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2012年12月

2012年12月31日 (月)

(914) ホーム・アローン2

【監督】クリス・コロンバス
【出演】マコーレー・カルキン、ジョー・ペシ、ダニエル・スターン、キャスリン・オハラ
【制作】1992年、アメリカ

ホーム・アローン」の続編。おもちゃ店の売り上げを盗もうとする泥棒を退治する少年の活躍を描く。

マカリスター家の末っ子、ケビン(マコーレー・カルキン)は、家族と一緒にマイアミ旅行に行くはずが、単身でニューヨークに来てしまう。父親の現金とクレジットカードが手元にあったため、ケビンは持っていた録音装置を使ってホテルの部屋を取り、おもちゃ屋に向かう。そこには、売り上げを子供病院に寄付しようとしている優しい社長がいた。
店を出たケビンは、かつてケビンの家に泥棒に入ろうとして捕まった二人組、ハリー(ジョー・ペシ)とマーブ(ダニエル・スターン)に再会。ケビンは二人が、おもちゃ屋に忍び込んで売上代金を盗もうとしていることを知る。
ケビンはおもちゃ屋に忍び込んでいた二人のポラロイド写真を撮り、空家となっている親戚の家に二人をおびき寄せる。前回、ケビンの家でいろいろな罠にかかっていた二人は慎重になるが、一枚上手を行くケビンの作戦にまんまとひっかかる。最後にケビンは二人につかまってしまうが、ケビンが公園で仲良くなったハトおばさんの機転で二人は大量のハトにつつかれ、もがいているところを警察に逮捕される。
ケビンは、おもちゃ屋の社長にプレゼントされた、友情の証となるつがいのキジバトの一方をハトおばさんに渡し、永遠の友情を誓うのだった。

二人の泥棒が痛い目に遭うわけだが、ビルの上からレンガを投げて頭に命中したら、普通は死んでしまうわけで、撃退方法はかなり過激。そこは子供も楽しめる映画としての誇張表現と受け取るしかない。本作のよいところは、単なるドタバタコメディになっているのではなく、母と子の愛情や、見知らぬハトおばさんと子供の友情を感動的に描いている点。このおかげで作品全体に血が通っている。続く3作目は、そのあたりがあまりうまく描かれておらず、本作のすばらしさが際立つ。評価は5に近い4。

【5段階評価】4

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2012年12月27日 (木)

(913) ションベン・ライダー

【監督】相米慎二
【出演】永瀬正敏、坂上忍、河合美智子、藤竜也
【制作】1983年、日本

3人の中学生が主人公の青春映画。ヤクザに誘拐された同級生を救うため、男2人女1人の3人が活躍する。

中学生の辞書(坂上忍)とジョジョ(永瀬正敏)、ブルース(河合美智子)の3人は、デブナガ(鈴木吉和)からいじめられていたが、ある日、デブナガがヤクザ(木之元亮)に誘拐されてしまう。3人は彼らを追ううち、ヤクザの厳兵(藤竜也)と知り合い、何度か行動をともにするうち、深い絆で結ばれるようになる。3人の先生であるアラレ(原日出子)もヤクザにクスリ漬けにされてしまうが、ヤクザの留守中に3人がアラレとデブナガを解放。厳兵はヤクザを撃ち殺してけじめを付け、警察に逮捕されるのだった。

久々につまらない邦画を観た。長回しが多いのだが、そのせいでよけい、全体的な演技が芝居クサく見え、それぞれの登場人物が脚本に沿って順番にしゃべっているというギクシャクした感じがぬぐえなかった。
後半のブルースは、最初にジョジョが来ていたダボダボのタンクトップを着ているのだが、そのせいで女子中学生の乳首が見え隠れ。何の必然性があるのかわからず、監督による公然セクハラではないかとすら思えてしまった。よく親が了承したものだ。

【5段階評価】

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2012年12月26日 (水)

THE MANZAI 2012 ~おめでとうハマカーン~

THE MANZAI 2012を観た。生では観られなくて、録画で、しかも、うっかりハマカーン優勝のニュースを知ってから観てしまった。

観る前は、ハマカーンのキレ芸には完全に飽きていたので、残る決勝進出が「千鳥」、「アルコ&ピース」と知って、「うわ、今年はツマンネ」と思っていたが、ハマカーンにはいい意味で裏切られた。そして、千鳥とアルコ&ピースは悪い意味で予想通りだった。
決勝戦でのハマカーンの優勝に関して言えば、ライバルのデキがひどすぎた。特にアルコ&ピースは、1本目が序盤の10数秒の意外性だけが笑いの要素というネタで、その後は終始つまらなかったのに、しかもテリー伊藤が賢明にも「次は使えないネタ」と宣告していたにもかかわらず、2本目に同じ展開のネタをかぶせて完全に客席が冷めた。司会の高島彩の笑顔も乾いていたし、矢部も完全にコメントに困っていた。
千鳥の2本目も、1本目と同じような、特異なキャラで笑わせるネタで、こちらも客席は半笑いだった。
どちらのコンビも、1本目の審査員の評価が高すぎて次もいけると思っちゃったのだとしたら、審査員が罪だったってこともあるかもしれない。ハマカーンの優勝は出順の勝利とも言われているようだが、アルコ&ピースと千鳥が優勝できる出順があったとは思えないのだった。

というわけで、ハマカーンは、消去法でも優勝だったが、決勝ネタは1本目と状況は似せつつもツッコミのパターンに変化を持たせ、決して消去法で勝ったとは言わせない、堂々の勝利だった。

■グループ別の感想

●Aグループ
このグループが最も神がかっていた。ハマカーンが勝ち残ったことに異論はないが、他の漫才師も相当おもしろかった。

○テンダラー
スピーディでよかったが、中盤からの仁義なき戦いネタは、昨年の天丼だったので、ちょっと後半、飽きてしまったのが残念。アネキ、ヨシキのところはしつこすぎてダレた。

○ウーマンラッシュアワー
高速のしゃべりと完成度の高いネタがウリだが、後半は早すぎて若干セリフが聞き取りづらかったのと、アドリブの効かない遊びのない芸風は、最近の漫才らしいと言えばそうなのだが、スキがない反面、観客の反応を無視して一気に進めるというスタイルになるので、玄人の審査員には評価されづらいという気がした。

○ハマカーン
オードリー同様、ボケとツッコミの役割交代が奏功。確かに思い返してみれば、浜谷のキレ芸に飽きたということ以上に、そもそも神田のツッコミにおもしろみがない、要するにツッコミがポンコツだったのだと気付かされる。神田の女子っぽさも、あまりクドいと観ている方は辟易とするが、一人称は俺だし、ツッコむところはツッコむので、嫌悪感はあまりなかった。欲を言えば、あんなになよなよしなくても成立するというか、男っぽいくせに「女子は」って言う方が面白いんじゃないのという気もした。これはもしかすると作戦というより、地が出ているだけなのかもしれない。

○オジンオズボーン
昔から好きなコンビ。今回のネタはアホすぎて、個人的にはかなり笑えたけれど、いわばダジャレの寄せ集めという、飲み会での一発芸的なネタなので、ワラテンの評価は高い反面、審査員受けが今ひとつというのは、ある意味、まっとうな評価だった。

●Bグループ
トレンディエンジェルが、ただの出落ちではない実力を見せて相当よかったが、千鳥がつまらないネタで決勝という、謎の力学が働いた。

○トレンディエンジェル
斉藤のバカっぷりが飛び抜けていて、相当よかった。「カイタイシンショッこれ出版しといてっ。バカヤロー」と「iPS細胞、あれはいったい、何の略なの?」「ふぇぇ?」「知らねぇじゃねぇかよ! 」は何度見ても笑える。ただ、後半の畳みかけるところで替え歌ネタというのは、超一流が競い合う場としては、ちょっと物足りなかった。とは言え、個人的にはBグループの中では最も新鮮だったし、決勝に残ってもらいたかったコンビだ。

