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2013年1月

2013年1月31日 (木)

(936) ネバーセイ・ネバーアゲイン

【監督】アービン・カーシュナー
【出演】ショーン・コネリー、キム・ベイシンガー、クラウス・マリア・ブランダウアー
【制作】1983年、アメリカ

ジェームズ・ボンドが主役ながら、タイトルに007がつかない作品。「007 サンダーボール作戦」のリメイク。

米軍の核弾頭ミサイルの奪取に成功したスペクター一味は、原油取引の25%のマージンを世界に要求。007(ショーン・コネリー)は実行役と目されるラルゴ(クラウス・マリア・ブランダウアー)に接近。ラルゴの恋人、ドミノ(キム・ベイシンガー)は狂気に満ちたラルゴに恐怖を感じつつも、ラルゴの束縛から逃れられずにいたが、007はドミノを味方につける。ラルゴがドミノに託していた宝石、「アラーの涙」から、核弾頭の隠し場所を探り当てた007は、ラルゴを追い、海中に逃げ込んだラルゴと乱闘となる。最後はドミノが水中銃でラルゴを倒す。

美女が何人も登場し、めまぐるしい展開。
ボンドに情報を伝える大使館の役人として、のちに「Mr.ビーン」の主役として活躍するローワン・アトキンソンが出演しており、コミカルな演技をみせてくれている。
ボンドの宿敵を演じたクラウス・マリア・ブランダウアーは、「愛と哀しみの果て」で主人公(メリル・ストリープ)の夫を演じた俳優。

【5段階評価】3

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2013年1月30日 (水)

(935) マトリックス レボリューションズ

【監督】ウォシャウスキー兄弟
【出演】キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス
【制作】2003年、アメリカ

マトリックス・シリーズ第3作。「マトリックス リローデッド」の続編。

昏睡状態となったネオ(キアヌ・リーブス)はトリニティー(キャリー=アン・モス)に救い出され、人類を救うため、マシンシティに向かう。
宇宙船内で、ネオはベイン(イアン・ブリス)に襲われ、目を焼かれてしまうが、ベインに乗り移ったエージェント・スミス(ヒューゴ・ウィービング)の気配を感じ取り、ベインを倒す。
ネオはトリニティーとともにマシンシティにたどり着く。着陸の衝撃でトリニティーは命を落とすが、ネオはマシンに平和を願い、ネオはスミスとの最後の戦いに挑む。
ネオはスミスの圧倒的な力によって倒されるが、そこでスミスの放った言葉は、「始まりがあるものには終わりがある。ネオ」だった。スミスはオラクル(メアリー・アリス)を倒したつもりでいたが、実はオラクルに支配されていたのだ。スミスはネオを取り込み、スミスとなったネオは満足そうに頷き、光を放ちながら粉砕していく。そしてスミス自身、また、それをとりかこむスミスの分身たちも光を放って消え去る。後に残ったのは、横たわった予言者オラクル(メアリー・アリス)だった。
ザイオンに猛攻撃をかけていたセンチネルの大群は攻撃を停止する。世界に平和が訪れたのだった。

前2作同様、ストーリーは難解で暗示的だが、本作は戦闘シーンが多く、観ていて楽しめる作品になっている。雨の中、スローモーションでネオがスミスの顔をなぐるシーンでは、縦長になった雨粒の中をネオの拳が進み、スミスの顔がゆがんでほおの肉がふるえるところが映像化されており、これもまた格好のパロディの材料にされそうであった。
また、漫画のような独特の顔をしたミフネ(ナサニエル・リーズ)が戦闘マシンに乗って戦う姿は、「アバター」のクライマックスで主人公と戦うマイルズ(スティーブン・ラング)を彷彿とさせた。

【5段階評価】3

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2013年1月29日 (火)

(934) マトリックス リローデッド

【監督】ウォシャウスキー兄弟
【出演】キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス
【制作】2003年、アメリカ

SF映画「マトリックス」の続編。機械と人類との戦いを圧倒的な特撮技術で描いている。

人工知能アーキテクトに反発する集団、ザイオンを救うため、ネオ(キアヌ・リーブス)は恋人のトリニティー(キャリー=アン・モス)、モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)とともにマトリックス側と戦う。

1回観たぐらいでは、ストーリーが深淵すぎてついて行けない。解説書なども見ながら、3作続けて観ないと、世界観は理解できないだろう。「インセプション」もそうだったが、現実世界のできごとなのか、仮想世界のできごとなのかがぱっと見にはわからないので、たとえばトリニティーが死んでも、これはもう助からないのか、目を覚ませば問題はないのか、そのへんの感情移入の加減が難しいのだ。
そうなると、一般の視聴者としては、映像のスゴさに目が行くことになる。「カンフーハッスル」でもパロディにされた、大量のエージェント・スミスとネオが戦うシーンなどは、映像のすごさ、撮影技術の高さもさることながら、大爆笑シーンにもなりえる滑稽さがただよう。

【5段階評価】3

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2013年1月28日 (月)

(933) カイジ2~人生奪回ゲーム~

【監督】佐藤東弥
【出演】藤原竜也、伊勢谷友介、吉高由里子、香川照之、生瀬勝久
【制作】2011年、日本

福本伸行の漫画「カイジ」の劇場版第2作。「カイジ 人生逆転ゲーム」の続編。

借金返済のため、帝愛に囲われ、地下工事をしているカイジ(藤原竜也)は、仲間の救済のため、軍資金109万円をもって地上に出る。過去に因縁の対決をし、今は地に落ちた帝愛の元幹部、利根川(香川照之)から、帝愛が経営している裏カジノの情報を得たカイジは、そこで巨大なパチンコマシン、「沼」の存在を知る。沼に執着する元建設会社社長の坂崎(生瀬勝久)は、カイジを仲間にし、裏カジノの店員、石田裕美(吉高由里子)を仲間に引き入れる。彼女は、かつてカイジとともに鉄骨渡り(ブレイブメンロード)に参加し、命を落とした石田の娘だった。
坂崎は磁石を仕込んだ缶ビールを使ったイカサマでパチンコに勝とうとするが、パチンコ玉は鉄ではなく真鍮製になっていた。裕美が裏切ったのだ。
資金難に陥ったカイジは、カイジをライバル視する帝愛の幹部、一条(伊勢谷友介)が提示したギャンブル、「姫と奴隷」に挑む。3つの扉の奥に姫、2頭のライオンがそれぞれ入り、姫の扉の番号を当てるというシンプルな内容。姫は正解を知っており、それを挑戦者に伝えるが、それが真実とは限らない。姫となったのは坂崎を裏切った裕美。裕美は3番だと告げるが、坂崎はそれを信じない。しかし、その場にいた利根川のヒントから、3番が正解だと確信したカイジは3を選択。見事に3千万円を手にする。
カイジは利根川、坂崎と共同で沼の攻略に挑む。カイジは釘を調整するハンマーをすりかえ、釘の間隔を広げることに成功。さらに、カジノの入居しているビルに大量の水タンクを持ち込み、玉がクルーンに入りにくく傾斜されたパチンコ台を、ビルごと傾けるという作戦に出る。
傾斜によってパチンコ玉が台につまりはじめ、最後は裕美の資金協力により、ついに沼は攻め落とされる。彼の勝ち分は利根川の策略により取られてしまうが、カイジは仲間とともに解放を喜び合うのだった。

