指揮を執ることになるが、県警と警視庁とのメンツ争いで現場は紛糾。たった5人の犯人を捕まえるために、1,500人を動員し、殉職者を2名も出す大捕物となる。しかし、人質は無事に保護され、佐々は愛する妻(天海祐希)のいる家に戻るのだった。

実力派の監督らしい、そつのない演出で、飽きることなく楽しめるが、全体的に若干地味だった。篠原涼子や椎名桔平、武田真治、荒川良々など、いろいろな俳優が出ているので、それを発見するのも楽しいかもしれない。

【5段階評価】3

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2013年5月17日 (金)

(990) 東京スカイツリー 世界一のひみつ

【監督】野上純一
【出演】神谷浩史(声)、日笠陽子(声)
【制作】2012年、日本

東京スカイツリー建設のドキュメンタリー。
クルックー(神谷浩史)とジョンピー(日笠陽子)という二羽の鳩が案内役となり、スカイツリーの工事の様子を伝える。

緻密なデザイン、クレーンを使った工事、塔の最高部分は塔内で建造してジャッキアップしており、途中で東日本大震災が起きたといったことを紹介。
1時間と短く、子ども向けの作品だが、大人が観ても面白かった。

【5段階評価】2

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2013年5月16日 (木)

(989) ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月

【監督】ビーバン・キドロン
【出演】レニー・ゼルウィガー、ヒュー・グラント、コリン・ファース
【制作】2001年、アメリカ

独身女性の恋の顛末を描いたラブ・コメディ。「ブリジット・ジョーンズの日記」の続編。

テレビレポーターのブリジット(レニー・ゼルウィガー)は、弁護士のマック・ダーシー(コリン・ファース)を恋人に持ち、結婚を口にしない彼にやきもきしつつも、満ち足りた暮らしをしていた。しかし、性格の不一致から、しばしばぎくしゃく。
ブリジットは、元彼のダニエル(ヒュー・グラント)とタイ取材に行くことになり、急接近するが、ダニエルがホテルに風俗嬢を呼んでいたことを知り、愛想を尽かす。
帰国の際、友人から何気なく預かったお土産品に麻薬が隠されており、ブリジットは監獄行きとなる。そこに現れたのがマック。彼は上司の命令だとうそぶくが、彼がブリジットの釈放に奔走していたことを知った彼女は、仕事中のマックに会いに行き、ようやくプロポーズの言葉を受け取り、幸せな結婚を遂げるのだった。

有名で懐かしい音楽がそちこちに使われているのがちょっと楽しい。コメディ作品というほど爆笑シーンがあるわけではなく、基本的につまらなかったのだが、ブリジットを演じたレニー・ゼルウィガーの役作りに加点1。残念な体型だが、「ザ・エージェント」などで見せた美貌(というか愛らしさ)も垣間見えた。デブ専には垂涎の作品かもしれない。

【5段階評価】3

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2013年5月13日 (月)

(988) スラムドッグ$ミリオネア

【監督】ダニー・ボイル
【出演】デブ・パテル、フリーダ・ピントー、マドゥル・ミッタル
【制作】2008年、イギリス

クイズ番組で百万長者となる青年の物語。第81回アカデミー賞作品賞受賞作品。

クイズ番組に出演したインドのスラム出身の若者、ジャマール(デブ・パテル)は、百万長者まであと1問までたどり着く。当日の収録を終えた彼は、そのまま警察に連行。いかさまの疑惑だった。ジャマールは拷問にかけられるが白状しない。彼は番組の録画を観ながら、なぜそれぞれの質問に答えられたのかを説明するため、生い立ちを警官に話し始める。
彼は、兄のサリーム(マドゥル・ミッタル)とともに、子どもに乞食をさせる組織にさらわれて育っていた。サリームは、歌の上手な子が目をつぶされて盲目にされるのを目撃。盲目のほうがお恵みをもらいやすいためだった。大人に弟を連れてこいと言われたサリームは、すきをついて脱走。しかし、一緒に逃げた少女、ラティカとははぐれてしまう。
二人はいろいろな仕事をしながら食いつなぐが、兄は犯罪組織に入ってしまい、ジャマールはコールセンターのお茶くみとして働きながらラティカを探し続け、ついに巡り会う。
彼がクイズに答えられた理由。それは、出題された問題の答えが、母親の死や盲目となった仲間との再会など、あまりにも強烈な人生の記憶と重なる出題が続いていたためだった。
いかさまの疑いが晴れたジャマールは、翌日の最後のクイズの収録に挑む。彼はライフラインの権利を用いる。電話をかけた相手はラティカ。ラティカは答えられないが、ジャマールは見事に正解し、200万ルピーを手にする。ジャマールはラティカと再会し、熱い抱擁を果たす。