○NON STYLE
ネタの進め方は相変わらずで、井上の仕切るような手つきも見慣れてしまっているのだが、今回は話を進めず石田が同じところでボケ続け、そのことに井上がキレるという展開。「ボケが多い! 」、「もう(観客)飽きてるて! 」というツッコミが新鮮だった。ただ、なぜか彼らに対しては、面白いけど勝ち上がってほしくない、何度も観たくないと思ってしまう。何が原因なんだろう。

○磁石
今回の出場者の中では最も期待していたコンビ。ボケの永沢の突き抜けたバカっぷりに、佐々木の歯切れのいいツッコみが快感。最近観ないなと思っていたら、解散を考えていたとのこと。ぜひ続けてほしい。残念だったのは、「ブスは待つ! 」で、客が「えぇぇぇ・・・」とあからさまに引いてしまったところ。去年、ナイツが「のり『ピーッ』」、「ドラマのヘロインとして」、「一つやらかした」と禁じ手に近い発言を畳みかけて爆笑を呼び込んだので、磁石も勝負にかけたのだろうが、あのドン引きでは審査員としても点を入れづらかっただろう。オール巨人師匠がしっかり救ってあげていたのが心憎かった。

○千鳥
ところどころ面白かったが、変なキャラを演じて笑わせるというのは、漫才というよりコントなので、そもそも気に入らなかった。しかもそんなに面白くはないので、なぜ彼らが予選1位なのか、はなはだ不可解。しかもBグループでも勝っちゃうし、訳が分からなかった。

●Cグループ
アルコ&ピースが審査員の得票を独占して勝利。審査員は、お笑いを作り上げる苦しさを知っているから、アルコ&ピースのチャレンジ精神を玄人として評価したのかもしれないが、観ている側にとって斬新さは面白いと感じることの十分条件ではないので、非常に不可解。後半の小芝居が笑いではなく「ヒューヒュー」の歓声なのは、漫才としてはアウトなわけで、それこそ「どういうモチベーションでこの場に立ってんだ」という話である。彼らのすべきことは客を笑わせることであって、感心してもらうことではない。
それと、たけし師匠が「(台本)よく作ったなぁこれ」なんて褒めそやしちゃったもんだから、他の審査員も乗っかるほうが楽だったというのもあったのかもしれない。審査員は審査員で、「見る目がない」と世間に思われるのは怖いだろうし、迷ったら「たけしに乗っとけ」と思うのも無理はない。
改めて結果発表のシーンを見返すと、テリー伊藤が「最高のネタ持って来ちゃったから、次困るね」というコメントしているときの二人の表情が、「いや・・・、実は決勝もこれなんだよな・・・」と内心思って困り果てた顔になっているのが手に取るように分かる。まあ、もともと彼らのネタは凝ったシチュエーションでニヤリとさせるようなネタが多いので、何を持ってきても爆笑を誘うのは厳しかったと思うが。

○スーパーマラドーナ
かなり面白かった。しかし、Aグループの面々やBグループのトレンディエンジェルのように、ややつきぬけたところで実力を見せつけたコンビと比べてしまうと、どうしても普通だな、となってしまったところはある。でも、普通の番組でこのグレードのネタを見せられたら、十分、絶賛に値するだろう。これもラサール石井がしっかりコメントしてあげていたのがよかった。

○アルコ&ピース
X-GUNの説教ネタと同じで、ダメだしされている人を見て笑うということ自体が悪趣味だし、長々と見せられるのは不愉快。後半の小芝居も、笑いとは遠い位置にある内容で、こっぱずかしくて見ていられない。しかも、「お前が忍者になって巻物取りに行くって同意したら、ぶん殴ってるとこだったよ」という肝心の一言が、何度も聞き直したがなんて言ってるのか分かりづらく、もしここに書いた通りだとしたら、日本語としてはかなり不正確な表現で意味がはっきり通じず、どこに笑う要素があるのか理解困難。こっちは、「えっ? 今なんて言ったの」状態で完全に置いてけぼり。痛々しいから早く終われ、と願うばかりだったのだが、「ヒューッ」なんて言ってる客もいたのは、あれはネタを知っているファンなのだろうか。今大会で一番つまらないネタだった。

○笑い飯
ロボットやマリリン・モンローネタのような、繰り返しの飽き飽き感がすぎた。替え歌を、しかも大して落ちのない歌を歌っているだけだったからな。もっと細かく畳みかけてほしかった。

○エルシャラカーニ
彼らを初めて見たときは面白かったが、一度芸風に慣れてしまうと意外性がない。今回のネタに関しては、「僕と、友達と・・・」と数えるくだりを繰り返しすぎ。人数にこだわる理由も分からない。同じ繰り返しでも、NON STYLEやテンダラーは、繰り返しになる部分を極限まで短くしている。繰り返し部分が長いのは、4分のコンテストネタではダレてしょうがない。

■国民ワラテンについて

最後は、ワラテンの結果と勝敗とのギャップについてである。もちろん、ワラテンの結果と勝者が一致すべきかについては、かならずしもYESとは思わない。例えば、Aグループでワラテンを獲ったオジンオズボーンは、プロの目からは拙いと思われてもしかたのないネタだったし、Bグループも、NON STYLEにワラテンが入ったものの、これまでの実績面からプロから厳しく評価されるのは仕方ない。
とはいえ、今大会、ワラテンを獲得をしたコンビは全て敗者になっており、しかも優勝したハマカーンに至っては、Aグループ戦でも決勝戦でも、ワラテンが最下位。さすがにこれでは、ワラテンの得点はむしろ疫病神。面白さを反映できているとは言い難い。
おそらく笑いの質より手数を反映しがちなシステムになっているということだろう。Cグループで笑い飯にワラテンが行ったのも、今年の笑い飯は少しネタがおとなしかったが、手数は多いので点が入ったのではないだろうか。この辺りは改善の余地があるように思った。
加えて、このセンスのないネーミングもなんとかしてほしいと思う。

いずれにせよ、ハマカーン優勝おめでとう。

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(912) ウォーロード/男たちの誓い

【監督】ピーター・チャン
【出演】ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武、シュー・ジンレイ
【制作】2007年、中国・香港

清朝時代の中国を舞台に、義兄弟の契りを交わした3人の男の運命を描く。

アクションシーンはそこそこ迫力があり、手を抜かずに作られているし、映像にも重厚感があるのだが、ハイライトシーンをつなぐ部分の退屈さが致命的で、話があまり頭に入ってこない。登場人物どうしがどのようにかかわっているのかがよくわからないまま、物語が進むため、ほとんど感情移入できなかった。なので、本ブログでは珍しく、あらすじ紹介はなし。クライマックスでは、パン(ジェット・リー)がアルフ(アンディ・ラウ)を殺そうとするのを防ぐため、ウーヤン(金城武)がアルフの妻のリィエン(シュー・ジンレイ)を殺すが、アルフも暗殺されてしまったため、怒ったウーヤンがパンを刺し殺すのだが、この展開の理由がほぼ全て分からなかった。分かったのはウーヤンがパンを殺そうとした理由(義兄弟を殺す者は許さないという理由)だが、なぜパンがアルフを殺すのか、なぜリィエンが死ねばアルフは助かるのか、なぜパンはウーヤンに勝てたにもかかわらず刺し殺される道を選んだのかなど、不可解すぎた。見直せば分かるのかもしれないが、その気力はなかった。

