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2012年11月

2012年11月28日 (水)

(891) バイオハザードIV アフターライフ

【監督】ポール・W・S・アンダーソン
【出演】ミラ・ジョボビッチ、アリ・ラーター、ウェントワース・ミラー、ショーン・ロバーツ
【制作】2010年、イギリス・ドイツ・アメリカ

バイオハザード」シリーズ第4弾。

仲間の向かった新天地、アルカディアのあるアラスカに向かったアリス(ミラ・ジョボビッチ)は、仲間の一人、クレア(アリ・ラーター)を見つける。しかし彼女は、アンブレラ社の作った装置を身体にはめ込まれ、行動をコントロールされていた。
彼女を連れてアメリカ本土に戻ったアリスは、刑務所施設の屋上で助けを求める人を発見する。
アリスはビルの屋上にセスナを強引に着陸させ、彼らと合流。彼らは、建物から望遠鏡で臨める位置にあるタンカー、アルカディア号を目指していた。タンカーから救援の放送が流れていたのだ。しかし、最近それが途絶えたのだと言う。
刑務所施設は強固な作りだったが、大量のゾンビが周囲を取り囲んでおり、ついに地下からゾンビが潜入。アリスらは、拉致されていたクリス(ウェントワース・ミラー)を解放し、ビルの脱出を試みる。
犠牲を出しながらも、下水溝を使って海に出たアリスらは、アルカディア号に到着。そこには宿敵、ウェスカー(ショーン・ロバーツ)がいた。ウェスカーは口から触手を出してアリスに襲いかかるが、アリスは顔面にショットガンを撃ち込む。ウェスカーは飛行機で逃亡し、タンカーを爆破しようとするが、アリスらは爆弾をあらかじめウェスカーの飛行機に移し替えており、ウェスカーの飛行機は大破する。タンカーには、アンブレラ社に実験台として確保された人々が多数おり、アリスは彼らの解放に成功するのだった。

前作ぐらいから、アリスの身体能力が超絶すぎで、ちょっと映像の持って行き場に困っているような印象だった。雑魚相手のアリスの無双っぷりが、3Dをお楽しみください的なスローモーション多用の映像で、やや興ざめだった。
ちなみに、本作の冒頭のシーンは東京で、若い女性のゾンビがサラリーマンに襲いかかる。女性を演じているのは中島美嘉。なぜか妙に豪華である。

【5段階評価】3

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2012年11月27日 (火)

(890) サラリーマンNEO 劇場版(笑)

【監督】吉田照幸
【出演】小池徹平、生瀬勝久、沢村一樹、篠田麻里子
【制作】2011年、日本

NHKで放送されていたコメディ番組の劇場版。

業界5位のネオビールに入社した新人、新城(小池徹平)は、阪神ファンの課長、中西(生瀬勝久)の部署に配属される。新城はセクシービールという企画を立てるが、業界1位の大黒ビールにアイディアをパクられてしまう。
しかし、彼は開発チームの仲間とともに、「セクスィービール」を開発。大成功を収める。

テレビのネタを知らないと意味が分からないような、内輪受けのような作品だと観る気がそがれるのだが、本作は、特に予備知識がなくても楽しめた。腹を抱えて笑うというほどではなかったが、ニヤッとしてしまうところはちょこちょこあった。

【5段階評価】3

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2012年11月24日 (土)

(889) メイン・テーマ

【監督】森田芳光
【出演】薬師丸ひろ子、野村宏伸、桃井かおり、財津和夫
【制作】1984年、日本

幼稚園の先生と見習いマジシャンの恋愛を描いた作品。

幼稚園の先生をしている小笠原しぶき(薬師丸ひろ子)は、子どもの送迎に来る御前崎(財津和夫)に恋心を抱いていた。御前崎が大阪に引っ越したため、彼女は海岸で偶然知り合った見習いマジシャンの大東島健(野村宏伸)と、彼の4WDで大阪に向かう。途中の浜松で、健はジャズシンガーの伊勢雅世子(桃井かおり)と出会い、彼女の大人の魅力の虜となる。しかし彼女は御前崎の不倫相手だった。
大阪で健と別れたしぶきは、御前崎の家に向かい、しばらく滞在するが、御前崎の妻(渡辺真知子)に渋い顔をされたため、健の故郷、沖縄を訪れる。沖縄に住む姉(太田裕美)の家にやっかいになったしぶきは、しばらくして健と再会する。
ジャズシンガーの雅世子もまた、歌手生活に終止符を打とうと故郷の沖縄に来ており、それを追って御前崎も沖縄に来る。しぶきは御前崎が自分に会いに沖縄に来たと喜ぶが、御前崎の目的は雅世子だった。御前崎と雅世子が親しげに話している場面を見たしぶきはショックを受ける。
雅世子は健に接近するが、それを見とがめたしぶきは雅世子を非難。しぶきは健とも別れる。
しばらくして、しぶきは雅世子に呼び出され、彼女が御前崎と別れたと聞かされる。しぶきも健と別れたと雅世子に告げるが、つきあってもいないのにと言われる。
幼稚園の先生に復帰したしぶきは誕生日を迎える。子どもの見送りを終えたしぶきのもとに、4WDに乗った健が再び登場。二人の関係は修復する。
農家の仕事についた雅世子のもとにも、御前崎が訪ね、二人は熱い抱擁を交わす。
一度は大渋滞にホテル行きを阻まれたしぶきと健だったが、ようやく豪華ホテルにチェックインするのだった。

森田監督らしい、意味の分からない演出が光る。家までの道案内のイラストが、道を歩く子どもや缶蹴りをする少年達を目印にしていたり、紙飛行機の引っかかっている木が地面から生えているのではなくトラックの上に乗っていたり、といった細かな意外性をつないでいるのだが、作品との関わりが分からず、個人的には「それが何なの」とストレスが走る。
クライマックスの大渋滞での大狂乱シーンも、看護師が走り出したり、沿道で焼きそば屋が出たり、花火の上がる中で人々が踊り出したりで意味不明。
しぶきは常にまともなので、「地下鉄のザジ」のように全編にわたって付き合いきれないというわけではなかったが、何が言いたいんだろうなぁ、というイライラがちょっとずつ募った。それでも何となくは青春映画的な切なさを感じさせてくれたので、評価は3。

【5段階評価】3

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2012年11月23日 (金)