クイズの興奮、インドに根ざす貧困・差別も盛り込みながら、男女の純愛を描いている。クイズの正解は、彼の人生の不幸の裏返しとして積み上げられていく。最後の正解。それは肉親である兄の死とともに訪れるのだった。ジャマールをバカにしながら彼の正解をたたえていた司会者は、最後には惜しみない賞賛を送るが、それが本心なのかは分からない。全てを描ききらない余韻を楽しめるかは評価の分かれるところ。
選択肢が選ばれたときの効果音や、「ファイナル・アンサー」というフレーズなど、テレビ番組の演出をそのまま取り入れているのは珍しいと思った。
最後のダンスシーンがテレビではカットされていたのが残念だった。

【5段階評価】3

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2013年5月12日 (日)

(987) フラガール

【監督】李相日
【出演】蒼井優、松雪泰子、豊川悦司、富司純子、徳永えり、山崎静代
【制作】2006年、日本

常磐ハワイアンセンターによる町おこしにフラガールとして尽力する娘達の活躍を描いた作品。

炭鉱の衰退が顕在化しつつあるいわき市の炭鉱会社が、再起をかけてハワイアンセンターの設置を計画。地元民によるフラダンサーを募集する。
炭鉱町に暮らす高校生の谷川紀美子(蒼井優)は、親友の木村早苗(徳永えり)に誘われ、フラダンサーに応募。しかし、地元の若い女性たちには、フラダンスをストリップと勘違いされてしまい、参加したのは二人のほかに子持ちの主婦の初子(池津祥子)と大柄だが泣き虫な小百合(山崎静代)だけ。炭鉱会社の吉本(岸部一徳)は東京からダンサーの平山まどか(松雪泰子)を呼び寄せ、4人の講師として雇う。まどかは素人集団の4人に最初はやる気を見せないものの、紀美子が母親、千代(富司純子)の反対を押し切って家を飛び出してきたことを知り、本気の指導を始める。やがて、フラダンスがストリップではないと知った女性達も加わり、猛練習が始まる。
早苗は父親が解雇されて夕張に行くことになったため、途中で去るが、紀美子らはフラダンスを身につけていく。
オープン前のキャンペーンに回っているとき、小百合の父親が落盤事故に遭う。小百合はショックを受けるがフラダンスを優先すると宣言。しかし、そのため父親の死に目に会えず、講師のまどかは町民から非難を受ける。
まどかは責任を取って町を去ろうとするが、紀美子達は駅のホームでフラダンスを舞い、まどかを引き留める。
紀美子のフラダンスに反対していた千代も、娘の美しい姿を目にしてフラダンスを応援。ハワイアンセンターの開幕ショーは大成功に終わる。そこには娘に惜しみない拍手を送る母親、千代の姿もあった。

スウィングガールズ」同様、熱い感動が押し寄せる作品。蒼井優をはじめとする女優陣のフラダンスが圧巻。特訓すればここまでできるのか、というのも作品の感動を増幅させていた。満点に近い4点。

【5段階評価】4

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2013年5月11日 (土)

(986) 金融腐蝕列島〔呪縛〕

【監督】原田眞人
【出演】役所広司、椎名桔平、風吹ジュン、若村麻由美、仲代達矢
【制作】1999年、日本

総会屋との癒着を断ち切り、旧弊打破を目指す大手銀行の新旧交代劇を描いた作品。

日比谷通りに面する大手銀行、朝日中央銀行に、総会屋への不正融資疑惑で、大野木検事(遠藤憲一)率いる検察のガサ入れが入る。相談役の佐々木(仲代達矢)は、周囲の重役を退任させ、自らは保身を図る。
銀行の中堅、北野(役所広司)は、仲間の片山(椎名桔平)、石井(矢島健一)、松原(中村育二)とともに、経営陣に直談判し、旧習にまみれていない中山(根津甚八)を新頭取に迎えるよう進言し、銀行に固執する佐々木を退任させる。
北野は銀行刷新のため、総会屋との関係を断ち切る。いやがらせ電話や石井への銃撃、さらには北野の家族への脅迫など、総会屋からの悪質行為が続く中、北野は中山や仲間らとともにオープンな株主総会を開催。総会屋は議事を激しく妨害するが、一般株主の激励の言葉で雰囲気は一変。銀行は新たな一歩を踏み出す。
しかし、相変わらず北野の周囲には、総会屋の影がちらつくのだった。

