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2013年3月

2013年3月26日 (火)

(969) 美女と野獣

【監督】ゲーリー・トゥルースデイル、カーク・ワイズ
【出演】ペイジ・オハラ(声)、ロビー・ベンソン(声)
【制作】1991年、アメリカ

アカデミー作品賞にアニメで初めてノミネートされたディズニー作品。

呪いを掛けられ、野獣の姿になった王子(ロビー・ベンソン)の城に、発明家のモーリス(レックス・エバーハート)が迷い込む。モーリスの娘、ベル(ペイジ・オハラ)は、父親を救い出すため、自分がとらわれの身になる。
王子の呪いは、誰かと相思相愛にならないと解けない。城に住む燭台や置き時計たちは、ベルに優しく接するよう王子にアドバイスするが、王子は怒りを抑えることができず、ベルは城を飛び出してしまう。
ベルはオオカミの群れに襲われるが、そこに王子が現れ、彼女を救う。それを機に二人は互いに好意を持つようになるが、父親を心配するベルを見て、王子は彼女を城から解放する。
ベルとの結婚をもくろむ乱暴者のガストン(リチャード・ホワイト)は、村人を連れて野獣退治に向かう。ベルを失い、戦意を喪失していた王子だったが、ガストンの敵意に本気を出し、ガストンに勝ち、城から出て行くよう命じる。ガストンは卑怯にも背後から王子の脇腹を刺すが、その拍子に足を踏み外して谷底に落ちる。
倒れて動けなくなった王子に、ベルは愛の告白をする。するとまばゆい光が王子を包み、もとの美しい姿に戻る。ポットや燭台になっていた彼の家来たちも元の姿に戻り、城は幸せに包まれるのだった。

ミュージカル仕立てで隙のない、ディズニーアニメらしい作品。しかし、日本語訳の挿入歌は、相変わらずゴロが悪く、聞きづらかった。字幕にして言語のままの方がよいと思う。

【5段階評価】3

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2013年3月23日 (土)

(968) 名探偵コナン 世紀末の魔術師

【監督】こだま兼嗣
【出演】高山みなみ(声)、山崎和佳奈(声)
【制作】1999年、日本

名探偵コナン・劇場版シリーズ第3作。

鈴木財閥で発見されたインペリアル・エッグを盗むという、怪盗キッド(山口勝平)の犯行予告が警察に届く。
コナン(高山みなみ)は、毛利小五郎(神谷明)、蘭(山崎和佳奈)とともに大阪に向かい、捜査を進める。鈴木会長(松岡文雄)のもとには、インペリアル・エッグをロシアの財宝と考えているロシア大使館のセルゲイ(壤晴彦)をはじめ、美術商の乾(大塚周夫)、ジャーナリストの寒川(大塚芳忠)、研究家の浦思青蘭(藤田淑子)が集まっていた。キッドは、本物を別の場所に隠すだろうという警察の行動を読み、エッグの奪取に成功。
しかし、何者かに右目を狙撃され、エッグはキッドを追っていたコナンが発見する。エッグは東京に運び込まれることになるが、船内で寒川が右目を打たれて殺される。
コナンは、インペリアル・エッグの制作者、喜一を曾祖父に持つ娘、香坂夏美(篠原恵美)とともに、別のインペリアル・エッグがあるという横須賀の古城を訪ねる。コナンは阿笠博士から、ロマノフ王朝の財宝を狙うスコーピオンという者の存在を知らされる。
古城に入ったコナンは、執事も知らなかった地下室を発見。探索の途中で乾が殺される。
もう一つのインペリアル・エッグを発見したコナンたちは、二つのエッグを重ねることで、家族の思い出の写真が浮かび上がるというからくりを知る。そこにスコーピオンが現れ、エッグを奪う。コナンはスコーピオンを追い、その名を告げる。スコーピオンの正体は、青蘭だった。彼女は非業の死を遂げたラスプーチンの子孫で、先祖の無念を晴らすためにエッグを集めていたのだ。青蘭の放った火に囲まれ、絶体絶命となるコナンだったが、白鳥刑事に扮したキッドがコナンを救い、青蘭は逮捕される。
蘭は、コナンが自分を守ってくれる姿に、恋人の工藤新一の面影を見いだし、コナンは自分の正体を告げそうになるが、そこに新一が現れる。それはキッドの変装した姿だった。キッドは、自分が撃たれた際、傷を負ったハトの手当をしてくれたお礼に、コナンを救ったのだった。