(888) ソルト

【監督】フィリップ・ノイス
【出演】アンジェリーナ・ジョリー、リーブ・シュレイバー
【制作】2010年、アメリカ

ロシアとアメリカの大統領暗殺計画を題材にしたスパイ映画。

CIA職員のソルト(アンジョリーナ・ジョリー)は、尋問中のロシア人、オルロフ(ダニエル・オルブリフスキー)から、お前はロシア大統領暗殺を命じられたロシアのスパイだと曝露される。CIAのピーボディ(キウェテル・イジョフォー)は念のためソルトを尋問室に隔離するが、彼女はビルを脱出。ピーボディは、ソルトの上司、テッド・ウィンター(リーブ・シュレイバー)とともに彼女を追うが、ソルトはトレーラーやタンクローリーの屋根に次々と飛び移り、最後はバイクで逃走してしまう。
ソルトは髪を黒く染め、ロシア大統領の参列するアメリカ副大統領の葬儀に潜入。会場を爆破し、ロシア大統領の息の根を止める。現場にたどり着いたピーボディはソルトを逮捕するが、なぜか彼女は、撃てたはずのピーボディに攻撃をしなかった。そのことがひっかかるピーボディ。
車で連行されるソルトだったが、隙を突いて脱走。向かう先はオルロフのいるスパイのアジトだった。そこには、ソルトの夫、マイク(アウグスト・ディール)が拉致されていた。マイクはソルトがスパイとしてアメリカで暮らすための隠れ蓑であり、彼らはソルトの目の前で用済みになったマイクを射殺してしまう。しかし、かつてソルトが北朝鮮でスパイとして拘束された際、彼女の解放のために動いたマイクに、ソルトは本心からの愛を感じていたのだった。彼女は服従のふりをしながらオルロフら全員を殺害し、別のスパイと接触する。使命はホワイトハウス内でのアメリカ大統領の殺害。まず、別のスパイがアメリカ大統領に挑みかかり、現場を混乱に陥れると、緊急用の大統領避難場所にソルトが潜入。大統領を警護するウィンターは、現場にソルトがいることに気づく。警護班が銃で応戦しようとしたとき、突如、ウィンターが銃を奪い取ると、避難室内のスタッフを皆殺しにする。彼こそが、ロシア・スパイの首謀者だった。彼は大統領を殴って昏倒させると、テヘランに向けた核攻撃の発射を準備する。アメリカに中東を攻撃させ、アメリカの地位を失墜させるのが彼の目的だった。ソルトは避難室内でウィンターと再会。部屋に入れてくれと頼む。しかしそのとき、ロシア大統領が死んではおらず、クモの毒によって仮死状態になっていただけだったという報道が避難室内に流れる。それを見たウィンターは、ソルトがもはやロシアに従順なスパイではなくなっていることを知り、一人で計画を続行。ソルトは壁を破壊して避難室内に強行侵入し、何とかミサイルの発射を阻止。そこにようやくピーボディらが突入するが、現場の状況は、ソルトが室内のスタッフを皆殺しにし、ウィンターが大統領を守ったという構図だった。
連行されるソルトをウィンターが狙うが、ソルトは逆に、掛けられた手錠でウィンターを絞殺する。
ピーボディとヘリに乗るソルトは、事件の首謀者はウィンターで、アメリカにはまだウィンターのようなスパイが大量に潜んでいる、それを倒せるのは自分一人だと告げる。ソルトの言葉が真実だと確信したピーボディは、ヘリからのソルトの脱出を手助けする。ヘリから飛び出して川に落下したソルトは、そのまま消えていくのだった。

主人公を怪しみ、どちらかというと進んで撃ち殺そうとしていたピーボディが最後に主人公のよき理解者となるという展開。「交渉人」でも、主人公の射殺を主張していたデビッド・モース演じる刑事が同様の役割を担っており、この手の作品ではよくある手口。
主人公が女性という真新しさはありながらも、やはり若干絵空事めいていて、緊迫感は今ひとつだった。昨今のCGで何でもありという映像技術に観客が慣れてしまっていて、アンジェリーナ・ジョリーの体当たりアクションも、それほど驚異の映像とならないのが哀しいところだ。

【5段階評価】3

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2012年11月22日 (木)

(887) 崖の上のポニョ

【監督】宮崎駿
【出演】奈良柚莉愛(声)、土井洋輝(声)、山口智子(声)
【制作】2008年、日本

スタジオジブリの宮崎駿アニメ。魚の子、ポニョと、少年宗介との出会いを描いた作品。

魚の子、ポニョ(奈良柚莉愛)は、ビンの中にハマってしまったところを少年、宗介(土井洋輝)に助けられる。二人は仲良くなるが、ポニョは父親のフジモト(所ジョージ)に連れ戻される。
宗介のもとに戻りたいポニョは脱走し、宗介のもとに戻る。母親のグランマンマーレ(天海祐希)は、魔法のちからでポニョを人間にしてあげる。

ポニョが現れるシーンでは、町が海に飲み込まれ、人々は船に乗って高台のホテルに集結する。2011年の東日本大震災の前の作品であり、もし震災後であれば、この作品はこんなふうには作れなかっただろう。これを無邪気と取るか、暗示的と取るか、微妙なところだ。

【5段階評価】3

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2012年11月21日 (水)