沼の攻略のトリックは、殆ど漫画と同じ。写真に写っていただけだったが、坂崎の愛娘、心美が登場していたのが、原作を知る者には楽しい趣向。石田の娘がからんでくるところが原作と異なるが、映画としては面白かった。

【5段階評価】3

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2013年1月27日 (日)

(932) スウィングガールズ

【監督】矢口史靖
【出演】上野樹里、平岡祐太、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ
【制作】2004年、日本

ビッグバンドジャズに目覚める女子高生達を描いた作品。

山形の田舎の女子高生、鈴木友子(上野樹里)は、補習授業をさぼるため、友達と一緒に、野球の応援に行った吹奏楽部に弁当を届ける役を買って出る。しかし、降りる駅を乗り過ごし、田んぼにはまったりして、届けた弁当を食べた吹奏楽部員は食当たりを起こし、全員が病院行きになる。
真相を知った中村拓雄(平岡祐太)は、友子たちにビッグバンドジャズをやらせることにする。文句を言いながらも練習を重ね、ようやく多少は曲を奏でられるようになったとき、吹奏楽部員達が復帰し、彼女たちはお払い箱になってしまう。演奏の快感が忘れられない友子らは、楽器を手に入れるため、スーパーでのアルバイトに精を出すが、友達の多くはバイト代をブランド品につぎこんでしまい、残ったのはテナーサックスの友子、トランペットの良江(貫地谷しほり)、トロンボーンの香織(本仮屋ユイカ)、ドラムスの直美(豊島由佳梨)、ピアノの拓雄だけだった。
彼女たちはスウィングガールズと名乗って地元商店街での演奏などを続けながら実力をつけ、彼女たちのもとを去っていた友人も、ブランド品を売って楽器を入手し、バンドに加わる。
地元で音楽祭があることを知った彼女たちは出場を応募。友子のヘマで当選漏れになってしまうが、欠場者が出たため繰り上げ当選し、会場でジャズを披露。雪まみれでほっぺも鼻も真っ赤な彼女たちを見て笑っていた観客も、彼女たちの演奏に興奮し、会場は熱狂のるつぼとなるのだった。

ブランド品に走った仲間が戻ってくるシーンや、コンサートホールでの演奏のシーンは思わず胸が熱くなる。「天使にラブソングを・・・」に匹敵する興奮だった。
彼女たちを蔑視していた吹奏楽部のリーダーが、会場でジャズの手拍子を導いたり、良江のトランペットの高音部でのネズミのマスコットが大写しになったり、演出も巧み。序盤から中盤は多少かったるいけれども、この最後のシーンの興奮はぜひ味わってほしい。

ちなみに、出演者の平岡祐太と本仮屋ユイカは、PSPのソフト、「TRICK×LOGIC」でも共演している。

【5段階評価】4

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2013年1月26日 (土)

(931) DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る

【監督】高橋栄樹
【出演】AKB48、秋元康
【制作】2012年、日本

AKB48の活動を描いたドキュメンタリー。「DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」に続く2作目である。

選抜総選挙で1位に前田敦子が返り咲き、高橋みなみが「がんばったもんね」と祝福する。ぱっと見には、がんばったと言ったって、みんなと同じように歌って踊っているということでしょ、だったらマエアツだけが、と思ったりもする。しかし、やはりそうではない。
その後の西武ドームでのライブの楽屋裏の映像。初日のできのふがいなさに、秋元康が「今までで最低」と言い放つ。翌日の楽屋裏。前田敦子がフードをかぶって具合が悪そう。突然、ひきつけを起こしたようになり、「ヒーッ、ヒーッ」とパニック状態になる。過呼吸症候群だ。
それでも前田敦子は自分がセンターを勝ち取った曲、「フライングゲット」を歌うためにステージに出る。しかし、過呼吸が治まりきっておらず、「ハーッ、ハーッ」とつらい呼吸を繰り返して言葉を発することができない。すかさず大島優子が別の話を振り、高橋みなみがそれに応える。笑顔の消えた前田敦子がそのまま歌の準備のためにステージの中心で腰を落とし、他のメンバーがそれを取り囲む。
これで始めちゃって本当に大丈夫なのか? 無理なんじゃ・・・。しかし歌が始まると、前田敦子ははじけんばかりの笑顔でメンバーの輪から飛び出し、パフォーマンスを始める。

これを「がんばってる」と言うんだ。

チーム4の新リーダーとなった大場美奈は、初日を迎える前に、プリクラ流出騒動で謹慎してしまう。それでもチームに復帰し、仲間に詫び、また一緒にレッスンさせてほしいと頼む。大震災を経験した岩田華怜は、研究生の身ながら、先輩とともに被災地訪問に回る。
20歳そこそこの少女である。「私、無理」と全てを拒絶して閉じこもってしまったり、楽な道に進む選択肢が当然頭をよぎるだろう。その誘惑に負けず、彼女たちは挑んでいる。その姿はとても尊い。
大震災の傷痕のシーンから始まり、作品はシリアスで重いが、自分もがんばらなければ、という気持ちにさせてくれる作品だった。

【5段階評価】3

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2013年1月25日 (金)

(930) E.T.