蘭がコナンを新一ではないかと考えるという本作の定番的展開が各所に織り込まれ、重層的な物語になっている。ただ、事件の謎解きには、斬新なトリックはなく、誰々と誰々が血がつながっていました的な、何でもありの動機だったので、推理ものとしては今ひとつだった。

【5段階評価】3

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2013年3月19日 (火)

(967) 潜水服は蝶の夢を見る

【監督】ジュリアン・シュナーベル
【出演】マチュー・アマルリック、エマニュエル・セリエ、マリ=ジョゼ・クローズ、アンヌ・コンシニ、マックス・フォン・シドー
【制作】2007年、フランス・アメリカ

全身が麻痺した男の執筆活動と家族との交流を描いた実話に基づく作品。

女性雑誌、「ELLE」の編集長、ジャンドー(マチュー・アマルリック)は、ある日、病室で目覚める。医師に話しても言葉が通じない。彼は意識ははっきりしているものの、全身が麻痺する「閉じ込め症候群(ロックト・イン・シンドローム)」という難病にかかっていた。
彼は右のまぶたも眼の乾燥を防ぐために縫い付けられてしまい、動かせるのは左目だけになる。言語聴覚士のアンリエット(マリ=ジョゼ・クローズ)は、左目のまばたきで言葉を伝える方法を編み出し、真摯にジャンドーと向き合う。はじめは「死にたい」などと自暴自棄な言葉を伝えてアンリエットを悲しませるジャンドーだったが、自伝的小説を書くことを決意。
家族とのふれあいをも糧にして、彼は筆記者のクロード(アンヌ・コンシニ)に言葉を伝え続け、ついに小説を完成させる。彼は出版の2日後、息を引き取る。

マチュー・アマルリックは、「007 慰めの報酬」で悪役を演じた俳優。本作では全身が麻痺し、下唇が垂れ下がった男を、迫真の演技で表現している。昔風の宇宙服のようなゴツい潜水服の映像が登場するが、おそらく、自分自身を表現できないもどかしさを表しているのだろう。小説の完成とともに潜水服が脱ぎ去られ、主人公が自由な表現を手に入れたことを暗示させる。フランス映画らしい、じわっと感慨の残る作品だった。
タイトルは光栄の伝説の名作、「オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか?」のパクリの可能性があるので、訳者はエロゲーファンなのだろう。もしかすると、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の方かもしれないが。

【5段階評価】3

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2013年3月17日 (日)

(966) 感染列島

【監督】瀬々敬久
【出演】妻夫木聡、檀れい、池脇千鶴、国仲涼子
【制作】2009年、日本

日本を襲うウィルスに立ち向かう人々を描いたパニック映画。

救命救急医の松岡(妻夫木聡)が運び込まれた急病人を扱うが、患者は死亡し、治療に当たった先輩医師(佐藤浩市)も急死。病院にWHOから小林栄子(檀れい)が派遣される。栄子は、このままでは数千万人の被害が出ると告げる。彼女はかつての松岡の恋人だった。
夫を失った真鍋麻美(池脇千鶴)は奇跡的に快復。栄子は松岡と麻美のもとを訪れ、心当たりを尋ねる。最初はしぶる麻美だったが、やがて、自分の結婚を祝うために、赴任先の東南アジアから帰国していた父親の修治(嶋田久作)が、体調を損ねていたことを告白する。
松岡は医学教授の仁志(藤竜也)と東南アジアに飛び、そこでもウィルスが蔓延していたことを知る。
栄子はやがて次の職場に旅立つが、自分自身も感染してしまう。栄子はテレビ電話で松岡に呼びかけ、ウィルスに打ち勝って治癒した患者の血を輸血するという治療法を松岡に告げる。松岡は、自分が治療している少女に、その治療を施し、少女は快復。松岡は栄子の元に駆けつけるが、時既に遅く、栄子は亡くなってしまう。松岡は泣き叫んで悲嘆するが、栄子の遺志により確率した治療法により、人類滅亡の危機は収束に向かうのだった。