【5段階評価】2

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2012年12月22日 (土)

(911) アイアンマン2

【監督】ジョン・ファブロー
【出演】ロバート・ダウニー・Jr.、ミッキー・ローク、グウィネス・パルトロウ、ドン・チードル
【制作】2010年、アメリカ

アメコミ映画、「アイアンマン」の続編。

アイアンマンとして世界平和に貢献していると豪語するトニー・タークス(ロバート・ダウニー・Jr.)だったが、政府は彼のパワードスーツを武器ととらえて引き渡しを要求。動力源のパラジウムによる毒にもさいなまれ、彼の心はすさんでいた。
そんな中、トニーの父(ジョン・スラッテリー)と共同研究をしていたロシアの科学者、アントン・バンコが、スパイの汚名を着せられたまま死亡。息子のイワン(ミッキー・ローク)はタークス家を恨み、自ら電気ムチのついたパワードスーツを作り上げ、復讐に訪れる。なんとかそれをはねのけたトニーだったが、トニーをライバル視するハマー(サム・ロックウェル)は、逮捕されたイワンを奪取して自分の研究所に招き入れ、パワードスーツを開発させる。イワンはハマーの言うことを聞かずにロボットタイプの兵器と自分用のスーツを作成し、アイアンマンに総攻撃をかける。
トニーの仲間、ジェームズ(ドン・チードル)も、アイアンマンと同じパワードスーツを身につけていたが、イワンにハッキングされて制御が効かなくなり、アイアンマンを攻撃。トニーを監視していたナタリー(スカーレット・ヨハンソン)は、ブラック・ウィドーとなってイワンのいる施設に乗り込み、ハッキングを解除。トニーとジェームズは協力して、パワードスーツをまとったイワンを倒す。

豪華な俳優、スピード感のある洗練された映像、迫力ある戦闘シーンが目白押しで、手を抜いている部分はないはずなのだが、あまりのめりこめなかった。昔の特撮映画には、どうやって撮影したのだろう、という、タネの分からない手品のような魅力があったのだが、最近はCGで何でもありなので、カーレースの車がどれだけ宙を舞おうが、ロボット兵器が高速で空を飛ぼうが、撮影技術に対する驚きがわかず、そうすると作る方も、視認不能となるギリギリまでスピードを上げたりカメラワークをめまぐるしく変えたりして、だんだん何が起こっているのか分からない映像になってしまっているのが、のめりこめない理由であるように感じる。「シャーロック・ホームズ」では、ハイライトシーンをあえて超スローモーションにして、何が何だか分からなくなりがちな映像に迫力を与えることに成功している。

【5段階評価】3

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2012年12月20日 (木)

(910) 戦場のメリークリスマス

【監督】大島渚
【出演】坂本龍一、ビートたけし、デビッド・ボウイ、トム・コンティ
【制作】日本・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド

第二次世界大戦時の日本の俘虜収容所での日本兵と俘虜のかかわりを描く。

舞台はジャワ島にある日本軍の捕虜収容所。粗暴な性格のハラ軍曹(ビートたけし)は、オランダ人捕虜を犯した朝鮮人軍属のカネモト(ジョニー大倉)に切腹を命じるが、上長のヨノイ大尉(坂本龍一)はそれを中止させる。ヨノイは、銃殺刑を言い渡されたイギリス兵の捕虜、セリアズ(デビッド・ボウイ)を助け、自分の収容所に入れる。
収容所で通訳係となっているローレンス(トム・コンティ)は大和魂を重んじすぎるがあまり、英語を全く理解しようとせず、捕虜に容赦のないハラに困惑しつつも、奇妙な友情が芽生えていく。
ヨノイは、敵軍の情報を尋ねても頑として答えないヒックスリー(ジャック・トンプソン)を、全捕虜の眼前で斬り殺そうとするが、そこにセリアズが歩み寄り、ヨノイの両ほほに口づけをする。このときのヨノイの狼狽ぶりを示す映像は秀逸。大尉を侮辱した罪で、セリアズは生き埋めにされる。しかし、ヨノイはセリアズに敬意を表し、瀕死の彼から遺髪となる髪を切り取る。
そして戦争は終わり、ハラは戦犯として処刑されることになる。ローレンスは彼のもとを尋ねる。ハラは英語を話すようになっており、自分は死ぬ覚悟はできたと言いつつも、自分は他の人と同じようにやっていただけだ、と、極刑に戸惑う心境を吐露する。神の加護を祈って立ち去るローレンスに、ハラは「メリークリスマス、ミスター・ローレンス、メリークリスマス」と伝える。その顔は、サンタからのプレゼントを心から願う少年のようであった。

ミュージシャンの坂本龍一が主役級の配役。英語での台詞も多く、そうとう大変だったとは思うが、台詞がかみそうだったり、怒る演技が貫ききれずに息切れしたようになったり、観ている方としては若干ハラハラした。ビートたけしもちょっと大根役者っぽいのだが、それはそれで味があるように見えるのが、彼の魅力だろう。坂本龍一の手がけたテーマ曲も素晴らしい。
面白いというのとは少し違うが、特異な存在感を放つ作品だ。

【5段階評価】3

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2012年12月19日 (水)

(909) キル・ビル Vol.2

【監督】クエンティン・タランティーノ
【出演】ユマ・サーマン、デビッド・キャラダイン、マイケル・マドセン、ダリル・ハンナ
【制作】2004年、アメリカ

アクション映画「キル・ビル Vol.1」の続編。

ベアトリクス・キドー(ユマ・サーマン)は、自分を襲ったビル(デビッド・キャラダイン)らへの復讐のため、アメリカに戻る。彼女はまず、ビルの弟、バド(マイケル・マドセン)の家に向かうが、返り討ちに遭い、生き埋めにされてしまう。しかし、中国での特訓の成果を生かして脱出する。
ベアトリクスの日本刀を手にしたバドは、それをエル(ダリル・ハンナ)に100万ドルで売ろうとするが、エルは札束の中に毒蛇を仕込んでバドを殺害。そこにベアトリクスが乗り込み、死闘を演じる。エルは中国での修行中、暴言を吐いて師匠に片目をくりぬかれてしまったため、師匠を毒殺。怒ったベアトリクスはエルのもう一方の目を抜き取り、復讐を遂げる。
ベアトリクスは、ビルの居所を突き止めるが、襲撃の際に身ごもっていた自分の娘がいた。ビルはベアトリクスに自白剤を打ち、なぜ子どもとともに逃げたのかを尋ねる。お腹の子の父親はビルだったのだ。彼女は娘をビルのもとで育てることはできないと考え、逃走していた。ビルはベアトリクスが自分から逃げ、しかも妊娠していたことで混乱し、手下を使ってベアトリクスを襲ったのだと告白する。
互いの気持ちを理解した二人の決闘が始まり、ベアトリクスは、師匠から伝授された五点掌爆心拳を打ち込み、ビルを葬る。
ベアトリクスは娘のB.B.(パーラ・ヘイニー=ジャーディン)と生きていくのだった。

ビルがベアトリクスを襲撃した理由が明らかとなり、物語は結末を迎える。映像は型破りだが、ストーリーはそこそこまともだった。ベアトリクスの娘を演じたパーラ・ヘイニー=ジャーディンはかわいかった。

【5段階評価】3

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2012年12月18日 (火)