【監督】スティーブン・スピルバーグ
【出演】ヘンリー・トーマス、ディー・ウォレス、ロバート・マクノートン、ドリュー・バリモア
【制作】1982年・2002年、アメリカ

宇宙人と地球の子どもとのふれあいを描いた、あまりにも有名なSFファンタジー。

宇宙船で地球にやってきた宇宙人が植物採集をしているところに人間が現れ、宇宙船はあわてて飛び立つが、宇宙人が一体、地球に取り残されてしまう。3人兄弟の末っ子、エリオット(ヘンリー・トーマス)はその宇宙人を見つけ、部屋に連れ込む。
兄のマイケル(ロバート・マクノートン)と妹のガーティ(ドリュー・バリモア)には秘密を明かし、3人でE.T.の世話を始める。E.T.は言葉を話すようになり、家に電話をすると言って、家の中にあるおもちゃを使って通信装置を作り始める。
ハロウィンの日、エリオット達は、仮装に乗じてE.T.を連れ出すと、森に行く。E.T.を乗せた自転車は空を飛び、エリオットは驚き、喜ぶ。通信を終えたE.T.は姿を消してしまい、エリオットは憔悴したまま家に帰る。マイケルがエリオットの代わりにE.T.を探すが、E.T.は衰弱した状態で川に落ちていた。
3人兄弟はとうとう母親のメアリー(ディー・ウォレス)にE.T.のことを明かすが、そのとき、宇宙服を着た大人達がエリオットに家に乗り込んでくる。彼らはずっとE.T.を探していたのだ。
しかし、彼らの医療の甲斐なく、E.T.は息を引き取ってしまう。ショックを受けるエリオットだったが、E.T.の近くにあった枯れた鉢植えの花が元気を取り戻していることに気づいたエリオットが、慌ててE.T.に駆け寄ると、E.T.は息を吹き返しており、家に電話をした、とエリオットに告げる。エリオットとマイケルは、大人達に気づかれないよう、E.T.を乗せた車を発車させ、仲間とともに森を目指す。車から自転車に乗り換えたエリオットと仲間達は、パトカーの追撃をかわし、ついに追い詰められたと思った瞬間、彼らの自転車はふわりと宙に舞い上がった。
森に着いたE.T.のもとに宇宙船が到着。ガーティ、マイケル、そしてエリオットがE.T.に別れを告げる。メアリーが優しく見守る中、宇宙船は再び空の彼方へと飛び去る。後には美しい虹が輝いていた。

E.T.を乗せたエリオットの自転車が空を飛ぶシーンは、観るたびに胸が熱くなる。いくら宇宙人だからと言って、物を宙に浮かせる能力があるというのは、かなりぶっ飛んだ設定だが、この感動シーンのためなら許せる。作品中に空を飛ぶシーンは2回あるが、2回ともイイ。そして最後の別れのシーン。宇宙人と子どもが抱き合うという、かなり現実離れしたシーンなのに、泣ける。感動する。母親の笑顔、口をへの字に曲げてほほえむ兄の顔、今にも泣きそうな妹の顔、そして少年のような顔でエリオット達を見守るNASAの男(ピーター・コヨーテ)。彼が10歳のときからE.T.との再会を待っていた、という設定も、物語に奥行きを与えていて心憎い。
ただ、E.T.とエリオットの脳波が通じ合い、E.T.が酒を飲むとエリオットも酔っ払う、という辺りは、あまり必要のない設定である気はした。
なお、制作年が2つあるのは、最初が1982年、CG等による修正が加えられたのが2002年という意味。

【5段階評価】5

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2013年1月24日 (木)

(929) ホワイトアウト

【監督】若松節朗
【出演】織田裕二、佐藤浩市、松嶋菜々子、石黒賢
【制作】2000年、日本

真保裕一原作小説の映画化作品。ダムを乗っ取ったテロリストと戦うダム作業員を描く。

奥遠和ダムに勤める富樫(織田裕二)は、ある日、遭難者を助けるため、同僚の吉岡(石黒賢)とダム管理事務所を飛び出す。倒れていた二人をかついで戻る最中、吉岡の担いでいた男が暴れ出し、吉岡は斜面を落下し、脚を負傷してしまう。吉岡は婚約者にもらったコンパスを富樫に託し、助けを呼んでくるよう指示。しかし、富樫は視界一面が真っ白になるホワイトアウトに巻き込まれて位置を見失い、吉岡は帰らぬ人となってしまう。
富樫は、吉岡の婚約者、平川千晶(松嶋菜々子)にかたみのコンパスを渡すきっかけもないまま悶々と過ごす。
その頃、宇都木(佐藤浩市)をリーダーとするテロリストの集団が、ダムを占拠する計画を立てていた。彼らはダム職員を容赦なく殺害して管理事務所に入り込むと、ダム管理システムを乗っ取る。たまたまダムを訪れようとしていた千晶も拉致されてしまう。テロリストは警察を通じて日本政府に50億円を要求する。
たまたま管理事務所を出ていた富樫は人質となるのを逃れるが、気付いたテロリストに追われる身となる。ガスボンベを誤射させて爆発に巻き込んだり、ぬれた床を歩くテロリストを感電死させるなどして、自分を倒しに来るテロリストと戦う富樫は、放水管を通ってダムを脱出し、警察に連絡。その場で待機しろと言う警察の指令を聞かず、彼は吉岡から告げられた「俺に何かあったら千晶を頼む」との言葉を守るため、ダムに戻る。
ダムでは、身代金の強奪に成功した宇都木が、仲間に命じてダムへの爆薬のセットを終えていた。しかし、ふいにリーダーの宇都木が仲間を置いて起爆装置ごといなくなる。宇都木は仲間を裏切っていた。彼は、ダム事務所から警察に要求を突きつけているように見せかけ、実は別の仲間に連絡を入れていた。別の仲間は警察のふりをしてそれに答え、その一方で警察に金の要求をしていたのだ。テロリストの仲間で元電力会社職員だった笠原(吹越満)がそれに気づき、人質となっていた千晶を連れて宇都木を追うが、逆に撃たれて命を落とし、千晶も脚を撃たれて気絶してしまう。富樫はカウントダウンに入った爆発を防ぐため、宇都木を追うが、すでに宇都木はヘリに乗っており、空からスノーモービルに乗った富樫を銃撃。しかし、富樫はスノーモービルから降りてスノーモービルを炎上させる。その衝撃で雪崩が起き、ヘリは雪崩に巻き込まれて落下。富樫はまだ生きていた宇都木と乱闘になるが、彼をローターに巻き込んで倒す。起爆停止に成功した富樫は、千晶の倒れていた場所に戻り、彼女を抱えて山を下りる。彼は3年ごしで友との約束を果たしたのだった。

人質が頭を撃たれて血糊が窓ガラスに飛び散ったり、主人公ともみ合いになったテロリストがスロープを落下して死んだり、といった辺りは、「ダイ・ハード」と同じ展開(ダイ・ハードはスロープではなく階段だが)。しかし、ダイ・ハードはスロープはまがりなりにもそれなりに武闘の訓練をしている警官が主役であるのに対し、本作の主役はダム作業員なので、それがいきなりテロリスト達と銃を持って互角以上に渡り合うというのは、ちょっと展開が無謀だった。ガスボンベや命綱を使って敵を倒すアイディアはよかったが、殴り合いをするというのはかなり無理があった。最後のスノーモービルの爆発も激しすぎ。どんな爆薬積んでたんだよ、という。
とは言え、最後の警察署長の「彼は間に合ったんですよ。三ヶ月遅れて、ようやく間に合ったんだ! 」という言葉には、思わず目が潤んだ。