(886) パーフェクト・ストレンジャー

【監督】ジェームズ・フォーリー
【出演】ハル・ベリー、ブルース・ウィリス、ジョバンニ・リビシ
【制作】2007年、アメリカ

友人の死の謎を追う女性記者を描いたサスペンス。

女性記者のロウィーナ(ハル・ベリー)は、友人のハッカー、マイルズ(ジョバンニ・リビシ)と議員のスクープをものにするが、上からの圧力で記事はボツ。怒ったロウィーナは会社を辞める。そんな彼女に、幼なじみのグレース(ニッキー・エイコックス)が声をかける。彼女はチャットを通じて、広告業界の大物、ハリソン・ヒル(ブルース・ウィリス)と浮気をしているというネタを彼女に提供。しかし、グレースはその後、水死体で発見される。
ロウィーナは、グレースがハリソンに浮気を奥さんにバラすと迫っていたことを知り、ハリソンがグレースの犯人であるという証拠をつかもうとする。
ロウィーナはマイルズに、ハリソンの会社へのハッキングを依頼し、そこの派遣社員になりすます。ハリソンはロウィーナに声をかけ、親しくなっていく。ロウィーナは、マイルズから預かったハッキング用のプログラムをハリソンのPCに仕込もうとするが、ハリソンに見つかってしまう。何とかその場をごまかすロウィーナだったが、彼女の携帯に届いたマイルズのメールがもとで、彼女がハリソンのPCに潜入しようとしていたことがバレてしまう。
彼女は改めてハリソンにチャットを仕掛け、ホテルで待ち合わせる約束を取り付ける。現れたハリソンを警察は逮捕。彼にとって不利な証拠が次々と出され、彼は有罪となる。ハリソンの妻、ミア・ヒル(ポーラ・ミランダ)は冷たく彼が有罪になるさまを見ているのだった。
グレースの遺体からは、瞳孔を拡大させる効果を持つ毒薬、ベラドンナが検出された。眼球を題材としていた写真家のミアは、ベラドンナの利用者であり、事件はミアが仕組んだかのように見えた。しかし、真相は違った。ベラドンナを使っていたのは、ロウィーナ自身だった。
彼女は少女時代、父親から暴行を受けており、母親が父を撲殺。二人で父親の死体を埋めたのだが、その現場を隣に住む幼なじみのグレースが見つめていた。彼女はずっと、ロウィーナを脅迫していたのだ。グレースを亡き者にしようとしていたロウィーナは、グレースの持ってきたハリソンの浮気のネタを利用し、ハリソンをグレース殺しの犯人に仕立て上げていたのだった。マイルズは真相に気付き、ロウィーナにそのことを告げる。しかしロウィーナはマイルズを刺し殺すと、彼が真犯人であるように見せかけ、警察に電話をする。しかし、その光景を窓の外から、一人の男が覗いていた。それは、かつて父親の死体を埋める現場を見ていたグレースのようであった。

ドンデン返しがウリのこの作品。真犯人の含みを持たせるため、たとえばマイルズは純粋にロウィーナが好きなのか、それとも屈折した欲望があるのかハッキリ描かないなど、登場人物の行動規範を明確にせずに物語が展開。そのため、登場人物の関係がわかりづらく、全てが明らかになった後も、何が真実で何が誤解なのか、分かりづらいのが難点だった。同じブルース・ウィリス出演の「シックス・センス」のドンデン返しっぷりが強烈によくできているため、ちょっと見劣りしてしまったのが残念。

【5段階評価】3

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2012年11月20日 (火)

(885) ネバーエンディング・ストーリー

【監督】ウォルフガング・ペーターゼン
【出演】バレット・オリバー、ノア・ハザウェイ、タミー・ストロナッハ
【制作】1984年、西ドイツ・アメリカ

ミヒャエル・エンデの原作、「はてしない物語」の映画化作品。いじめられっ子の少年が、おとぎ話の世界に巻き込まれていく。

母親を亡くし、父親と二人暮らしの少年、バスチアン(バレット・オリバー)は、いじめられっ子に追いかけられ、とある本屋に逃げ込む。そこにいた店主の読んでいた本に興味を持ったバスチアンは、それを無断で借りると、授業をサボって学校の屋根裏部屋で読み始める。
本が描くのは、ファンタージェンという世界。虚無(the nothing)が蔓延し、世界が滅びようとしていた。世界を救うはずの女王は瀕死の病を患っており、世界を救うために一人の少年が立ち上がる。彼の名はアトレーユ(ノア・ハザウェイ)。彼は幾多の冒険をするうち、世界を救うためには、女王に新たな名前をつける必要があるということを知る。名前をつけるのは人間の少年である必要があるというのだ。それこそが、本の読み手であるバスチアンだった。バスチアンは本の世界で女王(タミー・ストロナッハ)に出会い、世界を救うと、伝説の竜、ファルコンに乗り、いじめっ子たちをやっつけるのだった。

原作は2色刷りで現実世界とファンタジー世界を書き分けるという独特の趣向が凝らされていて、とても楽しい。本作は、どう見てもかっこいいとは言えない、バカヅラで寸胴の竜や、いかにもぬいぐるみのオオカミ、グモルクなどが登場して、大人が観るにはちょっと腰がくだけるが、そこそこ楽しめる。リマールの歌うテーマ曲は日本でもヒットした。

【5段階評価】3

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2012年11月19日 (月)

(884) ベスト・キッド

【監督】ハラルド・ズワルト
【出演】ジェイデン・スミス、ジャッキー・チェン、ハン・ウェンウェン
【制作】2010年、アメリカ

往年の名作、「ベスト・キッド」のリメイク。扱う武術が空手からカンフーに変わっているが、原題は「The Karate Kid」のままである。

住み慣れたアメリカから北京に移住することになったドレ(ジェイデン・スミス)は、引越早々、バイオリンを習うメイ・リン(ハン・ウェンウェン)と仲良くなるが、カンフーが得意なチョン(ワン・ツェンウェイ)にいじめられるようになってしまう。
カンフーの練習帰りのチョンをみかけたドレは、仕返しに彼らに水をぶっかけるが、追いかけられ、つかまってしまう。そこに、ドレの住む住宅の管理人、ミスター・ハン(ジャッキー・チェン)が現れ、カンフーを使って殴ることなくチョンたちをこらしめる。
ドレは仲直りのため、ハンを連れてチョンの道場に向かう。しかし、道場主のマスター・リー(ユー・ロングァン)は、敵に情けをかけるな、という冷酷な指導を子供達にしており、仲直りをしようというハンに、戦えと命じる。ハンは武闘大会で決着をつけようとリーに提案。ハンはドレに真のカンフーを教えることにする。
しかし、ハンの指導は、ジャケットを脱ぎ、床に落とし、それをフックに掛け、また取って、それを着る、という行為の繰り返し。かつてドレが、母親にジャケットを床に落としっぱなしにするなと怒られたときに見せた不遜な行動をとがめているだけのように思われたが、実はこの一連の動作が、カンフーにおける攻撃と防御の型となっているのだった。
そして大会の日。見事に勝ち上がっていくドレと、容赦ない戦いで勝ち進むチョンはともに準決勝に進む。ドレの準決勝の相手は、チョンの道場仲間。彼はリーから、試合に勝たなくていいからドレにけがをさせろと言われ、ドレの脚を殴りつける。彼は失格となってドレが決勝に進むが、医者からもう試合は無理だと告げられる。決勝に残ったチョンは、不戦勝による優勝を手にしようとしていたが、そこにドレが登場。最後は片足での回転蹴りでチョンを倒す。
チョンはとうとうドレを認め、自らドレに優勝トロフィーを手渡すと、師匠のハンに篤い礼をするのだった。