役所広司をはじめとする俳優陣の熱い演技がすばらしかった。殺人や派手な殺陣があるわけではないが、議論の場面などには現実味のある迫力があり、見応えがあった。
中村育二とマキタスポーツが似ていることに気づかされる作品でもあった。ちなみに監督は山田ルイ53世に似ている。

【5段階評価】4

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2013年5月10日 (金)

(985) 亡国のイージス

【監督】阪本順治
【出演】真田広之、中井貴一、勝地涼、寺尾聰、佐藤浩市
【制作】2005年、日本

自衛隊のイージス艦を乗っ取り、日本にテロ行為をしかける一味と自衛官との攻防を描いた作品。

海上自衛隊のイージス艦、「いそかぜ」の先任伍長、仙石(真田広之)は、隊員を守るためなら警官への土下座も辞さない誠実な男。彼の艦には、最近、出自不明の如月(勝地涼)が赴任していた。
「いそかぜ」の副長、宮津(寺尾聰)は、米軍が開発した生物兵器、GUSOH(グソー)を持ち込み、要求を呑まなければ首都に生物兵器を打ち込むと、首相の梶本(原田芳雄)に戦いを挑む。背後には北朝鮮の対日工作員、ヨンファ(中井貴一)がいた。
宮津は仙石らを艦から追い出すが、仙石は如月といそかぜを守るために単身で艦に戻る。如月は、宮津らの行動を極秘裏に捜査していた防衛庁の機関、DAISの渥美(佐藤浩市)に送り込まれた特殊工作員だった。仙石は如月と協力して宮津らの作戦を妨害する。
日本政府は、生物兵器の発射を阻止するため、特殊焼夷弾によりいそかぜごと兵器を焼き払おうとするが、仙石は艦内放送を使って宮津らに目を覚ますよう呼びかける。
ヨンファは寝返りそうになる自衛官たちを容赦なく撃ち殺しながら生物兵器の爆破を試みるが、仙石は死闘の末、ヨンファを倒すと、通信手段の途絶えたいそかぜの甲板上で、手旗信号で人工衛星に向けてグソー確保のメッセージを伝え、特殊焼夷弾の使用を回避させる。
操縦不能になり、火力発電所に向かって突き進むいそかぜだったが、副長の宮津は自らの命を犠牲にしていそかぜを爆破させるのだった。

大勢の登場人物を、それぞれいい俳優が演じているのだが、背景を描き切れておらず、生き様に重みがない。最たるのが谷原章介の演じた風間で、突然飛び出して、落下する生物兵器をキャッチして頭を打って死ぬという、「はぁ? 」という展開。テレビ版のカットのしかたがひどすぎるからかもしれないが。
また、ヨンファ側の隊員は打たれればバタバタとやられていくのに、如月は腹を打たれても死なず、仙石にいたっては、腕を打たれ、ヨンファに銃弾を腹にたたき込まれ、さらには腹をさされても死なない。いくら真田広之でも、じゃなくて、いくら主人公だとしても不死身すぎ。
中井貴一や寺尾聰といった、実直でまじめな役を演じることが多い俳優が、実はテロ側の人間だったというどんでん返しも、もう少しうまく作品に用いることもできたのに、割とあっさり、実は悪役ですというのが明かされてしまう。この辺り、「ダイ・ハード2」の描き方は素晴らしかった。
同じ戦艦ものの「男たちの大和」も、作風がつくりものじみていて迫力がない残念作品だったが、こう不作が続くと、日本の艦隊ものはつまらない、という印象がぬぐいがたく定着してしまいそうで残念だ。アニメの「宇宙戦艦ヤマト」なんかは面白くて国民的な人気もあったから、土壌はあるはずなのだが。
東野圭吾の原作のものにも共通しているし、フィリップ・マーロウが主役の「さらば愛しき人よ」なんかもそうだったが、登場人物の多い長編小説の劇場版は、えてしてこの傾向がある。

【5段階評価】2

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2013年5月 9日 (木)