【5段階評価】3

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2013年1月23日 (水)

(928) カムイ外伝

【監督】崔洋一
【出演】松山ケンイチ、小雪、伊藤英明、小林薫、佐藤浩市
【制作】2009年、日本

白土三平の漫画、「カムイ外伝」の実写映画。

抜け忍となったカムイ(松山ケンイチ)は、追忍(ついにん)から逃げる日々。ある日、将軍の馬の前足を切り落とし、釣り具用に盗んだ漁民、半兵衛(小林薫)と行動をともにすることになるが、カムイは荒波に乗る船から突き落とされる。
岸に流れ着いたカムイは半兵衛に助けられる。半兵衛の妻、お鹿(小雪)もまた、大頭(イーキン・チェン)に負われる抜け忍だった。
賞金首となった半兵衛は一度は将軍に捕まるが、カムイはお鹿とともに半兵衛を救い出す。船で脱出する彼らにサメが襲いかかるが、渡の衆と呼ばれる集団がカムイらを助ける。彼らは、漁師町の漁場を荒らすサメ退治を引き受け、村人からも信頼を得ていたが、突如、頭の不動(伊藤英明)が、町の水瓶に毒を盛り、村人や仲間を皆殺しにする。彼の正体は追忍だった。カムイは死闘の末、不動の両腕を切り落とし、不動を倒す。カムイはまた、あてのない旅に出るのだった。

常に死と隣り合わせの抜け忍のつらく悲しい生き様を描くのかと思いきや、まったりと恋をしてみたり、おだやかな日常を過ごしてみたり、緩慢な部分が多い。序盤で忍法が出たっきり、その後が続かず、忍者のすごさが伝わってこない。
松山ケンイチのアクションはすごい。ただし、日本人にとっては、よく知っている松山ケンイチが忍者のような実の裁きをしているからすごいと思えるのであって、純粋に観れば、明らかに合成の不自然な動きが目につき、大して迫力がない。
梟の城」にせよ、「忍-SHINOBI」にせよ、どうも忍者映画にはハズレが目立つ。そういえば、「陰陽師」にも似たテイストがある。

【5段階評価】2

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2013年1月22日 (火)

(927) ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

【監督】庵野秀明、摩砂雪、鶴巻和哉
【出演】緒方恵美(声)、林原めぐみ(声)、宮村優子(声)、三石琴乃(声)
【制作】2009年、日本

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」の続編。主要キャラ、式波・アスカ・ラングレー(宮村優子)らが新たに登場し、使徒と戦う。

エヴァンゲリオンに乗った真希波・マリ・イラストリアス(坂本真綾)が、ムカデ状の骸骨のような使徒を倒し、式波・アスカ・ラングレーも、水飲み鳥のような使徒を瞬殺。式波は、シンジ(緒方恵美)とともに葛城ミサト(三石琴乃)の部屋に同居することになる。
シンジの父、ゲンドウ(立木冬彦)の不在中に、黒い球体の使徒が襲来。ミサトの指示により、シンジ、レイ(林原めぐみ)、アスカの三人で使徒を倒す。それまで一人で戦ってきたアスカは、一人では何もできなかったことにショックを受けるが、次第にシンジを認めるようになり、シンジを巡ってレイと微妙な三角関係を築く。
綾波は、シンジに父親のゲンドウと仲良くなって貰おうとして、手料理をふるうパーティを企画するが、その当日、試験機に乗り込んだアスカが使徒に乗っ取られる。初号機に乗り込んだシンジに、ゲンドウはアスカの乗る3号機を使徒として倒せ、と命令するが、シンジは拒絶。初号機は機械による操縦となり、異常な残虐さで3号機をひねりつぶす。
シンジはパイロットをやめると言ってミサトのもとを立ち去るが、新たに登場した使徒にレイがやられたのを見たシンジは、再び初号機に搭乗。レイを取り込んで人型になった使徒に挑みかかるがエネルギーが切れてしまう。しかし、シンジの叫びとともに初号機が覚醒し、使徒を圧倒すると、使徒に取り込まれたレイを救い出す。そのまま暴走するかに見えた初号機を食い止めたのは、月から来た渚カヲル(石田彰)だった。

使徒の造形が独創的で目を奪われる。映像美で持っている作品だが、世界観は、分かる人には分かるというところだろうか。映画作品だけを観ても全体像をつかむことは難しい。映画はメディアミックスの中の一表現ととらえ、エヴァの世界にのめり込まないと、本作を楽しむのは難しいだろう。

【5段階評価】3

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2013年1月21日 (月)

(926) ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

【監督】庵野秀明、摩砂雪、鶴巻和哉
【出演】緒方恵美(声)、林原めぐみ(声)、三石琴乃(声)
【制作】2007年、日本

テレビアニメ、「新世紀エヴァンゲリオン」を劇場版向けに作り直した作品。

14歳の少年、碇シンジ(緒方恵美)は、科学者の父、ゲンドウ(立木冬彦)から、地球に襲来した使徒を倒す人型兵器、エヴァンゲリオンのパイロットになるよう命じられる。臆病なシンジはそれを拒むが、自分がエヴァに乗らなければ、怪我をした少女、綾波レイ(林原めぐみ)が乗らなければならないと知り、搭乗を決意。しかし、使徒との戦闘は熾烈で、彼はいくどとなく搭乗を拒否。使徒との戦闘組織、NERV(ネルフ)の葛城ミサト(三石琴乃)はシンジと同居し、彼を励ます。強大な力を持つ正八面体の使徒が基地を襲うが、シンジはレイの協力のもと、使徒の狙撃に成功する。

SFではありながら、日本人にとってはおなじみの風景、緑色の公衆電話やローソン、鉄道車両などがそこかしこに現れるのが楽しく、CGを用いた緻密な映像も目を引く。
1990年後半から2000年代を代表するロボットアニメであり、ある程度の期待を持って観たが、内容的にはそれほど引き込まれなかった。ガンダムのようでもあり、ウルトラマンのようでもあり、ある意味では本流だが、ある意味では手垢のついた内容。
綾波レイが14歳の少女にしては成熟したおっぱいで、なんどか画面にも登場。オタク向けの趣向も忘れられていなかった。

【5段階評価】3

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2013年1月20日 (日)