(908) キル・ビル Vol.1

【監督】クエンティン・タランティーノ
【出演】ユマ・サーマン、ルーシー・リュー、栗山千明
【制作】2003年、アメリカ

殺し屋の復讐劇を描いたアクション映画。

殺し屋のザ・ブライド(ユマ・サーマン)は、結婚式のリハーサルをビルとその部下に襲撃される。婚約者は殺され、自身も昏睡状態に陥る。
昏睡から目覚めた彼女はバニータ・グリーン(ビビカ・A・フォックス)に復讐を遂げると、オーレン石井(ルーシー・リュー)を倒すために沖縄に飛ぶ。そこで日本刀を手に入れると東京に向かい、石井のいる料亭に向かう。ブライドは石井の手下の一人、鎖の付いた鉄球を扱うゴーゴー夕張(栗山千明)を倒すと、石井を一騎打ちの上、頭部を切断して石井を倒す。石井の部下、ソフィ(ジュリー・ドレフュス)からビルの情報を聞き出した彼女は、機中でビルへの復讐を心に誓うのだった。

首や腕が切り落とされて血が噴き出すといった、70-80年代の角川映画(「伊賀忍法帖」や「戦国自衛隊」など)のようなど派手な演出で殺し合いを映像化。見た目のおもしろさに徹していて、ストーリーは希薄で感動もない。ブライドが機内に日本刀を持ち込んでいるのも、演出重視でリアリティは二の次。その割に、俳優は一生懸命、片言の日本語を話していた。
アメリカ映画では、登場人物が英語圏の人間ではないのに全員英語で話すということがよくあるが、こうして日本が舞台だからと言って日本語を話すようにすると、それはそれで見ていて気持ち悪いということが分かった。

【5段階評価】3

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2012年12月17日 (月)

(907) マルサの女

【監督】伊丹十三
【出演】宮本信子、山崎努、津川雅彦
【制作】1987年、日本

伊丹十三監督作品、第3作。国税査察官、「マルサ」の活躍を描く。

港町税務署の職員、板倉亮子(宮本信子)は、勤勉な仕事ぶりが認められ、国税局の査察官となる。
港町で荒稼ぎをしている権藤(山崎努)に脱税の疑惑を持っていた亮子は、権藤のガサ入れに参加。自宅、経営するラブホテル、銀行、暴力団事務所、二号の家に同時に乗り込むが、隠した資産を見つけることができない。亮子の上司、花村(津川雅彦)は、亮子に権藤の視線を追うよう指示し、権藤に話しかける。権藤の目が書棚に向いたことを確認した二人は、書棚を一斉に調べるが、何も出てこない。途方に暮れた亮子が書棚にもたれかかると、突如、書棚が動き、隠し扉の奥に大金と金塊を発見。ついに権藤は落ちる。
息子に金を遺すためなら何でもすると言っていた権藤だったが、亮子は「財産残すより、権藤さんのたくましさそのものを遺すことを考えた方がいい」と忠告。それを聞いた権藤は、血文字で貸し金庫の暗唱番号を亮子に伝え、立ち去るのだった。

所得除外がばれたパチンコ屋店長(伊東四朗)の顔が真っ赤になるという演出は、「タンポポ」でも、空気を読まずに高価な料理を頼む社員に上司が顔を真っ赤にするシーンで登場するが、とても印象的。総菜屋の自家消費が売上になることや、飲食店のレシートの連番がおかしいことのからくり、印鑑や現金の隠し方など、取材で得た情報が惜しみなくつぎこまれたり、ラブホテルに「花のような少女」(エンドロールでこのように出る)(山下容莉枝)が連れ込まれるやるせなさ、会社ぐるみの嘘がばれて首の引きつけがとまらなくなる銀行職員など、退屈なシーンを退屈にさせない細かい演出もたっぷりで、これぞ面白い映画、とうならされる。
また、本多俊之のテーマ曲もすばらしい。5拍子という珍しいテンポが都会的で、そこに怪しげな戦慄が重なり、一度聞いたら忘れられない名曲だ。

【5段階評価】5

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2012年12月16日 (日)

(906) 最高の人生の見つけ方

【監督】ロブ・ライナー
【出演】ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン
【制作】2007年、アメリカ

余命宣告を受けた二人の老人が、死ぬ前に人生を楽しむ旅に出る。

クイズが得意な自動車修理工、カーター(モーガン・フリーマン)と、病院を経営する富豪、エドワード(ジャック・ニコルソン)が病院で相部屋になる。二人は同じ時期に余命6ヶ月と宣告される。
カーターはベッドの上で、死ぬまでにやりたいことを書き始める。それはかつて大学生時代にもやったことのある手慰みで、いわば人生の夢だったが、それを見たエドワードは、今こそ実現するときだとカーターを説得。カーターは妻の反対を押し切り、エドワードと旅に出る。
二人はスカイダイビングやカーレース、ピラミッド登頂やエベレストの登山など、人生を謳歌する。
豪華な食事の最中、エドワードは、自分には娘がいるが断絶状態にあるとカーターに告げる。カーターは、娘に会うことをリストに加えようとするが、エドワードは拒絶。やがて妻の元に戻ることにしたカーターは、機転を利かせて帰りの車をエドワードの娘の家に向かわせるが、エドワードは激怒し、二人は別れてしまう。
自宅に戻ったカーターだったが病状が悪化して倒れてしまい、ほどなく逝去する。カーターはエドワードに手紙を遺しており、それを読んだエドワードは娘への再会を決意。エドワードも亡くなり、彼の遺灰はエベレストの頂上に置かれたカーターの遺灰の横に安置されるのだった。

原題は「The Bucket List」。紙(あの黄色い紙って海外独特だよな)に書かれていたやりたいことリストのことだ。シンプルな映画らしいタイトルだが、邦題の「最高の人生の見つけ方」は、なんかオサレっぽくてイヤだった。確かに日本語に訳しにくいが、このbucket(バケツ)っていうのは、首つり自殺をする人が死ぬ直前に乗っているバケツを蹴るというところから来ているので、人生の見つけ方と言うよりは、最高のくたばり方、という方が原題には近かったりする。
とは言え、エドワードが娘と和解し、寄ってきた孫娘にキスをして「世界一の美女にキスをする」という項目を消したところは、なかなかよかった。
エドワードが愛する最高級コーヒー、コピ・ルアック。「かもめ食堂」でもおまじないの言葉として登場するが、この豆がジャコウネコの糞からとられることはウンチクとしてはかなり有名であり、自分も知っていたので、コピ・ルアックをこよなく愛するエドワードが、カーターに言われるまで知らなかったという設定には、ちょっと疑問符がついてしまった。

【5段階評価】3

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2012年12月15日 (土)

(905) 刑事物語

【監督】渡邊祐介
【出演】武田鉄矢、有賀久代、田中邦衛、小林昭二、草薙幸二郎
【制作】1982年、日本

武田鉄矢主演の刑事ものシリーズ第1作。

博多で売春宿の摘発に関わった刑事、片山(武田鉄矢)は、そこで売春をさせられていたみよりのない聾唖の女性、ひさ子(有賀久代)を引き取り、沼津に転勤する。片山は藤堂係長(小林昭二)らとともに婦女連続殺人事件を追う。
片山は、昔なじみの老人、工藤(花沢徳衛)から、暴力団の経営するトルコ風呂で売春が行われているという情報を聞き、仲間と乗り込むが、片山の蟷螂拳が度を超し、怯えた犯人の一人が屋上から転落して死亡してしまう。死亡したのはクリーニング屋の店員だった。
その後、片山はひさ子を狙っていると思しき暴走族から暴行される。片山は仲間の沢木(岡本富士太)とともにひさ子を監視する。すると、クリーニング屋の店員がひさ子を拉致する。クリーニング屋がめぼしい女性を見つけて売春を斡旋していたのだ。片山はハンガーを使った蟷螂拳で犯人をなぎ倒す。黒幕は経営者の秋吉(草薙幸二郎)だった。拳銃を撃ってくる秋吉に、片山は威嚇射撃をした上で彼を逮捕。しかし、6発の実射が問題となり、彼は青森に転任することとなる。
彼が愛情を注いでいたひさ子は、同じ聾唖者の村上(田中邦衛)と生きていく道を選び、片山は一人、列車に乗るのだった。