最初は病院スタッフから敵視されていたWHOの栄子が、真摯にスタッフに協力を求めて頭を下げ、スタッフが次々とそれに答えて協力の意志を示す挙手をするシーンは感動的。看護師の母(国仲涼子)を亡くした夫(田中裕二)と娘の元に最後のメールが届き、夫が娘を抱えて涙するシーンもよかった。
が、顔が隠れちゃうという映画撮影的な事情があるとはいえ、医者がマスクもせずに感染者の家に入ったり、廃墟と化した銀座にたたずんだり、今ひとつ、感染の恐ろしさが伝わってこない。パンデミックを扱った作品は「アウトブレイク」が有名(一応、「28日後...」もそう)だが、ある意味では、映画のタイトルで話の内容が読めちゃって、実際に観てみると、本当に予想通り、ということなので、映像の恐怖感を相当に打ち出さないと、衝撃がない。感動的なシーンは、恋人を亡くした松岡がむせび泣くシーンなんかもよかったりしたが、全体としてインパクトに欠ける作品だった。

【5段階評価】3

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2013年3月15日 (金)

(965) 戦場にかける橋

【監督】デビッド・リーン
【出演】ウィリアム・ホールデン、早川雪舟、アレック・ギネス、ジャック・ホーキンス
【制作】1957年、イギリス・アメリカ

第二次世界大戦中、日本軍の橋梁建設に協力させられたイギリス人捕虜の戦いを描いた作品。第30回アカデミー賞作品賞受賞作品。

斉藤大佐(早川雪舟)が指揮する日本軍の捕虜収容所にイギリス軍のニコルソン大佐(アレック・ギネス)が送り込まれる。斉藤はクウェー川への橋の建設の任務を負っており、工期を守るため、将校クラスの捕虜も労役に就くよう命じる。しかし、ニコルソンはジュネーブ協定違反だとしてこれを拒否。かたくななニコルソンは炎天下の狭い物置きに閉じ込められるが、捕虜のサボタージュは深刻で、ついに斉藤は将校の労役を免除し、イギリス人に実質的な監督を任せることにする。
軍医のクリプトン(ジェームズ・ドナルド)は、日本軍に協力することに抵抗を示したが、ニコルソンは捕虜たちの誇りのために橋の完成を目指すことを決意する。
アメリカ人の捕虜だったシアーズ(ウィリアム・ホールデン)は、収容所を脱走し、瀕死の状態で現地の村人に助けられ、医療施設に送られる。彼は捕虜となる際、二等兵の身分を中佐だと偽っており、それを内緒にすることを条件に、ウォーデン少佐(ジャック・ホーキンス)から橋の爆破作戦の案内役を命じられる。
シアーズはウォーデン、ジョイス(ジェフリー・ホーン)とともに再びジャングルに入り、現地人の案内で橋を目指すと、完成した橋の橋脚に爆弾をセットする。
完成した橋の上で、斉藤とともに美しい景色を眺めて感慨にふけるニコルソンだったが、橋脚に怪しい導線があることに気づき、斉藤を呼んでその正体を確かめる。そこには、爆破作戦を決行しようとするジョイスがいた。ジョイスは斉藤を刺殺し、爆破装置を起動させようとするが、ニコルソンはそれを止めようとジョイスともみ合いになる。ジョイスは日本軍に撃たれて死亡。ニコルソンも撃たれて起爆装置のスイッチの上に倒れ込んでしまい、橋は爆発。完成したばかりの橋は、走ってきた機関車もろとも崩れ落ちる。
橋の外からそれを見ていたクリプトンは、あまりのむごさとむなしさに立ち尽くすのだった。