子供の格闘技大会の話ではあるが、なかなか感動的な作品だった。ヒロイン役のハン・ウェンウェンが、「ベスト・キッド2」のタムリン・トミタに比べると決して美少女ではないけれど、愛嬌があって印象に残った。ジェイデン・スミスは、言わずとしれたウィル・スミスの息子。「地球が静止する日」でも重要な役どころを演じており、「幸せのちから」では父親とも共演している。

【5段階評価】4

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2012年11月18日 (日)

(883) 時をかける少女

【監督】大林宣彦
【出演】原田知世、高柳良一、尾美としのり
【制作】1983年、日本

筒井康隆原作の青春SF小説の映画化作品。大林宣彦監督の「尾道三部作」の2作目である。

高校一年生の芳山和子(原田知世)は、幼なじみの吾郎(尾美としのり)と深町(高柳良一)と理科室の掃除をしているとき、ラベンダーのにおいのする薬品をかいで、気絶してしまう。
目覚めた和子は、一度体験した地震や吾郎の家の火事、古典の授業を、繰り返し体験することになり、自分のおかしな能力に思い悩む。
悩みを幼なじみの深町に相談する和子だったが、子どもの頃、彼が指に受けたはずの傷跡がないことに気付く。指に傷があるのは吾郎だった。和子はラベンダーのにおいをかいで気絶した、土曜日の実験室に戻ることを願い、深町はそれに協力する。
深町は、タイムリープにより未来からやってきた人間だった。吾郎の思い出を借りて、和子のいる世界に来ていたのだ。深町は和子の記憶を消して未来に戻ると言う。和子は記憶を消されることをいやがるが、深町は和子に不思議なにおいをかがせ、未来へ戻っていくのだった。

原田知世のデビュー作。尾道の風景と彼女の魅力が融合し、古風な中にも清新な印象が強烈。青春のノスタルジーを感じさせる名作になっている。主題歌もヒットした。

【5段階評価】4

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2012年11月17日 (土)

(882) アウトレイジ

【監督】北野武
【出演】北野武、椎名桔平、加瀬亮、國村隼、北村総一朗、三浦友和
【制作】2010年、日本

ヤクザ同士の血で血を洗う抗争を描いた作品。

池元組を率いる池元(國村隼)は、麻薬密売を手がける村瀬(石橋蓮司)と兄弟杯を交わしていたが、池元の親分、山王会会長の関内(北村総一朗)は、村瀬の行為を自分のシマの侮辱と考え、側近の加藤(三浦友和)をどなりつける。
池元は加藤に責められたため、配下の組長、大友(北野武)に村瀬をいためつけるよう指令。大友組の組員、岡崎(坂田聡)が、村瀬組の経営するぼったくりバーに引っかかり、バーの店員はそうとは知らず、支払いの取り立てのため、大友組の事務所に入ってしまう。店員は半ば無理矢理100万を突きつけられ、持って帰るが、村瀬はそれを聞いて激怒し、店員に指を詰めさせると、若頭の木村(中野英雄)とともに詫びを入れに行かせる。しかし、大友組の組員は木村にお前が指を詰めろとあおり立て、木村は差し出されたカッターナイフで無理矢理小指を切ろうとする。それを見ていた大友は、突然、カッターナイフを取り上げると、木村の顔面を激しく切りつける。木村は激しい憎悪の感情を高ぶらせながら、大友組を後にする。
岡崎はぼったくりバーに再度訪れ、店員達をさんざん挑発。怒った店員らは、岡崎を殴り殺して報復する。それを知った関内は、身内の恥だと池元をどなりつける。池元の腹心、小沢(杉本哲太)は、大友にけじめをつけるよう指示。大友はヒットマンを使って地元に帰ろうとしていた店員を電車内で射殺する。
手打ちを願う村瀬は、池元と連れだって関内のもとを訪れる。関内は、表面上は村瀬を許すが、加藤は、会長はまだお怒りだと池元に告げたため、池元はさらに村瀬を痛めつけるよう大友に指示。大友は歯医者にいた村瀬を襲い、治療器具で村瀬を拷問する。村瀬は加藤のもとに向かうが、加藤は池元が暴走したのだと嘘をつき、池元にわびを入れて形だけでも引退しろと村瀬に示唆。これにより、大友組は実質的に村瀬組のシマを支配することになる。
大友組の頭脳派、石原(加瀬亮)は、村瀬組が密売場所として利用していた某国大使館を乗っ取り、そこを違法カジノにしてアガリをせしめるようになる。それでも村瀬は、隠れて麻薬の密売を続けていたため、池元は大友に村瀬の始末を指示。自分のところの若い者ばかり使うわけにはいかない、と断る大友だったが、自分で行けと言われてしまい、結局自分で、サウナにいる村瀬を射殺する。
村瀬のシマのアガリを狙っていた関内は、この事件で大友が逮捕されることを予想していたが、大友は証拠不十分で釈放。関内は加藤を通して、池元に大友を破門させる。大友が指を詰めて関内に詫びに行くと、関内は大友に期待の言葉をかけ、池元を始末することを示唆。池元に対する怒りが頂点に達していた大友は、カジノに入り浸っていた池元を別室に連れ込み、舌を出せと池元にすごみ、舌を出した池元のあごを殴って舌をかみ切らせた上で撃ち殺す。
関内はまた小沢にも、池元組を継ぐのであれば親を殺されたかたきを討たなければならないと大友組の始末を示唆。勢力にまさる池元組は、次々と大友組の連中を殺害。腹心の安倍(森永健司)は銃殺され、水野(椎名桔平)は、一方を道路脇の鉄柵にくくりつけたひもを首にかけられた状態で、乗せられた車を急発進させられ、首がほとんどちぎれるようにして死亡。一人となった大友は、これまでバカにしていたマル暴の刑事、片岡(小日向文世)に連絡を取り、刑務所に逃れる。
小沢は関内に大友組の一掃を報告するが、加藤は小沢を射殺。それを愉快そうに見ていた関内だったが、加藤は関内も射殺し、会長にのし上がる。
刑務所内での自由時間中、ベンチに座ってぼんやりしている大友だったが、突如、腹部に激痛が走る。服役していた木村が大友の腹を刺していた。「木村か・・・! 」の言葉を残し、大友は倒れる。
会長となった加藤のもとに大友死亡の報を携えた片岡が登場。加藤の横には、大友組の頭脳派、石原がいるのだった。