吉田拓郎の主題歌、「ええかげんなやつじゃけぇ」で始まる「唇をかみしめて」が有名な作品。
カットとしては短いが、ハンガー・ヌンチャクも面白い。「トルコ風呂」という表現が何度も出てくるのが、当時を偲ばせる。
女性のおっぱいや全裸の女性が出まくるので、家族で観るのはお薦めしない。しかし、風俗店だからとは言え、有事の際には、廊下に全裸の女性がうずくまったり走り回ったりするのが普通なんだろうか。聾唖の女性を演じた有賀久代は、本作だけで女優を引退したそうだ。一方、聾唖の男性を演じた田中邦衛は、言わずとしれた名優だが、聾唖の演技がふだんのしゃべり方と微妙にかぶっていたのがおかしかった。

【5段階評価】3

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2012年12月14日 (金)

(904) 私の優しくない先輩

【監督】山本寛
【出演】川島海荷、金田哲、入江甚儀、児玉絹世
【制作】2010年、日本

日日日(あきら)原作小説の映画化作品。高校生が主人公のラブコメ。

九州の火蜥蜴(ひとかげ)島に引っ越してきた西表耶麻子(川島海荷)は、先輩の南愛治(入江甚儀)に憧れており、密かにラブレターをしたためる。そのラブレターを、マット運動部の先輩、不破(金田哲)に見つけられてしまう。不破は暑苦しい性格で耶麻子は毛嫌いしていたが、不破は耶麻子と南がキスまでたどり着くための作戦を計画する。それは、祭りの屋台でたこ焼き屋をやることにし、それに南を誘い込むというものだった。
耶麻子はおとなしい性格の筧喜久子(児玉絹世)を誘い込むが、南は喜久子に告白してしまう。落ち込む耶麻子を不破は励ます。祭りの当日、実は煙草を吸う不良だった南は店には来ず、3人で屋台をきりもりする。不破は耶麻子をけしかけ、南に告白させるが、南は「煙草を吸っていることを黙ってくれるなら」と言い、耶麻子は南に幻滅する。
ふっきれたように不破とはしゃぐ耶麻子だったが、持病の心臓の発作が起き、耶麻子は倒れてしまう。彼女を病院に運んだのは不破だった。死ぬまでにキスしたいと願っていた耶麻子のキスの相手は、彼女の快復を願う不破だった。
快復した耶麻子は不破のことを大嫌いでありつつも大好きになるのだった。

序盤から「嫌われ松子の一生」のような歌と踊りが始まるのだが、この演出はここだけ。その後は主に主人公のナレーションで話が進む。スカート姿の耶麻子が、宙吊りになったり、ローアングルから撮られたりバク転をしたりと、思わず目が釘付けになるシーンもあるが、当然パンチラはない。
エンディングの長回しの歌とダンスはまあまあ見応えがあったが、広末涼子のデビュー曲のカバーというのが非常に残念だった。往年の名曲というほどの歌でもなく、選曲が微妙すぎた。
一部の識者が本作を酷評しているが、それほど目くじらを立てるほどのことはなく、普通に楽しめる作品だった。

【5段階評価】3

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2012年12月13日 (木)

(903) スカイ・クロラ The Sky Crawlers

【監督】押井守
【出演】加瀬亮(声)、菊地凛子(声)、谷原章介(声)
【制作】2008年、日本

森博嗣原作小説の映画化作品。

パイロットとして軍隊に赴任した函南優一(加瀬亮)は、整備士の笹倉(榊原良子)から戦闘機を指定される。前任の栗田仁郞(じんろう)からの引き継ぎがないことを不審に思いつつも、同部屋の土岐野(谷原章介)と戦闘に加わる。敵軍にはティーチャと呼ばれる無敵の戦闘機がおり、仲間が犠牲となる。
パイロットに就くのは、キルドレと呼ばれる、遺伝子の異変により年を取らない青年達だった。函南のあとに赴任した三ツ矢碧(栗山千明)は、自分たちが死んでも、飛行技術を絶やさないようクローン再生されているのだ、という仮説を函南に話す。
函南はどうやら、仁郎の生まれ変わりだったようだ。函南は生前の仁郎と関係があったらしい上長の草薙(菊地凛子)と仲を深めていく。草薙は、仁郎を撃ち殺したと噂になっていた。草薙は、今度は自分を殺せと函南に告げるが、函南は生きろと答える。
函南はティーチャに挑み、撃墜される。そしてまた、第二の函南が基地を訪れるのだった。

CGと2次元アニメを融合させた作品。いかにも映像美を楽しめといわんばかりの自己満足的なシーンが続き、雰囲気も退廃的なので、全体を通して退屈だった。声優は豪華だが、上品に作りすぎた感じだった。

【5段階評価】2

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2012年12月12日 (水)

(902) ボーン・スプレマシー

【監督】ポール・グリーングラス
【出演】マット・デイモン、ジョアン・アレン、ブライアン・コックス
【制作】2004年、アメリカ

ジェイソン・ボーン・シリーズ第2作。記憶を失った暗殺者が、自らの記憶をたどる。

恋人のマリー(フランカ・ポテンテ)とインドで静かに暮らしていたジェイソン・ボーン(マット・デイモン)だったが、自分を狙う暗殺者の存在に気づく。ボーンはマリーを車に乗せて逃走するが、暗殺者は車を狙撃。狙いははずれ、マリーが命を落とす。
ベルリンで事件を追っていたパメラ・ランディ(ジョアン・アレン)は、現場に残った指紋が、トレッドストーン計画によって生み出されたボーンのものであることを突き止める。彼女はトレッドストーン計画の関係者、アボット(ブライアン・コックス)に話を聞くが、彼は過去をほじくり返されるのをいやがった。彼はモスクワの関係者と手を組み、CIAの資金を横領していたのだ。
捜査の手がボーンに及ぶが、ボーンはたくみに捜査の手を逃れ、自分の記憶の断片をたどっていく。そして自分がかつて、ベルリンのホテルでロシアの要人を妻ごと暗殺したことを知る。
ボーンはアボットのホテルに忍び込み、彼がマリー殺害の指示をしていたことを聞き出し、それを録音する。観念したアボットはあとから来たパメラの目の前で自殺。ボーンの録音したアボットの証言はパメラのもとに届き、共犯だったロシアの関係者も逮捕される。
モスクワに向かったボーンは、熾烈な追撃の手から逃れると、自分が殺害した夫婦の遺した娘に会う。彼は、両親が死んだのは母親が父親を殺して自殺したのではなく、自分が二人を殺したのだと告白し、娘に謝罪する。
ボーンはパメラに電話をし、自分の疑いが晴れたことを確認すると、雑踏の中に消えていくのだった。

大迫力のカースタント、容赦ない格闘シーンなど、ジェイソン・ボーン・シリーズの魅力がつまった作品。2作目ということで、1作目3作目に比べると、ほんの少しだけ中だるみ感を感じてしまったが、細かいカット割りでスピーディかつ精細なボーンの行動を描く演出は小気味よく、見応えがある。

【5段階評価】4

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2012年12月11日 (火)