アカデミー作品賞を受賞した、戦争映画の大作。しかし、「大脱走」や「史上最大の作戦」に比べると、話が退屈だった。戦争映画ではあるが、戦闘シーンは少なく、斉藤大佐の苦悩や英軍将校の葛藤といった心理に作品の焦点が当たっているので、当事者に没入して鑑賞しないと、ただただ退屈な作品になってしまう。ちょっと片手間に観てしまったのがよくなかったかもしれない。
最後の列車の落下シーンは、「カサンドラ・クロス」ほど子細に描写していないが、昔の映画にしてはよくできていた。

【5段階評価】2

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2013年3月 7日 (木)

(964) 特攻野郎Aチーム THE MOVIE

【監督】ジョー・カーナハン
【出演】リーアム・ニーソン、ブラッドレイ・クーパー、クイントン・ジャクソン、シャールト・コプリー
【制作】2010年、アメリカ

アメリカのテレビドラマ、「特攻野郎Aチーム」の劇場版。テレビドラマは1980年代であり、30年の時を経た映画化である。

かつて戦地で活躍したAチームのリーダー、ハンニバル(リーアム・ニーソン)は、モリソン将軍(ジェラルド・マクレイニー)から、ゲリラの手にした偽ドル紙幣原盤を取り戻す極秘指令を受ける。ハンニバルはかつての仲間を集め、作戦を成功させる。メンバーの4人は報告に戻るが、モリソン将軍の乗った車両が突如大爆発し、原盤は再び何者かに奪われてしまう。
Aチームのメンバーは裁判にかけられ、将軍殺害と原盤横領という濡れ衣を着せられ、服役させられてしまう。4人は脱獄に成功すると、自らの無実を証明するため、事件の謎を追う。
ハンニバルは犯人の一人を捉える。それはモリソン将軍だった。彼は生きていたのだ。将軍はCIAのリンチ調査官(パトリック・ウィルソン)らと共謀して原盤を入手しようとしていたことを明かす。
そこにリンチの乗った爆撃機が飛来し、モリソン将軍は爆死。Aチームは辛くも逃げ出すと、脱獄した彼らを追っているソーサ(ジェシカ・ビール)に、モリソンを捉えた、と嘘の情報を流し、原盤とモリソン将軍を引き渡す場所を指示する。
リンチはモリソンの息の根を止めるため、引き渡し現場の港に現れる。コンテナ船の上で激しい銃撃戦と爆撃が繰り広げられ、ハンニバルはリンチに捉えられる。リンチはずきんをかぶってモリソン将軍になりすました男を撃ち、ハンニバルも撃ち殺そうとする。しかし、そこはすでにソーサらによって包囲されており、リンチは捉えられる。Aチームは罪の疑いを晴らすのだった。

テレビドラマ風の陳腐なアクション映画だと思って、あまり期待せずに見ていたが、全体を通して斬新で迫力あるアクションシーンが目白押しで、相当楽しめた。オープニングのハンニバルの登場シーンや、ヘリコプターのチェイスシーンもかっこよかったし、特に、コンテナ船を舞台にしたクライマックスの戦闘シーンは、これまで見たことのない映像で、見応えがあった。ストーリーはやや分かりづらかったが、得した気分になる作品だった。

【5段階評価】4

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2013年3月 6日 (水)