(984) ウィンドトーカーズ

【監督】ジョン・ウー
【出演】ニコラス・ケイジ、アダム・ビーチ、クリスチャン・スレーター
【制作】2002年、アメリカ

暗号通信の任を負う兵士とそれを守る兵士の戦いを描いた作品。

日本軍との戦いで多くの部下を死なせたエンダーズ(ニコラス・ケイジ)は、戦地に復帰。暗号通信を担うナバホ族の原住民、ヤージ(アダム・ビーチ)とペアを組む。エンダーズの役割は敵に暗号を知られないようにすることと、ヤージを守ることだった。はじめはヤージを見下すエンダーズだったが、次第に強い絆で結ばれていく。
日本軍との熾烈な戦闘により、別の暗号係のホワイトホース(ロジャー・ウィリー)を守るオックス(クリスチャン・スレーター)は、自らを犠牲にしてホワイトホースを守るが、エンダーズは、日本軍に捕らえられたホワイトホースを規律に基づき殺害。ヤージはエンダーズを激しく恨む。ヤージは戦闘にのめりこみ、エンダーズはそれを必死に守ろうとするが、絶体絶命の危機に巻き込まれる。エンダーズは決死の覚悟で敵の通信機を奪い取るが、ヤージの腕の中で息絶える。故郷に戻ったヤージは愛する家族とともに、エンダーズに弔意を示すのだった。

ジョン・ウー監督らしい派手な戦闘シーンと、米兵と原住民兵士との友情が見所。確かに戦闘シーンはそこそこの迫力があるが、どうしても凡庸であり、友情もステレオタイプ。「フェイス/オフ」のニコラス・ケイジ、「ブロークン・アロー」のクリスチャン・スレーターが出ているが、両作の魅力からすると期待はずれだった。大赤字になったのもしかたないというところ。

【5段階評価】3

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2013年5月 8日 (水)

(983) ALWAYS 三丁目の夕日'64

【監督】山崎貴
【出演】吉岡秀隆、堀北真希、森山未來、小雪、須賀健太
【制作】2012年、日本

ALWAYS 続・三丁目の夕日」の続編。

売れない小説家、茶川竜之介(吉岡秀隆)は、売り出し中の作家、緑沼アキラの活躍に押され、冒険小説の連載を打ち切られそうになっており、家計を支えるため、妻のヒロミ(小雪)は身重の体をおして小料理屋を続けていた。
鈴木オートで働いている六子(堀北真希)は、やけどの治療に当たってくれた医者の菊池(森山未來)に一目惚れ。菊池も車のエンコを装って六子に接近。次第に恋仲になっていく。
六子が熱を上げているのに気づいたたばこ屋のキン(もたいまさこ)は、菊池が女たらしだという噂を聞きつけて六子に伝える。心配になった六子は菊池を尾行し、彼が女郎街に消えていくのを目にしてショックを受ける。六子はヒロミに相談するが、ヒロミは六子に自分を信じて行動すれば後悔はしないと助言する。
六子は親代わりの鈴木則文(堤真一)に嘘をついて菊池と泊まりの旅行に出る。六子が自分の知らない男と旅行に出たことを聞きつけた則文は、六子と帰ってきた菊池を殴り飛ばして激怒するが、そこにやってきた医者の宅間(三浦友和)は、彼が立派な青年であると説明。彼が女郎街に行くのは、病院で禁止されている無料診療を行っているためだった。則文と妻のトモエ(薬師丸ひろ子)は、六子の結婚を了承。六子と菊池は結婚式を挙げる。
竜之介は父が亡くなり、葬式に向かう。勘当されて親子の縁を切っていたが、実は父親は竜之介が小説家として努力してほしいという思いから、親子の縁を切る芝居を打っていただけで、本当は息子の活躍を心から応援していた。竜之介もまた、息子同然に育てている淳之介(須賀健太)が小説家の夢を捨てていないことを知り、出版社の富岡(大森南朋)と一芝居打ち、小説家になりたいという淳之介に夢を追わせるため、わざと怒って家を追い出す。しかし彼の思いは淳之介に伝わっていた。

これまでの三丁目の夕日シリーズを裏切らないできばえ。森山未來演じる医師がいい人過ぎてちょっと鼻についたが、竜之介が受けた父親の愛情を、淳之介に捧げるシーンは、1作目の感動さながら。昭和の時代を再現した映像も楽しかった。

【5段階評価】4

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2013年5月 7日 (火)

(982) アンブレイカブル

【監督】M・ナイト・シャマラン
【出演】ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン
【制作】2000年、アメリカ