すさまじい暴力シーン、小気味よいテンポ、啖呵の応酬など、見応えのある作品。俳優陣も豪華で、監督の力量とセンスに感嘆する。昔の任侠映画のように、暴力団をかっこよく見せないところがいい。誰かに殺されるまで誰かを殺し続けるしかなく、それでも決して安寧にたどり着けず、破滅の一途をたどる。登場人物の誰一人、成功者とは言えない。生き残った者、のし上がった者もまた、新たな脅威に怯え続けるだけ。そこにかろうじて存在する美学を、うまく描いている。

【5段階評価】5

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2012年11月16日 (金)

(881) パニック・ルーム

【監督】デビッド・フィンチャー
【出演】ジョディ・フォスター、クリステン・スチュワート、フォレスト・ウィテカー
【制作】2002年、アメリカ

自宅を強盗に襲われた母子と犯人との攻防を描いた作品。

夫と離婚したメグ(ジョディ・フォスター)は、娘のサラ(クリステン・スチュワート)とともに、パニック・ルームつきの家に引っ越す。ところが引っ越し初日、その家が空家だと考えた3人組が、前の住人の残した資産を狙って家に忍び込む。
リーダーのジュニア(ジャレット・レト)は、中に人がいることに気付くが、計画を強行しようとする。警備会社に勤めているバーナム(フォレスト・ウィテカー)は帰ろうとするが、ジュニアに半ば脅されるように計画に加わる。ジュニアはもう一人、得体の知れない男、ラウール(ドワイト・ヨアカム)を連れてきていた。
3人は、メグとサラを取り押さえてパニック・ルーム内の金庫を開けようとするが、メグは3人に気付き、娘とともにパニック・ルームに逃げ込んでしまう。
バーナムは、2人を追い出そうとパニック・ルーム内にプロパンガスを送り込むが、メグは着火装置で反撃。壁に耳を押し当てていたジュニアは、顔や腕にやけどを負ってしまう。メグは部屋の中の電話回線を使って分かれた夫に電話をかける。バーナムとラウールはそれに気づき、電話回線を慌てて切断する。
計画が破綻したジュニアは諦めて帰ろうとするが、ラウールがジュニアを射殺。呆然とするバーナム。そこに、メグの元夫、スティーブン(パトリック・ボーショー)がやってくる。
バーナムは、ラウールがスティーブンに暴行を加える場面を、監視カメラを通してメグに見せ、パニック・ルームの扉を開けるよう迫る。しかし、ラウールの暴行は度を超しており、見かねたバーナムはラウールを殴りつけ、階下に運ぶ。それを監視映像で観ていたメグは、娘に投与しなければならないインシュリンを確保するため、パニック・ルームから抜け出る。
しかし、バーナムは一計を案じていた。彼が階下に運んでいたのは、ラウールではなくスティーブンだった。パニック・ルームの外に横たわっていたのは、殴られたスティーブンに見せかけたラウールだったのだ。
こうしてバーナムはパニック・ルームへの潜入に成功する。そこにはインシュリンが切れて倒れているサラがいた。メグは何とか薬をパニック・ルームに放り込み、ラウールとの乱闘のすきに奪った銃を手にすると、娘に薬を投与しろ、とバーナムに命令。バーナムはサラに薬を注射する。
バーナムは金庫破りに成功し、多額の債券を手に入れ、サラを人質にして家を後にしようとするが、そこには、銃を構えていすに座ったスティーブンがいた。彼らが躊躇したすきに、巨大なハンマーを持ったメグが襲いかかり、ラウールを階下にたたき落とす。
バーナムはそのすきに戸外に逃げるが、ラウールは階下から上がってくるとメグを投げ飛ばし、スティーブンをハンマーで殴り殺そうとする。もはや絶体絶命というとき、銃声が鳴り響いた。銃を持ったバーナムが戻ってきたのだった。
バーナムは再び逃走しようとするが、警察が駆け込み、バーナムの野望もまた打ち砕かれるのだった。

さすがは「セブン」の監督。ハラハラドキドキ感はなかなかのもの。ジョディ・フォスターの豊かな胸の谷間もちょっとした見所かも。娘役のクリステン・スチュワートは、「トワイライト~初恋~」で人気の出た女優。悪者になりきれない強盗、バーナムを演じたフォレスト・ウィテカーは、「プラトーン」や「ハスラー2」、「フォーン・ブース」など、多くの作品に出演している。個性的な風貌で、好きな俳優だ。

【5段階評価】4

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2012年11月15日 (木)

(880) ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌

【監督】ジョン・ウー
【出演】チョウ・ユンファ、トニー・レオン、テレサ・モウ
【制作】1992年、香港

ジョン・ウー監督のハードボイルド・アクション。って、タイトルに「ハード・ボイルド」ってつけちゃってるんだから、ハード・ボイルドなわけだが。

刑事のテキーラ(チョウ・ユンファ)は、捜査中の組織の殺し屋(國村隼)に相棒を殺される。
彼は、武器密売組織への潜入捜査をしているトニー(トニー・レオン)と、職場の元恋人、テレサ(テレサ・モウ)を守るため、命をかけて敵と戦う。

火薬の量が半端ではない。この撮影技術はすごい。
とはいえ、電線の火花が散っては爆発、銃を撃っては爆発。爆発しすぎ。これだけすごいと逆に眠くなるというのも、ある意味では発見である。
評価2にしてもいいぐらいだったが、撮影技術に敬意を表して1点プラス。若かりし日の國村隼が観られるのも、見所かもしれない。

【5段階評価】3

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2012年11月14日 (水)