(963) ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~

【監督】根岸吉太郎
【出演】松たか子、浅野忠信、広末涼子、妻夫木聡、堤真一、伊武雅刀、室井滋
【制作】2009年、日本

太宰治の自伝的私小説の映画化。

小説家の大谷(浅野忠信)は、才能に恵まれながらも酒と女におぼれ、入り浸っている小料理屋から5,000円を強奪してしまう。小料理屋を営む吉蔵(伊武雅刀)と妻(室井滋)は、大谷の家に押しかけるが、大谷は刃物を振り回して逃走。大谷の妻、佐知(松たか子)は吉蔵らに非礼を詫び、自分が5,000円を返すと約束すると、吉蔵の店で半ば強引に働き出す。
若くて美しい佐知はすぐに評判となり、店は大繁盛。大谷のファンで店に来ていた岡田(妻夫木聡)は、佐知に好意を持つようになり、彼女の帰宅を電車で送るようになる。大谷はそれを知って嫉妬し、岡田に近づくと、無理矢理岡田を家に連れ込む。岡田は佐知に求婚し、抱きついてキスをするが、大谷に気付かれたようだった。
大谷は浮気相手の秋子(広末涼子)と旅先で無理心中を図るが、未遂に終わる。大谷は秋子の殺人未遂で拘留される。佐知は大谷に面会し、夫に他の女と心中された自分を呪い、涙する。その一方で佐知は、初恋の相手である弁護士の辻(堤真一)に夫の弁護を依頼。辻は佐知に、自分が見合いをした話をし、見合いの間、佐知のことをずっと考えていたと告げる。佐知は、娼婦から買い取った口紅をつけて辻の事務所を訪れ、お金は用意できないと告げる。しばらくして事務所を後にした佐知の髪や服は、来たときより少し乱れていた。
ほどなく大谷は釈放され、吉蔵の店、椿屋で佐知と再会する。佐知は大谷に一杯の酒を振る舞い、彼とともに生き続けていく道を選ぶのだった。

女におぼれるダメ人間の話としては、「火宅の人」もあり、原田美枝子や松坂慶子が見事な裸体を披露しているが、本作では、一応、松たか子や広末涼子の濡れ場もあるものの、映像ははるかに控えめ。大谷も、怒りや嫉妬心をほとばしらせることなく、訥々と語るなど、感情表現も抑制的。また、ダメ男よりも、堪え忍ぶ妻に焦点が当たっている点も、同作とは異なっている。
悪くない作品だと思うが、「火宅の人」のような作品の衝撃に比べると、女優に対する遠慮などが感じられて、今ひとつ盛り上がりに欠けていた。

【5段階評価】2

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2013年3月 5日 (火)

(962) 書道ガールズ!! わたしたちの甲子園

【監督】猪股隆一
【出演】成海璃子、桜庭ななみ、金子ノブアキ、高畑充希
【制作】2010年、日本

四国中央市の高校書道部員の活躍を描いた実話に基づく作品。

愛媛県立四国中央高校の書道部・部長の里子(成海璃子)は、書道家の父親(山田明郷)の厳しい指導を受けており、みんなで楽しく部活をすることを目指す香奈(桜庭ななみ)と対立しがちだった。ある日、産休の先生の交代で、臨時教師の池澤(金子ノブアキ)が書道部の顧問となる。池澤は、部員を募集するため、曲に合わせて校庭で大きな書をしたためるパフォーマンスを行い、生徒の喝采を浴びる。部員の清美(高畑充希)はそれに感動し、父親が文具店をたたむはなむけに、部員と書道パフォーマンスを行う。パフォーマンスは清美のからまわりで失敗に終わるが、協力した里子たちは、書道パフォーマンスが自分たちにとっての甲子園だと考え、地元商店街の協力を取り付け、大会を開くことにする。
大会では里子が足を滑らせて優勝を逃すが、諦めずに書ききった部員は温かい拍手に包まれる。臨時教師の池澤は、一皮むけた部員たちに満足して、高校を去るのだった。

弱小部の再生物語は、「シコふんじゃった。」や「ウォーターボーイズ」など数多いが、本作は「スウィングガールズ」同様、元気な女子高生の活躍が光る。よくあるテレビドラマ風の作品ではあったが、さわやかな感動があり、なかなかよい作品だった。香奈役の桜庭ななみが、脇役ながらも、プライドの高い里子を引っ張る、友情に篤い女子高生を好演していて、なかなかよかった。市役所の前でのパフォーマンスや、病気の母親の治療費を出すため、書道部をやめようとしていた美央(山下リオ)を部に連れ戻すシーンも感動的だった。この感動は「スウィングガールズ」のパフォーマンスとも共通していた。
パフォーマンスのわきで情けないダンスを踊る男子部員の草食っぷりには、ちょっとイラッときたけれども。

【5段階評価】4

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2013年3月 3日 (日)