(925) 交渉人 真下正義

【監督】本広克行
【出演】ユースケ・サンタマリア、國村隼、寺島進、石井正則、水野美紀
【制作】2005年、日本

踊る大捜査線 THE MOVIE」シリーズの登場人物、真下正義(ユースケ・サンタマリア)を主人公としたスピンオフ作品。

東京トランスポーテーションレールウェイのフリーゲージトレイン試作機が何者かに乗っ取られる。犯人は日本初の交渉人、真下正義を呼び出すと、葛西の公園で爆発を起こす。現場主義の木島(寺島進)は爆破はあと2回起きると予想。真下は犯人との会話を通じて、試験車両に爆弾が積まれていると予想するが、犯人は裏をかくように、別の場所の車両基地を爆破する。
犯人の出すヒントから、真下の恋人、柏木雪乃(水野美紀)のいるコンサートホールが危ないと気付いた真下は、車で現地に向かう。コンサートホールには、ラベルのボレロの終盤で鳴らされるシンバルに反応する起爆装置が設置されていたが、真下の指示により、シンバルは鳴らされることなく起爆装置は解除。真下はコンサートホールから走り去るカエル急便の配送車を追うが、車は突如爆発。犯人は謎のまま、事件は終結するのだった。

真犯人は誰か、という謎でストーリーを引っ張り、最終的に犯人不明のオチ。これには脱力。結局、これはサスペンスではなく、真下正義というキャラクター頼みの作品だった。交渉人が主人公である割には、たくみな会話で犯行を留めたり、犯人の矛盾を突いて真相を引き出したり、といった見せ場も特になく、犯人が勝手にヒントを出し始めるという展開も不自然。
また、犯人がどうやって試験車両を遠隔操作可能にしたのか(車両内に大量の携帯電話が設置)。一介の会社員(だとすればだが)がどうやってコンサートホールを爆破するほどの爆薬を手配したのか。真下のコンサートのチケットの情報をどうやって得たのか。こういったあまたの疑問についても、納得のいく回答が示されることはなかった。
それでも、つまらなかったかというと、けっこう飽きずに見ることはできた。少なくとも「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」よりは面白かった。この辺りの、TVシリーズの人気を取り込んだキャラの使い方や、新たな登場人物、地下鉄会社の広報、矢野(石井正則)の活躍のさせ方なんかはウマいなと感じた。

【5段階評価】3

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2013年1月19日 (土)

(924) オーシャンズ13

【監督】スティーブン・ソダーバーグ
【出演】ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、アル・パチーノ
【制作】2007年、アメリカ

オーシャンズ・シリーズ第3作。

ダニー(ジョージ・クルーニー)の仲間、ルーベン(エリオット・グールド)が、悪徳ホテル社長のバンク(アル・パチーノ)の裏切りに会い、ショックで倒れてしまう。集まった仲間達はバンクへの報復作戦を画策。それは、ホテルのカジノで客を一気に勝たせてホテルに大損害を与えるという内容。そのままだと客は稼いだ金をまた賭けにつぎ込んでしまうので、擬似的な地震を起こして客をホテル外に避難させることにする。しかし、トンネルボーリングマシンが鉄筋にぶち当たり、作戦は資金難で頓挫。困ったダニーらは、仇敵ベネディクト(アンディ・ガルシア)に資金援助を乞う。ベネディクトは、バンクの持つダイヤも盗み出すようダニーに指示。
ダニーの一味、ライナス(マット・デイモン)が、媚薬を使ってバンクの右腕の女性、スポンダー(エレン・バーキン)に取り入り、ダイヤの保管されている部屋に忍び込み、ダイヤを偽物とすり替えるが、ベネディクトの画策によって潜入していたフランスの泥棒、トゥルアー(バンサン・カッセル)に奪われてしまう。しかし、ライナスが持っていたダイヤは偽物で、ダニーらはヘリを使って、天井から展示ディスプレイごとダイヤを奪い取ってしまう。
同時にカジノでは、次々にダニーたちが仕組んだ仕掛けが奏功し、ホテルは大損害を被る。病気から立ち直ったルーベンも、ホテル側に一泡吹かせ、ダニー達は感慨を新たに散開するのだった。

「オーシャンズ12」に比べれば、まだ内輪受け感は薄く、きちんと観客を楽しませようという姿勢は感じられるが、相変わらず、何が起きているのかの描写は今ひとつで、観客は各所で想像を頼りに映画を観なければならない。例えば、スポンダーがFBIを呼ぶと、ライナスの父親がFBIになりすまして登場するが、それってどうやったの、とか、ラスティ(ブラッド・ピット)が空港で、迷惑を掛けていた本当のホテル審査員にスロットマシンの大当たりをプレゼントするが、それってどうやったの、とか。観客の想像に委ねるのが余韻を与えていい場合もあるが、本作のこの辺りは「ごまかしている」という感じなので、後味はよくない。

【5段階評価】3

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2013年1月18日 (金)

(923) オーシャンズ12

【監督】スティーブン・ソダーバーグ
【出演】ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、バンサン・カッセル
【制作】2004年、アメリカ・オーストラリア

クライム・サスペンス、「オーシャンズ11」の続編。

カジノ王のベネディクト(アンディ・ガルシア)から、盗んだ1.6億ドルと利子の返済を迫られたダニー(ジョージ・クルーニー)は、再び仲間を集め、ヨーロッパでの盗みを計画。しかし、狙った獲物はすでにナイト・フォックス(バンサン・カッセル)に盗まれた後だった。ダニーはナイト・フォックスに会い、彼からどちらが一番か、同じものを盗んで対決しようと持ちかけられる。対象は美術館の展示物、「ファベルジェの卵」。ダニーは相棒のラスティ(ブラッド・ピット)とともに綿密な計画を立てるが、ラスティの元恋人でユーロポール捜査官のイザベル(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)に目を付けられてしまい、仲間達は次々と逮捕。仲間二人と取り残されたライナス(マット・デイモン)は、ダニーの妻、テス(ジュリア・ロバーツ)をアメリカから呼び寄せ、彼女を女優のジュリア・ロバーツに変装させて卵を奪おうとするが、イザベルに見破られて一網打尽にされてしまう。
しかし、それらはすべてダニーの計画のうちだった。ライナスの母親がFBIになりすまして彼らの身元を引き受け、彼らは脱走。追っていたイザベルも、ラスティに欺されていたことを知る。
ナイト・フォックスは盗みに成功し、悦に入っていたが、それはレプリカだった。ダニーとラスティは、ナイト・フォックスの師匠でイザベルの実の父親でもあるルマルク(アルバート・フィニー)と共謀していたのだった。イザベルは死んだと思っていた父親と再会し、ラスティとともに生きていく道を選ぶのだった。