(901) 禁じられた遊び

【監督】ルネ・クレマン
【出演】ブリジット・フォセー、ジョルジュ・プージュリー
【制作】1952年、フランス

ギターの名曲「愛のロマンス」で有名なフランス映画。

幼い少女、ポレット(ブリジット・フォセー)は、ドイツ軍の空爆から逃れるため、両親と移動を続けていた。ところが、走り出した飼い犬を追いかけたポレットを救おうとした両親が、機銃掃射により命を落としてしまう。
身寄りがなくなり、死の意味もよくわからないまま、子犬の亡骸をかかえてさまようポレットは、やがて牛飼いをしている少年、ミシェルと出会う。ミシェルはポレットを家に連れて帰り、家族も彼女を受け入れる。
ミシェルとポレットは死んだ子犬のために、人のいない水車小屋に墓を作るが、ポレットはもっと墓がほしいと言い始める。ミシェルはモグラやヒヨコ、ミミズの死骸などを集めては墓に埋めるが、ポレットは墓にふさわしい十字架がほしいと言い出し、ミシェルは懺悔に来たふりをして教会の十字架を盗もうとし、神父に見つかってしまう。
ミシェルは墓にある十字架を盗んで水車小屋に持って行く。墓が荒らされているのを見たミシェルの父は、仲の悪かった隣の家のしわざだと勘違いするが、神父からミシェルが十字架を盗んでいたことを知らされる。
警察がポレットを孤児院に引き取ろうとしているを知ったミシェルは、十字架のある場所を教えるからポレットを家においてほしいと頼むが、父親はミシェルを裏切り、ポレットは赤十字に引き取られてしまう。
修道女に待っているよう言われたポレットは、ミシェルを呼ぶ声を聞きつける。それは、ポレットの知るミシェルとは違う相手に対するものだったが、ポレットは、待っているよう言われた場所から離れて声を追い、そのまま雑踏の中に消えてしまうのだった。

戦争のさなか、死を悼む大人に対して、子どもの死に対する無邪気さを、墓作りに興じる幼い二人を通して描いている。エンディングは意味ありげだが、オチがないのは今ひとつだった。往年の名作ではあるので、一度観ておくのもいいかもしれない。退屈だし、画質も音質も悪いが。

【5段階評価】2

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2012年12月10日 (月)

(900) 蟲師

【監督】大友克洋
【出演】オダギリジョー、大森南朋、蒼井優、江角マキコ
【制作】2007年、日本

漆原友紀原作漫画の実写映画化作品。蟲という存在が、病や霊的な現象の原因となっているという世界を描く。

蟲による災禍から人々を救うことをなりわいとしている蟲師のギンコ(オダギリジョー)は、蛇のように動く虹を探している男、虹郎(大森南朋)に出会う。ギンコは蟲の記録を続ける少女、淡幽(蒼井優)のもとを尋ねるが、淡幽は蟲の影響で体が石化しはじめていた。淡幽と暮らすたま(李麗仙)は、淡幽の腕を切って蟲の毒を除く。ギンコは淡幽が蟲の記録をしていた倉で大量の蟲にとりつかれるが、快復した淡幽がとりついた蟲を追い出し、巻物に封じ込めていく。
歩けるようになったギンコは虹郎と旅を続け、ついに虹蛇(こうだ)を見つける。二人はまた別々の道を行く。

漫画は独特の雰囲気があって読み応えがあるようだが、本作は、オダギリジョー、蒼井優、大森南朋、江角マキコといった俳優をそろえておきながら、なんとも退屈な作品になっている。もっと蟲師の動きにキレをもたせたり、蟲のおどろおどろした雰囲気をしっかり描けばいいのに、特撮はほのかすぎるし、蟲退治のアクションは緩慢だし、昔の妖怪映画を見ているようだった。大友克洋は、漫画家としては天才的だが、映画監督としては「スチームボーイ」もかなり残念な出来だったし、だめかもしれない。

【5段階評価】2

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2012年12月 9日 (日)

(899) サブウェイ123 激突

【監督】トニー・スコット
【出演】デンゼル・ワシントン、ジョン・トラボルタ、ジョン・タトゥーロ
【制作】2009年、アメリカ

身代金目的の地下鉄車両占拠犯罪を描いた作品。

地下鉄職員のウォルター・ガーバー(デンゼル・ワシントン)は、走行中のペラム123号が青信号にもかかわらず停止したことに気付く。ライダー(ジョン・トラボルタ)をリーダーとする犯行グループが地下鉄車両を乗っ取ったのだ。ライダーは先頭車両以外を切り離すと、運行司令部に連絡を入れ、交渉役としてガーバーを指名。彼はガーバーに、ニューヨーク市長に連絡を取り、乗客19人と引き替えに1時間以内に1,000万ドル用意するよう伝える。
連絡を受けた市長は金を用意する。ライダーはガーバーに金を持ってこさせ、一緒に逃亡するが、ガーバー以外の犯人組2人はパトカーに囲まれ、反撃を試みるが死亡。ライダーはタクシーに乗り込み逃走するが、ガーバーは隙をみて警察から託された拳銃を鞄から抜き取り、逃げようとするライダーを追いかけ、橋の上でライダーに追いつく。
絶体絶命となったライダーは、ガーバーに自分を撃つよう命じる。拒絶するガーバーだったが、ライダーの威嚇にひるみ、発砲してしまう。
犯人グループ全員が死亡するという形で事件は解決。市長はガーバーに感謝し、車で家まで送ろうかと問いかけるが、ガーバーは地下鉄に乗って帰宅するのだった。

最近のどんでん返しの多い映画を見慣れていると、実はガーバーはライダーの仲間なんじゃとか、途中で起きた交通事故はライダーが仕組んだもので、運搬係となったバイク隊が犯人の一味なんじゃとか、いろいろ考えすぎてしまったが、展開は意外とシンプル。しかも、緻密な計画を立てた犯人の割には、最後はあっさりと死を望む。
しかも、犯人の真の狙いは1,000万ドルではなく、金相場の高騰にあったようだが、そのあたりのからくりが描かれておらず、何とも分かりづらかった。また、市長に対する因縁もあったようだが、描写不足で、映像に緊迫感はあったものの、展開は期待はずれだった。

【5段階評価】3

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2012年12月 8日 (土)

(898) ランボー3/怒りのアフガン

【監督】ピーター・マクドナルド
【出演】シルベスター・スタローン、リチャード・クレンナ
【制作】1988年、アメリカ

ランボー」シリーズ第3弾。ソ連軍の捕虜となった元上司の救出劇を描く。

バンコクの寺院で仏閣の修復にいそしむランボー(シルベスター・スタローン)のもとに、元上官のトラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)が訪れる。彼はアフガニスタンでの作戦に彼を引き入れようとするが、ランボーは自分の戦争は終わった、と告げ、大佐の依頼を断る。
ところが、大佐がアフガニスタンを侵攻しているソ連軍に捉えられたため、それを知ったランボーは大佐の救出のため、アフガニスタンに向かう。
ランボーは、アフガニスタンの兵士とともにソ連軍の基地に潜入し、大佐を確保。ソ連師団に囲まれ、絶体絶命となるが、そこにアフガニスタンの騎馬兵が大量に現れ、彼らはソ連師団に勝利する。

