(850) パール・ハーバー
【監督】マイケル・ベイ
【出演】ベン・アフレック、ケイト・ベッキンセール、ジョシュ・ハートネット
【制作】2001年、アメリカ
日本軍の真珠湾攻撃と、それを端緒とする第二次世界大戦に巻き込まれるアメリカの若者たちを描いた作品。
オープニングは戦闘機のパイロットに憧れる少年二人。親友であるこの二人が、いずれ好敵手となるというフラグが立ちまくりで、マイケル・ベイ監督らしい分かりやすい展開だが、この時点で、「うわー、ベタやなぁ」と胸くそ悪くなる人も出そうである。
成長した二人はパイロットとなる。レイフ(ベン・アフレック)はやがて、看護師のイブリン(ケイト・ベッキンセール)と恋に落ちるが、イギリス軍からの招聘によりアメリカを離れ、一方のダニー(ジョシュ・ハートネット)は、イブリンと同じハワイの勤務となる。
レイフは戦闘中に敵機に撃墜され、アメリカにはレイフが死んだとの知らせが届く。悲しむイブリンを慰めたのはダニーだった。イブリンがダニーの子を身ごもったことに気付いたとき、レイフが帰ってくる。ドイツ占領下のフランスの漁民に助けられたのだった。
レイフはイブリンとの再会を喜ぶが、イブリンは素直に喜べない。レイフは、ダニーへの敵意を露わにする。
その頃、着々と真珠湾攻撃の準備を整えていた日本軍が、ついに行動を開始。爆撃に気付いたレイフとダニーは、二人の間のわだかまりをよそに、戦闘機に乗り込み、零戦を撃墜するが、真珠湾は多大な被害を受ける。
アメリカは日本本土への空襲を慣行。レイフとダニーの上司のドゥーリトル(アレック・ボールドウィン)とともに出動。十分な燃料のない彼らは、爆撃後、なんとか中国本土に不時着。彼らは日本軍兵士に襲われ、ダニーは銃弾を浴びてしまう。ダニーが父親になることを知っていたレイフは、そのことをダニーに告げるが、ダニーはお前が父親になれ、と言い残して息を引き取る。
勇敢な戦績を認められたレイフは、イブリンと子どもとともに、幸せな暮らしを送るのだった。
CGを駆使した特撮はよくできていて、真珠湾攻撃のシーンは迫力がある。しかし、「プライベート・ライアン」に比べると、そのリアルさの徹底ぶりには差がある。そこは娯楽性を追求するマイケル・ベイ監督の趣向だと目をつぶるとしても、レイフとダニー、イブリンが織りなす三角関係の終結にもあまり感動がない。
歴史的な大戦を重厚に描くのであれば、やはりリアリティはだいじで、日本軍が屋外で重要な会議をしてみたり、しかもその奥で子どもが遊んでいたり、城址公園の池みたいなところに船の模型を浮かべて作戦会議をしたり。まあその辺はイメージ映像ということだとしても、主人公達が大勢の日本軍に囲まれても手榴弾1個で日本兵が全滅したりするのは、あまりにも助かり方としては安直。
魅力の重点が特撮映像に寄りすぎていて、名作と認めるには物足りなかった。
【5段階評価】3
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