(961) グラスハウス2

【監督】スティーブ・アンティン
【出演】ジョーダン・ヒンソン、アンジー・ハーモン、ジョエル・グレッチ
【制作】2006年、アメリカ

両親を失い、里親と暮らすことになった姉弟に襲いかかる恐怖を描いたサスペンス。

両親を失い、身寄りのなくなったアビー(ジョーダン・ヒンソン)とイーサン(ボビー・コールマン)の姉弟は、幼い子ども、デビッドを事故で亡くした夫婦、イブ(アンジー・ハーモン)とレイモンド(ジョエル・グレッチ)の里子となる。
アビーとイーサンは湖畔の素敵な家に喜ぶが、湖に出かけると、そこには警察が事件現場に貼るテープが残されていた。イブは勝手に外に出たアビーに激怒。イブはやがて、外出や電話を禁止するなど、二人を厳しく束縛するようになり、アビーと激しく対立する。アビーはイブの出す食事をとらないようになるが、素直に食べていた弟のイーサンは次第に衰弱してしまう。イブを怪しんだアビーは、この家の秘密をさぐり、やがて彼女は、この家に里子に来た子どもがベッドに横たわり、アビーがその世話をしているという写真を何枚も見つける。デビッドも、イブの本当の子どもではなく、里子の一人だった。
イブは、献身的な母親になろうという願望のあまり、子どもをわざと衰弱させて介護するというゆがんだ衝動に駆られていた。夫のレイモンドは妻の心の病を知りつつ、それに協力していたのだ。
里子に出る前のアビーの世話をしていた警察官のベン(ジェイソン・ロンドン)は、イブが居留守を使っていることを知り、単身で屋敷に潜入。アビーはイーサンを助けようとするが、そこにイブが襲いかかる。ベンが銃で制止しようとしたとき、銃声が響く。夫のレイモンドだった。イブが狂気から目覚めることを祈っていた彼が、アビーに刃物をふりかざす妻をみて、その希望がついえたことを悟り、自らの銃で妻の行為に終止符を打ったのだった。

常に不安をあおる音楽が流れ、湖畔の豪邸に潜む狂気をうまく演出。公開当時15歳のジョーダン・ヒンソンの早熟な色気も作品に色を添えている。
幼い弟を演じるボビー・コールマンは、登場直後から、スティーブ・ブシェミの幼い頃みたいな顔をしていて、イブに衰弱させられる前から、すでに病的だった。

【5段階評価】3

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2013年3月 2日 (土)

(960) めがね

【監督】荻上直子
【出演】小林聡美、光石研、もたいまさこ、市川実日子、加瀬亮
【制作】2007年、日本

離島のしずかな民宿でたそがれる人々の交流を描いた作品。「かもめ食堂」からの連作的な作品。

どこかの離島空港に到着したタエコ(小林聡美)は、重いスーツケースを引きずって、民宿「ハマダ」に到着。そこにはのんびりした雰囲気の主人、ユージ(光石研)と、謎の老婦人サクラ(もたいまさこ)がいた。観光地もなく、ここでは「たそがれる」ことぐらいしかすることがないという。
タエコは、他人と相席での食事や、勝手に部屋に入り込んで朝を告げるサクラに嫌悪感を示し、一度は民宿を去るが、別の旅館の雰囲気にもなじめず、ハマダに戻ってくる。
高校教師のハルナ(市川実日子)は、タエコに挑戦的な質問を投げかけてくるが、次第にタエコのほうがおだやかな受け答えをするようになっていく。そこにタエコの知り合い(教え子だろうか)のヨモギ(加瀬亮)が加わり、たそがれる暮らしを満喫する。やがてヨモギやサクラはいなくなり、タエコも民宿を去るが、しばらくして彼らはまた、サクラの出していたかき氷屋に集まるのだった。

