(929) ホワイトアウト
【監督】若松節朗
【出演】織田裕二、佐藤浩市、松嶋菜々子、石黒賢
【制作】2000年、日本
真保裕一原作小説の映画化作品。ダムを乗っ取ったテロリストと戦うダム作業員を描く。
奥遠和ダムに勤める富樫(織田裕二)は、ある日、遭難者を助けるため、同僚の吉岡(石黒賢)とダム管理事務所を飛び出す。倒れていた二人をかついで戻る最中、吉岡の担いでいた男が暴れ出し、吉岡は斜面を落下し、脚を負傷してしまう。吉岡は婚約者にもらったコンパスを富樫に託し、助けを呼んでくるよう指示。しかし、富樫は視界一面が真っ白になるホワイトアウトに巻き込まれて位置を見失い、吉岡は帰らぬ人となってしまう。富樫は、吉岡の婚約者、平川千晶(松嶋菜々子)にかたみのコンパスを渡すきっかけもないまま悶々と過ごす。
その頃、宇都木(佐藤浩市)をリーダーとするテロリストの集団が、ダムを占拠する計画を立てていた。彼らはダム職員を容赦なく殺害して管理事務所に入り込むと、ダム管理システムを乗っ取る。たまたまダムを訪れようとしていた千晶は、彼らに拉致されてしまう。テロリストは警察を通じて日本政府に50億円を要求する。
たまたま管理事務所を出ていた富樫は人質となるのを逃れるが、気付いたテロリストに追われる身となる。ガスボンベを誤射させて爆発に巻き込んだり、濡れた床を歩くテロリストを感電死させるなどして、自分を倒しに来るテロリストと戦う富樫は、放水管を通ってダムを脱出し、警察に連絡。その場で待機しろという警察の指令を聞かず、彼は吉岡から告げられた「俺に何かあったら千晶を頼む」との言葉を守るため、ダムに戻る。
ダムでは、身代金の強奪に成功した宇都木が、仲間に命じてダムへの爆薬のセットを終えていた。しかし、ふいにリーダーの宇都木が仲間を置いて起爆装置ごといなくなる。宇都木は仲間を裏切っていた。彼は、ダム事務所から警察に要求を突きつけているように見せかけ、実は別の仲間に連絡を入れていた。別の仲間は警察のふりをしてそれに答え、その一方で警察に金を要求していたのだ。テロリストの仲間で元電力会社職員だった笠原(吹越満)がそれに気づき、人質となっていた千晶を連れて宇都木を追うが、逆に撃たれて命を落とし、千晶も脚を撃たれて気絶してしまう。富樫はカウントダウンに入った爆発を防ぐため、宇都木を追うが、すでに宇都木はヘリに乗っており、空からスノーモービルに乗った富樫を銃撃。しかし、富樫はスノーモービルから降りてスノーモービルを炎上させる。その衝撃で雪崩が起き、ヘリは雪崩に巻き込まれて落下。富樫はまだ生きていた宇都木と乱闘になるが、彼をローターに巻き込んで倒す。起爆停止に成功した富樫は、千晶の倒れていた場所に戻り、彼女を抱えて山を下りる。彼は3年ごしで友との約束を果たしたのだった。
人質が頭を撃たれて血糊が窓ガラスに飛び散ったり、主人公ともみ合いになったテロリストがスロープを落下して死んだり、といった辺りは、「ダイ・ハード」と同じ展開(ダイ・ハードはスロープではなく階段だが)。しかし、ダイ・ハードはまがりなりにもそれなりに武闘の訓練をしている警官が主役であるのに対し、本作の主役はダム作業員なので、それがいきなりテロリスト達と銃を持って互角以上に渡り合うというのは、展開が無謀だった。ガスボンベや命綱を使って敵を倒すアイディアはよかったが、殴り合いをするというのは無理がある。最後のスノーモービルの爆発も激しすぎ。どんな爆薬積んでたんだよ、という。
とは言え、最後の警察署長の「彼は間に合ったんですよ。三ヶ月遅れて、ようやく間に合ったんだ! 」という言葉には、思わず目が潤んだ。
【5段階評価】3
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