前作に比べると、何が起きているのか非常に分かりづらく、不親切。説明不足も甚だしかった。加えて、前作を観ていないと、冒頭から意味が分からない。観ていた自分としても、前作では、カジノでの盗みに関してしらを切り通していたダニーが、ベネディクトに脅されただけであっさりと全額返済の道を選ぶという展開には納得ができなかった。そんなんだったら、最初から盗むなよ、という。
テス役のジュリア・ロバーツが、ちょっとした役をやってほしいとライナスに頼まれ、やったのが大女優ジュリア・ロバーツのふりというのも、意外性はあったがなんとも内輪受け的で、そこに本物の俳優、ブルース・ウィリスが来るのもすごければ、それでも偽物だと気付かないというのもやりすぎで、少々興ざめだった。

【5段階評価】3

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2013年1月17日 (木)

(922) 007は二度死ぬ

【監督】ルイス・ギルバート
【出演】ショーン・コネリー、丹波哲郎、若林映子、浜美枝、ドナルド・プレザンス
【制作】1967年、イギリス

007シリーズ第5作。日本が舞台となり、ボンドガールも日本人の若林映子と浜美枝が演じている。

アメリカの有人宇宙艇が他の衛星に飲み込まれるという事件が起き、ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)が日本に捜査に向かう。
連絡係のアキ(若林映子)の手引きでタナカ(丹波哲郎)と会ったボンドは、海外企業社長になりすまして、大手企業の社長、大里(島田テル)を調べ、神戸と上海を結ぶ航路上にある島が怪しいとにらむ。ボンドはタナカの作戦により、日本人になりすまして島へ潜入することとなるが、アキは、ボンド殺害のために送り込まれた刺客によって毒殺されてしまう。
大里は、闇の組織、スペクターの指令によって動いており、黒幕はボンドの宿敵、ブロフェルド(ドナルド・プレザンス)だった。彼はソ連の宇宙艇も捕獲し、米ソの戦争を目論んでいたのだ。ボンドは偽装結婚の相手、キッシー(浜美枝)とともに、大里の秘密基地のある島に乗り込むと、単身で基地に潜入するが、ブロフェルドに見つかってしまう。そこにタナカが忍者軍団を引き連れて攻撃を開始。ボンドはブロフェルドの放った宇宙船を爆破させ、世界大戦の勃発を阻止。基地も爆破されるのだった。

いいかげんな映画だと、相撲取りは太ったぶよぶよの東洋人が演じていたりして、観ていてがっかりすることも多いが、本作でボンドが横綱から相撲のチケットをもらうシーンでは、いかにも本物の力士たちがならんでおり、佐田の山本人も出演。大相撲のシーンや剣術のシーンなども本物の安心感がある。四股の音に「ボン」みたいな効果音をつけているのはご愛敬だが。
まあ、昔のボンド作品らしく、ボンドを殺せと命じておきながら、いざ捕まえるとなかなか殺さなかったり、銃撃戦では主人公に全く弾が当たらなかったりするわけだが、その辺りに目をつぶれば、日本人にとってはそこそこ楽しい作品になっている。ただ、アキと床をともにしているボンドに、刺客が天井裏から糸を垂らして毒液を垂らすが、誤ってアキの口に毒がたれてしまうシーンでは、なんでとっとと撃ち殺さないの、というところの説明がないと、あまりにもご都合主義だった。そういったディティールへのこだわりのなさは残念だ。

【5段階評価】3

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2013年1月16日 (水)

(921) エクスペンダブルズ

【監督】シルベスター・スタローン
【出演】シルベスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ジゼル・イティエ
【制作】2010年、アメリカ

裏社会の傭兵集団の活躍を描いた作品。

危険な任務を請け負う傭兵集団を率いるバーニー(シルベスター・スタローン)は、謎の男チャーチ(ブルース・ウィリス)から、軍事国家の将軍、ガルザ(デビッド・ザヤス)の抹殺を依頼される。相棒のリー(ジェイソン・ステイサム)と現地の確認に向かったバーニーは、そこで将軍の娘、サンドラ(ジゼル・イティエ)に出会う。麻薬密売の黒幕、モンロー(エリック・ロバーツ)の部隊に襲われたバーニーは、サンドラとともに逃走しようとするが、サンドラは国に残ってしまい、モンローに拉致される。
バーニーは危険な依頼を断ることにするが、サンドラを助けたい一心から、モンローのアジトに侵攻することを決意。彼らの仲間も同行する。
激しい銃撃と爆発の中、モンローはサンドラを人質にして逃走しようとするが、最後はバーニーの銃とリーのナイフによって葬られるのだった。

ブルース・ウィリスやアーノルド・シュワルツェエネッガーをはじめ、ジェイソン・ステイサムやジェット・リー、ドルフ・ラングレンといった主役級のアクションスターが多数登場。アクションシーンもそこそこ派手で楽しめるのだが、サンドラを連れ去ろうとする軍隊をいきなり皆殺しにしたり、無抵抗の税関係を撃ち殺したりと、「え、そんなんで殺しちゃうの」と言いたくなるような虐殺をヒーローの側が行うところに違和感がちらほら。脚本としてもけっこう大味で、まあなんというか、シルベスター・スタローン監督作品らしい展開であった。
シルベスター・スタローンがアーノルド・シュワルツェエネッガー、ブルース・ウィリスと夢の共演といううたい文句ではあったが、二人の登場は友情出演的なちょい役であり、三人がからむシーンもなんとも合成画面ぽかった。

【5段階評価】3

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2013年1月15日 (火)

(920) それでもボクはやってない

【監督】周防正行
【出演】加瀬亮、瀬戸朝香、役所広司、山本耕史、もたいまさこ
【制作】2007年、日本

痴漢冤罪を扱った作品。周防作品らしい綿密な取材に基づいた裁判映画の傑作。

フリーターの金子徹平(加瀬亮)は、女子中学生に痴漢に間違えられて警察に連れて行かれる。担当刑事の山田(大森南朋)は虫の居所が悪く、金子を犯人と決めつけた取り調べを行い、彼を収監してしまう。国選弁護士をはじめ、警察官や副検事など、あらゆる人が金子を有罪と決めつけ、彼の言い分はまともに聞いてもらえない。
彼が勾留されていることを知った友人の斉藤(山本耕史)や母親の豊子(もたいまさこ)は、つてのある弁護士に相談し、荒川(役所広司)と須藤(瀬戸朝香)が担当となる。はじめは金子を疑っていた須藤も、やがて彼が無実と信じるようになる。
事件は裁判となり、最初の裁判官(正名僕蔵)は疑わしきは被告人に有利に、を信条に、誠実に裁判を行うが、被告人を無罪にするということは、彼を逮捕・起訴した警察と検察という国家権力にたてつくことを意味しており、裁判官もまた、公務員なのだった。その裁判官は担当を降ろされ、別の裁判官(小日向文世)が担当することになる。今度の裁判官は検察側の意見に与するような偏った審議を行う人物だった。被告人側は、苦労の末、金子の上着の裾が電車のドアに挟まっていたことを見ていた目撃者も見つけるが、結局、金子は執行猶予付きの有罪となってしまうのだった。