(879) わたし出すわ

【監督】森田芳光
【出演】小雪、井坂俊哉、黒谷友香、小池栄子
【制作】2009年、日本

高校時代の同級生におしみなく大金を渡す女性の物語。

主人公は山吹摩耶(小雪)。市電の運転手をしている高校時代の同級生の道上(井坂俊哉)に再会した摩耶は、世界の市電を巡りたいという彼の夢を聞き、そのお金を出す。摩耶は同級生達に次々と大金を渡し始める。彼女は、高校時代、自分に向かって、何気ない、でもかけがえのない言葉を贈ってくれた友人達にお返しをしているようだった。
株で大もうけをしたことをうかがわせるが、真相は明らかではない。摩耶は、昏睡状態で寝たきりの母親を看病しており、母親の治療にもまた、彼女は大金を投じている。
彼女の友人で、町随一の美人だったサキ(黒谷友香)もまた、彼女から金塊をもらうが、結局彼女は、詐欺師の男にだまされ、殺されてしまう。
大金があれば、世界を変えられると考えていた摩耶だったが、現実は厳しかった。しかし、やがて彼女の母親は目を覚ますのだった。

最初は、いい人すぎて、ついつい他人の分まで支払っちゃうような、人の頼みを断れない人物を描いたコメディタッチの作品かと思っていたが、なんだか深刻で、謎めいていて、しかもその謎が、大して解決もしないまま終わってしまうという、ある意味では森田芳光監督らしい作品だった。
望外の金を受け取った人間の描き方が、何ともさらっとしているというか、本当なら、何かの人のスイッチが切り替わり、恐れたり、つけあがったり、疑ったり、と、本性が現れてきて、というところをドロドロと描いてもよさそうなのに、そのあたりの描写は希薄で、監督はどこに注目していたのか、よく分からない。途中で登場する謎の男(仲村トオル)も、ストーリー上も、演出上も、役割がよくわからなかった。
しかし、こういう訳の分からない映画でも、小雪の演技はとても自然で、さすがプロだなと感じた。あと、主題歌(辻詩音「ほしいもの」)はとってもいい。

【5段階評価】2

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2012年11月10日 (土)

(878) ジュラシック・パークIII

【監督】ジョー・ジョンストン
【出演】サム・ニール、ウィリアム・H・メイシー、ティア・レオーニ
【制作】2001年、アメリカ

「ジュラシック・パーク」シリーズ第3作。第1作の主人公、グラント博士が再び恐竜の島に訪れる。

ジュラシック・パークの経験者、グラント博士(サム・ニール)は、恐竜を復活させる人間の行為には反対だったが、世間は彼の学説よりも、体験談に好奇の目を向けていた。
あるとき、富豪と称するポール・カービー(ウィリアム・H・メイシー)が、妻のアマンダ(ティア・レオーニ)を連れてグラント博士を訪ね、島を眺める飛行ツアーのガイドを依頼する。研究資金の援助ということばに釣られて彼は引き受け、助手のビリー・ブレナン(アレッサンドロ・ニボラ)を連れて飛行機に乗り込む。しかし、ポールの話は嘘っぱちだった。彼は、パラセーリングの事故のために島で遭難した息子のエリック(トレバー・モーガン)を探すため、別れた妻とともに富豪のふりをしていたのだ。
飛行機は島に着陸するが、彼らを出迎えたのは、1作目、2作目で大暴れしたティラノサウルス以上の凶悪な恐竜、スピノサウルスだった。飛行機は完全に破壊され、ポールの雇った男が一人、犠牲となる。
彼らは何とか島を脱出しようとするが、グラントは仲間と離れたところをベロキラプトルの群れに襲われる。絶体絶命の彼を救ったのは、ガス手榴弾を手にしたエリックだった。グラントとエリックはポール達と再会するが、彼らはベロキラプトルに追われ続ける。原因は、ビリーがベロキラプトルの卵を盗んだためだった。グラントはベロキラプトルに卵を返さなければ襲われてしまうと考える。
グラント達は、川に沿って海に出ようとするが、プテラノドンの飼育地に迷い込んでしまう。ビリーは、襲われたエリックを救おうとするが、川に転落し、プテラノドンに襲われて流されてしまう。
グラントは、家族の絆を取り戻したカービー一家と川を下る。そこに再びスピノサウルスが現れる。グラントは恐竜の糞から取り戻した衛星電話で、親友のサトラー(ローラ・ダーン)に連絡を入れるが、スピノサウルスの襲撃により、水中に沈んでしまう。カービー一家も絶体絶命となるが、辛くも水中から脱したポールが近くにあったクレーンによじ登り、命がけでスピノサウルスの注意を引きつけ、家族を助ける。
何とか海岸にたどり着いた彼らは、サトラーの手配によって到着した軍隊にようやく救助され、奇跡的に助かったビリーと再会するのだった。

恐竜が単なる暴れ者ではなく、高い知能を持った存在として描かれている点は、これまでと共通。本作では、ベロキラプトルの集団行動の巧みさがクローズアップされ、「プレデターズ」のプレデターのように、襲った人間を虫の息にしてわざと目に着くところに横たわらせ、助けに行こうとした人を捉えようとするシーンが描かれる。その作戦がすんでのところで失敗すると、ベロキラプトルは用済みとなったおとりの首を、くちばしのようなあごでへし折ってしまう。
人間のような狡猾さを演出したシーンだが、残念ながらこれはやりすぎだった。むしろ、がまんしきれなくなって食らいついて食べてしまうほうが、高度な知能の中に貪欲な野生が同居している怖さを表現でき、よりリアルだったように思う。このベロキラプトルの人間くさすぎる行動の演出によって、これまで絶妙なバランスで虚構と現実の中間に位置していた本シリーズが、一気にフィクションの方に振れてしまい、CGを使ったふつうの特撮映画となってしまった気がする。それでも十分面白いのだが、「ロスト・ワールド」に比べるとどうしても見劣りしてしまうので、評価は4。

【5段階評価】4

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2012年11月 9日 (金)