不死身の肉体を持つ男と、彼を追うもう一人の男を描いた作品。

アメフト競技場の警備員をしているデビッド(ブルース・ウィリス)は、列車の大事故に巻き込まれる。乗客が全員死亡する中、彼だけは傷一つなかった。その彼に手紙を送る者がいた。彼の名はイライジャ(サミュエル・L・ジャクソン)。生まれつき骨が弱く、何度も骨折を繰り返していた。イライジャはアメコミのイラストに関する商売をしており、彼はデビッドがアメコミ・ヒーローのような特殊能力を持った男だと告げる。はじめは信じられないデビッドだったが、自分がこれまでけがや病気をしたことがなく、悪人を事前に察知する能力があることに気づいていく。そして彼は人混みの中から少女暴行を起こすことになる男の存在に気づき、男を尾行すると、犯行中の彼を倒す。
自分の能力に覚醒したデビッドは、イライジャの出版記念パーティに出席。そこでイライジャはデビッドに握手を求める。その瞬間、デビッドは悟る。デビッドの巻き込まれた列車事故をはじめとする過去の大事件は、全て、イライジャがデビッドの存在を見いだすために行ったものだったのだ。イライジャはヒーローものに悪役はつきものだと告げ、子どもの頃からのあだなだった「ミスター・ガラス」と名乗るのだった。

不死身の男という魅力的な謎の提示から、どのような結末を迎えるのかが楽しみな作品。確かにイライジャ自身が悪役というのは意外性があったが、なぜアメコミ・ヒーローのような能力を持っているのかという謎の解明はなかった。「シックス・センス」のどんでん返しがすばらしかっただけに、期待しすぎだったかもしれない。

【5段階評価】3

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2013年5月 6日 (月)

(981) ハレンチ学園

【監督】丹野雄二
【出演】雷門ケン坊、児島みゆき、うつみみどり、藤村俊二、小松方正
【制作】1970年、日本

永井豪原作漫画の実写作品。おかしな先生たちと生徒のドタバタ劇を描いている。

ヒゲゴジラ(藤村俊二)や丸ゴシ(小松方正)など、きてれつなかっこうの先生ばかりのハレンチ学園。卒業式では先生しか仰げば尊しを歌わず、教育委員会にばれるのを恐れた教師は、通知簿をオール5にすることをダシに生徒を従わせる。先生は男子生徒を檻に入れ、女子をビキニ姿にして授業をする。
そんな学園に、若い女性教師(うつみみどり)が赴任。おやびん(雷門ケン坊)らは先生のスカートめくりを画策。修学旅行でもバスは盗難、宿泊料金は踏み倒し、旅館では野球拳から女子風呂覗きとやりたい放題なのだった。

お色気シーンに登場するのがうつみみどりなので、エロさはたかがしれている。ほとんどがドタバタ劇で、少々観ているのは苦痛だが、藤村俊二、小松方正、由利徹、なべおさみ、左卜全など、そうそうたる喜劇俳優の活躍が見所。名曲「老人と子どものポルカ」も使われている。

【5段階評価】2

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2013年5月 3日 (金)

(980) シャッフル

【監督】メナン・ヤポ
【出演】サンドラ・ブロック、ジュリアン・マクマホン
【制作】2007年、アメリカ

夫を突然の交通事故で失った妻が、その日から過去と現在を行き来するようになる。何とか夫の事故死を食い止めようとする妻の行動を描いた作品。

二人の娘を持ち、幸せな結婚生活を送るリンダ(サンドラ・ブロック)。しかしある日、出張中の夫、ジム(ジュリアン・マクマホン)が交通事故で悲惨な死を遂げたという知らせが届く。
絶望に沈んで一夜明けると、そこにはなぜか夫の姿が。悪い夢だったのかと考えるが、一晩明けると、そこではやはり夫は死んでおり、葬儀が執り行われていた。
しだいに彼女は、自分が過去と現在をバラバラに行き来していることに気づく。自分がいつを生きているのかを紙に書き留めることを思いついた彼女は、ついに交通事故に遭う直前の夫の乗る車を発見。引き返してと頼むが、彼女のその一言があだとなり、道路上で立ち往生した彼の車は急ブレーキをかけたトレーラーに巻き込まれて無残に大破。彼女の努力は無に帰してしまう。
しかし、3人目を身ごもっていた彼女は、新たな人生を歩む決意をするのだった。

途中のハラハラドキドキ感はなかなかのもので、どういう結末を迎えるのだろうとわくわくした。事故シーンの迫力はすさまじく、見応えがあったし、逆の意味での意外性もあってよかったが、見る人によってはがっかりするだろう。
人生がシャッフルされた理由や、本当にやり直しがきかないのか、といった余韻に欠ける点はやや残念だった。