本作では、ランボーが、脇腹に突き刺さった木の枝を、背中側から指で押して抜き取り、傷口に火薬をまぶして引火して消毒するというシーンがあるが、これもまた、1作目の右腕の傷口同様、本人が本当に負傷したものらしい。ちょっとすごすぎる。
そんな見所はあるものの、本作は、1作目から2作目にかけての大味(おおあじ)感がさらに拡大し、いくら撃たれても死なない主人公とバタバタ倒れる大量の敵兵の話という、非常に陳腐な展開になっている。
弓矢一発でヘリを爆破したり、空を飛べるはずのヘリが戦車と正面衝突してしかも負けてみたり、「!!」というより「??」というシーンが多すぎだった。
そして、さらにこの大味感は、「ランボー/最後の戦場」に引き継がれる。同じスタローン作品の「ロッキー」シリーズでは、名作と評価された1作目の続編が酷評だったものの、最終作は予想を裏切る高評価となった。残念ながらランボーシリーズは、そうはいかなかったようだ。

【5段階評価】3

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2012年12月 7日 (金)

(897) ランボー/怒りの脱出

【監督】ジョージ・P・コスマトス
【出演】シルベスター・スタローン、リチャード・クレンナ、チャールズ・ネイピア
【制作】1985年、アメリカ

ランボー」シリーズ第2弾。ランボーがベトナムの捕虜を救出する。

収容所にいたランボー(シルベスター・スタローン)は、元上司のトラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)から、特赦を条件にある作戦にかり出される。それは、マードック司令官の指揮のもと、ベトナムの捕虜収容所の写真を撮ってくるというものだった。
ランボーは、現地のコー・バオ(ジュリア・ニクソン)という女性の現地案内係と合流し、現地に向かう。ランボーは、マードックから交戦を禁じられていたにもかかわらず、収容所内に潜入し、とらわれていた捕虜を1名救助する。それを知ったマードックは、救出に向かわせていたヘリを帰還させてしまう。マードックのミッションは捕虜の救出ではなく、捕虜はいないという証拠集めだった。米政府としては、行方不明となっている米兵が捕虜として存在していると、救助や補償に費用がかかるため、探したがいなかったというアリバイがほしかった。ところが、使われていないはずの収容所にベトナム軍が再び捕虜を置いていたため、マードックとしては予定が狂ってしまったのだった。
ランボーは救助した捕虜とともに収容所に連れ戻され、激しい拷問を受ける。ランボーに好意を感じていたコー・バオは、娼婦のふりをして収容所に潜入し、ランボーと逃亡に成功。つかの間の休息の会話で、コー・バオはランボーとアメリカに行きたいと言い、ランボーは優しく頷く。さあこの死亡フラグがいつ実現するかと思って観ていると、直後にコー・バオは敵軍の銃弾を浴びて死んでしまう。怒りに火のついたランボーは、コー・バオの首飾りを形見として自らの首にかけると、収容所に再度潜入すると、ヘリを奪って捕虜とともに脱出。基地への帰還に成功する。
ランボーは、怯えるマードックに帰還を告げ、他にもいる捕虜を救出しなければお前を殺すと怒りをぶつけるのだった。

1作目では、多彩な手段で敵を殺さずに仕留めていくゲリラ戦法が魅力だったが、本作では弓矢がランボーの得意武器として登場。ただ、全体的にはよくある戦争映画の機関銃ぶっ放しまくりで人が倒れまくりの大味な戦闘シーンが目立ち、前作の良さがかき消された感は否めない。
とは言え、米兵捕虜の放置という社会問題に焦点を当てており、前作の帰還兵のPTSDほどの切実さではないものの、戦争の傷痕をえぐり出す作品ともなっている。
ちなみに、ランボーがコー・バオと船に乗っているシーンでは、ランボーがコー・バオの問いかけに「俺はただの消耗品さ(I'm expendable)」と答えるシーンがある。彼が2010年に「エクスペンダブルズ」の監督をすることを25年前に暗示しているようで面白い。

【5段階評価】3

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2012年12月 5日 (水)

(896) ランボー

【監督】テッド・コッチェフ
【出演】シルベスター・スタローン、ブライアン・デネヒー、リチャード・クレンナ
【制作】1982年、アメリカ

ベトナムから帰還したグリーン・ベレーの悲劇を描いた作品。

かつての戦友の家を訪ねたジョン・ランボー(シルベスター・スタローン)は、友人がすでに枯れ葉剤の影響により、ガンで死んでいたことを知る。絶望にさいなまれて街を歩くランボーに、保安官のティーズル(ブライアン・デネヒー)が声をかける。彼は自分のいる小さな町によそ者の元軍人が入り込むことを嫌い、彼を車に乗せて町の外に送り出してしまう。自分は何もしていないと言うランボーに、ティーズルは「この町では俺が法律だ」とうそぶく。
納得がいかないランボーは町に戻ろうとするが、ティーズルは浮浪罪と公務執行妨害のかどでランボーを逮捕。ランボーを託された保安官達は、おもしろ半分に彼に冷水を浴びせかけ、無理矢理髭をそろうとする。カミソリを顔に近づける行為が、戦地での拷問の記憶につながったため、ランボーは突如暴れ出し、周囲の保安官を投げ飛ばして警察署から逃走する。ランボーは山奥に逃げ込み、ティーズルは警察犬を狩りだして捜索をする。ランボーに殴り倒された保安官はヘリでランボーを発見。断崖で身動きの取れないランボーに容赦なく発砲し、ランボーは崖から落下。木に引っかかって一命は取り留めるが、右腕に深い傷を負う。ランボーは旋回を続けるヘリに石を投げ、バランスを崩したヘリから保安官が落下し、死亡する。ランボーは自分は何もやってないと投降の意志を示すが、ティーズル達が発砲したため、ランボーは山に逃げ込む。
彼は自分で腕の傷を自ら縫い(このシーンでの血の吹き出し方がものすごくリアルなのだが、実は実際にやったものらしい。スタローンすごすぎ)、グリーンベレー時代に仕込まれた野戦術で、保安官を一人一人戦闘不能にしていく。最後に残ったティーズルにもサバイバルナイフをつきつけ、「殺そうと思えば殺せた。山では俺が法律だ。もう俺にかまうな」と言い残し、立ち去る。
屈辱的な敗北を喫したティーズルは、さらに200人を導入してランボーの逮捕を狙うが、そこに、ランボーの上司、トラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)が現れ、彼の説得に乗り出す。
しかし、民間人からなる臨時の部隊は統制が効かず、ティーズルの指令を無視してランボーの潜む廃坑にロケットランチャーを放ってしまう。ランボーは何とか逃げ延び、トラックを強奪して町に戻る。
ランボーはガソリンスタンドに放火し、トラックに積載されていた機銃を奪って電力設備を破壊。警察署に残るティーズルは屋上でランボーを迎え撃とうとするが、あえなくランボーの銃撃を食らって瀕死となる。ランボーは警察に完全に包囲されるが、トラウトマン大佐が説得に現れる。
ランボーは、ベトナムで必死に戦ったのに戦争には勝てず、アメリカに戻れば赤子殺しと罵られ、駐車場の仕事にも就けない、無残な死を遂げた親友の残像に今もさいなまれている、と自らの悲惨さを嘆き、自分はどうすればいいんだ、と大佐にすがりつく。大佐は彼の背中をやさしく抱くと、そのまま彼を投降させるのだった。

山中でのゲリラ戦術が極めて鮮烈に描かれた名作。原題の「First Blood」を単に「ランボー」としたのも、なかなかよい。
ただ、シルベスター・スタローンの映画は、「ロッキー」もそうだったが、続編にがっかり砲が仕込まれているのも特徴で、本シリーズも続編が作られたが、ベトナム帰還兵の悲劇という主題が、単なるアクション映画ではない作品のコクになっていたのに、だんだんただの乱暴者のアクション映画になりさがってしまっているところが残念。
とは言え、続編がつまらないからといって、それが本作の評価を下げる理由にはならないので、評価は5。無駄な描写もなく、一気に見せられる秀作だ。