かもめ食堂」はとても好きな作品だったので、けっこう期待して観てみた。いわゆる「癒し系」の映画で、「ほっこりする」とか「まったりする」とかいった類の作品だが、本作は、その癒し感が過剰すぎて、「こういうのっていいなぁ」と思うことができなかった。
おそらくその最大の要因は、サクラの氷屋だ。彼女の出自は不明で、どこかの富豪ではないか、という可能性もあるのだが、いくらなんでも、かき氷屋をして金を取らないというのは、非現実的で入り込めなかった。「かもめ食堂」のサチエだって、最初の客のトンミ以外はちゃんとお金をもらって生計を立てているわけで、そのような現実の枷(かせ)の中で、いかに「こういう暮らしっていいよな」と思わせられるかが見せ所であり、「金持ちだから生活の心配は全くなく人を癒す」という設定を持ってこられてしまうと、さすがにそれは受け入れられず、冷めてしまう。登場人物の多くがあまりにも浮世離れしている作品だった。

【5段階評価】2

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2013年3月 1日 (金)

(959) 60セカンズ

【監督】ドミニク・セナ
【出演】ニコラス・ケイジ、ジョバンニ・リビシ、デルロイ・リンドー、アンジェリーナ・ジョリー
【制作】2000年、アメリカ

元自動車泥棒の男が、弟を救うため、仲間とともに一晩で50台の自動車を盗むという作戦に挑む。

カリートリー(クリストファー・エクルストン)の率いる高級車密売組織に雇われたキップ(ジョバンニ・リビシ)は、深夜の自動車販売店に押し入り、展示された高級車を盗むが、警察に追われて組織のアジトに警察が踏み込み、盗んだ車を押収されてしまう。キップはカリートリーに殺されそうになるが、それを知ったキップの兄、メンフィス(ニコラス・ケイジ)がカリートリーを訪ねる。メンフィスは今では足を洗っているが、伝説の車泥棒だった。カリートリーは、弟を救いたければ4日後までに、リストに挙げた高級車50台を盗むようメンフィスに命じる。
メンフィスは昔の仲間を頼って人を集め、一晩で一気に50台を盗む計画を立てる。かつてのメンフィスを知る刑事のキャッスルベック(デルロイ・リンドー)は、何とかメンフィスを逮捕しようとするが、メンフィスはたぐいまれな危機察知能力で警察の追跡をかわし、着々と車を手に入れる。最後の1台は、エレノアと名付けたシェルビー・ムスタング。メンフィス自らエレノアに乗り込むが、キャッスルベックとパトカーがメンフィスを追跡。メンフィスは華麗なドライブテクニックで警察を振り切るが、エレノアはぼろぼろになり、約束の時間に12分遅れてしまう。
カリートリーは時間を守れなかったことを理由に、とムスタングとメンフィスを始末するよう手下に命じるが、怒ったメンフィスはカリートリーに挑みかかる。そこにキャッスルベックも乗り込むが、カリートリーに追い詰められる。カリートリーが容赦なく刑事を撃ち殺そうとした瞬間、メンフィスがカリートリーの銃を蹴り上げ、はずみでカリートリーは階段から落下し、命を落とす。九死に一生を得たカリートリーは、メンフィスを見逃し、メンフィスもまた、盗んだ車のありかを刑事に伝える。
メンフィスの仲間たちが仕事の達成とキップの解放を喜んでいると、キップがメンフィスに鍵をプレゼントする。それは彼の永遠の憧れ、ムスタングの鍵だった。車はボロボロだったが、メンフィスは弟からのプレゼントを心から喜び、恋人のスウェイ(アンジェリーナ・ジョリー)を乗せて車を発信させるのだった。

分かりやすい娯楽作品。車を盗むテクニックが華麗でちょっと楽しい。クライマックスで、いくら刑事を殺そうとしているとは言え、殺人を犯したわけでもないカリートリーを、階下に落として殺してしまったのは、さすがに過剰防衛じゃないの、という気がした。自慢の棺桶に自ら入って死ぬ、っていう演出をどうしてもやりたかったんだろう。
キップを演じたジョバンニ・リビシが、いかにもくそ生意気でできの悪い弟、という顔。「プライベート・ライアン」では正義感の強い衛生兵を好演していた。

【5段階評価】3

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