どこまでが真実で、どこまでが誇張なのか分からない(たとえば、警察は本当にこれほど容疑者を犯人扱いし、恫喝・罵倒するのか、とか)が、迫真性の高い作品だった。加瀬亮の演技もすばらしく、ハッピーエンドではないところも考えさせられた。
痴漢と疑われただけで人生が暗転してしまうというのは、何とも恐ろしい状況だ。

【5段階評価】4

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2013年1月14日 (月)

(919) バグダッド・カフェ

【監督】パーシー・アドロン
【出演】マリアンネ・ゼーゲブレヒト、CCH・パウンダー、ジャック・パランス
【制作】西ドイツ・アメリカ

モハベ砂漠のカフェを偶然訪れたドイツ夫人と、そこに集う人々の交流を描いた心温まる作品。

ドイツ人のジャスミン(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)は、旅行中に夫とけんかし、一人で車を降り、炎天下の中、砂漠の中にあるバグダッド・カフェにたどり着く。店番のブレンダ(CCH・パウンダー)は、うだつの上がらない亭主が家を飛び出したばかりで気が立っており、ジャスミンを邪険に扱う。しかし、彼女はひょうひょうとカフェに現れ、ブレンダの子供や常連客と仲良くなっていく。ブレンダもジャスミンの手品をきっかけとしてうちとけるようになる。
ジャスミンの手品が評判となり、カフェは大繁盛となるが、ジャスミンは不法就労に該当したため、保安官に帰国させられてしまう。
しかしジャスミンはカフェに戻ってくる。常連客のルーディ(ジャック・パランス)はジャスミンにプロポーズ。ジャスミンはブレンダに相談してみる、と優しく答えるのだった。

ミニシアターブームの草分け的作品。派手な演出があるわけではないが、一つ一つの映像が印象的で、その一方で、ジャスミンがカフェの人々とうちとけていくさまは、抽象的な表現に徹しすぎず、分かりやすく描いているので、誰もが心温まる作品になっている。
ブレンダを演じたCCH・パウンダーは、「ロボコップ3」や「フェイス/オフ」などにも出演している。

【5段階評価】4

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2013年1月 8日 (火)

(918) ジェネラル・ルージュの凱旋

【監督】中村義洋
【出演】竹内結子、堺雅人、阿部寛、高嶋政伸、尾美としのり、羽田美智子
【制作】2009年、日本

海堂尊原作小説の映画化作品。「チーム・バチスタの栄光」の続編。

救命救急センター長の速見(堺雅人)は、徹底的に急患を受け付ける方針の持ち主で、ジェネラル・ルージュという異名を持っていた。それは、顔に患者の血を浴びてもひるまず治療を続けた「血まみれ将軍」から来たとも噂されていたが、真相は謎だった。センターに所属する佐藤(山本太郎)は速見の方針に反感を持っており、看護師の如月(貫地谷しほり)も、花房看護師長(羽田美智子)から厳しい指導を受けていた。そんな中、倫理委員長の田口公子(竹内結子)のもとに、速見が医療メーカーのメディカル・アーツと癒着しており、花房は共犯だという告発文が届く。
高階院長(國村隼)の指示により、内定を進めた田口は、速見がメディカル・アーツの社員、磯部(正名僕蔵)から怪しげな紙袋を受け取っているのを目撃。磯部は、田口にソフトボール大会の写真が収まったCD-Rを渡すが、その後、謎の転落死を遂げる。
そこに、田口が受け取ったのとほぼ同じ告発文を手にした厚生労働省の官僚、白鳥圭輔(阿部寛)が現れる。彼は、田口に送られた手書きの告発文の差出人が花房であることを見抜く。倫理委員会副委員長の沼田(高嶋政伸)は臨時委員会を立ち上げ、速見らを召喚する。速見はあっさりとメディカル・アーツとの癒着を認めるが、それは経費のない救命救急センターの赤字補填のためだったと話し、救命救急医療を軽視する病院の体制を痛烈に批判。花房は全ての領収書を保管しており、それを確認すれば速見の個人的な横領はない、と速見の証言を支持する。それでも速見の行為を犯罪だと主張する沼田に、速見は辞表をたたきつける。それを見ていた佐藤は、組織運営の面では三歳児のような速見は懲戒免職にすべきだと主張。沼田も正式に懲戒免職を要求するが、そこに白鳥が割って入る。彼は、田口が殺された磯部から受け取ったCD-Rに遺されていた録音を再生。それは、沼田と事務長の三船(尾美としのり)の密会の内容を盗聴したものだった。二人は、金儲けのために救急医療と小児科を極限まで圧縮して精神外来を伸ばそうとしており、沼田は磯部に速見の弱みを探るよう指示していたのだ。
そのとき、突然、全員の携帯が鳴り出す。病院の近くで大事故が起き、大量の急患が運び込まれることが確実となったのだ。高階は速見に全権を委任。速見は急患の判別を佐藤に任せる。落ち着いているかに見えた速見だったが、実は緊張で顔面蒼白だった。その速見に、現場の責任者が青い顔をしていてはいけないと、花房がそっと口紅を手渡す。これがジェネラル・ルージュという異名の真相だったのだ。
磯部を殺したのは、沼田の腹心の医者、小峰(林泰文)だった。彼は、磯部の盗聴に気づき、沼田の野望実現のため、磯部をヘリポートから突き落としていたのだった。小峰はそのことを沼田に告白するが、沼田は驚き、彼を警察に引き渡そうとする。小峰は沼田に襲いかかるが、そこにいかついリハビリ係(長江英和)を連れた白鳥が現れ、小峰は取り押さえられる。
速見の辞表は退けられ、田口の計らいにより、地方の病院に転勤となり、速見と花房はともに生きていくことを決意するのだった。

前作に比べてはるかにストーリーのできがよく、病院の内情を重層的に描いた秀作だった。唯一、田口になぜ磯部の録音が渡ったのかが不明だったのは残念だった。前作に登場した佐野史郎や玉山鉄二がちょこっと出演するのも、ファンとしては嬉しい演出。

【5段階評価】4

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2013年1月 7日 (月)