(877) ゆれる

【監督】西川美和
【出演】オダギリジョー、香川照之、真木よう子
【制作】2006年、日本

幼なじみの女性の死。兄による殺人か、それとも事故か。揺れ動く男の心理を描いた作品。

東京でカメラマンをしている猛(オダギリジョー)は、母の法事で帰省し、兄の稔(香川照之)と再会。彼はガソリンスタンドのしがない店長で、そこでは幼なじみの智恵子(真木よう子)が働いていた。猛は、かつて智恵子と付き合っており、久しぶりに智恵子と会った猛は、兄に内緒で智恵子と肉体関係を持つ。
翌日、幼い頃に行った山奥の吊り橋に出かける3人。猛は一人で吊り橋を渡り、智恵子が後を追うが、高所恐怖症の稔は智恵子にしがみつくように後を着いてくる。
智恵子は猛との直前の口論もあって気持ちがささくれ立っていたためか、つい稔に「触んないでよ! 」と声を荒げてしまう。驚く稔。そしてその後、智恵子は吊り橋から落下してしまう。
遠くからそれを眺めていた猛は稔のもとにかけよる。自分がやったとつぶやく稔だったが、猛は兄をかばい、警察にも何も見なかったと告げる。
しかし稔は、自分がやったと警察で自供してしまい、事件は裁判となる。猛は自分の金で、伯父の早川修(蟹江敬三)に弁護を依頼する。
当初は、智恵子に声を荒げられた稔が、怒って智恵子を突き飛ばし、吊り橋から落としたかと思われた。しかし稔は、自分は助け起こそうと手を伸ばしたのであって、殺意はなかったと証言。検察官の丸尾(木村祐一)は、執拗に稔の犯行だと証明しようとするが、早川の弁護が奏功し、あとは猛が稔の心証をよくする証言をすれば、無罪となりそうな展開となる。しかし、猛の心は揺れ動いていた。彼は証言台で、「自分は兄が智恵子を突き落としたのを見た」と証言し、稔は有罪となる。
猛は、兄の服役中、亡くなった母親が取りためていたフィルム映像を見る。そこには、幼い頃の猛と稔が映っており、倒れた猛に優しく手をさしのべる稔の姿があった。猛は、やはり兄は智恵子を助け起こそうとしていたのだということを悟り、号泣する。
稔の出所の日。合わす顔がないと思っていた猛だったが、旧友に促され、兄を迎えに行く。猛は、バスに乗ろうとしている稔を見つけ、「お兄ちゃん、一緒に帰ろう! 」と叫ぶ。猛はそれに気付くと、優しい微笑みを返すのだった。

なかなか見応えのある作品だった。一コマ一コマの切り取られ方が巧みで、いろいろな賞を獲っているのも頷ける。
オダギリジョーや香川照之、真木よう子の芝居は圧巻だったが、それに比べると、検察官役の木村祐一の台詞がどうにも棒読みに聞こえ、見劣りがしてしまっていたのが残念だった。
ちなみに、タイトルと真木よう子のおっぱいは、特に関係がないようだ。

【5段階評価】4

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2012年11月 7日 (水)

(876) プレデターズ

【監督】ニムロッド・アーントル
【出演】エイドリアン・ブロディ、アリシー・ブラガ、トファー・グレイス
【制作】2010年、アメリカ

プレデター」、「プレデター2」に次ぐシリーズ第3作。別の惑星に送り込まれた人々がプレデターと死闘を繰り広げる。

傭兵のロイス(エイドリアン・ブロディ)は、なぜか空中を落下していた。あわててパラシュートを開いて着地すると、そこはジャングルで、同じような人間が数人いた。彼らはみな、殺しのプロだった。ロイスは自分たちがどこにいるのかを確かめるため、高台に登る。空には、明らかに地球での眺めとは異なる、複数の星が浮かんでいた。彼らは何者かに、地球とは別の惑星に送り込まれたのだ。
その後、彼らは猟犬のようなモンスターに襲われる。それらは飼い慣らされているようで、何者かの命令により退却する。ロイスは、自分たちが狩りの対象になっていることに気付く。この最初の戦闘で、クッチーロ(ダニー・トレホ)が犠牲となる。
ロイスは敵の正体を確かめるため、あえて敵のアジトに踏み込む。彼らはそこで、縛り付けられているプレデターと、高度な戦闘武器を持ち、姿を透明にする能力を持った複数のプレデターを確認する。しかし、プレデターの攻撃により、モンバサ(マハーシャラルハズバズ・アリ)の命が奪われる。
どうやらこの惑星では、獲物となる生物を数体のプレデターが狩るという行為が繰り返されているようだった。ロイスたちは、そこで、何シーズンも生き延びてきたノーランド(ローレンス・フィッシュバーン)に遭遇する。彼はロイスたちを自分のすみかに案内するが、彼の狙いはロイス達の持つ武器だった。ノーランドはロイス達を安心させておいた上で部屋に閉じ込め、毒ガスでいぶし殺そうとする。ロイス達は必死で脱出するが、その騒ぎにプレデターが気づき、ノーランドは殺されてしまう。ロイス達はなんとかその場から逃げ出すが、ニコライ(オレッグ・タクタロフ)は、逃げ遅れた医者のエドウィン(トファー・グレイス)をかばい、プレデターに捉えられる。しかし彼は自爆し、プレデターを倒す。
プレデターを倒したことを喜んだのもつかの間、連続殺人犯のスタンズ(ウォルトン・ゴギンズ)が、別のプレデターの強烈な銃弾を浴びて吹っ飛ばされる。たじろぐロイス達に迫るプレデターにスタンズがとびかかり、持っていたナイフでプレデターを滅多刺しにする。スタンズは、最後の力を振り絞って他の仲間に逃げろと伝えるが、プレデターは彼の体から脊髄と頭蓋骨を一気にむしり取り、雄叫びを上げる。
彼らを追うプレデターを、日本のやくざ、ハンゾー(ルイス・オザワ・チャンチェン)が迎え撃つ。日本刀を身構えるハンゾーに、プレデターも飛び道具を用いず手に仕込んだブレードで応える。ハンゾーもまたプレデターと差し違え、命を落とす。
ロイスは、縛り付けられていたプレデターを味方に付けて惑星を脱出しようと考える。しかし、エドウィンが足を罠に取られて負傷してしまう。ロイスは彼を見捨てて先を急ごうとするが、女性兵士のイザベル(アリシー・ブラガ)は彼を助けようとする。しかし、人畜無害に見えたエドウィンは、実は狂気の殺人魔だった。彼は麻痺する毒を仕込んだメスでイザベルを切りつけ、自分だけ助かろうとする。しかし、戻ってきたロイスがイザベルを救い出し、エドウィンに爆弾をくくりつけ、おとりにする。ロイスは、熱源で敵を感知するプレデターに対峙するため、戦いの場所を火の海にし、駆け回って四方八方から攻撃をするという作戦に出る。最後は渾身の力でプレデターの首を切り落とす。
イザベルと二人、つかの間の休息をとるロイスだったが、空からは新たな獲物とプレデターが降りてくる。二人は手を取り合って密林の奥に消えていくのだった。

