(879) わたし出すわ
【監督】森田芳光
【出演】小雪、井坂俊哉、黒谷友香、小池栄子
【制作】2009年、日本
高校時代の同級生におしみなく大金を渡す女性の物語。
主人公は山吹摩耶(小雪)。市電の運転手をしている高校時代の同級生の道上(井坂俊哉)に再会した摩耶は、世界の市電を巡りたいという彼の夢を聞き、そのお金を出す。摩耶は同級生達に次々と大金を渡し始める。彼女は、高校時代、自分に向かって、何気ない、でもかけがえのない言葉を贈ってくれた友人達にお返しをしているようだった。株で大もうけをしたことをうかがわせるが、真相は明らかではない。摩耶は、昏睡状態で寝たきりの母親を看病しており、母親の治療にもまた、彼女は大金を投じている。
彼女の友人で、町随一の美人だったサキ(黒谷友香)もまた、彼女から金塊をもらうが、結局彼女は、詐欺師の男にだまされ、殺されてしまう。大金があれば、世界を変えられると考えていた摩耶だったが、現実は厳しかった。しかし、やがて彼女の母親は目を覚ますのだった。
最初は、いい人すぎて、ついつい他人の分まで支払っちゃうような、人の頼みを断れない人物を描いたコメディタッチの作品かと思っていたが、なんだか深刻で、謎めいていて、しかもその謎が、大して解決もしないまま終わってしまうという、ある意味では森田芳光監督らしい作品だった。
望外の金を受け取った人間の描き方が、何ともさらっとしているというか、本当なら、何かの人のスイッチが切り替わり、恐れたり、つけあがったり、疑ったり、と、本性が現れてきて、というところをドロドロと描いてもよさそうなのに、そのあたりの描写は希薄で、監督はどこに注目していたのか、よく分からない。途中で登場する謎の男(仲村トオル)も、ストーリー上も、演出上も、役割がよくわからなかった。
しかし、こういう訳の分からない映画でも、小雪の演技はとても自然で、さすがプロだなと感じた。あと、主題歌(辻詩音「ほしいもの」)はとってもいい。
【5段階評価】2
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