【5段階評価】5

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2012年12月 4日 (火)

(895) 岳 -ガク-

【監督】片山修
【出演】小栗旬、長澤まさみ、佐々木蔵之介、渡部篤郎、市毛良枝
【制作】2011年、日本

石塚真一の漫画、「岳」の映画化作品。山岳救助隊の活躍を描いている。

長野県警の山岳救助隊に入った椎名久美(長澤まさみ)は、ボランティアで救助活動を支援している島崎三歩(小栗旬)と出会う。三歩は朗らかな性格で、救助した相手が亡くなっても平気な顔でナポリタンを食べるので、久美はそのがさつさに抵抗を覚える。しかし、隊長の野田(佐々木蔵之介)から、三歩も親友の死という悲しみを乗り越えて今の笑顔があるのだ、という話を聞き、次第に三歩への信頼を深めていく。
そんなとき、悪天候による多重遭難が発生。久美は親子連れの救助に向かうが、救助ヘリが待機しきれずに現場を離脱。久美は遭難者の梶一郎(光石研)とともにクレバスに落下してしまう。
久美は、巨大な雪塊に挟まれた一郎の足を切断し、彼を担いでクレバスを登ろうとするが、そのまま絶命してしまう。そこに久美を捜していた三歩が到着。心肺蘇生して久美は息を吹き返すのだった。

「バーティカル・リミット」をヒューマン・ドラマっぽいほんわかした作品。そのときにも感じたが、みなさん事故おこしすぎ。久美なんて、ふつうに山道歩いているだけで落下して救助されてるし。渡部篤郎演じる牧が、久美に向かって「お前みたいなのをなんて言うか知ってるか。アマチュアだ」と厳しく突き放すシーンがあるが、もはや登山家ですらない。
まあそれと、台詞に含みがないというかひねりがないというかクサいというか、もうちょっとイイ台詞を考えてほしいというか、ベタな台詞には気を遣ってほしいと感じた。TVドラマならともかく、映画なんですから。

【5段階評価】3

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2012年12月 3日 (月)

(894) ターミネーター4

【監督】McG
【出演】クリスチャン・ベール、サム・ワーシントン、アントン・イェルチン
【制作】2009年、アメリカ

「ターミネーター」シリーズ第4作。人類とスカイネットのロボットとの戦いを描く。

スカイネット社のロボットが自我に目覚め、人類の滅亡を画策。抵抗軍のリーダー、ジョン・コナー(クリスチャン・ベール)は、機械側の殺害リストのトップにいるカイル・リース(アントン・イェルチン)を探す。彼は過去にタイムスリップしてジョン・コナーの父親となる男だった。
ロサンゼルスで機械を相手に孤軍奮闘していたカイル・リースに、死刑からよみがえったマーカス(サム・ワーシントン)が遭遇する。彼は、女性科学者、セレーナ(ヘレナ・ボナム=カーター)の示した献体の承諾書にサインをしていた。
カイルが機械軍に捕らえられたことを知ったジョンは、爆撃機を送り込むが返り討ちに遭う。パイロットのブレア(ムーン・ブラッドグッド)は、そこでマーカスに助けられる。ブレアと行動を共にするマーカスは、地雷を踏み、重傷を負う。しかし、マーカスは人間の心臓に機械の体を持つサイボーグだった。
ブレアは、マーカスをジョンのいる基地に連れて行く。マーカスを機械軍のスパイと考えるジョンだったが、マーカスを信じることにし、マーカスを機械軍の基地に潜入させる。
マーカスはカイルを探し出すが、そこに強力なターミネーター、T-800が登場。マーカスとジョンは死闘の末、T-800を倒すが、ジョンは瀕死の重傷を負う。基地に戻ったマーカスは、自分の心臓を使え、と言い残し、ブレアらに別れを告げるのだった。

ターミネーター3」に比べて、特撮の技術も迫力もアップしている。評価5にしてもいいぐらいだったが、往年の名作、「ターミネーター2」に敬意を表して評価4としておく。
サム・ワーシントンは、同じく2009年の作品、「アバター」でも主役を演じている。ジェームズ・キャメロンがMcG監督に勧めたらしい。
一方のクリスチャン・ベールは、「ダークナイト」の主役。
本作の二人は、髪型が似ていたので、序盤はちょっと混乱した。

【5段階評価】4

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2012年12月 2日 (日)

(893) セカンドバージン

【監督】黒崎博
【出演】鈴木京香、長谷川博己、深田恭子
【制作】2011年、日本

NHKのTVドラマの劇場版。

出版社の敏腕プロデューサー、中村るい(鈴木京香)は、年下で既婚の鈴木行(こう)(長谷川博己)を追ってクアラルンプールにいた。中国マフィアに暴行された行は入院中で、るいはその看護をしていた。
行はるいなど知らないという態度を取っていたが、るいは献身的な介護を続ける。行の妻、万里江(深田恭子)も行のもとに訪れ、るいを罵倒するが、無残な行の顔の傷にもひるまずに介護を続けるるいに行を託す。
強すぎるるいから逃げるために中国マフィアと関係を持ったのだと言っていた行だったが、ついにるいに心を開くのだった。

るいと行に何があったのか、という部分が、回想シーンで織り込まれてはいるのだが、TVドラマを見ていないと、るいと行の絆の深さがなかなか読み取れず、楽しめないつくりになってしまっている。いきなりクアラルンプールというのも謎だし。
NHKの話題作というのは、「サラリーマンNEO」もそうだが、NHKが勝手に自ら話題になっていることにしているように思える。鈴木京香の大胆な演技が売りと言われてはいるが、まあ別におっぱいみせたりおしりみせたりするわけでもないし、ありきたりの作品だった。

【5段階評価】2

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2012年12月 1日 (土)

(892) ファンシイダンス

【監督】周防正行
【出演】本木雅弘、鈴木保奈美、大沢健、竹中直人、彦麻呂
【制作】1989年、日本

岡野玲子の漫画「ファンシィダンス」の映画化作品。禅寺で修行をする若者を描いている。

パンクロックバンドのボーカル、陽平(本木雅弘)は、ひ弱な弟、郁生(大沢健)に変わって、住職の父親の後を継ぐため、禅寺の修行に出ることを決意。恋人の真朱(まそほ)(鈴木保奈美)にしばしの別れを告げ、修行に入る。しかし、寺を継がないと言っていた弟も同じ禅寺に入門。郁生はあっけらかんと「自分は跡目は継がず、別の寺に行く」と言う。
光輝(竹中直人)ら先輩僧(古参)のシゴキに耐えながら、陽平はいつしか、仏門の様式美に目覚めていく。
1年以上の修行に耐えた陽平は、修行僧の最高位、首座(しゅそ)となって修行の最終本番に臨み、「法戦式」という難しい問答も立派にこなす。しかし、最後に、彼の軽薄な行動を嫌っていた僧侶から、修行中に女と会っていたのはどういうつもりかという問われ、「あるがまま」と答えたものの、ふらふらと彼に歩み寄ってきた真朱とキスしてしまい、修行はふいになる。彼は再び厳しい修行を続けることになるのだった。

一般の人にはなじみのない世界を丹念に描き、その中に巻き込まれる主人公、いわば観客の分身がとまどいながらも成長していく。後に大ヒットする「シコふんじゃった。」や「Shall we ダンス? 」といったコメディ作品の片鱗を覗かせる作品。
本木雅弘や竹中直人、田口浩正、徳井優、宮坂ひろしといった、周防監督作品の常連となる俳優も多く登場している。
関西弁のイケメン修行僧を演じているのが、「宝石箱や~」の彦摩呂だったのが、衝撃だった。

【5段階評価】3

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