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2013年5月10日 (金)

(985) 亡国のイージス

【監督】阪本順治
【出演】真田広之、中井貴一、勝地涼、寺尾聰、佐藤浩市
【制作】2005年、日本

自衛隊のイージス艦を乗っ取り、日本にテロ行為をしかける一味と自衛官との攻防を描いた作品。

海上自衛隊のイージス艦、「いそかぜ」の先任伍長、仙石(真田広之)は、隊員を守るためなら警官への土下座も辞さない誠実な男。彼の艦には、最近、出自不明の如月(勝地涼)が赴任していた。
「いそかぜ」の副長、宮津(寺尾聰)は、米軍が開発した生物兵器、GUSOH(グソー)を持ち込み、要求を呑まなければ首都に生物兵器を打ち込むと、首相の梶本(原田芳雄)に戦いを挑む。背後には北朝鮮の対日工作員、ヨンファ(中井貴一)がいた。
宮津は仙石らを艦から追い出すが、仙石は如月といそかぜを守るために単身で艦に戻る。如月は、宮津らの行動を極秘裏に捜査していた防衛庁の機関、DAISの渥美(佐藤浩市)に送り込まれた特殊工作員だった。仙石は如月と協力して宮津らの作戦を妨害する。
日本政府は、生物兵器の発射を阻止するため、特殊焼夷弾によりいそかぜごと兵器を焼き払おうとするが、仙石は艦内放送を使って宮津らに目を覚ますよう呼びかける。
ヨンファは寝返りそうになる自衛官たちを容赦なく撃ち殺しながら生物兵器の爆破を試みるが、仙石は死闘の末、ヨンファを倒すと、通信手段の途絶えたいそかぜの甲板上で、手旗信号で人工衛星に向けてグソー確保のメッセージを伝え、特殊焼夷弾の使用を回避させる。
操縦不能になり、火力発電所に向かって突き進むいそかぜだったが、副長の宮津は自らの命を犠牲にしていそかぜを爆破させるのだった。

大勢の登場人物を、それぞれいい俳優が演じているのだが、背景を描き切れておらず、生き様に重みがない。最たるのが谷原章介の演じた風間で、突然飛び出して、落下する生物兵器をキャッチして頭を打って死ぬという、「はぁ? 」という展開。テレビ版のカットのしかたがひどすぎるからかもしれないが。
また、ヨンファ側の隊員は打たれればバタバタとやられていくのに、如月は腹を打たれても死なず、仙石にいたっては、腕を打たれ、ヨンファに銃弾を腹にたたき込まれ、さらには腹をさされても死なない。いくら真田広之でも、じゃなくて、いくら主人公だとしても不死身すぎ。
中井貴一や寺尾聰といった、実直でまじめな役を演じることが多い俳優が、実はテロ側の人間だったというどんでん返しも、もう少しうまく作品に用いることもできたのに、割とあっさり、実は悪役ですというのが明かされてしまう。この辺り、「ダイ・ハード2」の描き方は素晴らしかった。
同じ戦艦ものの「男たちの大和」も、作風がつくりものじみていて迫力がない残念作品だったが、こう不作が続くと、日本の艦隊ものはつまらない、という印象がぬぐいがたく定着してしまいそうで残念だ。アニメの「宇宙戦艦ヤマト」なんかは面白くて国民的な人気もあったから、土壌はあるはずなのだが。
東野圭吾の原作のものにも共通しているし、フィリップ・マーロウが主役の「さらば愛しき人よ」なんかもそうだったが、登場人物の多い長編小説の劇場版は、えてしてこの傾向がある。

【5段階評価】2

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