(917) 名探偵コナン 天国へのカウントダウン

【監督】こだま兼嗣
【出演】高山みなみ(声)、山崎和佳奈(声)、永井一郎(声)
【制作】2001年、日本

名探偵コナンシリーズ第5作。西多摩市の高層ツインタワーを舞台にコナンが活躍する。

多磨方面にキャンプに来ていたコナン(高山みなみ)たちは、西多摩市に誕生した超高層ツインビルを見に行く。ビルのオーナーはトキワグループの社長、常磐美緒(藤田淑子)。彼女は探偵、毛利小五郎(神谷明)の後輩だった。ビルに案内された一行は、そこで日本画家の如月峰水(永井一郎)、市会議員の大木岩松(渡部猛)、建築課の風間英彦(小杉十郎太)、プログラマーの原佳明(橋本晃一)と知り合う。しかし、市会議員の大木、次いでプログラマーの原が何者かに殺害。現場には割れたおちょこが転がっていた。
美緒は記念パーティを開催するが、如月の新作の披露の場で、美緒は首吊り死体となる。日本画を吊り上げるワイヤーが、ピアノ線で強化された真珠のネックレスにつながっており、日本画を下ろすとともに彼女が吊り上げられてしまったのだった。
同時にビルの下層階で謎の爆発が発生。逃げ遅れた友達を救うため、ビルに戻ったコナンは、会場にあったマスタングに乗り込むと、爆風の力を借りて隣のビルの屋上にあるプールに飛び込み、脱出に成功する。
ビルの爆破を行ったのは、黒の組織のウォッカ(立木文彦)とジン(堀之紀)。二人は組織の証拠隠滅のため、かつて組織の一員だった原を殺害し、トキワのビルのコンピュータを破壊したのだった。
そして、市会議員と美緒を殺害したのは、画家の如月だった。彼は、舞台に上がった際、横にいた美緒のネックレスのひもを切り、あわてた美緒に背後からネックレスを付け替え、そこにワイヤーを接続していた。彼の動機は富士山の風景だった。彼は富士山を生涯の題材と定め、見晴らしのよい丘に邸宅を構えたが、その富士山を分断するようにツインタワーが完成したため、激しい恨みの感情を抱いていた。割られたおちょこは、ビルによって分断された富士山を表していたのだった。

トリックにそれほど強引さはなく、動機もなかなか峻烈だった。そこに、小学生同士のほのかな恋心やビル火災のスリルとアクションを味付けして、なかなか盛りだくさんの作品になっている。

【5段階評価】4

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2013年1月 6日 (日)

(916) ヤングガン2

【監督】ジョフ・マーフィ
【出演】エミリオ・エステベス、キーファー・サザーランド、ルー・ダイアモンド・フィリップス
【制作】1990年、アメリカ

ヤングガン」の続編。伝説のガンマン、ビリー・ザ・キッドの物語。

一人の老人が、荒野に弁護士を呼びつけ、知事の大赦を求める。老人はビリー・ザ・キッドだと名乗り、身の上話を始める。
お尋ね者として有名となったビリー・ザ・キッド(エミリオ・エステベス)は、知事のウォーレス(スコット・ウィルソン)から、大赦を与える代わりにマーフィー一族の犯罪の証言者になることを依頼。ビリーは承諾するが、ウォーレスはビリーを裏切る。ビリーは逮捕されていたドク(キーファー・サザーランド)やチャベズ(ルー・ダイアモンド・フィリップス)を救出し、仲間とともにメキシコを目指すことにする。しかし、仲間だったパット・ギャレット(ウィリアム・ピーターセン)は無謀な行動を繰り返すビリーから離脱。ビリーは貸しのある牧場主のチザム(ジェームズ・コバーン)に旅の資金の無心に行くが断られる。
ビリーの抹殺を目論む知事や牧場主(ジェームズ・コバーン)はパットを保安官に仕立て上げ、ビリーの行動を読んで彼を追い詰める。ドクは敵の銃弾に倒れ、ビリーは逮捕される。ビリーは恋人のジェーン(ジェニー・ライト)の機転で脱走するが、致命傷を受けたチャベズもこの世を去り、残ったのはヘンドリー(アラン・ラック)のみとなる。
丸腰でいるビリーのもとにパットが現れる。ビリーに銃口を向けつつも、引き金を引くことに躊躇するパットに、ビリーは「仲間のためなら俺は何だってできるんだ」と言い、静かに背中を向ける。そしてパットの銃声が響く。
話を終えた老人は弁護士の元を立ち去るが、彼がビリーかどうかは謎のままなのだった。

交渉に来た保安官にチャベズの帽子とポンチョを着せて外に出し、待ち構えていた町民が保安官を撃ち殺してしまうといった名シーンがあるが、全体的にはやや退屈だった。
チャインチャインチャ、チャッチャッチャーン、チャインチャインチャ、チャッチャンチャーンというメロディーが印象的なBON JOVIの「Blaze of Glory」は名曲。

【5段階評価】3

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2013年1月 5日 (土)

(915) ホーム・アローン3

【監督】ラジャ・ゴズネル
【出演】アレックス・D・リンツ、オレク・クルパ、ハビランド・モリス、マリアン・セルデス
【制作】1997年、アメリカ

ホーム・アローン」シリーズ第3作。2作めまで主役だったマコーレー・カルキンに代わり、アレックス・D・リンツが主役を務める。

国際的犯罪組織が、盗んだICチップをラジコンカーに紛れ込ませる。しかし空港での手荷物検査で、その荷物を老婦人のミセス・ヘス(マリアン・セルデス)に持ち出されてしまう。彼女はそのラジコンカーを隣人の子ども、アレックス(アレックス・D・リンツ)に渡してしまう。
運搬係を担っていた4人組のボス、ピーター(オレク・クルパ)は、ヘス婦人を乗せたタクシードライバーから彼女を下ろした町を聞き出すと、1軒1軒に侵入してラジコンカーのありかを探すが、アレックスは侵入現場を見つけ、警察に通報。しかし犯人は見つからず、アレックスの通報はいたずらだと決めつけられてしまう。アレックスはラジコンカーにビデオカメラをくくりつけ、犯人侵入の動かぬ証拠を撮影しようとするが、犯人に気づかれてしまう。
犯人はアレックスの家に侵入しようとするが、アレックスは電流やしっくい、ホームエレベーターなどを駆使して犯人を撃退。ついにFBIもチップがアレックスのもとにあることをつきとめる。犯人は一網打尽となる。

1作目2作めに比べると、序盤の雰囲気が暗く、色の演出も地味。後半のたたみかけるところは面白かったけれども、子ども向けの底抜けに楽しい映画という特徴が薄れ、子どもが大人相手に大活躍するという非現実が気になりがちだった。
主人公の姉役を子役時代のスカーレット・ヨハンソンが演じている。

【5段階評価】3

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