【5段階評価】3

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2013年5月 2日 (木)

(979) 半落ち

【監督】佐々部清
【出演】寺尾聰、原田美枝子、柴田恭兵、伊原剛志、鶴田真由、吉岡秀隆、樹木希林
【制作】2004年、日本

妻の殺害を自供した現職警察官が明かさない空白の二日間の謎を追う推理サスペンス。

県警の警察官、志木(柴田恭兵)は、アルツハイマー病を煩った妻の殺害を自供した梶(寺尾聰)を取り調べる。彼は素直に犯行を自供するが、犯行後から自首までの二日間の行動については、死に場所を探していたという曖昧な供述をする。しかし、彼のポケットからピンクチラシが発見され、歌舞伎町に行っていたのではないかという疑いが浮上。しかし警察はこのことを隠し、死に場所を探していたという供述を検察に上げる。
しかし、検事の佐瀬(伊原剛志)は嘘の供述であることを見抜き、県警に怒鳴り込む。それを偶然耳にした新聞記者の中尾(鶴田真由)も独自に捜査を行う。
梶には一人息子がいたが、白血病で命を落としていた。梶と妻の啓子(原田美枝子)は骨髄バンクにドナー登録しており、あるとき啓子は、梶の骨髄提供のおかげで命をとりとめたとおぼしき若者の読者投稿の記事を発見。歌舞伎町の小さなラーメン屋で働いているという若者を我が子のように考えるようになる。啓子は歌舞伎町でラーメン屋を探すようになり、梶もまた、妻の遺志を継いでラーメン屋を探しに出ていたのだった。
彼が二日間の証言を拒む理由。それは、彼の骨髄提供を受けた青年に、骨髄提供者が犯罪者であるということを知られまいとするが故だった。それを知った志木は、あえてその若者(高橋一生)を法廷に連れて行く。梶は有罪となり、刑務所に護送されるが、その道すがら、若者は梶に「生きてください」という言葉を託す。骨髄ドナーの年齢制限、50歳を超えたら死のうと考えていた梶に、その言葉が熱く響くのだった。

重みのある原作を、登場人物をそぐことなく映像化。しかしながら、どうしても一人一人の人生観のようなものが描ききれず、梶の沈黙と自殺しない理由の重みが、映像だけからはずっしりと響いてこなかった。また、いくらアルツハイマー病とは言え、品行方正な警察官が妻を扼殺した動機が、自分を失う前に殺してくれと頼まれたから、というだけというのも、かなり頷きがたかった。いい役者さんがいっぱい登場する作品ではあるのだが。

【5段階評価】3

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2013年5月 1日 (水)

(978) スーパーの女

【監督】伊丹十三
【出演】宮本信子、津川雅彦、伊東四朗
【制作】1996年、日本

売り上げ不振のスーパーの建て直しを描いたサクセス・ストーリー。

スーパーマーケット、正直屋のオーナー、小林五郎(津川雅彦)は、ライバル店、安売り大魔王の攻勢に悩んでいた。偶然再会した小学校の同級生、花子(宮本信子)がスーパーに詳しいことを知った五郎は、彼女に自分の店で働いてもらうことにする。
彼女はすぐさま、スーパーの鮮魚部や精肉部のチーフが、自分の腕にこだわり、売れもしない高い商品を作っていることがガンだと気づく。また、古くなった製品を使い回すリパックも、客足を遠のかせる要因と看破。店の因習をぶち破る。
安売り大魔王のオーナー(伊東四朗)は、正直屋の買収工作に入り、正直屋の店長は店員を引き抜こうとするが、店員達は花子の熱意を信じて正直屋に残る。精肉を闇商人に横流ししていたチーフ(六平直政)は、正直屋の肉を持ち去ろうとし、それに気づいた花子ごと冷凍車に積み込んでしまう。五郎は警察を呼んで冷凍車とカーチェイスを繰り広げ、ついにチーフは逮捕される。
冷凍車の中で倒れた花子は、冷凍車の着いた漁港町で解放される。花子はそこで、正月明けに取れたての魚を販売することを思いつく。正直屋は大繁盛し、安売り大魔王では閑古鳥が鳴くのだった。

伊丹監督らしい、そこかしこにスーパー経営の裏情報が織り込まれ、楽しい。ただ、五郎と花子の色恋沙汰はちょっとよけいだった気がする。「マルサの女」のような硬派な作りのほうが純粋に楽しめた。

【5段階評価】3

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