1作目の主演はシュワちゃん、2作目は「リーサル・ウェポン」のダニー・グローバー。本作は「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディが主演で、「コン・エアー」のダニー・トレホ、「シャンハイ・ヌーン」のウォルトン・ゴギンズ、「マトリックス」のローレンス・フィッシュバーンといった名脇役が脇を固める。よく見る俳優が次々出てくるのは楽しい。
特撮のできもよく、ノーランドの下りはちょっとよく分からない面もあったけれど、楽しめる作品だった。このシリーズ、続編にあまり外れがない。

【5段階評価】4

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2012年11月 3日 (土)

(875) 勝利への脱出

【監督】ジョン・ヒューストン
【出演】シルベスター・スタローン、マイケル・ケイン、マックス・フォン・シドー
【制作】1981年、アメリカ

第二次世界大戦下で行われたドイツチームと捕虜の混成チームとのサッカー対戦を描いた作品。「大脱走」と同様、脱走が大きなテーマとなっており、テーマ曲も似ている。

ドイツ軍の将校、フォン・シュタイナー(マックス・フォン・シドー)は、捕虜がサッカーに打ち興じる姿を見て、士気高揚のため、ドイツ軍と連合軍のサッカー試合を行うことを思いつく。
元サッカー選手の捕虜、コルビー(マイケル・ケイン)がキャプテン兼監督となり、チームの指導を開始。サッカーの実力に乏しいハッチ(シルベスター・スタローン)は、トレーナーの名目でチームに紛れ込むが、彼はパリで行われる試合を利用した脱走計画を成功させるという使命を負っていた。
仲間の協力で収容所を脱走した彼は、外部のレジスタンス組織と接触し、収容所に戻るが、彼は独房に入れられてしまう。コルビーは脱走情報を得るため、ドイツ軍に「ハッチはトレーナーではなく、骨折したゴールキーパーの代わりに入る選手だ」と主張。コルビーは正キーパーの腕をベッド上で踏みつけて折り、ハッチをチームに引き入れる。
試合の日、国の威信を賭けるドイツ側は、ドイツチームに有利な判定をする審判を送り込み、選手もラフプレーを連発。前半戦は1-4となる。
連合軍チームがロッカールームに戻ったとき、レジスタンス組織が下水道につながる脱走ルートを確保。ハッチはみんなを率いて逃げだそうとするが、チームメイト達は、このままでは引き下がれないと試合の続行を決意。ハッチも試合に臨む。
彼らの熱意と観客の大歓声により、チームは得点を重ねる。そしてハッチが相手のペナルティキックを止めて試合が終了した瞬間、興奮が頂点に達した観客がピッチになだれ込み、チームメンバーは市民に紛れて場外に出てしまう。
彼らのプレーに感動を覚えたフォン・シュタイナーは、ひとり苦笑いしながら観客席で彼らを見送るのだった。

ペレをはじめとするプロサッカー選手たちが、選手役で登場。バイシクルシュートなどの名シーンは本格的。脱走より名誉ある勝利を優先した選手達が、結果的に感動した観客達によって選手とばれないよう上着を羽織らされ、脱走にも成功してしまうというエンディングが素晴らしい。「大脱走」が脱走に失敗する話であるのに比べると、痛快だ。

【5段階評価】4

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2012年11月 2日 (金)

(874) もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら

【監督】田中誠
【出演】前田敦子、瀬戸康史、大泉洋
【制作】2011年、日本

萌え系女子高生が表紙を飾るビジネス本ということで、けっこう売れた岩崎夏海原作小説の映画化作品。

女子高生の川島みなみ(前田敦子)は、親友で入院中の宮田夕紀(川口春奈)の代わりに、野球部マネージャーになる。本屋でマネージャーになるための本を探すが、店員(石塚英彦)が進めたのは、ドラッカーの「マネジメント」。しかし彼女はその本をもとに、弱小で覇気のない部員のやる気を高めていく。夕紀が亡くなるというつらい体験を乗り越え、野球部はついに甲子園出場を果たす。

比較的、原作に忠実に映画化されており、序盤はわりと丁寧にドラッカーの言葉が紹介されるのだが、終盤は、ハライチ的にいうと、「マネジメント関係なくなっちゃったっ! 」という感じ。クライマックスでの、チームの逆転が必要な場面では、みなみはただ傍観しているだけになっている。
ただ、中盤の、「フォアボールを出したくて出す投手なんていない」と監督(大泉洋)が部員を諭すシーンはよかったし、ほどよくまとまっている作品だった。

【5段階評価】3

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2012年11月 1日 (木)

(873) ニルスのふしぎな旅

【監督】鳥海永行
【出演】小山茉美(声)、山崎唯(声)、寺島信子(声)
【制作】1982年、日本

テレビアニメの劇場版。しかし実際には劇場公開されておらず、幻の映画となっている。

いたずら少年のニルス(小山茉美)は、妖精をいじめた罰として体を小さくされてしまうが、同時に動物の言葉を理解できるようになる。ニルスは家で飼っていたガチョウのモルテン(安原義人)と、ペットのハムスター、キャロット(山崎唯)とともに、渡り鳥のガンの群れと一緒に旅に出る。
きつねのレックス(富山敬)に襲われたり、人間に捕まったり、町を見守るため、夜中に歩き回るカール11世の銅像の体験をしながら、もといた村に戻る。
両親との再会を願うニルスだったが、ガンの群れのアッカ隊長(寺島信子)が妖精に話を聞いたところ、元の姿に戻るためには、一番仲のよいガチョウの命が必要だという。それを聞いたニルスは、悩んだ挙げ句、もとの姿のままでいることを決意する。
ニルスの両親は、貧困のため、戻ってきたモルテンをつかまえて肉にしようとする。それを止めようと必死になったニルスは、いつのまにか妖精の魔法がとけ、もとの姿に戻る。ニルスはそのことをアッカ隊長に報告に向かうが、すでにニルスは動物の言葉が理解できなくなっていたのだった。

52話からなる長大なテレビシリーズをコンパクトに見られるのはお得。ごちゃまぜ感はあるが、「未来少年コナン」ほどツギハギ感はひどくない。
ただ、もとの姿にもどるのがモルテンの命と引き替えというのは、おとぎ話としてはわかりやすいものの、必然性がなさすぎた。
「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」や「イノセンス」などで知られる押井守が、絵コンテを担当しており、本作の監督的存在だったようだ。

【5段階評価】3

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